超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

エリーゼのために/BUCK-TICK

2012-05-24 21:49:55 | 音楽






BUCK-TICKのニュー・シングル「エリーゼのために」を買った。






これ、一応シングルって形なんですがライブ盤とPVも付いてて3枚組なんですよね。
しかも相当パッケージに凝ってて、なんか・・・ベスト盤みたいな仕様になってるのが面白くて豪華だな、と。
去年の震災後の仙台ライブのアルバムは約40分、そしてシングルは約12分って考えると
正にアルバム並みのボリュームで大満足のシングルではありました。
おっさんになっても全然格好良いよなあ。なんか飾りとしても使えそうなシングルです。


【そんな歌より ちょっとトベる音で殴ってよ】

散々雑誌等では引用されてるフレーズだと思いますが、
この曲は一種の宣戦布告、決意表明の要素も垣間見れるような攻撃的なシングルになっていて
要は偽善者だとか温いラブソングとかは引っ込んでろよっていう話だと思うんですけど。
それよりも、もっとダークで、リアルで、オルガズムを感じさせる歌をって
そんな逞しいバンド・アンセムに仕上がっていて
それはきっと人が励まされる形は一つじゃないよ、って事だと思うんですよね。
「頑張れ」って言われてシンプルに元気になる人もいれば
「死にたい」って言葉でシンパシーで元気になる人もいるっていう
太陽と闇であれば、闇側の人間の音楽、歌、サウンドそれを突っ切って聴かせてくれるソリッドなロックアンセム
これからのライブでは一つの定番になりそうだと思えるくらい本当にバクチクらしくもある一曲。
最近再評価だったりこのバンドの音楽的なポテンシャルが評価されつつありますが
私もその内の一人として魅せられてしまったシングルでしたね。
the pillowsと同じく
長年やり続けていく内に一つのオーパーツ化してしまった類のバンドだと思うんですが
その圧倒的なオリジナリティ、存在感、この人にしか歌えない歌がめいっぱい楽しめる、
25周年の幕開け的にも相応しいシングルなんじゃないかと。同時にマジョリティに対する牽制もあったりして
その意味でも頼もしさすら覚えるシングル、冒頭のリフの時点でイカされちゃう楽曲でもありますね。
ちなみにこの曲に関して言えばサビよりもAメロの方が好きかもしれません(笑)。
そのくらい言いたい事が詰まってるナンバーに仕上がってますね。

カップリングの「夢見る宇宙」は元々シングル用に作ってたという話もあって
本当にこっちもこっちでシングルっぽい豪華さとキャッチーさが溢れている洗練された一曲
過去の曲で言うと「GALAXY」に近いエッセンスの楽曲だと思うので
あの曲でバクチクに注目し始めた身としては
鉄板的っていうか
過去曲のエッセンスも踏襲してる感じが素晴らしいというか。またこれも雑誌で言われてた通りに
表題曲のテーマとは対になってる印象の沁みるようなミドルバラッドになっていてその相反する感じや
その中に付随する儚さの要素が心地良いこっちもまた渾身の一曲に仕上がってるかな、と。
でもただきれいなだけじゃなくてギターが延々とノイジーに鳴ってるそんなやかましさも好きです。

また昔の「SANE」って楽曲の新バージョンも収録、この曲もまた個性的っていうか
エキゾチックで不穏な空気の流れからサビで一気にポップに変化する
そんな緩急の付け方が見事な楽曲で
聴きやすさも幾分UPされているような、そんな印象もなんとなくですがしましたね。三者三様にユニークで
かつ存在感もインパクトも放ってる新作、ここまで完成された世界観だと文句の付け様もないっていう。
これはライブに行きたくなるわってくらい完成度の高いライブ盤の様子も含めて
第一線で活躍し続けるバクチクの凄さばかりが詰まったシングル
今年のバクチクの勢いを感じるには十二分の音源になったんじゃないでしょうかね。
っていうかバクチクって今更ですが凄い格好良いです。ロックヒーロー的なバンドなんですよね。






結構、このブログで扱っている音楽とは毛色の違うバンドではあるけれど
聴いてるとやっぱり好みとかを超越した凄さを持っているバンドだと確かに感じられる。
同時にそこに込められたアンチ精神を感じると応援せざるを得ませんね。傑作シングルだと思う。