超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 感想

2013-08-31 22:14:15 | アニメ

















京成ローザにて。一応ネタバレ注意。




















あの後のじんたんやつるこ等がどうなったのか?っていうのを一番の興味として観に行ったんですけど
結果的に言えばそこまでの変化はありませんでした
基本的にアニメの最終話から一年後の夏にみんなで再び集まって弔う~っていうコンセプトの内容だったので
まあそこまでの急激な変化はないのかな、と 勿論少しずつ変わってる部分もありましたけどね。

目的としてはもう一度「あの花。」という物語の価値をスクリーンで問う事が一つ、
あとは生まれ変わっても大丈夫なように超平和バスターズの健在と継続を示唆する事だったのかなあ、と。
だから絶対に必見!!っていう程その後が大々的に描かれている訳ではありませんが
「あの花。」の世界観に思いっきり浸るにはうってつけの作品だったと思います
総集編のカットも良いチョイスでしたし
どのキャラにも均等に感情移入出来る作りだったかなー、と
個人的には満足出来た内容でした みんな今でも元気で前を向いてたしね(笑
あの当時夢中になってた人は観に行って損はないとは思います 
最後のめんまの台詞でこの映画を作った意図がはっきりと分かる辺りは流石だなあ、って感じましたね。

ゆきあつとつるこはまだ付き合ってはいないけど、ちょっとずつ素直になりつつある
あなるもいずれ再び告白するつもり、
じんたんはめんまのお陰で人生を楽しめるようになった
そしてぽっぽはガサツそうに見えて一番気配りの効く男として描かれてました
紆余曲折あった超平和バスターズの面々が多少陰を背負いながらもそれぞれに素直に生きている様
そこを描けただけでも価値のある作品だったのかもしれません 不器用なりに頑張ってるんだなあ、って。



各々の心情吐露を交えつつ、それまでの流れを振り返る構成だったんですが
印象に残ったのはゆきあつの女装バレしてからの「大丈夫に見えるか?」って台詞でした
当時はそこまで気にしてなかったんですけど
言われてみれば全然大丈夫に見えないし、その台詞こそが混沌の証明だったんだなと
そういった「動揺」を感じさせるシーンがやたら多いのがドキュメント的な作風に押し上げてたのかなと。

もう一つ、このアニメには終始「劣等感」というテーマが漂っていたように思えて
そこからの脱却だったり突き抜ける事を示唆している
それは潔く玉砕する事だったり押し殺していた感情を解放する事でもう一度ゼロに戻る作業だったり
実際誰もが完全に劣等感から抜け出せた訳ではないけれど、ある種吹っ切る事は出来た
過去を黒歴史化するのは簡単だけれど
そうやっていつまでも見て見ぬ振りをしていちゃ前には進めない
それは幽霊としてやって来ためんまも例外ではなく、彼女もまた自分の所為でバラバラになったみんなを
再び元に戻すという責任を取る為に、ケジメを付ける為に戻って来た。
このアニメは、そう考えると各々の「落とし前」の為のアニメだったのかもしれません。

なんてことを再び総集パートで触れて改めて感じたのでした。



ただ、ゆきあつとつるこはまだしも
じんたんとめんまは一度通じ合ってますから
それを考えるとあなるの想いの結実も難しい気がする
生まれ変わるまで一途に想い続けるか、
それとも大人になって諦めを受け入れて彼女の想いに答えるのか
そこら辺の事情を考えると想像の余地を残して終わったのは正解なのかもしれません
加えてあなるの「めんまを好きなじんたんも好き」って台詞も考慮すると
やっぱりこれはこれで良かったのかもしれない、と
なんとなく思ったのでした。
う~ん深いなあ。

めんまのお嫁さんにして欲しいの好き~って台詞からの一連のシーンはやっぱり素敵で
じんたんとめんまだけの世界で回っているのではなく、あくまで主題は超平和バスターズである、と。
だからこその成仏を選んで生まれ変わって、もう一度みんなに仲間に入れてもらうって選択をした。
そういう風に各々のキャラをしっかりと大切にしてた作品なんだなあって
改めて感じる事が出来たのはとてもプラスでした
スクリーンで久々に触れた「あの花。」の世界観と動揺による傷跡は今も私の中で生きていた
それを確認出来ただけでも私的には凄く良かったですね

美しい「選択」の物語でした。



最後に・・・子供の時のじんたんがめんまには俺達がいる、この場所がある、
そういうニュアンスの言葉でいつだって帰ってこれる場所がある。っていう宣言をするんですが
あれから何年も経った今でも紆余曲折を経てその場所を守り続けている
いつでも再加入出来るように、
超平和バスターズの活動を維持し続けている・・・という事実に気付いて感動しました。
「失ったものなど何一つない」、その言葉通りの着地点には個人的に拍手をしてあげたいですね。
今日も明日も明後日も超平和バスターズは超平和バスターズのまま、
だからどれだけ時間が掛かってもいつだってこの場所に戻ってこれる。
その事実が実は一番の収穫だったのかもしれません。
振り返ってそう思いました。
















なんだろ、こうやってスクリーンでじっくり触れてると
「幼さ」が良い具合に伝わってくるなあと
時には目を伏せたくなってしまったんですが、
それこそがこの作品に絶妙な味を与えてたんだなあ、と気付きました。甘酸っぱさ全開というか(笑)。
総集パートとは言え少し泣きそうになってしまった辺りそういう若いエネルギーに満ちていた作品だったんだって
もう一度あの時の感覚に直に戻れるような、総括するとそんな劇場版だったように思う。

そしてガリレオガリレイのEDが凄く良かったです。
心地良い余韻を確かに貰えました。感謝。




週刊少年チャンピオン 2013年39号 感想

2013-08-29 22:22:09 | 漫画(雑誌感想)


















◆あまねあたためる

新キャラが登場して終わりか・・・
当然の如く終わった感のないラストだったんだけど
まあ本人的にも本当は続ける気だった、だけど色々あって~って感じだったのかなあ。

初回の始まり方が自殺しようとしてる人をあまねが間接的に助ける、といった内容だっただけに
それを描いた本人が自殺してしまったら説得力も何もなくなっちゃう訳だけど
この漫画を読んで笑ったりキャラの可愛さにほっこり出来た事実はきっといつまでも残ると思います
でもまあ、一読者としては最後まで生きる喜びを貫き通して欲しかったよね。
それはこの漫画を読んで影響を受けた者の役割なのかもしれない。



◆泳げ!ひなのちゃん

来週で終了。
グッと来る回も多々あっただけにもったいないけど
泳いでる時の顔がブサイクに見えるのが(リアル的に)利点であり致命的だったのか。
まあそれはどうでもいいとしても確かに独特のテンションの漫画だったからな。
私の応援も遅すぎたし、仕方がない。
せめて今は最後の決着を楽しみにしています。

「泳げ!私っ!!」の見開きがとても好き。このガムシャラ感が素敵でした。



◆3LDKの花子さん

もうラブコメにしちゃいなYO!
・・・と思いつつ変態神のぶっとんだ思考にはちょっと笑った。超理論過ぎる。



◆バチバチBURST

スマートにこなすだけが人間じゃないですからね。
本当に格好良いものは傍目からみて必死な人間に宿るものだと思っています。



◆侵略!イカ娘

「気持ち良さそうだから田んぼに入った」ってもはや変人の域だろ・・・(笑
そしてオチがやたら気になるんですけど、今後の複線なのだろうか?
微妙にホラーちっくなお話でした。











新連載のウチコミ、複線も丁寧で割と良い感じで読めた
何よりもヒロインがやたら可愛いんですけど、そっち系の漫画を描いてもイケそうだな~、と。
取り合えずヒロインと主人公の関係性がどうなっていくかはとても気になりました。
それにしても偽乳ヒロインって(笑)。




マンけん。 1巻/加瀬大輝

2013-08-28 02:00:36 | 漫画(新作)















雑誌で表紙になってたのを見かけてなんとなく購入。漫画家漫画ですね。















主人公の倖は天才系と言えば天才系なんですけど、
その力でどんどん無双していく・・・っていうよりは元々の純粋な気持ちを取り戻していく方向性だったり
自分の疎い分野に触れて知識を蓄えたり、現状に甘えずどんどんと上を目指す姿勢だったりと
ある程度才能を見せ付けながらもそれだけじゃない切り口からも描かれてるので
飽きずに読めますし
様々なテーマ性が垣間見れて面白いです
こういう非情な天才女子が主人公の漫画というのも珍しいですが
その冷徹なキャラ性を貫き通したまま他のキャラの純粋さに心動かされる展開が実にイイですね
非情に思えて非情になりきれない根底に眠ってる優しさに心打たれるというか・・・。
こういうキャラが主人公っていうのは結構チャレンジングだと思ったんですけど
上昇志向が高い性格から熱血要素も生まれてますし、
倖のようなキャラが優しさや情を見せる事でさり気に好感度が上がりやすい構成にもなっている
まずは倖の主人公としてのポテンシャルと物語を引っ張っていけるエネルギーに魅了された、っていうのが
初めに抱いた印象ですかね
不慣れな分野(ゲーム)にも頑張って挑んでいたり、
冷静に徹してるようでも根は熱い人物だなあっていうのが伝わって来るのが絶妙でしたね
1巻の時点ではまだまだ非情な一面も残ってますが、そんな彼女がどう変化していくのかに期待です
純粋さを失念しているように思える彼女がマン研と出会ってどんどんと成長していく過程を楽しみたいですね。

1話の下手ながらも頑張って漫画を描いてるアリスを全力で庇ったシーンも良かったんですが
6話の甘い考えで漫画家になろうとしているアリスを突き放したシーンとその後のフォローはもっと良かった
突き放しのシーンは一見冷徹に見えますけど
その前にアリスの甘ちゃん過ぎる考えを描いているからこそ
多少キツくてもそれがアリスにとっては正解なんじゃないかな、と思える
だけど、そのキツさを多少気にしてアリスを気に掛けてしまう倖の心情、
これによってキツさ自体も感情移入に効果的に働いてくれる
その完璧に近いネームの流れは個人的に最高でした
ただ突き放すだけじゃなく突き放した分後に教授してくれたり何だかんだ言って凄い良い人ですよね、倖って。
そんな倖のキャラクター性と無邪気に純粋に彼女を慕って生きてるアリスの可愛さに魅せられた6話
倖は更なる躍進を遂げられるのか、アリスの漫画家志望としての顛末はどうなるのか?と
初めに大きな最終目標、展望を提示されるのも読んでてワクワクして来ます
単行本は4巻まで出てますが続巻を読むのも楽しみですね
取り合えず1巻はキャラ良し、展開良し、お話も適度に熱くなれる・・・と中々のクオリティだったかなと
非常識だけど水面下では優しさいっぱいの部長に関してのエピソードもまた好感触でした
青春部活モノとしても中々に面白い私的には結構にツボな一作でしたね。


また、絵柄は非常に可愛く画力も達者と絵的にも実に良い感じです
でもただ単に上手いだけじゃなくてキャラがワクワクしてる時の表情は
技術以上に理屈じゃない楽しさが伝わって来る印象で
そういうメリハリに関しても優れているなあ、と
小奇麗なだけの絵ではなく時には迫力満点の作画が観れたり時にはガムシャラな場面も観れたりと
そういった観点から考えても魅力的で読んでいて気持ちが良い作画に仕上がってるかな、と。
キャラの成長だったり関わりによる変化も読んでいて楽しい上に
加えて作画的にも見所満載と
隙がなく、それでいて突き抜けた情熱の表現も印象に残る作品になっています
主人公は基本天才系でその上で冷徹・非情という属性を持っているキャラクターですが
その割には読んでて熱い、温かい気持ちになれるシーンが多いのでその点でも個人的に推しですね
むしろ普段冷徹だからこそ時折垣間見せる純粋さに感情移入してしまうんでしょうね
個性的で奥が深いキャラが勢揃いしている漫画家漫画の1巻目
抜群の滑り出しだったと思います
2巻目以降を読んでいくのもまた楽しみですね。

この漫画のテーマ性としてはいつの間にか忘れていた初心だったり純粋さを取り戻す、というのがあるかと
完璧に拘りすぎて実質的に孤立していた倖が「仲間達」と出会って変化する様だったり
技術やソツのなさに捉われすぎて楽しく描く事を失念していた倖、
そんな彼女がアリスの様子を見て感化されていく様だったり
そういう風に倖の行く末や得るべきものが最初から示唆されてるので読みやすい節はあるかも
例えそれが醜く、滑稽に思えてもそこには何よりも大事なものが眠っていたりする
それに気付かせてくれる内容と作風になってるのも好みでした
自分が自分が、だけじゃなく他人の思想や未知の領域に触れることで得られるものも描いていたり
想像していたよりも大分多面的な作りになっていたのも嬉しかったポイントですね
割とそうやって読み手に投げかけるものも多い漫画だったように思う
主人公の倖だけが変化していくんじゃなくて倖によって変化していく人物がいるのもいいな、と
お互いに変化を与える関係、っていうのが一方的じゃなくて読んでて気持ち良いなって。













時には少年漫画に近いテンションのお話もあったりと
美少女の漫画家漫画という前情報だけでは判断出来ない多角的面白さがある作品
コメディセンスも高いのでこれ一作で色々な方向性を補えるようなオールマイティさも感じます。
だけど、一番はやっぱり高い向上心と柔軟な変化、優しさも垣間見せる倖のキャラ性が気に入りました。
続巻もチェックします。





(アニメ)私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 第8話「モテないし、見栄をはる」 感想 

2013-08-27 03:04:40 | アニメ

















今週観ていて改めて思ったんですが凄い性質のアニメだなと
何が凄いって全部のエピソードがもこっちを下げる為に作られてる、って事なんです
普通はキャラの好感度を上げる為にエピソードを組み立てていくもんなんですが
この作品に関しては間逆、
なのに不快な気分にならないのが更に凄いなあ、って個人的に感じます(笑)。

その理由を自分の中で考えてみたところ、単純にもこっちが「可哀想な人」だからなんだと
虚勢張ってガキ相手に無茶苦茶して客観的に考えたら卑怯な人物ですけど
根っから・・・というよりは
全てきーちゃん相手に良い顔したい、彼女に憧れられたい、姉としての威厳を保ちたい、っていう
ちっぽけなプライドから来たものでそれこそがこの物語に絶妙なリアリティを生んでるなあ、と
ある意味切実だしそうやって墓穴掘るのもまた人間くさくて観ていて心配になってしまう
それ即ちきーちゃん=視聴者、という構図にも繋がる訳で
もこっちが観ていて「大丈夫か?」って思ってしまう人物だからこそ生暖かい目で観てしまう節はあって
どんだけ株が下がっても憎めない、頑張って欲しいと思える主人公である理由が示されてた回だったかな、と。
・・・にしても「やりまくり」ってステイタスになるのかな(笑)。


個人的に待望していたきーちゃん回でしたが、うん、概ね良かったと思います
出だしの部分とかはオリジナルですけど終わりと比較してみるとその変化の度合いが凄すぎる(笑
純粋にもこっちを慕っていたきーちゃんが失望するほどのショックを与えてしまいましたが
最終的にはあまりにも残念過ぎてむしろ憐れみの目に変わってしまう、という
その顛末がアニメで観ても実に見事でした
なんつーか・・・これが本当の下克上ですな(笑
この後目線以外でも完全に立場が変わってしまうのですが、そこまでは今シリーズではやらないかな?
もこっちの自滅が殆どを占めていた8話でしたが、一応彼女なりに姉として尊敬されようと頑張ってはいました
その手段は最悪に近いものでしたが、その「気持ち」だけは伝わってたみたいなのが救いでした。

まああれだ、きーちゃん的には全力土下座に対するショックは大きかっただろうけど(笑
その後のリアクションはアニメで観てもやっぱり最高でした
案外もこっちの妄想も間違ってなかった、という。
同時に妙に切なくなるお話でもありましたが、そういう「毒」「傷」「痛み」も含めてこの作品が好きですね。
観ていて「大丈夫か?」って思ってしまうもこっちの言動を生暖かく見守るのが癖になるアニメです。










先週の話もかなり出来良かったと思う
なんというか・・・何も出来ないまま無作為に過ぎていってしまう日々の空しさ、恐怖を形に出来てた。
そこそこ悪くて、そこそこ良い人で、そこそこの日常を過ごし、そこそこで終わっていく。
そんな満たされない日々の中でのほんのちょっとの喜びの表現が好きです。