あさのゆきこ「夕焼けロケットペンシル」全3巻読了。完結したので「旧作」のカテゴリーで書きます。
これは・・・正直名作とか傑作とか
そういう形容をしても全然いい気がする。なんといっても
登場人物全員に感情移入出来るっていうか・・・ここまでの作品は早々ないですよ。
親しみやすい絵柄に
適度に刺激のあるストーリー、人間関係の妙と面白い要素てんこ盛りで
しかも全3巻と手短にまとまってるから手も出し易いコストパフォーマンスも良い・・・って事で
相当オススメしたい漫画なんですけど、人を選ばない感じもするしなんならドラマになっても良いレベルですけど。
途中泣きそうになったシーンもあったりして
デビュー作でこれだけのものを描けるとは次の作品も楽しみですな。
笑い有り可愛さあり感動あり、薀蓄もあったり、様々な視点から楽しませてもらいました。
一気読みするのにも向いてるかもしれません。引きが上手いタイプの漫画なので。
特に2巻の最後は読みきり飛ばして次に向かったくらい(笑)。
そのくらい無駄の無い漫画ですねえ。
終わるべき時にきっぱり終われるセンスは中々出来ないので、それもまたお気に入りポイントだったり。
文房具屋のお話なんですが
実在するマニアックな文房具が多数出てきて、その点でも面白かったり
経営のノウハウなんかもちょこちょこ出てきたり
町の小さな~って感じなので
自然にハートフル方面に持っていきやすかったり、でも時折ヘビーな展開もあったり
主人公のサトミちゃんは可愛いしで(笑)。
恋愛方面も押さえていて
過不足無いな、っていうか絵柄も前述の通り親しみやすい絵柄で誰でも楽しく読めるし・・・
今のマイナーに留まってるのは正直もったいないな、とも思いつつ
隠れた名作として
伝わっていって欲しいな、って気持ちもありつつ。最初から最後までずっと面白かったものなあ。
子供ならではの葛藤も苦悩も努力も全部描かれてて
でも大人の抱える迷いも苦しみも描かれてて。
でも、多少ネタバレかもしれないけど、最後の終わり方は実に爽やかで、なんかもう今すぐに続編希望!とか
大声で言いたいくらいその後を想像してしまう。
むしろ想像させてくれ、と。
特にサトミちゃんは小学生の時点でも美人の片鱗たっぷりなんで、大人になったら凄そうだな、とか
そしたらエビスくんとの関係は・・・?だとか。漫画家のお兄さんがよくフィーチャーされてたけど
個人的にはエビスくんのが好きなんですよね。
普段ツンケンしてるけど、実は・・・っていう。子供時代のエピソードも良かった。
愛さんのエピソードも分かるなあ、っていうタイプのお話で良かったし
まあ要するに臆病者って事なんですけど(笑)。
登場人物が全員存在感ある上に、そんな多方面から良いお話を次々と書かれてるので、読み返すのも楽しいって
そんなタイプの作品にはなっていると思います。表紙から良作の匂いがプンプン漂ってたんですが
思い切って一気買いしてみて本当に良かった!
もし2巻の時点で買ってたら、3巻が気になりすぎてモヤモヤしてたかもしれん(笑)。
今年読んだ漫画の中でも結構に印象深い作品になりそうです。
んで次の作品にも当然期待って感じで。
オマケも賑やかで良いですね。
いや~しかしロケットえんぴつとか
消しゴムを弾いて落とし合うゲームだとか
色々と懐かしいですねえ!
なんかもういちいち子供センサーが反応してしまう感じで・・・
グッと来る場面ばっかの漫画でした。