遊戯(ゆげ)

世の中は、なるようになるわ。
あきらめないで、悠然と生きる事を楽しむ・・・・
それが遊戯(ゆげ)の心です。

降霊会の夜

2012-04-23 | Weblog
浅田次郎作
朝日新聞出版刊

自分の人生を振り返ると、心にわだかまって居ることが少なからず有ります。

ひょんなことから、霊媒師を仲介に 死者と邂逅し、過去の様々ないきさつが

明らかになっていくと言った不思議な展開の物語です。

死者の話から、主人公のひととなりが、だんだん見えてくるのですが、

「ゆうちゃん」は特殊な人ではなく、世の多くの人のひとりです。

深入りしたり情けを掛けたり自分の損になるような事はしない?!

その結果、知らず知らず傷つけていた人がいました。

...................


今で言えば虐待をされていた同級生を通して、戦後の日本の様子や、

生き残りの兵隊の悲惨な運命や、生活の厳しさなどの背景が、

人生を変えた事が見えてきます。

霊媒師を通して 過去の事件の原因が詳らかにされていくのです。

無関心でいたことや、人を無視してきたことや、差別化などが、

人を知らず知らず追いつめていく危険が有ることに愕然とします。

誰でもが,「ゆうちゃん」になりうるのです。



……‥余韻がいつまでも残る本でした。
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