遊戯(ゆげ)

世の中は、なるようになるわ。
あきらめないで、悠然と生きる事を楽しむ・・・・
それが遊戯(ゆげ)の心です。

蒼い岸辺にて、

2017-05-10 | Weblog

朱川 湊人(しゅかわ みなと)作

土曜日の朝8時5分からの
NHKラジオ文芸館

朗読 遠藤 亮


気がつくと、蒼い風景が、広がっていた。
自分ははだしで立っていた。
ふと見ると、船が一艘と、
船頭らしき男が居る。

お前は、自殺したのだ、
自殺した者は、魂ばなれに、
時間がかかるのだ。

そういって、船頭は
『未来ごみ』
を一つづつ捨てていく。
これは、お前が未来に出会う
恋人だ、
これは、お前が書いた本が
賞を取った時のもの、
これは、お前が結婚するはずの男、
これは、子ども・・・・

生きることに絶望した自分に、
こんな未来が
あったなんて

娘は、死ぬのは嫌だ。
もう一度生き返りたいと言った。

船頭は、まだ、間に合うかも知れないと、必死で岸まで船を漕いだ。

やっと、岸に着くと、靴を差し出した。

これは、お前の命を惜しんで集まった家族の思いが作った靴だ。

これを履いて、戻れと。
寿命まで頑張れよ!と。


中学生が、自殺などの記事を見ると、この話を聞かせてあげたくなる。
今が辛くても、ずっと今が続く訳じゃないよと、言いたい。

未来が、あるのだと。

コメント
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