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eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

株安とドル安

2011-08-09 17:25:28 | 読書/新聞/映画など
先週末にスタンダード&プアーズが、アメリカ国債を史上はじめて格下げしたのをうけて、世界の株価が急落しています。

ドルが基軸通貨の位置をうしなうプロセスがはじまっています。2008年のリーマンショックで金融機関の破綻を救うために世界の国家が総力をあげて財政を出動させたときに予想されたとおり、今度は、世界のおもな国家が財政危機に直面しています。

2008年にはじまった100年に一度の経済危機が、かたちをかえて一層深刻になって、もう一度表面化してきたのです。

国家財政の危機は、大量の国債をかかえこんだ金融機関を危機においこみますが、その時には、国家は財政の力で金融機関の破綻を救う力を残していません。

「国債が暴落すれば、国家が破綻する。一銀行の経営を心配しても意味がない」大手銀行役員のことばとして、きょうの朝日新聞がつたえています。無責任な東電の発想とおなじですね。

日本の銀行が保有する日本国債は、4月末に159兆円に達しています。3年前より8割も増えているという。金利が1%あがると、大手中小あわせて、銀行は約6兆円の評価損をかかえます。イタリアなみに6%まで金利があがれば・・・。郵貯は、預金の8割を国債で運用しています。

日本国債の破綻は、はやくて2年後と指摘してきましたが、それからも時間がたち、はやければ1年半後、おそくて5年後にさけられないでしょう。さけるためには、大規模な増税と財政支出の大幅な削減が必要です。もはや、消費税10%程度では、破綻をさけることはできません。

日本は、まちがいなく、増税と国家・地方財政の大幅な縮小、経済活動の停滞へとむかいます。そのなかで、大胆な生き方の転換と企業のあり方の転換もとわれるかもしれません。社会不安の拡大も予想されるなかで、地方の活力の再生は大きな課題です。自立した地域経済に希望があります。グローバルにつながるローカル。

1929年恐慌は、ついに回復することなく第二次世界大戦へ突入していきました。世界経済はブロック経済に分断され、はてしきなき為替切り下げ競争が続きました。世界経済は、武力衝突をとおしてしか再編構築することができなかったのです。

いま、世界戦争がありえないのだとしたら、どのような形で、基軸通貨をうしなった世界経済が再編されるのでしょうか。長い長い深刻な経済状況から、各国がいかなるプロセスで再生していくことができるのか。




3日目にはいったロンドンの暴動

2011-08-09 11:07:06 | 読書/新聞/映画など
世界的な株の暴落の一方で、ロンドンの暴動は、3日目にはいっています。

’London (CNN) -- Violence that appears to have initially been sparked by last week's shooting death of a 29-year-old man broke out for a third consecutive day Monday -- this time in daylight -- with gangs of youths marauding through areas of London.’

”Violence hits new parts of London”(BBC)
’Violence breaks out for a third consecutive day in London, with riot police deployed and firefighters tackling blazes across the capital.’

’ Rioting and looting spread to at least eight areas and broke out for the first time in another big city.’(The New York Times)
他の大都市にも拡大している。
’Fires and violence have also broken out in Lewisham, Peckham, Croydon and Clapham Junction’(BBC)

第三の都市に拡大。
’Riots spread to a third British city on Monday night, with Liverpool the latest place to report looting and violence following outbreaks across London and in central Birmingham.’(China Daily)

積極的に移民をうけいれて人口減少をくいとめている英国。しかし、それは差別と深刻な社会的な矛盾を生み出している。いかなる歴史的なプロセスをへて、人類は差別なき社会をつくりあげることができるのだろうか。

もう一つの背景には、国家財政の逼迫で、格差拡大に国家が有効な手をうえてなくなっていることがあります。貧困層は拡大し、ますますみじめな生活においやられている。

先進国の人口減少と財政破綻。はやめに対策をとらなければ、矛盾はますます深刻になる一方です。世界の株の暴落とロンドンの暴動は、共通の背景をもっており、いまはじまっていることは、序の口にすぎないとすれば、なにをすべきなのだろうか。