eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

テレポーテーション信じますか?

2009-08-20 11:45:36 | 読書/新聞/映画など
はげしい変化の時代といわれています。その変化のはげしさを、本当に理解しているのだろうかとあらためて反省する機会も多い。

ドラッカーは、未来にどのような社会がくるのかよく理解している人は少ないと指摘しています。さらにつづけて、その未来がすでにはじまっていることを理解している人は、さらに少ないと。

テレポーテーションについて、あらためて、それを感じています。

テレポーテーション、宇宙の瞬間移動が将来できるようになると思いますか?最近、何人かにきいています。それができれば、宇宙旅行も簡単です。もちろん、そんなことはできない。わたしもそう思っていました。みんなからも同じ答えがもどってきました。

しかし・・・・・「実は、すでに成功している!」と知って、心底おどろいています。そんな重大なことさえしらなかったのか。いや、未来はすでにはじまっているのだ。

かんがえてみれば、1903年にライト兄弟がはじめて動力付きの飛行に成功してから、1969年に人類がはじめて月着陸をはたすまで、たったの66年でした。10歳まで人が空を飛んだことがない時代に育ったひとが、76歳で、月面着陸を目撃することになりました。

いま、そのはげしい変化は、加速しています。

1997年、人類は、はじめて光子のテレポーテーションを目撃しました。オーストリアの物理学者ツァイリンガーなど4つのチームが、インスブルック、ローマ、ロスアラモス、カリフォルニアなどで先陣を争っていました。そして、「4つの対照的な実験によって、テレポーテーションがさまざまな状況で、いろいろな種類の粒子と量子的性質を利用してうまくいくことが示されたのだ。」「『サイエンス』誌は、1998年のもっとも意義深い十件のブレイクスルーの中にテレポーテーション実験を取り上げた。」(『テレポーテーションーー瞬間移動の夢』204ページ)

原理的には、量子のからみあいという現象をとおして、1993年にはテレポーテーションの理論的な可能性が解明されていました。どんなにはなれていても、片方に起きた事象は自動的にもう片方に影響をあたえることを利用しています。

最初の成功は、光子をテーブルの反対側にテレポートさせたものです。2003年には、光子を2キロはなれたところにテレポートさせるのに成功しました。そして、2004年には、なんと原子を丸ごとテレポートするのに成功。さらに、「21世紀中には、ウイルスのテレポートが可能になると考えられる」のだ。(『パラレルワールド』216ページ)

量子テレポートには、いくつかの特徴がある。まず、光速より速くはできないこと。元の物質は壊れてしまうので、複製ができるのではないことなどです。また、物質やエネルギーが移動しているのではなく、情報が伝達されていることも注目されます。

すでに、テレポーテーションは現実のものになっており、ウイルスなどという生物の移動も視野に入ってきています。

また、宇宙論や量子力学などがこの5年で革命といっていいほど大きく変わっていることも、最近まで気がつきませんでした。


デヴィッド・ダーリング著『テレポーテーションーー瞬間移動の夢』(光文社2006年8月30日、1800円+税
ミチオ・カク著『パラレルワールド』(NHK出版、2006年1月25日、2300円+税)