eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

ビジネスモデル維持のむずかしさ

2006-06-23 12:55:21 | eラーニング・ベンチャー企業
企業は、それぞれのビジネスモデルをもち、それにともなう強さを維持している。

しかし、ビジネスの発展につれて、顧客や営業セクションや株主などからのさまざまな意見や要望に抗しきれず、ビジネスモデルがあいまいになったり、その結果、強さを失ったりすることがある。

創業社長がオーナー会長として強力なリーダーシップを発揮する、あのデルでさえもそうであったことは、いろいろ考えさせられる。

デルのビジネスモデルは、直販にある。それによる低価格販売に世界最大のパソコンメーカーの最大の強みがある。

デルが、それを捨てることなど考えられますか?しかし、実際あったのです。

1991年ごろ、業界では、「直販だけではデルの成長もつづかないだろう」「小売店舗販売しないかぎりデルの未来はない」と広くうわさされた。

デル会長は、こう書いている。「自分の知っている真理を忠実に守るかわりに、私たちは他の連中の言葉を信じてしまった。」直販によって獲得していた優位の意味をさとり、困難な過程をへて、再度小売店での販売を打ち切るまで、4年ほどの時間を要しました。

1994年後半、小売店でのパソコン販売が年に20%も伸びているなかで、デルは、小売チャネルからの撤退を発表しました。そのとき、「すべての報道が」、デルは自ら成長の可能性を限定したと批判し、アナリストも、この決定は誤りだとのべた。社内でも反対意見が多かったのです。

すぐれたビジネスモデルでも、多数の意見に抗しながら維持していくには、強い意志や大きなエネルギーが必要です。ただのつまらない会社にならないために。

おそらく、その維持の困難さは、状況がきびしいときよりも、ダイナミックな成長過程で表面化する。多様なチャンスを失うなと。

参考:マイケル・デル「デルの革命」日本経済新聞社刊、1,600円+税

eラーニングビジネスの持続的な発展

2006-06-23 11:03:08 | eラーニング・ベンチャー企業
ビジネスの持続的な発展を仕組み上もっているかどうかは、株式の公開にあたって重要な要素になります。

現在のeラーニング企業の大半がおこなっている受注型のビジネスは、売り上げの変動が大きく、また、毎年売り上げをゼロから積み上げていくことになります。したがって、ビジネスの仕組みが株式公開に適していない。

一方、自社で開発したコースウエアを多数そろえている場合は、莫大な初期投資を回収したあとには、持続的な売り上げと高収益の構造が確立されます。巨額の利益を新しいコースウエアの開発などに投資しながら、さらに急成長していくことになります。
ただ、この場合は、初期投資が莫大になるうえに、開発したコースウエアが売れるとはかぎらないというリスクをかかえています。

ネットラーニングは、大規模な初期投資の償却をおえ、いよいよ高収益構造にはいりつつあります。

「ダイレクト」と「一対一」

2006-06-23 07:03:47 | Internet and mobile
昨日書きましたインターネットの特徴のひとつ、「ダイレクト」と「一対一」は、「双方向」などとともに、今後のビジネスやインターネットの影響力を考えるときに、決定的と思われるキーワードです。

ダイレクトは、ビジネス構造を大きくかえる。

一対一、個別化もそうです。

eラーニングについていえば、イントラネット上のものは、このインターネットのせっかくの特徴をいかしていない。