(1)今年は日本にとっても世界にとっても暗い1年だった。何かいいこと、話はないかと考えたが、日本はここ2年続けて税収増だったといわれて収入元の国、政府にはいい話だが、もちろん負担する側がいての話で、企業、国民が負担しての話だ。
(2)だから岸田首相も税収増を国民に還元すると言っているが、鈴木財務相は税収増はすでに社会保障財源、国債償還分に使っていると説明している。
税収増もどうも明るい話にはならない。これで政府が目指すデフレ脱却にはならずに、日銀の大規模金融緩和は続けられて、欧米との金利差が円安を生んでの大企業、輸入産業中心に税収増につながった。
(3)円安は輸入品、材料の高騰を生んでエネルギーから食料品まで大型物価高につながって、国民生活を圧迫している。今年の春闘は3%の賃上げが実現されたが、物価上昇率に追いつかずに賃上げは実質マイナスとなった。賃上げもいい話にならない。
(4)岸田首相は来年6月に定額減税、一部給付を実施すると言っているが、それまで政権が持つのか(ついに岸田内閣支持率はパーティ券問題で異次元の10%台に突入ー報道)どうか、今の状況では展望は開けずにまったく保証の限りではない。
(5)今年は大谷で始まり、大谷で進んで、大谷で終わる大谷選手(29)の年であった。3月のWBCで日本代表に参加した大谷選手が投打で順当に活躍して世界一となり、メジャーリーグシーズンでは米国で評価の一段高いホームラン王を獲得して、12月には10年1015億円の仰天、破格の契約でドジャースに移籍するニュースで度肝を抜いてみせた。
(6)日本人が世界の注目を集めるのは、悪いことではない。藤井聡太名人(21)が全8冠を達成して、若い力が世界と日本で能力と存在を示したことは大きい。若い力の躍動、原動力(dynamism)はある。
人口減少時代にインド、欧州が人口減少に歯止めをかけているのは意味がある。類のない少子化対策の日本も参考にすべきところがありそうだ。
(7)コロナ後で回復に政治の力が必要な時に、岸田政権は1度や2度でない不祥事による内閣、党役員の交代、更迭が続いていいことがない。もはや岸田政権で辞めるべきで残っているのは、ただ「ひとり」になって、危機的状況で最後までいいことがなかった。