いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日銀の不徳の致すところ。 the blame of the bank of japan

2016-04-30 19:58:26 | 日記
 (1)日銀は28日の金融政策決定会合で物価目標2%上昇達成を17年度前半から17年度中にと4回目の先送りを決定した。
 こういうものを「目標」とはいわないと書いてきたが、実現の可能性が遠のいて日銀の往生際の悪さにはすでに「あきれ」を通り越して関心も持たなくなった、なくなったというところだ。

 そもそも本来、国民が望まない物価2%上昇を掲げたのは、それまでの10年を超えるデフレ不況からの脱却を目指して①物価を上げ、②消費者購買により企業収益を増やして、③その利益で賃上げをはかり国民生活が豊かになって、④さらに消費者購買行動が活性化するという経済利益循環型社会をつくりだすことが目的であった。

 (2)日銀はそれまでの市場へのカネの流れを2倍に増やす大胆な金融緩和策を実施して、円安株高基調を導き出して一旦は大企業中心に企業業績の回復、賃上げ効果を実現した。
 そもそもは期待込みの株高景気という実体経済力のともなわない見せかけ経済、景気で、実際には消費税8%引き上げに円安輸入材料の高騰による物価上昇が賃上げ効果を上回る逆転現象が続いて、GDPマイナス成長、貿易収支の赤字化など各種経済指標データは悪化を示して消費者購買行動を冷え込ませてきた。

 (3)日銀の大胆な金融緩和策に最近のマイナス金利導入は、物価目標2%達成を4度も先送りしてすでに日銀の不徳の致すところ(the blame of the bank of japan)の破たん状態であるのは経済データからもあきらかだ。

 金融政策を主導した黒田日銀総裁はマイナス金利政策の効果を半年程度見極めるとしているが、黒田総裁の先行きの期待感に信頼性、信用性など持たないのが今の市場であり国民の意識だろう。

 (4)その間に原油安の継続に熊本地震被害影響も大きく、もはや17年4月の消費税10%引き上げなどによる物価目標2%上昇などやっていられない国内事情も加速している。

 企業経済もシャープの台湾企業による買収に東芝の粉飾決算まがいの不正経理に三菱自の燃費データ不正、長年の法令違反データ不正と日本の大企業の弱体化(japan economy becomes weak)が顕著になって経済、景気のダイナミズム(dynamism)を失っている。

 (5)政府、日銀が頼みの拠りどころとしていた賃上げも、3年目の今年度は上昇率がこれまでの平均3千円から1千円程度に落ち込んで推進力を失っている。
 見せかけの期待込みの経済、景気浮揚策では通用しなくなっている現実だ。黒田日銀総裁はあと1年余りの任期がすぎればスミマセンでしたと退任するだけで、こんな日銀のマネゲームに付き合っているわけにはいかない。

 (6)期待込みの実体のない株高経済に頼ることなどではない、実体経済に根差した経済景気浮揚策、成長戦略が必要で、日本の経済構造改革による将来展望を示すものが必要だ。
 人口比率の高い女性の活躍はもちろん、潜在能力(potentiality)の高い農業、医療開発技術、環境開発分野の国際競争力を高めることが大事だ。

 そういう意味でもTPP合意を促進して日本の経済構造改革を推進することが求められる。

 (7)経済が成長するに越したことはないが、それまでの現状社会をどのように生きるのかは考え方次第だ。収入に見合った生活か、生活に見合った収入かはよく考えなければならない時代だ。

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日本経済の弱体化。 japan economy becomes weak

2016-04-29 20:15:05 | 日記
 (1)かっては車検に出すと決まってというほどネジ1本は車内に転がっていたものだった。車の部品は数千点といわれてその組み立ては精密機械といわれるものだけに、部品を外しての車検となればもちろんあってはならないことだけれど、細かいところではネジ1本程度は装着しないことはあったようだ。

 ところが最近の車検ではそういうことはあまり見かけない。点検能力が各段にあがったかと思われるが最近の車検はコンピュータ診断検査が導入されて、それで異常、不具合箇所を見つけて検査、点検する方式だ。

 (2)近代の車はコンピュータ機能満載の先端的科学車で、人が運転しなくても自動運転で走行できる車の研究開発も実現化が近づいている。環境保全時代に燃費効率経済社会を迎えて、ハイブリッド車に電気自動車が環境次世代車として期待と注目を集めている。

 燃料燃費向上性が車のステータスであり、売れ行きに大きな影響力を持つ時代だ。それがVW、三菱自の安易な商業主義のデータ不正を誘導した。

 (3)VWは自動車市場の米国進出を進めるために排出ガスデータを過小評価操作して、これが発覚してそれまでのトヨタを抜いて世界販売台数首位の座をすべり落ちた。
 現在多大の信頼回復への代償を支払わされている。そこへきて今度は日本で三菱自動車が燃費データを法令に従った方式(平均値採用)ではなくて自社製品に都合のいい低い数値を採用して販売していたことが発覚した。

 他にも実際に走行試験をせずに机上計算で走行時データを長年つくり出すなど法令違反も指摘されている。

 (4)車のコンピュータ仕様化(computer specification)時代で、実際に車を走行することもなく仮想現実のコンピュータシステム操作の世界で機能性を確認、始動するという情報化時代、社会に順応、取り込まれた自動車産業の「近代化」の誤った実態だった。

 コンピュータ数値による車の仮想走行世界のなかで、数値ひとつが自由に意図的に目標、目的に向かって操作、つくり出せる安易な自動車産業の商業主義、無感覚での技術力操作の魔物だ。

 (5)三菱自動車は2000年にリコール隠しが発覚して社会から糾弾された過去がある。リコール隠しは自動車事故に直結するものだけに、利用者の安全保障から絶対にあってはならない企業の安全責任、使命の基本精神であるが、三菱自動車は怠った。

 それ相応の法的、社会的、企業責任はとらされたものだが、本来は自動車製造販売の企業資格の適正にかかわる重要問題であって、その責任自覚が十分ではなかったようだ。

 (6)今回の三菱自動車による燃費データの過小評価不正ほか法令違反の机上計算データ採用は、最近の企業理念の劣化に通じるものだ。

 東芝による消費者、利用者を欺く粉飾決算まがいの不正経理と同じで、日本経済を支えてきた主要企業による企業(組織)力、成長力、開発力劣化、後退のあらわれであり、シャープの台湾企業による買収につながる日本経済の弱体化(japan economy becomes weak)への道だ。

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違憲の最高裁。 unconstitutional the supreme court

2016-04-27 20:08:59 | 日記
 (1)法の下での平等は民主主義の根幹をなすものだ。いかなる人でも法律によって差別されることなく、等しく自由に生きる権利を有する。
 この当然の人格権が最高裁では長らく放置されて、慢性感染症のハンセン病患者の被疑者が隔離施設の中に設置された「特別法廷」で裁判審理が行われてきたことが、「60年ごろには治療薬の普及で確実に治る病気になっていた」(報道)のに「特別法廷」での審理が続けられてきたとして、今回最高裁が裁判所法に違反していたとして謝罪した。

 (2)最高裁は法律に合致するのか違反するのかの行為の司法判断の最終決定機関であり、あらゆる法律行為をとりまとめた憲法の精神性を具現化する責務と責任を有する社会正義のパラダイム(paradigm)となるものだ。

 その最高裁が長らくにわたってハンセン病被疑者の裁判審理を他と区別して特別法廷で行ってきたことを裁判所法に違反する「違憲の疑い」があると謝罪したことは驚きだった。

 (3)国による慢性感染症ハンセン病患者の隔離政策(isolated policy)の中で、これを司法判断として疑うこともなく追随して差別的対応を長く続けてきたことはこれまでの最高裁としての立場、使命、責務、責任を大きくくつがえすもので、民主主義社会の信頼、信用を大きく傷つける結果となった。

 慢性感染症のハンセン病は当初は不治の病として患者は政策的(らい予防法ー報道)に隔離されて差別化されてきたが、この国の政策が人権侵害なのか法の下の平等に反しないのかを司法判断すべきであったが、最高裁は踏み込まずに隔離施設での特別法廷という手続きで長らくその責務と責任を放置してきた。

 (4)多分に国の隔離政策の中で、当時の国民、社会の中でも感染症対策としてやむを得ない対応として人権、法の下での平等が見過ごされてきたことは考えられる。
 そういう社会の中でこそ司法、最高裁として医学的、科学的実証検証、立証での法の下の平等の判断に取り組むべきことであった。

 今回の裁判所法に違反するとした最高裁の謝罪は、しかし「違憲の疑い」があるとして憲法判断は明確にしなかった。

 (5)ハンセン病の医学的、科学的裏付け実証検証もせずに(しかも特効薬で完治するようになった後もー報道)国の隔離政策を追随した特別法廷手続きは法の下の平等を定めた憲法に違反(unconstitutional the supreme court)することは避けようもないところだが、あらゆる法律行為をとりまとめた憲法の精神性を具現化する最高裁としてはそれでは存在そのものを自己否定することになるので、極めてあいまいな表明(違憲の疑い)となった。

 (6)ハンセン病(患者被疑者)に対する最高裁の取り組みは司法としての独立性、独自性を発揮してこなかったが、問題がどこにあって見直されてこなかったのか、歴史検証する意味でもあいまいな違憲の疑い表明ではなくて憲法上あってはならないこととして反省、謝罪すべきことでなければならないことだ。

 

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議員報酬800万円。 a remuneration of an assembly member is 8 milion yen in a year

2016-04-26 20:00:01 | 日記
 (1)世界一貧しい大統領といわれたウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領のことを書いたが、河村名古屋市長は就任時にそれまでは年間1千万円以上だった市長報酬(a remuneration of a mayor)を民間並みに800万円に引き下げることを提唱し、一市長の都合で報酬が左右されてはならないとする議会側の抵抗を受けながら河村市長に限った特別条例で何とか市長報酬800万円を実現させた。

 河村市長は当時の高い市民支持率を背景に議員報酬も市長並みに年間800万円とすることにこだわって、議会側も折れてこれに従ってきた。その後は河村市長自ら率いる地方政党減税日本の議員の資質が問題となって辞職、離党が続き、いまではかっての河村市長への市民支持もかってほどの熱さを見せなくなっている。

 (2)これを受けて反市長勢力が多数を占める議会では人事機関による議員報酬の引き上げ勧告を受けて、800万円から従来の1454万円(報道)に倍増近くまで引き上げる条例を議会多数で可決して施行した。

 この際に議会側は引き上げ額を自ら減額し、さらに議席削減を提案して一定の政治的配慮を見せていた。議会側による提案型政治であった。

 (3)安倍首相が経済界に賃上げを要請して3年連続で賃上げが実施されてきた社会情勢の中で、名古屋市議の報酬を800万円に固定することは合理性を欠き、さらに議会側も報酬UP率を減額し議席削減で財政への一定の配慮を示したことから、やむを得ない事態と判断できるものであった。

 これに対して河村市長は市長報酬、議員報酬800万円は選挙公約だとして、市民の意見も考慮、聞かずに議会だけで引き上げたのは認められないとして、市議会リコールあるいは議員報酬引き上げ条例廃止の直接請求を示唆していた。

 (4)河村市長はこれまでも政策優先の選挙公約の市民税10%減税提案を議会と対立して否決されると、市議会リコールに打って出て市長辞職、市議会リコール解散による再任による市民の高い支持を背景に自らの基本政策を議会に認めさせてきた。

 市民税10%減税、市長報酬800万円の河村市長の政治理念は、市民から税金を徴収する側が楽をして税投資負担をする市民が苦しむことがあってはならないとするもので、市民の理解と支持を受けている。

 (5)一方で議会対策を怠って機会あるごとに議会と対立して行き詰まると市議会リコールに打って出る手法のくり返しは、さすがに市民からも敬遠(keep a mayor at a distance)の目で見られている。

 市民レベル目線の政治理念、政策は市民の高い支持、理解を受けるものだが、議員報酬800万円まで固執するとなると市長による市政、議会の私物化にもつながり、議会側も社会情勢を考慮してさらに自ら減額、議席削減の政治的配慮を示しているのだから、むしろこれを機会に議会側と建設的で良好、良質な関係改善をはかる市長の政治判断があってよかった。

 (6)安倍首相は経済政策優先で国民の関心を呼び込んで大企業中心の業績回復、賃上げで安定した内閣支持率を集めているが、各種経済指標データは悪化して消費者行動にも結びつかずに国民生活観は向上しているとはいえない。

 政治、政策責任として国民、市民生活への貢献を量る指標データを設定して、首相、市長、議員報酬と連動させる理論的、合理的な責任報酬の評価方式を考え出せないものか。

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野党共闘不発。 misfire of fighting together by opposition parties

2016-04-25 19:51:27 | 日記
 (1)今夏の参院選1人区の行方を占うといわれた北海道5区補選は、自民党前議員(前衆院議長)の娘婿の後継者が大接戦を制して勝利した。菅官房長官は安倍政権の経済政策が支持されたと安ど、強調してみせた。

 政党支持率を見れば野党が数合わせで寄ってたかってみたところで自民党1強にも及ばない中で、自民党前議員の身内後継候補者135842票に野党共闘候補者123517票(報道)と大接戦に持ち込んだのは野党としては大健闘と見るのか、それでも勝てなかったことがやはり力不足と見るのかは重要だ。

 (2)自民党1強時代の選挙で野党は数(票)合わせ(number〔vote〕together)の共闘(fighting together)で対抗したが、わずかに及ばなかった。政党支持率では野党すべてを合わせても自民党1強に及ばない中で、野党のこれまでの同選挙区での獲得票を数え合わせての選挙共闘数式では闘えないということだった。

 自民党前議員(前衆院議長)の身内後継者とかって主婦としての様々な苦労経験による野党候補では知名度、組織力に差があり、やはり野党共闘のかつがれ候補の政治力不足が大接戦を勝ち切れなかった。

 (3)米国大統領予備選で共和党トランプ候補が過激発言ながら予想をくつがえしてトップを走るダイナミズム(dynamism)が既成政治(議員)に対する不満層の支持を集めていることとみられているように、都市部の支持政党なし層の多い選挙区では前議員の身内後継者というのは世襲制を嫌う傾向がある中で逆に不利に働く要素でもある。

 北海道選挙区では自民党前議員の病死ということもあってか大接戦になりながらも身内後継者候補がわずかに勝利した。

 (4)近年は地方を中心に政治家、議員を志すものが不足して、首長選挙などでは無投票当選も多く目につくようになってきた。政治家、議員の報酬不足を理由に政治を志すものが少なくなってきたといわれて、政治の世界も理念、信条、政策によって市民、国民のために働くというよりは自らの生活第一主義が優先されるという今日的社会背景が見られる。

 一概に言えないが、今回の野党共闘候補者は報道されるところによればそれまでの選挙戦では過去の主婦としての家庭生活の苦労経験を語ってこなかったものを今回補選では前面に出しての選挙戦であったようだが、野党共闘が数(票)合わせ選挙のうえに安保法制反対、立憲政治擁立での結集ということを考えれば野党候補者とのミスマッチ観はあった。

 (5)安保法制反対、立憲政治擁立により安倍政治と対峙する理念的候補者選びを考えれば、また違った様相にもなった可能性は考えられる。今回の北海道5区補選は自民系与党候補者と野党共闘候補者の知名度、政治経験に差異がありながら大接戦となったことで、野党としては野党共闘に一定の評価を与えれるのではないのか。

 ただし、数(票)合わせ数式の野党共闘では限界があることもわかった。共産党が候補者調整をして野党候補者を一本化しての基本的な政治理念、政策の違う野党共闘方式では反安倍政治への国民支持、ダイナミズムにはならない。09年民主党政権の自己破たん、国民の期待を裏切った教訓が生かされていない。

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