(1)自民党のパーティ券収入の政治資金収支報告書への不記載は5派閥が告発されて、東京地検特捜部が派閥担当責任者から任意で事情聴取した。自民党最大派閥の安倍派ではパーティ券収入ノルマ超過分を議員にキックバックして、不記載の「裏金」受領議員が数十人ともいわれて捜査が続く。
(2)安倍派会長だった安倍元首相は森友、加計問題、桜を見る会の政治とカネの疑惑にも国会で野党から追及されながら説明責任を果さずに、戦後最長となる長期政権を維持してきた。その安倍派は安倍元首相の会長が亡くなった後、会長不在のまま党内最大派閥として安倍派を構成して、今回パーティ券収入の収支報告書未記載による議員への大金のキックバックの裏金で捜査を受けている。
(3)党内最大派閥で戦後最長の政権運営をした安倍元首相が会長だった安倍派でキックバックの裏金づくりが問題となっているところに日本の政治の根底に流れる政治の腐敗、貧困、劣化、政治とカネの問題、課題が浮かび上がる。
(4)パーティ券収入の収支報告書は20万円以上の支払者の氏名をすべて記載すべきところを不記載にしたありえない「初歩的」なミス問題で、確かにこれまであまり指摘されてこなかったことが安易なルーズな選択になったのか、あるいは他派閥重複支払者への配慮という意図があったのか、今回は告発により岸田派も含めて自民党5派閥の収支報告書不記載が議員へのキックバックで地検特捜部の捜査を受ける問題となっている。
(5)自民党5派閥が同じような問題を抱えてとなれば自民党内では共有して常態化していたとみなされるもので、古くて新しい政治とカネの切っても切れない(切らない)政治腐敗、劣化、貧困の問題指摘だ。
岸田首相は自派閥のパーティ券問題不記載指摘では金額は計上しており総額としては変わらずに裏金ではないと説明しているが、それで収支報告書不記載の「初歩的」ミス問題の説明がつくものではない。
(6)岸田政権、自民党連立政権の不祥事の連続、連結で、国民調査では自民党に代わる政権政党として1位維新の会、2位立憲民主党となり、3位がしかしなんとまた「自民党」という結果もあり、政治、政党の貧弱、貧困、不信任は救いようのない政治社会だ。