(1)予選初戦でスペインを破る日本男子サッカーの大健闘で始まったロンドンオリンピックは、しかし本命視、絶対視され活躍が期待されたメダル有望選手にいつもの覇気、図太さ(映像で見る限り)が感じられずに、相応の結果とはいかない序盤戦(opening first stage)だ。
今年のサッカー欧州選手権を制したフル代表のメンバーもいるスペインは予選第2試合も無得点で敗退してグループ最下位という誰もが予想もしなかった結果だ。心技体バランスの何か(変化)がチームの中で起きていたのだろう。
オリンピック序盤戦の特徴は、審判の判定が変更、訂正される場面だ。コーチの抗議を受けての変更や、判定チェックする審判委員からの指摘による判定の変更など、こちらも人が人を裁く不条理とはいえ明確な採点ルールに基づく「結果」方式だから、公正、公平な自らを否定する潔(いさぎよ)い見直しとも映るし、判定に技術性、自立性、信頼性がないとも見えて、きわどい僅差で争う競技興味がしらけるともいえるほどだ。
(2)柔道競技で四方から眺めている3人の審判全員が一旦は「白」に上げた旗をコート下の審判委員の指摘で呼ばれて今度は全員が「青」に変更するなど審判能力に問題も見られた。
体操競技では、回転ひねり技が複雑、高速、難度化してちょっと極端にいうとトッププレーヤーの演技にはついていけない審判の「目」もあって、コーチの指摘(ルール上説明が認められている)で採点変更されるという場面もあった。
序盤戦の柔道、体操競技でそれぞれの現代競技の特性から審判の判定能力の問題が浮き彫りになってきた。背中をつけての一本勝ち柔道では、めったなことでは背中から床に落ちずにきわどいところで反転、全転(腹ばい)しての回避で、有効、技あり判定も難解だし、体操競技では3回ひねり屈伸前方回転何とかといわれて高速、高い難易度で加点技を見落とされるケースもあるほどだ。
(3)その柔道競技、日本人初の金メダルを女子57キロ級の松本薫さんが獲得した。一点を上目遣いに凝視し続けるするどい眼光に時折、突然両腕を上にあげる仕草、何やら独り言を言いながら自身マインドコントロールする姿勢には武道者の迫力が漂(ただよ)ってくる。
その松本さん、表彰式では金メダルを首からさげて女性に戻っての美しい満面笑みにはホッとさせられた。
(4)しかし柔道競技は見ていてつまらない競技になった。その中でもあざやかに決まった一本勝ちはスカッとする爽快感はあるが、めったに見られない。
お互い腰を折った低い姿勢で、ジャブを出し合うように有利な組み手争いに終始してすぐに場外エリアに出て仕切り直しの連続で、今度は懐(ふところ)に抱きついての投げ技にそれを切り返す返し技中心で2転3転と横転して、どちらが効果の技なのかもよくわからない。
加点が審判による「指導」(果敢に攻撃しない消極性)では試合興味もあったものではない。5分の試合時間の半分はジャブ(相手の手を払って持たせない)の応酬では、これが柔道かと不思議な感想だ。
(5)柔道も国際化して日本の武道から世界のスポーツ化して異質なものとすでになって久しい。加点のための勝つ柔道スポーツの仕方を公言する金メダル選手もいた。
試合時間制、場内エリアの範囲、組み手のルールと見直し、再考して、あざやかな一本勝ちで爽快感のあるよくわかる柔道スポーツでいかがでしょうか。
ヘーシンクが神永に勝利したオリンピックの歴史的柔道は、両者が背筋を伸ばしてしっかり組み合っての見事な美しい柔道スポーツであったのだ。
今年のサッカー欧州選手権を制したフル代表のメンバーもいるスペインは予選第2試合も無得点で敗退してグループ最下位という誰もが予想もしなかった結果だ。心技体バランスの何か(変化)がチームの中で起きていたのだろう。
オリンピック序盤戦の特徴は、審判の判定が変更、訂正される場面だ。コーチの抗議を受けての変更や、判定チェックする審判委員からの指摘による判定の変更など、こちらも人が人を裁く不条理とはいえ明確な採点ルールに基づく「結果」方式だから、公正、公平な自らを否定する潔(いさぎよ)い見直しとも映るし、判定に技術性、自立性、信頼性がないとも見えて、きわどい僅差で争う競技興味がしらけるともいえるほどだ。
(2)柔道競技で四方から眺めている3人の審判全員が一旦は「白」に上げた旗をコート下の審判委員の指摘で呼ばれて今度は全員が「青」に変更するなど審判能力に問題も見られた。
体操競技では、回転ひねり技が複雑、高速、難度化してちょっと極端にいうとトッププレーヤーの演技にはついていけない審判の「目」もあって、コーチの指摘(ルール上説明が認められている)で採点変更されるという場面もあった。
序盤戦の柔道、体操競技でそれぞれの現代競技の特性から審判の判定能力の問題が浮き彫りになってきた。背中をつけての一本勝ち柔道では、めったなことでは背中から床に落ちずにきわどいところで反転、全転(腹ばい)しての回避で、有効、技あり判定も難解だし、体操競技では3回ひねり屈伸前方回転何とかといわれて高速、高い難易度で加点技を見落とされるケースもあるほどだ。
(3)その柔道競技、日本人初の金メダルを女子57キロ級の松本薫さんが獲得した。一点を上目遣いに凝視し続けるするどい眼光に時折、突然両腕を上にあげる仕草、何やら独り言を言いながら自身マインドコントロールする姿勢には武道者の迫力が漂(ただよ)ってくる。
その松本さん、表彰式では金メダルを首からさげて女性に戻っての美しい満面笑みにはホッとさせられた。
(4)しかし柔道競技は見ていてつまらない競技になった。その中でもあざやかに決まった一本勝ちはスカッとする爽快感はあるが、めったに見られない。
お互い腰を折った低い姿勢で、ジャブを出し合うように有利な組み手争いに終始してすぐに場外エリアに出て仕切り直しの連続で、今度は懐(ふところ)に抱きついての投げ技にそれを切り返す返し技中心で2転3転と横転して、どちらが効果の技なのかもよくわからない。
加点が審判による「指導」(果敢に攻撃しない消極性)では試合興味もあったものではない。5分の試合時間の半分はジャブ(相手の手を払って持たせない)の応酬では、これが柔道かと不思議な感想だ。
(5)柔道も国際化して日本の武道から世界のスポーツ化して異質なものとすでになって久しい。加点のための勝つ柔道スポーツの仕方を公言する金メダル選手もいた。
試合時間制、場内エリアの範囲、組み手のルールと見直し、再考して、あざやかな一本勝ちで爽快感のあるよくわかる柔道スポーツでいかがでしょうか。
ヘーシンクが神永に勝利したオリンピックの歴史的柔道は、両者が背筋を伸ばしてしっかり組み合っての見事な美しい柔道スポーツであったのだ。