いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

岸田後。 after kishida

2023-12-15 20:26:29 | 日記
 (1)政治資金パーティ券問題で4閣僚交代、党役員も交代前に安倍派の3人が辞表を提出し、後任指名に辞退者が続いて、岸田内閣支持率が10%台に落ちて政治は「岸田後」に移っているが、政局はまだそんな動きはみられない。

 (2)わずかに今は存在感がなくなった石破茂元幹事長が問題のたびに持論を述べて政治改革を訴えているだけで、自民党からは危機感はまったく伝わってこない沈黙だ。
 7年余の戦後最長の政権を維持した安倍元政権の「後遺症」がみられて、政権を担う人材不足が露(あら)わだ。

 (3)自民党に影の実力者がいれば嵐が通り過ぎるまでとりあえず国民受けする人物を岸田後の総理、総裁に据えて逆風を乗り越えて、その後に自民党的本格政権を誕生させるというシナリも考えられるが、今の自民党に影の実力者が存在するのか、一部には麻生副総理が岸田首相に引導を渡すことになるだろうとの声は聞こえてくる。

 (4)麻生派は第2派閥で第3派閥の茂木派と結束して第4派閥の岸田首相を支えてきただけに、その可能性はある。麻生元首相は自民党長期政権を終わらせ民主党政権の本格的政権交代につながった当事者で、そんな力があるとは思えないが、自民党第2派閥であることが自民党の政治能力、政権担当能力の低下、劣化を示すものだ。

 (5)今ひとり岸田政権に何かにつけて苦言を述べている石破さんはかって自民党幹事長の要職であり、自らは大派閥に属さずに個人議員同士の小グループ(たしか解体)の中で政治とカネの問題には遠い印象はあり、語りは理論派ともみられて国民受けは悪くはなかった。
 石破さんが肌合いの違う麻生さんと手を組むかはわからないが、政治の世界は権力志向の世界であり、既得権益優先の中で何が起きるかわからない世界であり、あっと驚く組み合わせが出てくる可能性はゼロではない。

 (6)麻生派にはこちらもナゼか国民受けがいいとみられる河野太郎デジタル相がいるが、石破さん同様に自民党内既得権益を守る主力勢力からの受けは悪く、若手議員にも有力者はみあたらずに岸田内閣支持率の低落の中で「岸田後」の展望はみえない。
 
 (7)一度は総裁再選に意欲を示して支持率の低迷で自ら断念した菅前首相は、無派閥で活動して派閥政治の病巣(びょうそう)が糾弾されている時には再登板は有利にみられるが、当時支えた二階派もパーティ券キックバック(裏金)で特捜部の捜査の対象となっており有力者にはなれない。

 (8)こういう政治状況で野党に政権担当能力、力がないのが国民の悩みで、しばらくは岸田政権の混乱、混迷の中でガマンの政治も国民も「岸田後」をみつけていく試練の時が続く。
 国家的、国民的利益を考えるのなら、より早い「岸田後」の選択が求められる。それが少しでもいい政権であればだが。

 

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