いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

嵐の前の静けさの来年。 a next year of the quiet before a storm

2016-12-31 19:34:51 | 日記
 (1)来年は酉(トリ)年を迎えるが、名古屋東山動植物園では希少絶滅鳥類に鳥インフルエンザが感染して年末、年始は休園となって幸先はよろしくない。

 来年は日本ハムファイターズの大谷翔平投手・選手がシーズン終了後に念願の米メジャーリーグに挑むことが確定的といわれる。
 今年は前田健太投手がメジャーに移籍してドジャースで年間を通して存在感を示して、さらに大谷翔平投手・選手への期待も大きく翔(はばた)き、いよいよメジャーリーグへ翔(と)ぶ時が来る。

 (2)作家の村上春樹さんは来年早々に長編小説を発表して、近年待望論の高いノーベル文学賞へ近づくことが出来るのか。医学生理学、物理学と科学系分野の授賞が3年連続で続いており、来年はところを変えて文学賞と4年連続授賞となるのか、期待は続く。

 その今年のノーベル文学賞を授賞した歌手のボブ・ディランさんは12月の授賞式を先約のために欠席して、かわりに来年前半に北欧を訪れてノーベル賞恒例義務の講演会のかわりのコンサートを開催する。
 音楽、詩の難解さと違って普段のコメントはいたって謙虚でわかりやすく、同コンサートでも皮肉を込めた言葉は語られないだろう。

 (3)来年は沖縄返還45年、日中国交正常化45年と伏目の年でもある。沖縄辺野古移設は今年年末の翁長知事による埋め立て承認取り消しの違法判決確定で政府は工事を再開し、さらにこの流れを加速させることが予想され沖縄にとっては厳しい立場の45年目を迎える。

 年末の安倍首相の真珠湾慰霊訪問に同行した稲田防衛相は帰国の翌29日に靖国神社を参拝し、中国、韓国さらに身内の自民党の中からも国際関係の緊張を自ら生むものだとの批判が起こり、日中国交正常化45年にも水を差すものだ。

 (4)音楽はSMAP解散がダイナミズムとなって業界、つくり手、ミュージシャンにあたらしい変化、意欲、意識が芽生える年だ。いろいろ試行錯誤が出てくることが予想されて、どれだけ土台がしっかりとした音楽、歌が広がるのか関心は高い。

 チューリップは6月に45年を迎える。その後50年も地域を限定してなら彼らはチューリップとしてコンサートをやるだろう。その時、財津和夫さんは73才を迎えるがそうした音楽をリードするフロンティアな能力は充分あるし、発揮してきた。

 (5)スポーツは体操、陸上、水泳でプロ化宣言が続いてあたらしい時代、波の幕開けだ。日本陸上男子100メートルの9秒台、体操の黄金技時代、卓球も牙城の中国に迫る勢い、力を見せられるのか、興味、期待は大きい。

 (6)政治では安倍政権、自民党1強、野党低迷時代は変わらずに、憲法改正支持をにらんでの来年年末にかけての衆院解散総選挙が早くも取り沙汰されている。
 経済はトヨタが今年世界販売台数世界一の座を譲り、東芝が大型欠損を引き起こすなどアベノミクス効果も行き詰まりで、かろうじてトランプ効果を見越した株価が堅調なだけでダイナミズム(dynamism)とはならないだろう。

 (7)そのトランプ米新政権が1月20日からスタートしまずTPPから離脱すると明言しているので、米国第一主義が鮮明になれば日本には経済、貿易、基地負担で厳しい風が吹く可能性が高い。

 (8)社会は安倍政権が進める働き方改革では変わらずに、少子高年令化社会の様々な課題、問題の解決、対策、対応に追われるだろう。
 18年(人口問題)、19年(消費税引き上げ)、20年(東京五輪)の激動の時代を前に来年は嵐の前の静けさ(the quiet before a storm)停滞の予感がする。

 トランプ米大統領の動向影響を除けばである。

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小市民的社会の1年。 a year in the petite bourgeoisie society

2016-12-30 20:35:42 | 日記
 (1)今年も小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が社会を支配した1年だった。明日は大晦日を迎えて108つの除夜の鐘で1年の厄払いをして新年を迎える。

 何百年以上も日本の伝統文化をそれぞれの時代の人々が伝えて、継承してきた年末の国民的恒例行事ではあるが、今、除夜の鐘も騒音問題として苦情が来ていると聞いて非常に驚かされる。

 (2)公共利益が個人の権利、利益を必要以上に制限する、規制する社会ではあるが、個人利益が何百年以上も続く日本の伝統文化の除夜の鐘を騒音として排除しようというのも考えさせられる。
 除夜の鐘は、その日、その時間に限った伝統行事であり、もちろんその時間にどうしても寝なければならない人もいるだろうし個人事情はあるのだろうが、年末恒例のその日、その時間だけ工夫できないものかとも思う。
 小市民的社会意識といえるものだ。

 (3)政治の世界も安倍政権の重要政治課題にことごとく国民の過半数が反対(世論調査)しながら、安倍内閣の支持率は50%を安定維持するというパラドックス政治(paradoxical politics)が続く。

 野党の力不足が影響しているものだが、目先をあまり考えない個人の利益優先の小市民的国民意識のなせるものだろう。

 (4)経済、景気では賃上げはあっても消費動向には結びつかずに、市場に出回り、残ったままの「カネ」の量が最高となり、将来への貯蓄に回っているのも小市民的社会意識のあらわれだ。

 (5)子どもの遊ぶ声がうるさいからと公園内への幼稚園建設に周辺住民が反対するという話もあった。公園の用途、目的を考えれば「騒ぎ」は一定程度覚悟しなければならないもので、個人の利益が公共利益に優るという小市民的現象である。

 (6)もちろん地震災害国日本で今年も広域熊本地震に見舞われて、年末には糸魚川大火も発生してそのたびに近所住民同士、ボランティアによる災害復興協力もある社会連帯意識も健在だ。

 日本人の本質がどこにあるのか性善説を唱えたいところでもあるが、今年もあと1日を残す。明日の除夜の鐘をどんな気持ちで迎えるのか。

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戦争と経済。 the war and economics

2016-12-29 20:17:46 | 日記
 (1)安倍首相がハワイ真珠湾を訪れてオバマ大統領とともにアリゾナ記念館で戦争犠牲者を慰霊した日に、日本では電通社長が長時間過重労働による社員の自死の責任を取って辞任の意向を表明した。

 日本は戦前の軍国主義政権のもと日本軍によるアジア侵略、植民地支配から欧米連合国との第二次世界大戦に突入した。
 軍拡路線とも経済戦争とも見られる中で、日本軍がハワイ真珠湾を一方的に急襲してこれが引き金となって1941年に米国を中心とする欧米連合軍との第二次世界大戦が始まった。

 (2)4年の戦争のあげくに、1945年に米国連合軍が沖縄に上陸侵攻し8月に広島と長崎に原爆が投下されて、昭和天皇が敗戦を宣告して第二次世界大戦は終結した。
 今年オバマ大統領は広島を慰霊訪問し、今また安倍首相は年末にハワイ真珠湾を慰霊訪問して相互に和解と不戦の誓いを表明した。

 (3)戦前の日本の軍拡路線とも経済戦争とも見られるアジア侵攻、植民地支配に対して、戦後の平和憲法のもとでの経済第一主義による高度経済成長社会を平和主義の成功のように主張する考えもあるが、高度経済成長社会は戦後の団塊世代をダイナミズム(dynamism)として絶対的な労働力を企業の歯車(モノ)として捉えて、機械のように過重労働を強いて矢尽き倒れれば次々と団塊世代の絶対的労働力で補うという過重循環労働社会であった。

 (4)当時も労働力の過労死はあったが、高度経済成長社会のもとにさして問題にもされずに、それは労働力が「モノ」として考えられて「弱い」労働力として淘汰されて、さらに「強い」ことが労働力として求められた時代でもあった。

 過酷労働に耐えられないことは、労働弱者として顧みられなかった時代だ。そういう日本経済の「原点」が今日的経済、企業社会でも「風土」として「信奉」(follow)され、重宝されて偏向ダイナミズムとなっている。

 (5)情報化時代、社会を迎えて、一時期、世界的、日本経済の産業構造変革の中で労働形態、理念の見直しが進んで、長時間働くことだけが有効ではない効率的な労働理論、理念も広く語られたことがあったが、長いデフレ不況の中で経済、企業利益が上がらない中で過酷競争がかっての労働力歯車(モノ)信奉を蘇(よみがえ)らせた。ないしは脈々と日本経済、企業倫理、論理を流れて持続していたということだ。

 (6)日本は第二次世界大戦の敗戦で多大な犠牲を払わされてきたが(まだまだそれは終わりを迎えたとはいえない)、戦後の平和主義のもとの経済、企業戦争でも国民は多大な「犠牲」を払わされてきた。

 28日、オバマ大統領と安倍首相はもうひとつの日米戦争の歴史点の真珠湾で和解と不戦の誓いを表明したが、日本ではその後の戦後の経済、企業戦争の「犠牲者」への責任として電通社長が辞任に追い込まれた。
 極めて流転としての人生観として、印象的な「1日」であった。

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将棋の純粋培養。 pure cultivation of shogi

2016-12-28 20:11:13 | 日記
 (1)将棋の世界だけは現世と違う毅然としたたたずまい、自律文化、倫理観が残るものと思っていたのに、今回の三浦九段の対局中のスマホ将棋ソフト閲覧疑惑の取り上げ方でそれもちょっと違和感が出てきた。

 三浦九段が日本将棋連盟のいう違法行為を行ったからというのではなくて、その日本将棋連盟の問題の取り上げ方の方にだ。

 (2)現在一線級を張るプロ棋士たちは若い頃からコンピュータ将棋ソフトを教材にして成長、力をつけてきた世代なので、いまさら対局中であっても将棋ソフトを見て「多様」(diversity)な戦術(そのどれもが唯一というものでもない)を練ることなど不思議ではない、大学受験で全国「ひとつ」の答えをカンニングで知る不正行為とはあきらかに違うものだと書いた。

 だから三浦九段のスマホ疑惑を倫理観の欠如などとは思わないし、問題にしたいのはそれを不正行為として捉えた日本将棋連盟、一部棋士たちの側の倫理観の違いだ。

 (3)報道によると、今回の問題の対応にあたってタイトル保持者たちが連盟関係者の自宅に集まって三浦九段のスマホ疑惑ついて、話し合いを持ったといわれている。
 まずこの問題検討の恣意的な対応に不自然さを憶える。本来なら日本将棋連盟が正式な手続きにもとづいて問題検討会議を開いて公正に対処するのが常道というものだった。

 日頃の沈着冷静で熟慮、熟考、折り目正しい伝統の将棋界としては似つかわしくない、タイトル保持、連盟利益代表者たちだけによる偏向した問題解決への取り組み方に違和感、落差があった。

 (4)結局は日本将棋連盟による第三者調査委員会は「(三浦九段のスマホ疑惑行為に)不正の証拠は認められなかった」(報道)と三浦九段の無実、潔白を認めた。
 冒頭のようにあきらかに大学受験の不正行為とは異質で次元の違う三浦九段の対局中のスマホ将棋ソフト閲覧疑惑問題であるのに、第三者調査委員会まで設置して問題解明に及んだのは日本将棋連盟が自ら将棋の神聖化された高い精神性の自律文化(culture of autonomy)を信じない自己否定の結末だった。

 (5)なぜか昨日の日本将棋連盟のおわびの記者会見はテレビ報道を認めないものだったのは、日本将棋連盟の純粋精神性をさらに裏切るものでしかなかった。
 今回の騒動そのものが将棋の倫理性、価値観、自律文化に似つかわしくないものであって、対局中の百手先の深読み、熟考の精神性、自律文化のとおり「対局」当事者間で解決すべき問題でなければならなかった。

 (6)三浦九段の対局中スマホ将棋ソフト閲覧疑惑は多様な戦略検討(そのどれもが唯一というものでもない)の背景などから問題ないとする考え方を書いてきたが、日本将棋連盟がそれを不正というならコンプライアンス(compliance)として周知してから取り上げる問題だ。

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戦争の傷跡、戦後。 a scar of war , postwar

2016-12-27 19:55:01 | 日記
 (1)旧日本軍のアジア侵略、植民地支配、慰安婦問題で韓国、中国が対日圧力を強めていたころ、戦後の補償条約締結で問題は解決したとする日本側からは一体いつまでこの問題で謝り続けなければならないのかの嘆きも聞かれた。

 作家の村上春樹さんは被害を受けた国がもうこれでいいというまで謝り続けるしかないと言っていた。
 
 (2)その慰安婦問題は昨年末の日韓合意で解決に向かったが、その当事者の朴大統領が今年になって政治の私物化で国民の反発を受けて弾劾裁判にかけられて国民支持率4%ともいわれて大統領としての職責が停止となり、韓国政治の中には野党中心に合意「見直し論」が出始めている。

 朴政権後の大統領選を意識して、国民にも不満のある慰安婦問題の合意に反対することが国民の支持を集めることに影響しているともみられる。
 国と国との合意が政権が変わったからといって、おいそれと簡単に破られるものではなく、日本側としても認めることなど出来ない国際条約上の不文律もある。

 (3)安倍首相はハワイでのオバマ大統領との首脳会談に向けて昨日出発した。大きな目的に5月のオバマ大統領の広島慰霊訪問にあわせて真珠湾を訪れて戦争犠牲者を慰霊する。

 戦後71年が経過して、戦後体制の総決算(all of settlement)を目指す安倍首相ではあるが、①広島の原爆ドーム、②沖縄の米軍基地、③北方4島のロシア支配、そして④米国真珠湾にはアリゾナ記念館が現存して、日本のアジア侵略、植民地支配から第2次世界大戦敗戦に続く戦争の傷跡、歴史が色濃く残したまま、いまだに厳しい現実がある。

 (4)慰安婦問題までもが韓国政変にあわせて合意見直し復活の機運もある。敗戦の責任を重たく引きづり、戦後も戦争責任の重さをあちこちに見る、残る、残す現実社会だ。

 安倍首相は自分の世代、政治の中で戦後体制の総決算、問題解決を表明しているが、やっていることは別だ。日本は敗戦の教訓の中から、平和憲法のもとに経済中心主義に転換して経済成長国家としてGDP世界第3位の経済社会を迎えている。

 (5)しかし安倍政権は平和憲法の精神性を拡大解釈して変更し、多くの憲法学者、国民の反対の中で安保法制を成立させて集団的自衛権の行使容認による自衛隊の戦闘地域への海外派遣、米国など軍事同盟国との海外紛争地域での共同作戦も可能にした。

 年末に来日したロシア・プーチン大統領との首脳会談でも北方4島返還交渉は話題にもならずに、戦争の傷跡(a scar of war)、戦後(postwar)は引きずったまま総決算、解決には向かわない。

 (6)ともに当時敵国として広島原爆ドームと真珠湾アリゾナ記念館を持つ日米が今は自由主義陣営の軍事同盟国、資本主義経済国として強力なパートナーであるという不思議な関係でもある。

 米国の日本支配が続いているということであり、そういう視点から今も残る、残す戦争の傷跡、戦後を見つめる必要がある。
 今も戦争の傷跡、戦後は残り、残す問題は解決に向かわない現実がある。
 

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