いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

社会更生の促進になるか。 does it encourage rehabilitation in the society

2016-05-31 20:04:46 | 日記
 (1)覚せい剤所持、使用容疑で逮捕された清原和博被告への懲役2年6月、執行猶予4年判決が今日言い渡された。明日の6月1日からは薬物依存などの常習犯罪者を社会の中で更生させようという法律趣旨で「刑の一部執行猶予」制度が始まる。

 これまでの刑法ではたとえば懲役刑の場合、実刑判決「年数」は刑務所に収監されるか、これに執行猶予が付くと判決年数を社会生活で更生して刑期を全うする(その期間内に再度犯罪を犯すとただちに収監される)かの2方式であった。

 (2)6月1日から施行される「刑の一部執行猶予」制度は、判決年数のうち一部期間に「執行猶予」を付けてその間は社会で更生(rehabilitation in the society)をはかり、残り刑期は収監されるという第3の判決選択が実現する。

 犯罪者が社会で更生できる性質、場合の刑法犯罪を対象として実施されるもので、近年増え続ける薬物依存犯罪などを対象想定している。これまでの保護観察期間(平均4~5か月)を1~5年と大幅に延ばして社会更生を強化、支援しようというものだ。

 (3)しかし、これに必要な保護観察所、観察官(薬物離脱の専用プログラム受講を義務付け)が不足(報道)しており、実効性(practical result)があるのかは疑問だ。
 薬物依存、使用犯罪は再犯性(a second offense)が極めて高く、これまでの平均数か月の保護観察期間教育では実効性がなくて、薬物依存がくり返されることが多かった。

 名目は社会の中での保護観察官、一般人との生活を通しての更生プログラムの実施効果ということで犯罪更生のあるべき姿のようでもあるが、制度環境は十分整っておらずに理念が先行した法改正だ。
 むしろ背景には近年問題となっている薬物依存犯罪者などの急増により刑務所収監がおぼつかない犯罪社会事情がある。

 (4)高年令化社会を迎えて高年令者の軽犯罪も増えて、刑務所収監のスペース不足の近代的犯罪問題がある。米国では随分前から同じ悩みを抱えて、刑務所の民間委託対策が取られてきた。

 日本はここ十年単位では犯罪件数は減少傾向にあるが、薬物依存犯罪、オレオレ詐欺など現代社会の抱える特徴的な犯罪は増加しており「全国103の更生保護施設に入所した薬物犯や性犯罪、高令者などの処遇困難者は09年度の2008人から14年度は3902人とほぼ倍増」(報道)している。

 (5)これで6月1日から施行される「刑の一部執行猶予」制度で薬物依存犯罪者が社会更生教育でさらに増えれば、施設不足が懸念される更生環境が追い付かずに再犯率が高くなる見切り発車の恐れはぬぐい切れない。

 また刑期年数の一部が執行猶予になることへの犯罪抑止効果が薄れる危惧負担も考えられて、社会の中で更生することの大きな意味、意義は理解できても制度環境、法律趣旨の実効的、社会的整備が必要だ。

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G7よりはオバマ大統領の広島訪問。 hiroshima visit of president obama than G7 summit

2016-05-30 19:58:58 | 日記
 (1)G7伊勢志摩サミット首脳会議も安倍首相が世界経済をリーマンショック前と分析して危機感を煽ったが出席首脳からは反論懐疑(報道)も出て、世界経済安定に向けて財政出動か構造改革かの論点一致は見られずに、世界に向けてG7としての力強いメッセージを発信することはできなかった。

 その後のオバマ大統領の広島訪問の方が日本はもちろんのこと世界的に注目を集めて、すっかりそちらの方にお株を奪われた(hiroshima visit of president obama than G7)格好になった。

 (2)G7終了後の世論調査では、オバマ大統領の広島訪問に90%が「良かった」と答えて関心の高さが伺えて、G7議長国として安倍首相がリーダーシップを発揮したと答えたのは52%と比較低く、G7への評価、関心はとりまとめ結果からも比較低調だったことが伺える結果となった。

 それでも内閣支持率は前回よりは5ポイント上昇して49%と過半数に迫り、G7効果が出たものと考えられる。安倍首相としては安定した内閣支持率を背景に消費税引き上げ2年半延期と今夏の衆参同日選を実施することが十分考えられる世論結果だ。

 (3)G7サミット首脳会議では安倍首相は世界経済をリーマンショック前と同じと分析して消費税10%引き上げ再延期の布石を打ったが、66%が賛成と答えて支持の高さが伺える。

 安倍首相は昨日政権幹部に来年4月の消費税10%引き上げを2年半再延期する考えを示した(報道)が、財政規律を重んじる麻生財務相などから難色(同)を示されて、調整が続いている。
 前回15年10月の消費税10%引き上げ延期に際しては、来年4月の引き上げは必ずやると公約して衆院を解散した経緯もあり、本日の山口公明党代表との会談で消費税10%引き上げ2年半延期と今夏の衆参同日選を打診しているのではないのか。

 (4)一方で参院選の争点として、年金・医療が25%と2位のアベノミクス12%を大きく上回って関心が高く、その財源となる消費税10%引き上げには再延期を支持するという矛盾も見える。

 つまり政府には消費税引き上げ以外に社会保障の財源手立てを考えよということなのか、政府、与党、野党ともに今夏の参院選ないしは衆参同日選での明確な政策、方針を示す必要性がある。

 (5)今日的な財源問題よりは将来的な社会保障、年金、医療の仕組み、動向について不安が国民にはより強いのではないのか。子育て支援(10%)、震災からの復興(8%)が比較低いのは以外であった。

 小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識としてそれぞれの身近な問題に関心が高く、社会全体としての問題意識の低さが伺えるものだ。
 アベノミクス(12%)への関心の低さも同様で、アベノミクス効果の国民生活への浸透は否定的に捉えられており、今年に入って円高株安現象で日本経済の先行きに不安要素となり、安倍首相がリーマンショック前と分析する中でもっと関心が集まってよかった。

 (6)オバマ大統領の広島訪問を90%が良かったと答えているが、オバマ大統領の正式な謝罪がなかったこと、「核のない世界」実現に向けての日米政府の役割について具体的に感想、意見の集約があればよかった。

 G7伊勢志摩サミットも終了しこれで一気に消費税10%引き上げ問題、参院選ないしは衆参同日選に国内政治の焦点は移行するが、国民にとっても重要な選択の時期を迎える。

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それでいいのではないのか。トランプさん。 that's right , mr. trump

2016-05-29 19:53:34 | 日記
 (1)もし仮に現在の日本と米国の立場がまったく逆だったら、われわれは沖縄問題をどう考えるか。トランプ候補の言う「日本は米軍の沖縄経費を100%負担せよ」(趣旨発言)は心情的に理解できるのではないのか。

 沖縄米軍基地は日米安保、軍事同盟関係で米軍が日本を守るだけでなく、米国、米軍の中国、北朝鮮封じ込め戦略のためのものであり、中東、イラク戦略(出撃基地)にも使用されて米国、米軍の重要な世界軍事戦略拠点化しているのが現実だ。

 (2)そこまで多角的に沖縄を日本を守る口実で利用しているのだから、トランプ候補の言うように「日本が100%基地経費を負担せよ」は論理が飛躍しているわけだが、多くの米国民の感情としては日本を守る基地として駐留米軍の役割を捉えていることが考えられて、支配的な地位協定も治外法権化も当然の結果と見ているはずだ。

 今回の元米兵で米軍関係者による女性殺害事件を受けての安倍首相とオバマ大統領の緊急会談でも、遺憾の表明はあっても地位協定の見直しなど具体的な改善策にはまったく触れられなかった。

 (3)オバマ大統領自身が沖縄に対する多くの米国民の感情を代弁してみせたものだ。その行き着く先にわかりやすいトランプ候補の日本100%負担論が見えるのだが、このわかりやすさが今日的米国民の感情と相まって高い支持を受けている要因だ。

 しかもこれに対して米国内ではあまり良心的で論理的な反論が見られないのも、米国の日本に対する見方としてある。国連の安保理常任理事国もいまだにG7主要国の日本、ドイツは除外されたままで、第2次世界大戦の影響が色濃く残ったままだ。

 (4)英国人ジャーナリストが情報公開請求で入手した(報道)とされる、米軍による沖縄着任兵士対象の研修資料「沖縄の文化認識研修」が公になった。「沖縄の世論は論理的というより感情的で二重基準」、「軍用地料が唯一の収入で土地の返還を望んでいない」、「事件や犯罪を否定的に捉えさせ必要以上の注目を集める」(報道要約)などと、事実をわい曲して占領支配政策で地元沖縄住民を支配する意図が見て取れる軍事教育ものだ。

 翁長知事が言うように「(綱紀粛正など)これまで何百回と聞いてきたが何も変わらない」(趣旨発言)ことの原点がある。

 (5)沖縄問題が駐留米軍基地の政治的課題として捉えられて、日米同盟関係の強化の名目であいまいなままに問題解決を先送りされてきたが、かえってトランプ候補のようにはっきりと割り切った問題の捉え方をされることによって、沖縄問題は本質が見えてくる。

 日本が100%沖縄米軍基地経費負担をするなら、スポンサー契約の原則から地位協定は相互に平等、公平なものにする必要があり、基地使用条件も100%経費負担のスポンサー日本側にイニシアティブ(initiative)があるべきだとなる。

 (6)それでいいのではないのか。トランプさん。(that's right , mr.trump)

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オバマ大統領の17分。 seventeen minutes of president obama

2016-05-28 19:37:36 | 日記
 (1)オバマ大統領の広島訪問が終わった。象徴的なことが2つあった。ひとつはオバマ大統領が献花した慰霊碑の前で述べた「所感」(impressions)だ。当初3分程度といわれていたものが17分の長いものとなった。

 所感冒頭の言葉が印象的だ。「71年前、晴天の朝、空から死が降ってきて世界が変わりました」(報道)。「死」を降らしたのは米軍戦闘機であり、命じたのは時の米国トルーマン大統領だった。

 (2)米国では今でも米軍による日本への原爆投下は戦争を終結させる正しい選択だったと認識する国民が過半数を占める(世論報道)といわれている中で、オバマ大統領は「空から死が降ってきて(death fell from the sky)」と表現した。

 現職米大統領として「死が降ってきて」という最大限の恐怖、脅威の言葉で71年前の米軍による日本への原爆投下の惨事を表現して、米国の戦争行動を評価してみせたのだ。日本からみれば十分に「おわび」であり「謝罪」と評価してもいいことであった。

 (3)もうひとつ本日の新聞紙面で、元広島市長の平岡敬さんが原爆慰霊碑に刻まれた「過ちは繰り返しませぬ」と誓った言葉は「原爆投下の責任を問う」ということだ。「謝罪を求めない」というのも無残に殺された死者に失礼だ(報道要約)と述べている。

 日米両政府のいうオバマ大統領は広島に謝罪のために行くのではないという認識を批判している。元広島市長としていかに人が人を殺りくする戦争とはいえ、多数の民間人を含めて無差別に同時破壊する兵器の使用選択は使用国のせめてもの謝罪以外の何ものでもない、地球上の人類上の重い責任、普遍的命題だという思いだ。

 (4)その普遍的命題の達成、向き合うために人類は71年の長い年月を要したのだ。このひとりの人間の生涯にも似た年月が普遍的命題に近づくために必要だったことが、地球上の人類のおろかさの象徴でもある。

 平岡さんの「(オバマ大統領の広島訪問が)日米同盟強化を誇示するパフォーマンスの場に利用されたらかなわない」(報道)の言葉は、安倍首相、日米両政府がよくかみしめる言葉ではないのか。

 (5)民進党の岡田代表の言う「米国の言うことを何でも聞いていては同盟関係とは言えない」(趣旨発言)の言葉どおり、また沖縄の日米地位協定による治外法権化などは日米同盟と胸を張れるものでは到低ないものだ。

 安倍首相は今回のオバマ大統領の広島訪問を、世界で唯一戦争核兵器使用国と唯一の戦争被ばく国の両国が今や親密な同盟協力国となっていることの証しと自賛しているが、丁度同時期に起きたくり返される沖縄米軍関係者による在住沖縄女性殺害事件に対して両国首脳が緊急会談をしても問題解決に向けて何も前進させることができなかったことに、日米同盟の本質問題を見る思いだ。

 (6)オバマ大統領は就任した09年に「核のない世界」の高い理想主義を掲げたが、国際政治力学では十分な指導力を発揮できなかった。
 世界政治、経済はG7から新興国の台頭でG20時代に軸足を移して、低開発経済国の権利、利益保障など多様な価値観に覆われてむずかしい統治の時代だ。

 オバマ大統領は安倍首相に「広島に来ることができ本当によかった」(報道)と述べたといわれて、17分の「所感」で最大限の配慮をみせた。

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世界経済の危機度。 dangerous limit of world economy

2016-05-27 19:54:03 | 日記
 (1)安倍首相が昨日のG7伊勢志摩サミット首脳会議の最初の議題の「世界経済」で08年のリーマンショック直前と似ている(報道)と経済データを示して言及して「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると危機に陥るリスクがある」(報道)と強調した。

 出席首脳の中からは「現状は危機とまで言えない」(同)との反論も出たといわれて世界の認識は一致していない。
 安倍首相が示した経済データも数値上はリーマンショック時と似ているが、専門家からは今回は時間をかけてゆっくり変動したもので、リーマンショック時の急激な変動とは経済環境の違いがあるとの意見もある。

 (2)しかし安倍首相はG7サミット首脳会議での議論を通して、来年4月の消費税10%引き上げを世界経済の変動を理由に再度延期する布石を打ったと受け取られている。

 先の国会党首討論で民進党の岡田代表は安倍首相が約束した来年4月の消費税10%引き上げを実施できなければアベノミクスの失敗として総辞職すべきだと迫っており、矛先(ほこさき)をアベノミクスの失敗から世界経済の変動に変えたとみられる。

 (3)その民進党はG7サミット首脳会議前日の25日に消費税10%引き上げを来年4月から2年間延期する法案を国会に提出した。安倍首相の今回のG7サミット議論による消費税10%引き上げの再延期への布石と民進党の2年間の引き上げ延期の方向性は一致しているが、その政治責任の見方は前述のとおり異なっている。

 党首討論で岡田代表は来年4月は引きあげられる経済状況になく、2年間延期して2020年のプライマリーバランス(primary balance)黒字化目標は堅持して、19年4月には何としても消費税を引き上げる必要性を主張した。

 (4)これに対して与党からは「民進党の増税延期は『無責任』だ」(報道ー『』は本ブログ注)という声が聞かれた。
 消費税引き上げはその税収増を社会保障の不足する財源に充てることが決定しており、財源不足が続くことへの批判だ。

 しかし「無責任」なのは政府、与党の方ではないのか。少子高年令化社会の到来があきらかな日本社会の中で、これまで有効な手立て、政策を取ってこなかったのは長期自民党政権のほうだ。

 (5)今さら少子高年令化社会の中で社会保障の財源不足を今日的社会の国民投資(税負担)に全責任を押し付けて、次世代社会に問題を先送りしないなどと言われてもそれこそ政府、自民党の「無計画」、「無責任」政治といわざるを得ない。

 1000兆円を超える国家累積赤字の膨大な負担をどの時代のどの世代がどれだけ公平に負担するのか、計画的行程表を示す必要がある。

 (6)G7サミット首脳会議でも世界経済の安定推進に対して財政出動(日、米、加、伊)か構造改革(独、英)かで意思の相違が見られる。
 オバマ大統領は「金融改革、構造改革もバランス良く」(報道)と述べているが、長期的な視点からの世界経済の持続的な(sustainable)安定には構造改革(innovation of organization)は避けて通れない。

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