いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ポスト安倍の国難。 a national crisis of post abe

2020-08-31 20:30:37 | 日記
 (1)コロナ感染社会での安倍首相辞任表明で、後を誰が担っても大変な国難(a national crisis)が待ち受ける残り任期1年の政権となる。経済の落ち込み回復は23年度までかかるという専門家の見方もあり、コロナ対策での二度の大型補正予算、各種給付金など財源で大量の国債発行による借金財政を抱えて、来年度予算案の枠組みも決まらない非常事態だ。

 (2)アベノミクスの物価上昇2%目標は7年8か月をかけても実現(15年実現目標)にはるか遠く、デフレ脱却は遠く、大胆な金融緩和策の後遺症(日銀の大量の国債購入)対策、出口論が金融、市場経済の緊急課題であり、来年の東京五輪開催にもワクチン開発、コロナ収束の難問が待ち受ける。

 (3)まずはコロナ対策で医療体制、安全収束の道筋をどうつけるのか、ワクチン開発、新治療薬の使用も急がねばならない。ひとりの首相、政権で対応できる課題、問題ではなく与党、野党を含めた危機管理的全体政治で国難に立ち向かいひとつひとつ乗り越えていくしかない政治状況だ。

 国民、与党、野党からの最大公約数信任を集めれる人材が選べれるのか、出てくるのか、次期首相、総裁選び、責任は大きく、重い。現在進行中のいつもながらの派閥力学、政局がらみの次期首相、総裁選びでは国民の信頼を得られない、それではいづれ批判、反発(選挙)を受けるだろう。

 (4)11月の米大統領選で共和党トランプ、民主党バイデン候補どちらの候補者が選ばれても次期首相には日米経済、日米同盟関係の付き合い方、連携にこれまでとは違う関係が生まれることは考えられて、日米関係基軸強化に取り組まなければならないことになる。

 (5)安倍首相の後継意中といわれる岸田政調会長は経歴は申し分ないが発信力、実行力が低く国民的支持、人気が低く、逆に国民、党員の支持の高い石破茂議員は国会議員の支持が低いというジレンマ(dilemma)で、安倍政権を官房長官で支えてきた菅義偉議員は官邸主導型安倍政治の手法、へい害の責任、批判もあり、国民、与野党議員の期待を集めれるのか現在ポスト安倍の軸とみられる3氏にはいづれも決め手を欠く。

 (6)安倍1強、独裁政治で有力な後継者が育たない、存在しない7年8か月の中で、思わぬ人材が登場するという目もなく、まさか順番からいえば麻生副総理では国民の反発、不満が大きくてもたない。

 残り任期1年の国難は実務型の堅実派首相による危機管理内閣型政治で乗り切るしかない日本だ。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍野望政治の終焉。 the end - abe ambitious politics

2020-08-29 20:14:34 | 日記
 (1)安倍首相が病気を理由に突然辞任を表明した。7年8か月と史上連続在位最長記録となる安倍首相の任期途中での辞任表明で大騒ぎだが、民主主義政治では「国民主権」(parliamentary responsibility)が基本理念であり、国民がしっかり受け止めなければならない。

 ケネディ元大統領が述べた国が国民に何をするのかでなく、国民が国のために何をするのか、できるのか問うことが強く求められている。

 (2)さすがに安倍内閣は最近は支持率が30%台前半となり、不支持率が過半数を超える状況が続いているが、小市民的国民意識(petite bourgeoisie)は長らく安倍政権の基本重要政策にはことごとく過半数が反対しながら安倍内閣支持率は比較安定するという経済優先、個人主義が支えてきた。

 安倍政治は首相として初めて憲法改正を目指し、意欲を示す野望政治であり、官邸主導政治で官僚、自民党を牛耳って国民主権を無視した安倍独裁政治を長らく続けてきた。
 政治、政権はどこでも長く続けばそれは独裁でしかない。民主主義政治は多様で多角的な人材、政治、理念を生かすことで成り立つ。

 (3)安倍政治の野望性、独裁性は安倍首相、夫人自らがかかわる疑惑が追及されて、ここ1,2年は政権の体を成していない政治状況が続いていた。そこに世界的な新型コロナ感染流行拡大(pandemic)で安倍首相、政権の対策は後手、後手で決めたばかりの対策をすぐに変更するなど不規則でモロに悪影響がでていた。
 安倍首相は解散総選挙で活路を見出そうとしたようだが、コロナ社会ではそれも不発に終わった。

 (4)安倍首相の今回の突然の辞任表明は持病の再発ということだが、それもこれも政権の体を成していない結果のあらわれでしかない。それを許してきた「国民主権」にも問題はあり、政治を変えるためには国民が変わらなければならないと書いてきたが、安倍首相は代わっても支えてきた自民党連立与党は変わらずに、政治を変えるには国民が主権者として変わらなければならないのは変わらない。

 (5)民主主義政治は国民主権が基本理念で、安倍長期政権が終わるからといって国民がしっかりしなければならない時だと書いたが、次期首相、総裁が決まれば総選挙は必然で(時期はコロナ感染社会との兼合い次第)、民主主義政治の土台の国民主権の責任、判断、選択の力量、度量(geneous)が試される。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人種問題の政治争点化。 a racial problem of a disputed point of politics

2020-08-28 20:30:14 | 日記
 (1)大坂なおみ選手が出場中の米国テニス大会で4強入りした後、警官による黒人迫害事件に抗議を示して以後の試合をボイコットすると表明(ツイッター)した。米大リーグも抗議の意味で3試合が中止となった。

 米国では警官による黒人男性拘束の首圧迫死に次いで、今度は警官の背後からの銃撃で黒人男性が重傷を負うという事件が続いた。
 大坂選手はツイッターで「(何度も繰り返され)同じことを言うのは疲れる。いつになれば終わるのでしょうか。」と結んでいる。

 (2)米国建国以来の銃社会、人種問題は歴史、伝統、社会の価値観の問題として不幸がくり返されながらも、決してあらためられることのない米国問題だ。トランプ大統領が社会格差、分断対立を煽(あお)る先導をしているとして批判されているが、たとえば銃規制は前民主党オバマ大統領が法規制に乗り出したが絶大な政治力、集票力を誇る全米ライフル協会などの反対で成立することはなかった。

 民主党バイデン大統領候補は副大統領候補に黒人女性のハリス議員を指名したが、対決する共和党トランプ大統領の国民分断、対立を煽ることに対するアピールもあるのかもしれないがやはり民主党支持層の多い黒人票取り込みが狙いのようにもみえる。

 (3)銃規制も人種、黒人差別問題も米国建国以来の歴史、伝統、社会の継続の中で「政治」問題化するのを避けてきた特殊事情がみえる。トランプ大統領の偏見政治をあらためようというなら民主党バイデン候補は銃規制、人種、黒人差別問題を大統領選の「争点」(a disputed point)にして政治問題化すべきだが、理解は示しながらも銃規制、人種、黒人差別問題解決に向けた政治的アプローチをとろうとしないところにこの問題の米国政治、社会の限界がある。

 (4)建国以来の米国歴史、伝統、社会に深く根差して継続されてきた「文化観」というものは簡単には改革、覆(くつがえ)すことなどできない価値観、判断のむずかしさがある。

 ケネディ元大統領は国が国民に対して何をするのかではなく、国民が国に対して何ができるのかを問うた。キング牧師は「私には夢がある」と人種、黒人差別偏見社会の撤廃を強く迫ったが悲劇はくり返されて、米国の分断、対立社会は一向に解決に向かうことない。

 (5)米国政治、社会の限界と書いたが、政治が政治的アプローチが変わらなければトランプ大統領ではもちろんのこと、バイデン候補でも何も変わらないだろう。人種問題は黒人だけの問題ではなく、どこでも抱える問題であり、国際政治の争点として取り組み解決すべきことだ。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラック・ライブズ・マター。 Black lives matter

2020-08-27 20:11:04 | 日記
 (1)米国黒人が警官に首筋を押さえつけられて(映像)拘束されて死亡した事件で抗議デモが全米に拡がり、その抗議スローガンとなった「ブラック・ライブズ・マター」(Black lives matter)は日本では新聞紙上で「黒人の命は大事だ」と訳されていたが、たとえば「黒人は物(質)として生きる」比喩かと思ったが、黒人差別抗議の「ブラック・ライブズ・マター」の伝える「意味」をあれこれ探して黒人迫害抗議の意味にふさわしいスローガンの訳として「黒人の命は大事だ」に行き着いたのではないのかとつれづれ考える。

 (2)これに米国、英国など海外に長く居住して作家活動を続けていた作家の村上春樹さんは「いろんな人が翻訳しているんだけど、どれもピンとこない。もし僕が訳すとしたら『黒人だって生きている』というのが近いように思うんだけど」(報道)と自身のラジオのDJで述べている。

 これだけの海外経歴と経験、知見のある作家村上春樹さんがそう述べているのだから、そういうことなのだろう。

 (3)「ブラック・ライブズ・マター」の「黒人の命は大事だ」を見た時には、そういう訳もあるのかと感心したものだ。米国の社会的背景、事件を考えるなら黒人がまるでモノ・物質(matter)として取り扱われてきた歴史(奴隷制度)の黒人差別文化、社会に対して「黒人の命『も』大事だ」で抗議スローガンとしてはインパクトがあり、翻訳として合っているような気もするが、米国社会、文化、歴史で誰が発言し拡がりスローガンになったのか背景も大きく翻訳には影響するように思う。

 (4)黒人差別に反対、抗議したキング牧師のデモ集会での「私には夢がある」発言で、私の娘が将来にわたって人種、肌の色で差別されることのない時代、社会がいつか来ることを訴えた演説は有名で、主義、主張をストレートに伝えて感動させられる。

 米国は世界の自由主義国家の指標、覇権国家となりながら、建国以来の人種、黒人差別社会、問題に対して「けじめ」をつけれずに、乗り越えられずにいるのは不思議だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

100人の証人。 hundred witnesses

2020-08-26 20:03:17 | 日記
 (1)IR汚職事件の収賄罪で逮捕され起訴された秋元・元IR担当副内閣相が保釈中に贈賄側被告に虚偽の証言をする見返りに現金の提供を持ちかけた(報道)として再逮捕され、その公判証人尋問が100人に及ぶといわれる前法相河井夫妻議員の選挙買収容疑事件の1審公判が開かれた。

 (2)元IR担当副大臣に前法相という安倍内閣の要職議員が揃って公判に立つという疑獄事件だ。贈収賄に選挙買収事件という物的証拠に乏しい事件で、いずれも被告側が事件関与を否定しており、公判での証言、証人喚問が立証への重要なポイントなるというむずかしい事件だ。

 前者は贈賄側被告に虚偽の証言を求めたといわれ、後者は現金配布が地方議員の100人に及ぶためこれらすべてが証人として公判に立つという異常性だ。

 (3)状況証拠は被告側に極めて不利で、特に後者事件では100人の証人、証言による長期裁判で外堀を埋めるという前代未聞の公判となる。河井夫妻議員側は現金配布は大筋認めているが、党勢、地盤拡大、陣中見舞い、当選祝い(報道)のための政治資金と主張して無罪を主張している。

 現金を受け取った地方議員からは会合でいきなりポケットに現金をねじ込まれるという河井議員の不規則な行動が報道されて、その真実性が焦点となる。

 (4)たとえは悪いが、ナイフを突き出して(河井議員側は現金配布はおおむね認めている)おいて、相手側(地方議員)が勝手にナイフに向かってきたという逆転の論理、おかしな論点で、状況証拠は極めて選挙買収事件を構成するものだ。

 不思議なのは公職選挙法を取り締まる側の法相を務める河井克行議員が100人に及ぶ大量の地方議員にあからさま(現金をポケットにねじ込む)といえるやり方で選挙期間中に現金を配布、提供したのかだ。

 (5)自民党本部が河井議員側に1億5千万円の選挙資金が提供されていたことがわかっており、資金が豊富だったこともあるが、使い方はあからさまではないもっと他にもあったはずだ。解明されなければならない焦点だ。

 状況証拠による有罪判決は近年目につくもので、慎重には慎重な公正、公平な裁判審理が求められるが、訴追を免除しての(司法取引か訴追人数の技術的な問題か)現金受け取り側100人の公判証人尋問というのも捜査能力、判断、精度としては異常で問題はある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする