いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民意識。 national senses

2018-12-31 20:09:10 | 日記
 (1)平成最後の年末ということもあって、平成にまつわる調査アンケートが続く。平成に起きた出来事で印象に残ったものとして11年の東日本大震災と福島第一原発事故が78%と最多になった。 千年に一度といわれる未曽有の災害と自然災害に制御不能の原発事故という取り合わせで、ともに復興、復旧は進まずにその責任を含めて次の時代に問題は続くことになる大災害、事故だ。

 2位に地下鉄サリン事件、3位米国同時多発テロ、4位に阪神大災害と自然災害の脅威とテロ社会の平成時代を印象づけるものだ。ともに人類が進歩と成長の都合のために近代化とグローバル化の代償として拡散してきたもので、その人類に立ち戻って降りかかってきた悲劇である。

 (2)なかなかいいことが印象に残っていないのは残念だが、日本のノーベル賞授賞者が相次いで先端的な科学医学分野での高い技術開発力が世界人類の生命、社会の発展、成長に貢献するものとしてあかるい未来への話題であった。

 その次の時代の日本が日本人にとって希望が持てる時代になるかについては、あまり希望が持てない48%、希望が持てない9%とあわせて過半数の57%が将来、時代に不安、不信を抱えている。
 今年も自然災害、大型台風、猛暑に見舞われて災害列島日本の弱さ、安全対策の不足を実感して、政治では国民無視の数の力に頼る安倍政権の強権、強行政治が続いて、相変わらずの利権政治も目の当たりにして将来的な不安、不信は大きい。

 (3)それでは希望の持てる時代にするためにはどうしたらよいかでは、設問選択肢(複数回答)として「国民生活を最優先に考える社会にする」、「ゆとりや心の豊かさを追求できる社会にする」がともに50%と高かった。

 日本の政治は安倍首相の保守思想が前面に出て、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪、憲法改正論議とこれまでタブー視されて一定の規律で守られてきた課題に独自の判断で切り崩すという独断専決型政治が主流となって、国会機能がマヒして議会制民主主義の危機を実感しており、世界的にも米国トランプ政権の保護主義、米国第一主義、極右勢力の台頭で世界規律、規範に変化がみられることから、将来、時代への不安、不信、疑念、懸念は大きい。

 (4)それでも日本では経済優先政策による株高効果での経済好調に支えられて、安倍内閣支持率は比較安定を維持して小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が大勢を占めて、その結果としての前述の希望の持てる時代として国民生活優先社会、ゆとり心の豊かさ追究社会への支持が高い結果と考える。

 (5)信じることのできるものとして「夫・妻」、「子ども」が48%、「お金」、「親」が44%と高く、「思想信条」16%、仕事」17%と低いのは現在の日本の政治、社会状況をよく示すものだ。

 将来、時代への不安、不信を抱えて生きて、変わらなければならないのは「国民」自らであり「意識」(national senses)のようだ。

 

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犯罪抑止力。 suppress power of a crime

2018-12-28 20:16:59 | 日記
 (1)今年の社会現象(話題というには区別すべき)として、オウムサリン事件の死刑囚13人の死刑執行がある。それも含めて今年は死刑執行が15人となり、近年では08年と並んで最多(報道)となった。

 といっても上記のように同一事件、オウムサリン事件の特殊事件の死刑執行を含めてのもので一概に政府が死刑執行推進に傾いたとばかりは言えない。
 しかし世界のすう勢は死刑制度廃止であり、日本は数少ない死刑制度存続国であり、海外からの批判も強い。

 (2)日本ではここ10年では犯罪は減少傾向にあり、一方で再犯率は上昇(報道)している。犯罪を犯して収監されて刑期を終えて社会復帰しても、再び犯罪に手を染める比率が高い。
 刑期中に更生を果せずにまたは社会復帰してから社会生活に溶け込めずに、なじめずに再び犯罪を重ねる比率の高い国、社会というのは、刑期中(収監)の更生指導に問題があるのか、刑期終了者を受け入れない社会に問題があるのか、そのどちらにも問題があるか再犯率の高さは国民の安全生活にとっては自らの解消すべき問題でもあり懸念される問題だ。

 (3)山下法相は海外からの批判の強い日本の死刑制度について「国民感情、犯罪情勢、刑事政策のあり方を踏まえ、独自に決定すべき問題」(報道)と主権性、主体性を強調している。
 日本の刑法は報復主義をとらないので、死刑制度は「報復」としての極刑ではなく犯罪性の悪質性、特殊性に見合った対価としての犯罪責任性である。

 死刑制度は悪質犯罪抑止力(suppress power of a crime)効果があるともいわれるが、近年犯罪が減少傾向にあるのは市中の防犯カメラ設置の増進で検挙率、検挙時間が高まっていることや科学捜査の進展などがあげられて、死刑制度の犯罪抑止力効果はどれほどのものなのかよくわからない。

 (4)死刑確定者がその後の再審で無罪になるえん罪事件もいくつもあり、死刑制度の問題、廃止の根拠とも考えられて論議はある。日本の刑法は報復主義をとらないと書いたが、犯罪者の更生、責任、社会復帰は刑法の求められる高い理念であり、犯罪のない社会づくりのために刑法適用だけが課題ではない。

 一方で加害者への配慮が進む中で、犯罪被害者への思い、願い、配慮が十分でない側面もある。

 (5)裁判は公正、公平、平等の観点から判例が重視されて、必ずしも犯罪被害者の実情、家族の思いに応えるものとはならずに、死刑判断も被害1人では適用されずに動機よりは被害人数の過多で判断される判例があり、残酷性、悪質性の過多はあるが犯罪被害者、遺族にとっては無念さ、失望、失意に応えるものでないこともある。

 (6)犯罪処罰の理念は「人を憎まず、罪を憎む」というのがあるが、再犯率が高まっている日本の場合には犯罪者の更生指導、受け入れ社会の対応、対策が十分でない問題がある。
 警察権力が社会に威圧を与える国家体制のへい害は戦前時代に経験しており、あってはならないことだが、報復主義をとらない日本の刑法社会としては死刑制度について見直し議論は必要だ。

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教育勅語否定。 denial of imperial rescript of education

2018-12-27 20:21:59 | 日記
 (1)安倍第2次政権発足から6年が経過した。折りしもその日は米国株価急落を受けて世界的な株安移行の中で、東京株式市場でも終値1010円安の2万円割れを記録した。
 株価は下がることもあれば上がることもあり一喜一憂することもないが、今回は米国トランプ政権の先行き不安感を受けての投資家がリスクを避けようと売りに転じたことが背景にあり、好転材料は見通せずに回復は容易ではないとの見方が強い。

 (2)これまでの株高傾向を受けて唯一経済、金融政策の好調をキープしての安倍内閣の比較安定した支持率であったが、こちらも先行き不安を抱えることになる。
 トランプ大統領、安倍首相は政治手法は独断専決型で似たところがあり、妙にともに前政権の反動、反面教師としての固い岩盤支持層を持つことから、これまでの理念、秩序、基準を無視した独断専決の政策推進を終わらせるにはその残り任期が通り過ぎるのを待つしかないところがある。

 (3)その残り任期中に安倍首相が目指すのが憲法改正だ。今のところは第9条にあらたに自衛隊を明記する改正案を考えているようだが、来年の4月天皇退位、5月新天皇即位、新元号発令そ迎えて日本の歴史、伝統、伝説、儀式が保守思想を高める社会の中で、戦後日本の首相として初めて憲法改正を手掛ける首相として名を残したいところだろう。

 (4)安倍首相が掲げる保守思想の台頭は、道徳教育を初等、中等教育の教科として位置付けてさらに閣僚などから「教育勅語」(imperial rescript of education)を学校の教材に利用しようという発言、動きが公然と出ている。

 「教育勅語」は戦前の天皇権威崇拝主義による軍国主義の精神的支柱として戦後国会で排除、失効が確認(報道)されたものだ。その国会で当時の安倍首相の保守思想に近い下村文科相が「今日にも通用する普遍的な内容が含まれ、教材使用は差し支えない」(報道)と答弁して閣議決定してもいる。

 (5)安倍首相は「(教育勅語には)子は親に孝養を尽くす、夫婦は温かい家庭を築くなど大変素晴らしい理念が書いてある」(06年官房長官としての委員会発言ー報道)と発言している。
 「教育勅語」は前述のように軍国主義を支えたとして戦後国会で排除、失効が確認されたものであり、仮にその中の一部にいかに「素晴らしい理念」が書いてあるとしてもそれは戦後教育の中で「教育勅語」が教材に利用されなければならないことではなく、それはそれで切り離して論ずべきことだ。

 (6)そうでなければ、「教育勅語」が天皇権威崇拝主義で軍国主義を支え、アジア侵略植民地支配に至った歴史について反省もなく、考証し、評価、論じてからの問題だ。

 安倍首相は戦後70年談話でアジア侵略植民地支配について「おわび」の発言をしており、植民地支配を軍国主義として支えた「教育勅語」の正当性とは相容れないもので矛盾する。

 (7)戦後の日本国憲法で天皇は象徴としての立場、役割となり、「教育勅語」が支えた天皇権威崇拝主義による軍国主義はすでに憲法、国、政治、社会からは否定されており、「教育勅語」の學校教育の教材利用などありえない、考えられない戦後民主主義日本を歩んできた・。

 安倍首相の保守思想、理念の主張により、明治150年が評価され、戦前回帰主義が台頭してきているのは、戦後民主主義への変化として見過ごすことができない。

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再び大阪都。 osaka metropolis idea , again

2018-12-26 20:22:44 | 日記
 (1)2025年大阪万博開催が決定して、これを推進した松井府知事もさぞかし府政担当に意欲をたぎらせていると思っていたら、突然の大阪府知事、市長の辞職に踏み切るとの報道だ。
 今回の大阪万博構想は松井府知事の個人的な発想から始まって、2020年東京五輪後の国際的なイベント招致で日本の存在感をさらに高めたい政府の思惑もあったのか、官民あげての招致運動が実を結んで2025年大阪万博開催が正式に決定した。

 (2)情報化時代で万博の意味、意義に疑問もあるが、開催決定となれば先端的なハイテク技術の未来社会に向けた予見メッセージのようなテーマが必要であり、単に大阪の存在感を高めるようなことではパラドックス(paradox)として存在を見失うことになる。

 そうしたこれから大事な政治時期を迎える大阪府政、市政で府知事、市長が辞職する意向を固めたというから、驚かされた。

 (3)松井府知事、吉村市長は「大阪都構想」を再び政治テーマに掲げて住民投票を実施する政策を表明しており、このことについて議会運営の協力関係にある公明党と重要な住民投票実施時期について話し合い、折り合いがつかずに(報道)、このままでは住民投票実施が遠のくとの危機感から来年4月の統一地方選にあわせて府知事、市長が辞職して選挙で民意を問う戦略だ。

 大阪維新の会独自で議会の過半数を目指す多分に2025年大阪万博構想をリードして開催にこぎつけた松井府知事の功績を背景に、高まりをみせる府民、市民の支持を期待しての戦略なのだろう。

 (4)前回の大阪都構想は当時の橋下市長の理念先行が目立って、都構想に不安を抱える市民、府民の支持は広がらずに住民投票で否決された。今回も再掲示した「大阪都構想」がどれだけ府民、市民に理解、浸透しているのかわからない中で2025年大阪万博開催の推進が実現する余勢をかっての松井府知事、吉村市長の協力関係にある公明党との調整による議会対策だけで「大阪都構想」の住民投票実現に向けて走り出すということでは、前回同様に前のめりのフライング気味の印象が強くて府民、市民の理解、協力は得られるのか疑問だ。

 (5)前回大阪都構想の住民投票実施、否決の反省、分析、検証の上で、まずは再提示の「大阪都構想」の説明責任を果たして府民、市民の協力、理解を得る環境整備の上での集結、集約としての議会対策でなければ大阪都構想は実現に向かわないだろう。順番が逆だ。

 少子高年令化社会、地方過疎化、財政難時代の解消に向けて「都構想」道州制の導入は必要だと考えるが、前回住民投票でもみるとおり地域性愛着の強い府民、市民が大阪圏が4つに区割り集約されることへの不安、不信はあり、ていねいでわかりやすい利益、貢献、共助の説明責任がまず強く求められる。

 

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沖縄と英国風。 okinawa and wind of england style

2018-12-25 20:52:00 | 日記
 (1)来年2月実施予定の辺野古移設の賛否を問う沖縄県民投票への不参加表明が相次いでいる。県民投票に必要な予算案が8市町(12.21現在)で否決されて、実質参加しない議会の意向表明だ。
 理由は「県民投票の実施は市民を分断する」(報道)というもので、沖縄県に米軍基地が集中する過重な危険負担と基地経済に依存する社会的背景との板挟みがある。

 (2)辺野古米軍キャンプシュワブのある名護市長選は辺野古移設反対派の候補者が賛成派の候補者を破って当選したが票差はわずかなものできっ抗しており、その後の再選では辺野古移設に反対しない自民系候補者に敗れた。

 まさに辺野古移設問題で焦点となっている名護市長選で市民が「分断」して争い、両極の結果を招いている。工事が進められる辺野古キャンプシュワブ前では連日反対派グループの抗議行動が続いているが、少なくとも名護市長選では辺野古移設に反対しない市長が当選している。

 (3)一方、県知事選となると辺野古移設反対の玉城知事が支持されて当選しており、玉城知事は辺野古移設に反対する県民意思は表明されたと主張して政府に工事中止を求めている。
 こうした沖縄の「事情」、「分断」がより鮮明になることで沖縄基地負担軽減、辺野古移設反対行動の推進に影響がでることを懸念しての県民投票への不参加表明だ。

 (4)英国ではEU離脱、残留を問う国民投票が実施されて、離脱が過半数を占めて英国はEU離脱を決定した。その後EUとの離脱交渉は国境問題、経済交流などで難航して、来年4月離脱期限を控えてようやくEUと英国は離脱協定にこぎつけたが、英国議会では与党内からも不満、批判が出て議会で承認される可能性は低いとみられて、英国内では国民投票のやり直しも盛んに伝えられて混乱が続いている。

 (5)そうした事情もみてか、沖縄でも県民投票による賛成、反対の県民「分断」、対立混乱を危惧する8市町の不参加表明でもあるのだろう。玉城知事は前述の辺野古キャンプシュワブ前での反対行動グループを前に「勝つことは難しいかもしれないが最後まで闘う」の発言をしているが、司法からも沖縄県は政府の方針、政策に反対できないとの厳しい判断もあり、政府の辺野古沖土砂搬入埋め立て工事は再開されて「勝つことは難しい」状況にはある。

 (6)少なくとも沖縄県が一体となって辺野古移設反対行動を続けることが必要で、求められているとして、県民投票による「分断」は避けたい8市町の不参加表明だ。
 それと県民投票という沖縄県に限定した意思表示がどれだけ効果のあるものか、これまでも県知事選で辺野古移設反対知事が誕生していながら、これを無視して政府は工事を強行しており、やはり沖縄「一丸」、一体のまま国民的行動、理解につなげていくことが大切だ。

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