(1)イスラム過激組織「イスラム国(IS)」が日本人フリージャーナリストを人質(hostage)に取ってヨルダンに収監中のテロリスト死刑囚との人質交換を進める交渉が、ヨルダンが拘束するテロリスト死刑囚をトルコ国境まで移送せよとのISの要請が出たあとその期限が過ぎてもIS、ヨルダン双方からあたらしい情報は出ずに表向きは動きは見られなくなった。
日本人人質2名の身代金要求から始まって1名が殺害されて残った人質の後藤健二さんがISのスポークスマンにさせられて、身代金要求は撤回されて後藤さんとヨルダンに収監中のテロリスト死刑囚との人質交換に変わって事態は二転、三転をみせて、現在は表向き動きが止まったままだ。
(2)ISのこれまでの人質対応は主に拘束した欧米人ジャーナリストなどを欧米のIS空爆のみせしめの殺害映像公開という残虐非道のやり方を見せていただけに、今回の日本人ジャーナリストほかの対応にはこれまでとあきらかに違った対応を見せている。
ISへの空爆をくりひろげる欧米人と支援国の日本人との対応の違いを選り分けて、使い分けている戦略性(strategically)も感じられるものだ。今回の日本人人質もひとりはすでに殺害されていると思われるので残虐性は変わらないとも受け取られるが、「何」かが違う雰囲気は伝わってくる。
(3)2度、3度と殺害予告最終期限が過ぎても日本人人質は見捨てられてはいない。そもそもISのヨルダンへのテロリスト死刑囚と日本人ジャーナリストとの人質交換に対して、ヨルダン政府の同空軍パイロット(中尉)との人質交換を主張しているように、「交渉カード」がかみ合っていないまま人質の日本人ジャーナリストをスポークスマンに仕立てての、それぞれの主張を一方的に伝えるだけのおかしな交渉戦だ。
これだけではIS組織の中枢が欧米人と日本人人質の「違い」を使い分けて利用しているのか、ISの中枢の内部にあたらしい世界規律にもとづいた世界諜報戦略に根差した「強硬派」と、もともとイラク、シリア、トルコの中東地域に根差したイスラム過激組織「前身母体の勢力」とのかけ引きでもあるのか、今回はこれまでの残虐非道性一辺倒でもない「何」かが違う感じはある。
(4)日本の国会ではイスラム過激組織「イスラム国(IS)」の名称を巡って、安倍首相が野党の質問に答えて「『イスラム国』と言えばまるで国として存在しているようだ。マスメディアも(呼称を)検討する可能性がある」(報道)と述べている。
ISによる日本人人質事件の事態は2度、3度とISが指定した最終期限が過ぎても急変することもなく表向きは経過しているが、水面下ではどう推移しているのか、これまでのISの残虐非道性を見せつけられては一刻も油断が許されない中で、何とも悠長などうでもいい間の抜けた国会論戦だ。
(5)一部には日本人ジャーナリストほか2名が8月、10月にISに拘束されている事実を知りながら安倍首相が今回の中東歴訪でISに敵対する中東諸国に2億ドルの人道的支援を約束したことが今回のISによる日本人人質の表面化につながったとの政府批判の論調もある。
ISの戦略宣伝に使われたのは事実だが、問題の本質は危険を承知でIS支配地域に無防備で入った日本人ジャーナリストほか2名の側に問題はあり、世界がISの残虐非道性を批判し攻撃する反テロ対策に人道支援する日本政府の立場に問題があるものではない。
日本人人質2名の身代金要求から始まって1名が殺害されて残った人質の後藤健二さんがISのスポークスマンにさせられて、身代金要求は撤回されて後藤さんとヨルダンに収監中のテロリスト死刑囚との人質交換に変わって事態は二転、三転をみせて、現在は表向き動きが止まったままだ。
(2)ISのこれまでの人質対応は主に拘束した欧米人ジャーナリストなどを欧米のIS空爆のみせしめの殺害映像公開という残虐非道のやり方を見せていただけに、今回の日本人ジャーナリストほかの対応にはこれまでとあきらかに違った対応を見せている。
ISへの空爆をくりひろげる欧米人と支援国の日本人との対応の違いを選り分けて、使い分けている戦略性(strategically)も感じられるものだ。今回の日本人人質もひとりはすでに殺害されていると思われるので残虐性は変わらないとも受け取られるが、「何」かが違う雰囲気は伝わってくる。
(3)2度、3度と殺害予告最終期限が過ぎても日本人人質は見捨てられてはいない。そもそもISのヨルダンへのテロリスト死刑囚と日本人ジャーナリストとの人質交換に対して、ヨルダン政府の同空軍パイロット(中尉)との人質交換を主張しているように、「交渉カード」がかみ合っていないまま人質の日本人ジャーナリストをスポークスマンに仕立てての、それぞれの主張を一方的に伝えるだけのおかしな交渉戦だ。
これだけではIS組織の中枢が欧米人と日本人人質の「違い」を使い分けて利用しているのか、ISの中枢の内部にあたらしい世界規律にもとづいた世界諜報戦略に根差した「強硬派」と、もともとイラク、シリア、トルコの中東地域に根差したイスラム過激組織「前身母体の勢力」とのかけ引きでもあるのか、今回はこれまでの残虐非道性一辺倒でもない「何」かが違う感じはある。
(4)日本の国会ではイスラム過激組織「イスラム国(IS)」の名称を巡って、安倍首相が野党の質問に答えて「『イスラム国』と言えばまるで国として存在しているようだ。マスメディアも(呼称を)検討する可能性がある」(報道)と述べている。
ISによる日本人人質事件の事態は2度、3度とISが指定した最終期限が過ぎても急変することもなく表向きは経過しているが、水面下ではどう推移しているのか、これまでのISの残虐非道性を見せつけられては一刻も油断が許されない中で、何とも悠長などうでもいい間の抜けた国会論戦だ。
(5)一部には日本人ジャーナリストほか2名が8月、10月にISに拘束されている事実を知りながら安倍首相が今回の中東歴訪でISに敵対する中東諸国に2億ドルの人道的支援を約束したことが今回のISによる日本人人質の表面化につながったとの政府批判の論調もある。
ISの戦略宣伝に使われたのは事実だが、問題の本質は危険を承知でIS支配地域に無防備で入った日本人ジャーナリストほか2名の側に問題はあり、世界がISの残虐非道性を批判し攻撃する反テロ対策に人道支援する日本政府の立場に問題があるものではない。