いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

議論不足の大阪都構想。 insufficient argument about osaka metropolis conception

2013-09-30 19:33:44 | 日記
 (1)橋下大阪市長が前回府知事として支持、支援した現堺市長とたもとを別って大阪維新の会公認候補を立てて対決した堺市長選は、現職が5万強の優勢差で勝利した。
 橋下大阪市長が推進する大阪都構想(osaka metropolis conception)実現に向けて当時大阪府知事であった橋下さんは大阪府職員経験の現堺市長を支持、支援して、橋下さんの個人的人気、市民支持を背景に当選に導き、さらに自ら大阪市長選に打って出て当選し大阪、堺市を核とした大阪都構想にはずみをつける目算があった。

 (2)ところがその後の橋下さんが進める大阪都構想を巡って、堺市が解体されて実質大阪市に吸収される事態に堺市長が反発して対立が続いていた。
 今回の堺市長選は大阪都構想が争点となったが、よくいまだ実態がわからない大阪都構想に、前回は橋下さんが支持、支援した現職に対して今回は対立候補を立てる(立てざるを得ない)という、これまたどうしてこうなったのか複雑でわからない構図の選挙となって、関心が高まった割には比較して政策論争よりは個人的資質、しがらみ、個性への判断が左右した嫌いはある。

 (3)橋下大阪市長は大阪維新の会をもとに吸収合併により国政政党日本維新の会を共同代表として立ち上げて、政治第3極勢力の中心として国民の支持、期待を集めていたが、昨年7月の歴史認識、慰安婦問題発言で国内外の批判を受けて参院、衆院で大敗して政治影響力を減速させてきた。

 橋下さんの強引な主導力、個人的カリスマ性政治がきめの細かい政策決定力に欠けて、大阪都構想の構想力、理解力も不十分な中でただ橋下さんが前面に出る大阪維新の会選挙手法(かいらい政治)が相乗的に危ういものとして捉(とら)えられて市民の支持を受けられなかったものだ。堺市は橋下さんの大阪都構想に反発した現職を支持して、橋下かいらい政治(puppet politics)を拒否した。

 (4)橋下大阪市長は今回の選挙争点の大阪都構想について「堺がなくなる」という誤認に基づく判断(報道)と総括しているが、堺市長は「堺の財源が都に奪われ、住民サービスが低下する」(同)と批判して議論は平行線をたどっている。

 大阪府と大阪市が示した大阪、堺市の両政令指定都市を解体し大阪府と再編統合する大阪都構想の制度設計案に対しては、「効果が乏しい」と批判が噴出した(報道)といわれている。大阪市が解体されることにも市民支持は30%弱と低い。

 (5)日本維新の会の政権構想でも、政策精度が低く、実態のつかめないものであった。大阪都構想での特別区の機能性、二重行政、財政健全化、住民サービスの説明力と合わせて、伝統、文化、風土、地産との融合性についても分かりやすい構想力が必要だ。

 大阪を含めた関西圏の政治、経済、社会の地盤沈下はあきらかで、活性化プランに向けた広汎な議論が不足(insufficient argument)していることは今回の堺市長選争点での双方の認識ギャップであきらかだ。

 (6)市民レベルでの広汎な議論の深まりがない中で選挙争点となって、実態のわからない大阪都構想が否定された結果となった。

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東電ブランドの消滅。 extinction of T.brand

2013-09-29 19:33:50 | 日記
 (1)東電の広瀬社長も企業として自業自得(well deserved punishment)といえばそうだが、「大変」な時期に社長をまかされた。福島第1原発事故を受けて当時の社長の自己都合を優先した無責任行動が政治、社会の批判にあい辞任に追い込まれての後を引き継いでの社長就任だった。

 東電はすでに福島第1原発事故対策による巨額の負債を抱えて数兆円規模の国の融資、資本投資を受けて、実質上国有化(nationalization)状況にある。その後、被災者との賠償手続きで一方的にルーティンに偏った企業都合主導の配慮を欠いた高飛車な企業姿勢が批判を浴び、一向に事故収束に向けて進展を見せない原発事故現場では汚染水処理問題で漏えいによる技術力不足を露呈して、汚染水の海域への流出問題がオリンピック招致活動でもその安全確認が国際的関心を集めるまでに拡はんした。

 (2)原規委のあたらしい安全基準による今年の原発再稼働審査開始にあたっては、新潟県柏崎刈羽原発の再稼働申請を地元の頭越しに東電社内で方針決定して、その後地元新潟県知事との話し合いでは東電の安全対策よりは企業利益至上主義に対する不信感、抗議から相手にされずに物別れに終わっていた。

 東電は政治、事業者、専門家の原子力村トライアングルの中心軸として原子力行政に影響力を示して推進し、経団連の中でも中心的な存在として企業力を誇示してきた。
 その「おごり」姿勢が福島第1原発事故後の対応にも一貫してあらわれていた結果が地元自治体、被災者、国民、社会から厳しく批判された。

 (3)国と一体となった原子力行政であることを理由に「国」の責任負担をも求め、一方では企業赤字解消に向けて電気料金値上げで「国民」、消費者にさらに負担を求める手法は、東電が国にたえず顔を向けて求めた負担の原資は国民の投資(税)あり、さらに当然のように利用者負担(値上げ)を国民に求めるなどとは「国民」に対する大きな二重負担を強いるものだ。

 (4)被災者に対する企業責任のおわびの仕方もそうだが、国民に対して原発事故責任に対する納得のいく事業者説明責任がなされてきたとは思われないことが、国民意識の東電救済バックアップを受けれない要因だ。

 福島第1原発の事故収束もままならない中での、次から次への技術力不足問題発生、環境汚染の中で企業(事業者)利益至上の原発再稼働申請などとは、新潟県知事の東電との最初の話し合いでの不信感、強硬姿勢こそが国民の信条ではなかったのか。

 (5)汚染水処理問題では、政府は資本投資、融資による支援策で対策前面に立つ方針を示しているが東電はさらなる追加支援を求める(報道)考えを示している。
 支援では国の方ばかりを向いて、被災者、国民には十分に理解を求めずに利用者、消費者負担として電気料金値上げを求める企業(事業者)利益至上姿勢は、実に不愉快でごう慢なものだ。

 (6)東電ブランド(tokyo electric power brand)を守ろうとする広瀬社長の役割、必死さは、各話し合いでの随所の落ち着きのない攻撃的な姿勢によくあらわれているが、残念ながら寡占事業として独占してきた電力事業は市場自由化に向けて動き出しており、業界再編は「健全化」に向けて必至のところだ。

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地球温暖化の現実脅威。 realistic menace of global climate change

2013-09-28 20:11:27 | 日記
 (1)前代未聞の後に高く訂正されたほどのM.9.1の巨大地震(megaquake)が起きて大津波が押し寄せる緊急事態を迎える中でも、それまで経験のない人々の間ではそれほど非常性をもって現実をとらえられない、あるいはそんなことが現実にここで起きるとは考えられないという超(非)現実性(surrealism)が支配していたことは、のちの調査であきらかになっている。

 誰もが自分には起きてほしくないという願望であり期待であるが、東日本大震災以後は自然災害発生に対してはまずは「逃げる」ことの大切さが命を守る基本という理念が定着しつつある。

 (2)国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第1作業部会は、「有効な対策が取られなかった場合、今世紀末に地球の平均気温が最大4.8度、海面水位は同82センチ上昇する」(報道)と予測した報告書を発表した。

 原因を「人間の活動が温暖化の主要な原因」(地球温暖化現象)である可能性を「極めて高い(95%以上)」と07年の「90%以上」よりグレードアップさせ、「前代未聞の気候変動が起きていることは疑いがない」と各国政府に緊急対策、行動を呼びかけ警告した。

 (3)すでに島国全体が0メートル地帯の小国では、島国全体が海面下に埋没する危機感に国全体で移設先を検討している話は書いたが、この現実性に裏打ちされた地球温暖化(global climate change)の危険、危機感は地球全体の危険、危機感としてはいまだに非現実性のものとして受け取られて、一向に解決、解消に向けて世界が対策、行動を取らない現実がある。

 この世界の非現実性に対して国連の科学専門機関が「95%以上」の危機的状況として対策、行動を求めたものだ。

 (4)日本は11年3月の東日本大震災で自然災害の脅威に非現実性のおろかさ、恐ろしさを十分学んだ。
 しかし、日本が世界に先駆けて宣言した20年までに温室効果ガス25%(09年比較)削減目標は、クリーンエネルギーの原発が安全技術性に超時限的欠かんが露呈して現在すべての原発が停止中となり25%削減目標は見直す方針で、しかし政府は将来エネルギー政策を先送りして20年までの削減目標は他国に遅れて決定できない現状だ。

 (5)その日本は今年に入って観測史上初の41度の高温を記録して、一方では記録的な集中豪雨被害にも見舞われるという異常気象の連続だ。
 地球温暖化による日本近海の海面温の上昇あげ止まりの中での猛暑、豪雨にさらされた。

 その日本で地球温暖化対策の緊迫感が足りない。最早、IPCCに警告されるまでもなく異常気象影響が非現実的なものと高をくくっておれる現状ではないことは多くが経験し、わかっていることだ。
 世界共通の現実的緊急課題として取り組まなければならない重要問題だ。

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市長給与800万円。 mayoral allowance

2013-09-27 19:41:14 | 日記
 (1)名古屋市の河村市長が現在特別条例で施行している市長給与(mayoral allowance)800万円(議員報酬も800万円)を選挙公約のとおり恒久化(perpetuation)する条例案が自民党ほかの反対で市議会で不成立の見通し(報道)となった。

 河村市長は市民税10%恒久減税を政治スローガンに圧倒的な市民支持を受けて、市長給与を市民給与並みの800万円に減額して自ら代表の地域政党「減税日本」を立ち上げて名古屋から政治改革(庶民革命 commonalty revolution)を広めようとした政治手法は、市民の圧倒的な支持を背景に当時自民党が第1党の市議会とことごとに対立して議会対策を無視した強引な政治手法であった。

 (2)それでも選挙公約にはトコトンこだわって、実現に向けて模索をくり返してきた。当時民主党政権の自ら公約破棄が国民の批判を浴びていた政治不信の中で、異色の存在ではあった。

 橋下大阪市長のように大きな政治テーマ(都構想)を掲げて意図的に行政、議会の従来の悪しき慣例に切り込む挑発正義観、計算高さ、派手さはないが、市民生活に根差した政治改革、庶民派政治として選挙公約を実現しようという意欲は、着実に100%とはいかないが政策実績結果を残してきたところはいまだに政策実績不足の橋下市長とは違うところだ。

 (3)市民税10%恒久減税では財源不足による政策計画性、実現性への説明対応が不十分で議会の反対にあうと、政令指定都市で初めて議会リコールを成立させて市長再選に打って出て、その後その圧倒的な市民の支持を背景にして市民税減税率を5%に下げても実現はした。

 それまでの市長給与2600万円を政治はボランティアが基本とばかりに市民給与並みの800万円に下げる市長給与恒久化政策の公約は、市民感情、庶民感覚の共感を受けるものだが、その算定基準根拠や今後の多様な市長職をもしばる普遍性に欠けることから恒久化としての説得力、説明力に欠けて、議会の反発、反対を強く受けてきた。

 (4)河村市長の政治手法には、ち密な理論構築、計算、計画性に欠けて、その分議会への説明力に欠けてさらに議会対策が不十分で、市民の高い支持を背景にした強引さだけが目立つ。

 個性の強い、しかし市民感覚、庶民感情に近い政治姿勢で人気、支持の高い市長個人のキャラクター(character)が突出して、市政チームとしての市長の総合力、調整力が機能しないところが欠点だ。

 (5)政治改革、庶民革命を目指して自ら代表をつとめ設立した地域政党の減税日本は、最初の市議会選挙で市長人気を背景に市議会の第1党に躍進(過半数には届かず)はしたが、急造のあきらかに政治力不足の所属議員から資質、経費不正、不適切処理問題が続き議員辞職も相次ぎ足元が揺らいでいる。

 選挙公約にこだわる政治姿勢、市政を市民感覚、庶民感情のわかりやすい政治スタンスに変える河村市長の政治の在り方は、国政が財政危機、1票の格差是正問題の中で自ら議員定数、報酬の削減是正に取り組もうとしない政治不信の中で評価されるものである。

 (6)まずは市長給与800万円で、名古屋市政を円滑に機能、成長させる政策実績づくりで恒久化に説得力を示すのも政治改革の方法論だ。

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オバマ大統領の貢献。 contribution of president obama

2013-09-26 19:43:34 | 日記
 (1)シリア内戦で化学兵器使用を巡るオバマ大統領の軍事介入、外交方針が一貫せずに、国内外からその指導力の評判がすこぶる悪い。
 シリア国内で非人道的化学兵器使用が報じられると、オバマ大統領はこれをシリア政府が使ったと断定して直ちに国連安保理の決議なしにシリア空爆による軍事介入を宣言したが、英議会が軍事介入に反対して英国の参加を否決して、さらに米議会と国民からのシリア軍事介入への反対の声が多くなり、オバマ大統領は一転米議会の承認、協力を求める政策に転換して議会説得対策に乗り出した。

 (2)米国は国内財政不安の中で、軍事費の削減が影響して中東紛争問題には介入しない外交政策を維持してきた。中東、北アフリカ内戦にあたっては、かっての植民地支配国の仏、英が軍事介入して影響力を示してイスラム過激テロ組織との対戦が続いていたが、米国は一歩引いた存在としてこれに参戦してこなかった。

 ところがシリア内戦で非人道的な化学兵器(サリン、毒ガス)が使用されたことによって、世界の189か国が加盟する化学兵器使用禁止条約によって化学兵器の廃棄を目指す国際合意が脅(おびや)かされたことに対する制裁措置と、隣接する中東の強い米国同盟国のイスラエルの立場、安全擁護する危機感から、今や唯一の覇権国家であり世界の警察国家を自認する米国のオバマ大統領は地中海沖に米軍艦船を集結させて、空爆によるシリア軍事介入の制裁方針を言明していた。

 (3)この米国によるシリア軍事介入には、シリアの後ろ盾のロシア、中国が対抗措置を取ると強硬に反対をして対立が続いていた。国連安保理の機能不全(拒否権)を理由にオバマ大統領は国連決議なしの早期のシリア軍事介入制裁を言明していたが、米国内の議会、国民の軍事介入反対の声に押されて議会承認、説得を求める方針転換の中で事態は時間が過ぎることになる。

 シリア国内での国連調査団による化学兵器使用調査は、米、仏による軍事介入が迫る中で調査を切り上げ退去した。事務総長への報告では、シリア政府の化学兵器使用を示唆するものとなって、国連安保理で協議が始まる。

 (4)米国、ロシアはこの問題で協議は続けていたという報道もあるが、そうこうしている内にロシアからシリア政府の化学兵器を国際管理下に置き完全廃棄する調停案(mediation plan)が示されて、米国はこの提案に乗って軍事介入を停止することとした。

 シリアの後ろ盾のロシアの調停案でもあり、その後シリア政府もこれを受け入れることを表明して、この問題はロシアペースで決着することになった。
 米国、オバマ大統領にとっては早期のシリア軍事介入、制裁の思惑が外れて、一方、軍事介入によるシリア内戦の拡大を危惧する国際社会にとってはロシア調停案が実行されればこのうえない安全、最良策となって、すっかりオバマ大統領の立場、指導力が批判、下落する結果となった。

 (5)しかし、この「結末(conclusion)」も米国、オバマ大統領が当初から関与をせずに一線を引いていた中東紛争問題に化学兵器使用により毅然と早期軍事介入、制裁の方針を宣言したことが、シリアの後ろ盾のロシアの調停を促(うなが)したことは間違いないことだ。ロシアはシリア国内の化学兵器は反政府勢力が使用したと主張している。

 この結末は、シリアの後ろ盾のロシアにしか出来ないことでもあり、結果としてそれを動かしたオバマ大統領の指導力が問われる、問題にされるものではない「貢献」(contribution of president obama)効果であったのだ。
 最早、米国も覇権国家、世界の警察国家から降りて、グローバルな協調体制のもとに世界平和に貢献すべき時だ。

 

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