いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

イスラエルと日本の地政学。 geopolitics of Israel and Japan

2023-10-31 20:41:19 | 日記
 (1)米国にとってはイスラエルも日本も世界戦略にとって同じような地政学的位置にある。米国は宗教、石油を巡る中東戦略でイランと長年対立して、中東でイランと敵対関係にあるイスラエルを支持して支援してきた。
 イスラエルには欧州から追われてキリスト生誕の地エルサレムを目指して逃れてきた人々がパレスチナ国家樹立念願のもとに定着して、イスラエルと抗争を続けるというあらたな展開が加わる。

 (2)アジアでは中国の毛沢東共産革命がアジア地域に拡大するのを防ぐために、第2次世界大戦で占領地化した日本をアジア共産化の歯止めとして活用する。米国の日本統治では戦後の憲法草案にもかかわったといわれて第9条で戦力不保持、交戦権を有しないことを規定して、日本の非戦力化を目指した。

 (3)島国の地理的条件、第2次世界大戦で日本が開戦につながる真珠湾奇襲攻撃を仕掛けたことがあり当時は何をするかわからない軍事体制、国体であったことも、日本への警戒感が強かったことが非戦力化の要因と考える。

 (4)米国は覇権国家としての世界戦略で中東でイスラエルとは軍事同盟パートナーとして、アジアでは日本と政治、経済同盟パートナーとして統治を進め、第2次世界大戦後の沖縄を一時占領した米国は沖縄返還後も沖縄など日本国内に駐留米軍基地(核持ち込みの密約)を要所に配置してアジアの共産化に米軍が直接対峙する体制をみせて、現在は中東、イラク、アフガンへの出撃基地化へと軍事基地の目的拡大をみせている。

 (5)日米安保条約で日本の防衛体制を敷いて沖縄に米軍基地の70%以上が集中して、地位協定で日本国民との人権格差、不平等を生んで米軍による実質治外法権化を進めている。しかしそもそも戦後の憲法制定で戦力不保持、交戦権を有しない制約を設けて日本とは政治、経済同盟パートナーを進めてきて、徐々に米国の財政圧迫を受けて日本に対しても米軍基地負担の増額を求め、日本の軍備、軍事力の増強、米軍の肩代わりを要請する方針変更がみられる。

 (6)イスラエルはパレスチナ、ヨルダン、イランと敵対国に囲まれて常に好戦的であり、近年は石油戦略でも中東安定を目指す米国はイスラエルの行動に手を焼くことも目につき、今回のイスラエルのガザ地区への地上攻撃表明でもイスラエルの自衛権を認め支持、支援する一方で、人道的配慮、一時休戦を求めてハマスへの地上攻撃に慎重な対応を求めている。

 (7)地政学的に同じような位置のイスラエルと日本は、米国の方針が当初の方向性からそれぞれが交差するアプローチで入り混み、不安定化している。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

30年連続。 for 30 years running

2023-10-30 19:58:51 | 日記
 (1)27日は国連の決議案が集中した。日本提出の核兵器廃絶を目指す決議案が145か国の賛成(報道)で採択され、こちらは核保有国の米英仏も賛成した。国連の核兵器廃絶決議案の採択は30年連続で昨年より賛成が6か国増えた。

 (2)これでもかという30年連続での大半の非核保有国の執念の核廃絶決議の採択だ。一方で国連決議の実効性のなさ、非力さをあらわすもので、そろそろ本当の意味での核心の核兵器廃絶決議を目指さなければならない。
 今回提案提出の日本としても、同決議案の30年連続の提出、賛成の意味について真剣に考え、工夫どころだろう。

 (3)国連もあれこれアプローチはあって、核兵器禁止条約の110か国、地域以上が賛成するものもあり、上述核兵器廃絶決議の提出国日本も米英仏など核保有国はこちらの核兵器禁止条約の方は平等性、実効性、効果性がないとして決議に参加していない。
 どういう思惑、不整合性があるのか「廃絶」、「禁止」のそれぞれの手順、期間、遵守、拘束に違いでもあるというのかわからない。

 (4)「廃絶」、「禁止」が一本化されれば核保有国、日本などがやはり反対するのか賛成に回るのか、国連としてもあれこれ(アプローチを)やって核保有国の対応の矛盾をあぶりだして、何十年かかっても核廃絶、禁止に向けて賛同、実現をはかりたい意向でもあるのかわからない。

 (5)核兵器廃絶30年連続というのも執念というのか、国連の役割、使命でもあり執念で片づけられる問題ではなく、世界平和、安全、安定に責任、理念、理想、理論、哲学を持つだけにプーチン大統領がウクライナ軍事侵攻で核の使用を示唆している時に、真剣に考える時期はとうに過ぎている。

 (6)国連環境会議では対策に後ろ向きといわれる日本の岸田首相には演説の機会が与えられずにめずらしく国連の決意が見られたが、核兵器廃絶、禁止に対してもそれにこそ国連の平和への決意が求められている。

 (7)もうふたつの国連(193か国)決議案はイスラエルがガザ地区ハマスへの地上侵攻を表明している緊迫の中で、「人道的休戦」などを求めた決議案が賛成多数で採決され、こちらも米国の意向を反映した修正案(ハマスのイスラエルに対するテロ行為の責任明記)は必要な賛成数に届かずに否決された。

 (8)世界は何でもかんでもすべてが同じ方向を向けばいいというものではないが、同じ国連決議が30年連続でくり返されるというのも当然に考えものだと認識しなければならない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新秩序主義。 new orderism

2023-10-28 20:54:37 | 日記
 (1)今、世界はこれまでに起きないと思われたことが起きている。露による旧ソ連領の隣国ウクライナへの軍事侵攻であり、パレスチナ自治区ガザ地区ハマスのイスラエル越境地上攻撃だ。中国では就任早々の外相、国防相の解任、愛国者教育の導入、米国では下院議長が決めれずに投票を何度もくり返してようやく決まった議長も辞任に追い込まれて、再び議長選びも何回も投票のあげくでようやく議長が決まり何か月も米国議会が機能しない事態だ。

 (2)この決断は当事者でないとなかなか理解できないものであるが、これまでは米ソ冷戦対決時代でも資本主義、自由主義と共産主義、社会主義の対決時代の中でも互いの存在は認めることでパラドックスとしてこれ以上は超えないという中で対立を煽(あお)り、挑発、挑戦してきた原理原則論があり、一線を超えることはしなかったし一線を超えないことでかえって互いの力、存在を示す効果があったともいえる。

 (3)それは米国であり当時のソ連であり、核戦争が懸念されたキューバ危機でもソ連のフルシチョフ首相がキューバにミサイルの搬入を企てこれにケネディ米大統領が海上封鎖で対抗して両指導者の判断で危機は解消された。
 近年は中国でありG7でありG20が相手が大きく強力であることで、互いに結束力があり警戒心、反発力(resilience)から容易に相手側に踏み込まない、踏み込ませない鉄則があったと考える。

 (4)暗黙の鉄則が自らの原理原則論を誇示して、相手側に存在を認めさせる迫力効果を保っていた。その理念、理論が崩れたのが米ソ冷戦時代の崩れることがないと思われていたベルリンの壁崩壊であり、ソ連邦の解体だった。
 すでにソ連ではゴルバチョフ大統領の誕生で国内にペレストロイカ(改革)の波が生まれており、自由主義、資本主義が敵対するだけの理念、理論、思想ではなく受け入れるものは受け入れる世界の二極化から世界の混在化が起こり始めていた。

 (5)世界はあたらしい秩序(order)、規律、基準、ルールを必要としていたが、米国も中国もその指導者たちが国際社会に示すことができずに混沌、カオスの世界をつくりだしてきた。Gゼロ時代といわれるもので、その流れ、過程の中で冒頭のようなこれまで起きないと思われてきたことが突然起きるという秩序、規律、基準、ルールなきカオスの時代を迎えている。

 (6)一種の融合世界であり、中国が共産主義の統制計画経済から資本主義の市場経済主義を導入し、ヨーロッパ中心に先祖返りの極右政治勢力が台頭し、南半球のインドが主導する発展途上国のグローバルサウスが存在感を示して世界は激動、思想の時代から経済、改革の時代に移り、世界のあたらしい秩序、規律、基準、ルールに向けて模索、動いている時代だ。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療費のジェネリック化。 generic style of sick payment

2023-10-27 20:27:16 | 日記
 (1)21年度の国民医療費が45兆359億円(報道)と過去最多となった。こちらも過去最高を更新し続ける政府の年間予算の半分近くを占める。高令化社会が進行して病気、ケガをする人も多くなり必然的に医療費負担が増えるスパイラル(spiral)化だ。
 
 (2)しかし病院にかかってみて支払いの高さは実感させられる。国民保険料を使っての支払いでも負担の多さだから、実質医療費は宇宙次元的な高さとでもいえるものだ。
 病院では先端的高度医療機器の導入が進み、遠く離れた地域(国外からの治療もある)の遠隔操作診療、治療などの医療技術革新も進みそれはそれで病気の早期発見、治療技術の高度化、医師不足といわれる解消につながるもので意味はあるが、高額医療費につながるものだ。

 (3)医薬品は研究開発、製品化に時間と費用がかさみ、それらを回収するためにこちらも必然的に高額となり、政府は費用の安い効果は変わらないジェネリック(後発医薬品)の利用促進を進めているが病院では多種類の継続的使用の医薬品が指定されるので、医薬品の支払いは高い。

 (4)こうして国民医療費は政府年間予算の半数近くを占めて財政を圧迫する。医師不足については専門家からは毎年医学系大学から卒業生が出てインターンになり、医師不足ではなく都市部、大学病院など高度医療技術を持つ病院に医師が集中して偏向格差を生んでいるだけとの指摘はある。

 (5)先端的高度医療(機器)に研究開発で高い医薬品が国民医療費を過去最大にしている中で、どこかでデータはあるのだろうがその結果、効果として回復率、治癒率、社会復帰率がどうなのか、高い医療費の「費用対効果」はどうなっているのか知りたいところだ。

 (6)人生100年時代、長寿社会を迎えて国民の健康、活動、気力、活力への関心も高く、必要であり、当然病院診断、治療も多くなり、国民医療費の高額負担増につながるものだが、日本は研究開発、教育への投資が国際的に低いと評価されており、国のこの分野への投資を増やすことによって国民への比較医療費の負担を減らす、分配の好循環につなげたいところだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国のむずかしさ。 difficulty of china

2023-10-26 20:13:23 | 日記
 (1)中国もよくわからない国だ。権威絶対主義がはびこって権威、権力におもねる国家、社会で汚職がはびこっているとされ、習近平主席が頭角をあらわしたのも地方役人時代から汚職撲滅、摘発に取り組んできたことがあげられている。

 (2)中国は共産党一党独裁国家で権威主義専制国家といわれて、共産主義のコモン思想と相反するオーソリティ集中の権威主義が同在するというおかしな国家でもある。異例の3期目を迎えた習体制で外相に次いで国防相も就任わずか7か月での解任となり、外相同様に国防相の解任理由も明らかにされずに一部報道によれば装備品の調達に関連して調査を受けているとも伝えられて、推測で汚職による解任とみられる。

 (3)習体制3期目は執行部を側近で固めて絶対権力を確保しての政権スタートとなり、伝えられる汚職疑惑などで就任早々の外相、国防相の中国の外交軍事の要となる主要閣僚が次々と解任されるというのも理解できない事態だ。
 習体制異例の3期目のスタートにあたっては胡錦涛前主席、その胡錦涛氏に厚遇された続投ともいわれた李克強前首相がそろって表舞台から姿を消して中国政権内での権力闘争がみられて、表立ってはいないがその後も中国政権内での権力闘争でも持ち上げっているのか、習体制3期目で習主席権力終身体制も伝えられて中国国内でもこれに反発はあるといわれて就任早々の外相、国防相の主要閣僚の解任との関係があるのか、中国国内の安定にとって注目すべき事態だ。

 (4)中国はデフレ経済が進行して景気が上向かずに、習主席肝いりの一帯一路政策も10年を迎えて支援国の債務超過問題で離脱する国も出ており、国内外で問題、課題を抱えている。中国も地方財政の悪化対策で国債20兆円追加発行(報道)する。
 今や国際政治、経済での中国の動向は影響力を持ってきており、中国の安定は注目されるところだ。

 (5)習主席は台湾統一に強い意欲を示しており、軍事的関与を強めており、その外交、軍事路線を担う外相、国防相の就任早々の解任は習主席の外交、軍事路線、戦略をさらに強固なものにするためのものなのか、国内権力闘争のあらわれなのかはわからない。
 
 (6)中国の共産主義支配と権威主義専制国家という本来相反する理念国家のわかりにくさ、人間の権威、利益主義への弱さ、巨大人口、国土を有する中国のむずかしさ(difficulty of china)だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする