いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

知事のネグレクト。 neglect of a prefectural governor

2024-09-01 20:28:02 | 日記
 (1)政治とカネの問題は20年から毎年議員の逮捕者(起訴)が出て21年は3人、24年は裏金問題があって6人と多く、岸田政権での問題というより自民党長期政権のゆるみ、構造的問題という不祥事だ。森友、加計、桜を見る会疑惑の安倍元首相の戦後最長の長期政権の放漫体制の影響も大きい。

 (2)それと並行して近年目につき増えているのが議員のパワハラ問題だ。自分の意にそぐわないことに腹を立て、秘書、職員を大声でしっ責して責任を取らせる権威、権力主義で批判を受けてそれだけで辞職に追い込まれた国会議員もいる。
 議員はなぜか古くから「先生」と呼ばれて特権意識が強く、行政決定権を持てば陳情も多く何でもできることが政治能力の高さと思い込み、そこにカネがからめば冒頭のような汚職につながり自らを滅ぼすことになる。

 (3)当初は何でもおねだり知事として話題になり、またおかしな程度の悪い知事もいるもんだ程度で関心もなかったが、その後当の兵庫県知事のパワハラの告発文を書いた当時県民局長が知事から「うそ八百」と否定されて停職の懲戒処分を受けて亡くなったのを聞いて、何やら安倍元首相時代の公文書改ざんにかかわって財務省職員が自死した事件を思い起こしてこれはちょっとおねだり知事ごときゴシップではないと感じた。

 (4)当知事は当然パワハラ批判を受けながら意に介さずに知事職にとどまり、その後知事は県議会の百条委(法令にもとづく調査特別委)にかけられて証人尋問に応じた。指摘されているのはこれまた冒頭で指摘したパワハラ、大声で部下、職員をしっ責する事例の数々で、中には部下を前に知事は「机をたたいてしっ責した」(報道)ものまである。車止めがあって知事の公用車が手前で止められて玄関まで徒歩で移動させられたことに腹を立て局長をしっ責したものもある。

 (5)知事はこれらを部下に対する「指導」で「合理的だった」(報道)と正当性を主張して、百条委尋問後も「県政を前に進めていきたい」と意に介さない。県民から負託を受けて知事として県政に強い責任を持つ立場にはあるが、政策上の問題ではなく日常的な業務に対する不満、不服を直接職階上従うべき立場の部下、職員に強く当たる行為は権威、権力を振りかざすパワハラであり、知事として、人間として適正能力、判断を欠くものだ。

 (6)県民の期待に応えたいとする政策実行上の問題ではなく、部下、職員の振る舞いに対する見境もない「指導」にしてはあきらかに権威、権力主義の行き過ぎであり、これがわからない、そうと判断できないのは「人間」として問題がある。
 これがパワハラかどうかを知事自らが判断できずに、知事の言う「百条委が判断することだ」というのは知事の責任放棄、知事のネグレクト(neglect)だ。

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