いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

スポーツと政治のハイブリッド。 hybridism of sports and politics

2021-05-31 20:43:26 | 日記
 (1)政治とスポーツは別物という考え方は、五輪が独裁者政権により国威発揚の機会に利用されて国民を煽動してそのまま侵略戦争に突き進んだ歴史もあり、近年でもスポーツ大国が自国選手の活躍で国名を挙げるために国ぐるみで違法薬物使用のドーピング不正にかかわり、選手からの告発でIOCから五輪への国としての参加を拒否された悪例にもみられる。

 (2)今また窮地に立たされているのがコロナ感染拡大で7月の東京五輪を開催すべきかが問われている菅首相だ。IOC側は緊急事態宣言が出ていても犠牲が出ても東京五輪は開催すると無茶な発言が相次ぎ、菅首相は東京、大阪など3回目の緊急事態宣言を依然として予断を許さない状況だとしてさらに6月20日まで延長することを決定したが、7月の東京五輪については国民世論に反して「安全安心の大会に向けて取り組みを進めている」(報道)と開催に前向きのままだ。

 (3)今の日本の現状をみれば、政治とスポーツは別物とみるべきか、政治とスポーツは運命共同体とみるべきか、だんだんと追い詰められて深みにはまっていくようにみえる。東京五輪中止ということになれば菅首相、政権への風当たりが強く、求心力が一気に後退して窮地に追い込まれるというのが開催にこだわる根拠のようだが、コロナ感染拡大社会で菅首相が五輪中止判断をすればかえって国民から歓迎支持されるものだが、反面コロナに打ち勝った証しとしての東京五輪開催と言ってきた手前、コロナ対策の失敗が指摘されてどちらにせよ政治的な副反応がともなう五輪(スポーツ)と政治はハイブリッド(hybrid)という現実観だ。

 (4)もうひとつ波紋を広げているのが、女子プロテニス全米2連覇の大坂なおみ選手が「選手の精神状態が無視されて疑念を抱く質問も多く、自分を疑うような人の前に自らをさらすつもりはない」(報道)と義務付けられている記者会見を拒否する意向を示し、罰則の罰金は慈善団体に寄付してほしい趣旨発言だ。気持ちはわからないではない。

 (5)大坂なおみ選手はこれまでも米国の黒人差別事件に抗議してマスクに白人警官に殺害された黒人の名前をプリントして大会に出場して、政治とスポーツのハイブリッドを実践してきた。これに対して男子プロテニスの錦織圭選手は「(会見は)大会のプロモーションの一環として選手がやらないといけないことの一つ」(報道)と発言し、男子1位のジョコビッチ選手は「(会見は)競技の一部であり、ツアー生活の一部」(同)と会見をすることを肯定的に述べている。

 (6)大坂なおみ選手がスポーツに政治社会問題をからめた抗議行動、発信を進んでしていることから、会見はいい機会のようにもみえて、しかしそればかりに注目、関心が集まることにリスク、不満はあるのだろう。

 時代、社会は商業主義、経済主義のもとに政治とスポーツが限りなくハイブリッドになり、政治的思惑に支配、影響を受けてスポーツの本質性が問われている。

 

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停戦の歓喜の声。 a cry of rejoicing of cease-fire

2021-05-29 20:18:30 | 日記
 (1)イスラエルとパレスチナ・ハマスとの停戦(cease-fire)が発効した。映像ではパレスチナガザ地区で深夜2時だというのに子どもを含む大勢の市民が街にくりだして停戦を歓迎している歓喜の様子がみえた。

 今回のイスラエルとパレスチナハマスの突然の戦闘は何が原因なのかはっきりせずに、停戦に歓喜するパレスチナ市民の姿をみているとますます意味がわからない。

 (2)一部にはエルサレム旧市街でのイスラエル治安部隊とパレスチナ人との衝突が発端といわれているが、よく見聞きする話でこれでいきなりハマスがイスラエルにロケット弾を撃ち込みこれに応戦する形でイスラエルがガザ地区を空爆する構図では説明のつかないことだ。

 米トランプ前大統領が一方的にエルサレムをイスラエルの首都と容認してイスラエルとパレスチナに緊張関係が続いていたが、戦闘能力ではイスラエルに及ばないパレスチナ側穏健派ファタハ(ヨルダン川西岸地区支配)、強硬派ハマス(ガザ地区支配)パレスチナ側が先にロケット攻撃を仕掛ける理由は見当たらない。

 (3)今回の戦闘は双方に死傷者が出て、ガザ地区ではイスラエルの空爆で建物は崩壊して多数の死傷者(報道)が出ている。これほどの犠牲者を出してパレスチナハマスがロケット弾をイスラエル側に撃ち込んで攻撃を仕掛けたとされるのには、イスラエル・ネタニヤフ首相の政治的立場、基盤の弱体化が考えられる。

 連立交渉が進まずにネタニヤフ首相の汚職疑惑も発覚して、イスラエル政界は混乱した。混乱に乗じてハマスのロケット攻撃で混乱をさらに加速させようとしたのか、しかしその代償としてイスラエルの空爆攻撃を受けて人民、建物に大きな被害を受けたが、「イスラエルに対抗できる存在」(同)として求心力を高めたといわれる。

 (4)一方のイスラエル・ネタニヤフ首相もガザ地区空爆でハマス関連建物、ハマス隠れ家の地下トンネルを破壊して成果を誇示して政治的危機を乗り越えようとした意図もみえる。ワクチン接種が世界に先駆けてイスラエルが国民にいち早く実施して成果をあげている。

 ハマスのロケット攻撃がそれを待ったかのように開始されたのも、少しは国際社会のコロナ影響力に配慮したものなのかは、わからない。背景にはイスラエルに肩入れの大きかった米トランプ前大統領に代わり「2国家共存」、「イスラエルの自衛権支持」という双方への思惑で中東に直接介入しない距離を置くバイデン政権の存在もある。

 (5)そうした間隙をぬったイスラエルとパレスチナハマスとの政治的思惑の濃い戦闘行動だったようにみえる。双方市民を置き去りにしたロケット攻撃、空爆の応酬であることが停戦発効によるガザ地区の市民の深夜での歓迎、歓喜なのだろう。

 パレスチナ穏健派ファタハ(ヨルダン川西岸地区支配)と戦闘派ハマス(ガザ地区支配)のパレスチナ自治政府の主導権争いも関係していると考えられる。

 (6)イスラエルとパレスチナはともにエルサレムを聖地として譲らずに歴史的民族対立が続いているが、政治的な思惑のために双方の市民が傷つき被害に遭うということはあってはならない。

 今回の停戦発効を受けて、ガザ地区の子ども、市民の深夜2時での街に繰り出した停戦歓迎、歓喜の声がすべてを語っている。こういう戦闘を繰り返してはならない。

 

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先史時代のフロンティアな縄文人。frontier johmon people in before history

2021-05-28 19:51:54 | 日記
 (1)「北海道、北東北の縄文遺跡群」がユネスコの世界文化遺産に登録されることが確実となった。北海道、青森、岩手、秋田に広がる縄文期時代の人間の生活様式群であり、先史時代に雪に深く(多分)閉ざされた地域に人間が生活群を構成して1万年以上も狩猟採集文化の縄文期時代が続いたということを考えれば、あらためて人間の強さ、たくましさ、知恵を実感させられる。海運による交流も確認されている多様式生活文化だ。

 (2)今日的時代でも北海道、東北地方というと冬は厳しい生活環境にあり、先史時代だからこそ、何もない厳しい自然環境のところで竪穴式住居(御所町遺跡)、大型堀三柱建物(三内丸山遺跡)群生活が存在したともいえるが、ここで1万年以上も縄文期時代を継承してきた縄文人の知恵、バイタリティ、フロンティアには驚かさせる。

 (3)その後の弥生期時代は佐賀の吉野ケ里遺跡に代表されるように比較温暖な南方地帯での稲作文化で、それに比べて縄文期時代の狩猟採集文化の自然環境の厳しさを克服した強さ、知恵は理解しがたいものがある。

 日本列島は先史時代にユーラシア大陸から分離、形成されたものとみられるが、縄文期時代の北海道、北東北の生活様式は狩猟採集文化で大陸文化の影響も残ることも考えられる。まさしく先史時代の悠久のロマンであり、フロンティア精神性の力強さであり、たくましさであり、知恵であり、今日的現代人にもわずかでも悠久の遺伝子が流れているのか、歴史をたどったことはないが先史時代の1万年以上の悠久の時間の流れの大きさが縄文遺跡群として足跡を残し、今によみがえる世界遺産登録だ。

 (4)今日的現代社会はIT革命、AI時代で進歩、進化したようにみえて、これから何十万年後の世界からは何が残り、どう映り、見られるのか、先史時代の残された縄文人、文化のフロンティア(frontier)な生活様式を見ると人間そのものはどれほど成長、進歩、進化してきたのか、あまり変わらないのではないのかという感慨でしかない。

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代償の大きさ。 magnitude of compensation

2021-05-27 20:05:24 | 日記
 (1)コロナ対策でアップ、アップの菅首相がそれでも7月の東京五輪は安心、安全対策のもとに開催すると言っているのは、IOCバッハ会長が緊急事態宣言下でも犠牲が出ても東京五輪は実施すると言っていることが根拠だ。

 随分無茶な根拠だが、その裏にあるのがそもそも2020年東京五輪招致、開催にあたっては「問題」が多くあり、仮に東京五輪中止ということになればそのすべての問題責任が蒸し返されることになるからだ。

 (2)2020年東京五輪は都内既存施設を利用しての移動の少ないIOCの意向に沿った低単価予算五輪を理念として評価された。復興五輪を印象づけるとして、当時安倍首相は招致プレゼンスで福島第一原発事故は「アンダーコントロール」されていると強調したが、事故の収束は進まずに除染、汚染処理水問題を抱えたまま混迷、迷走して、原発事業者東電のガバナンス欠如があきらかになって規制委の指導を受ける不始末が続いている。

 (3)五輪招致にあたってはIOC委員への献金疑惑で当時JOC竹田会長が辞任した。都内の既存施設利用計画はいつしか東北被災地での開催も検討されて低予算五輪のはずの大会経費も膨大化を続けた。

 当時組織委森会長の女性べっ視発言は世界的反発を引き起こして、辞任に追い込まれた。昨年開催の予定が世界的なコロナパンデミックで今年に延期されて、東京五輪のテーマも復興五輪からコロナに打ち勝った証しとしての東京五輪に形を変えて、しかし政府のコロナ対策は経済活動との両立を求めて後手、後手となり効果的な対策とはならずに、ワクチン接種も世界から遅れて進まず現在3回目の緊急事態宣言もさらに延長される見込みで政府、五輪関係者以外は五輪開催どころではないとの認識が大勢だ。

 (4)そういう中でのIOCバッハ会長、コーツ副会長の緊急事態宣言下でも犠牲が出ても東京五輪は開催するという無茶な発言だ。国内世論の中止の声を受けても菅首相は五輪開催に向けて強気の姿勢を崩さずにIOCの無茶な開催意向に従っておいて、仮に中止選択ということになればこれまでの東京五輪招致、計画、開催にかかわるパラドックス(paradox)な見込み違い、見当違いの全容に対して大きな責任、補償を負わなければならないもうひとつの(alternative)緊急事態に追い込まれる。

 (5)そもそも何としても無観客でも東京五輪は開催したい五輪組織委の思惑だ。しかし、中止にしろ、開催にしろどちらでも代償の大きさ(magnitude of compensation)は変わるはずもない。

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既得権益と私権制限とコロナ。 vested rights & private right & corona

2021-05-26 20:14:14 | 日記
 (1)地元大手ドラッグストアの会長夫妻が自治体責任者にワクチン優先接種を申し入れたり、医師資格を持つ首長が自分も医療関係者だとして他に先駆けてワクチン接種を受けたり、コロナ感染拡大でワクチン接種がキメ手とみられる中で名声、立場、地位を利用した抜け駆け的なワクチン接種が非難を受けている。

 昔からよくある人間行動、習性であり、非常時、緊急事態でみせる人間性の弱さ、浅はかさ、行動論でもある。

 (2)そこに来て自民党佐藤総務会長が憲法規定を盾に「大事な議論をしている国会議員が打てないこと自体、危機管理上おかしい。議論がストップすれば何が起きるのかを原点に返って考えるべきだ」(報道)と国会議員のワクチン優先接種の必要性を語った。

 現在のところ新型コロナ感染で当時の立憲参院幹事長が死亡して、他にも議員感染者はいるが、国会でクラスター発生はなく多数が一堂に集まって審議する機会の多い国会ではコロナ対策がはかられているとみられる。

 (3)ワクチン接種はコロナ感染拡大阻止にはキメ手とみられるが、それがすべての方策ということでもなく、マスク、手洗い、外食・密解消で多くの国民は感染せずに健康管理、安全を維持しているので、とりわけ自民党佐藤総務会長がいうように「大事な議論をしている国会議員」であればより特別な自覚、配慮、考慮した健康管理に努めるべき責任がある。

 間違っても緊急事態宣言下で要請に応えずに開いている店を探して深夜まで飲食をするなどという不始末を国家議員が示してはならない。

 (4)国、政府が緊急事態宣言を発出して、外出、移動自粛、夜8時を過ぎての営業自粛を求めていながら、国会議員、政府職員が同様の深夜までの飲食をくり返して感染者クラスターを発生している中で「国会議員が打てないこと自体、危機管理上おかしい」発言は、既得権益(vested rights)主義でおかしい。

 非常時、緊急事態時はほとんどの人はエキセントリック(eccentric)で萎縮して通常の心理状態にはならずに自己保身に走り、合理性を欠く行動をとることがある。

 (5)そういう国民、市民の安全、安心を保障する政治、政府、自治体としては、まずは国民、市民生活、安全を優先して立て直して日常性を取り戻すために尽力することが優先されて、その前に自らの立場、地位、機会を顧みることなどしないのが役割、使命だ。

 自民党が進める改憲による緊急事態条項での私権制限(restriction of private right)の課題、問題がみえてくる。

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