いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アジアの慈愛。  asian benevolence

2010-04-30 19:51:48 | 日記
 (1)独立後、飢餓と洪水被害の続いたバングラディシュが、低い人件費を対価に変えて、
日本をはじめ国外のアパレル(apparel)産業の下請けとして経済活性化を果たし、アジア
の2010年のGDP(国内総生産)は前年比較7%増加した。不況時代に高い成長率。
 中国が今年中にGDPで日本を抜いて世界2位となることが確実と見られており、アジア経
済が世界経済回復のモチーブパワー(motive power)になると見られている。

 (2)中国で開催されたモーターショウには、13億人の需要を求めて主要な自動車メーカー
が、HV車、EV車の新製品をメーカー代表、社長が直々に紹介する力の入れ様だった。
 機関も含めて世界240か国余りが参加する上海万博も明日から開幕し、アジア経済への
注目度は当分続きそうだ。
 日本は、HV車、EV車、太陽光発電、床発電、自然エネルギー(水)利用の先端技術開発
による「ゼロ・エミッション・タウン(zero emission town)」で次世代の環境適応型社会を目指
す。

 万博も今や国力誇示のアミューズメント・イベント化したが、次世代社会、世紀に向けた
産業技術の開発紹介が主流であった。上海万博が、経済発展の著しい中国というロケーショ
ンに加え、環境世紀へ向けた橋渡しの21世紀初頭期ということもあり、経済、社会、文化
そしてできれば平和と人の自由な往来、生き方に向けたモチーブパワーとなるよう期待したい。

 (3)シンガポールは、以前から街中が大変きれいな整然と整理された国で、海岸から見える
夕陽が印象的な国と聞いている。かって、経済成長期の日本をいち早く目指して、手本とする
ことを公然と宣言して、勤勉で親切、協調性があり文化性も近い国に映る。
 ベトナムも、長い米国との統一戦争を経て、今や観光産業国として、当時の軍事政権の面影
はない文化立国。

 それらアジア活力国が取り巻くタイの昨近の政治グループ対立による空港、街中心部の長期
占拠による混乱、くり返される政治不安、ミャンマーの軍事政権の閉鎖性と一線を引いて際立
つ。民族としては、根底にアジア共通の慈悲、慈愛(asian benevolence)が流れているはずだ。

 中国がGDP世界2位(になる)の経済国として、世界240か国余り参加の万博開催を通じて、
大きく国際協調主導に変化することがアジア全体の平和、安定した経済成長ゾーンの維持に
欠かせない。
 そういう位置づけの上海万博になることを求めたい。そういうアジアの進化が、結局は沖縄の
負担解除につながっている。一国、北朝鮮だけは不透明で理解不能。

 (4)もうひとつ、日本。米誌タイム恒例の2010年「世界で最も影響力のある100人」に、リー
ダー部門で首相が選ばれた。昨年の本格的な政権交代で、「一党支配から機能する民主主義
に変えた」評価。が、発表された現在は、「機能せず」にそのパラドックス(paradox)がかえって
印象的だ。

 この評価を糧(かて)に、めっきり聞かなくなった「対等な日米関係」への自負を取り戻すことが
できるのか。自ら設定した重い1か月だ。
 

 

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コールドゲーム。  called game in a golden week

2010-04-29 19:50:47 | 日記
 (1)最大7日間のゴールデンウィークがスタートした。晴天と高速道路1,000円化の
最後の連休ウィークということで、高速道路の渋滞も各所平均20~30キロ、最大40
キロと予測されている。1,000円化最後の連休ウィークとしては控えめに見えるが、
この期間の実際の渋滞状況とあわせて、一般道路の利用状況について注目していき
たい。

 どこもかしこも道路が渋滞する最大の原因は、①道路のキャパシティで支えきれない自動
車の乗入れ飽和現象と、②道路構造が「意志」をもった交通システムとして設計されていな
いこと、③利用者の運転の仕方(スピード操作)にあると考えている。

 高速道路の構造というのは、地点と地点を結ぶ直結型の一方方向の通行で、信号や交差
する道路で遮(さえぎ)ることなくスムーズに一定スピード(制限速度)で移動できる交通効率
の高い、非日常的な道路として設計建設されている。

 ほぼ同じエリアを立体的に占有する一般道路は、日常生活の移動手段として、人と車が利
用エリアを区分して活用する生活道路として存在する。
 各居住地からの多様な移動進行、360度の生活空間の複雑な行動に対応するため、信号
や交差する道路で分断されて、交互進行が求められている。

 多様な移動に対応する一般道路は、すべての進行方向をスムーズに移動することはもとよ
り不可能。そこで、都市計画上、人の流れ、車の流れをコントロールしてどう設計して、より円
滑に地域の生活、経済効果につながる、高める道路(構造)計画とするのかの「意志」が大事
だ。

 この地域の人と車の流れの「主力(main force)」ゾーニングを設定、設計し、そのレーンは少
なくとも信号、交差道路で流れが寸断されることのリスクを回避して太い「流れ」を維持する。
 その流れに大量、集中することによる渋滞対策として、交差する道路では、渋滞比較で少なく
ともより効果的な「我慢」の限界内の進行を保障する交差道路を設計する。

 一本の主力レーンと、交差する迂回レーンとの多様な、目的別の道路利用システムを、都市
計画として設計された「意志」のある道路が求められている。交通論、交通力学、交通機能哲
学での専門的な分析、研究、開発、理念が道路構造、システムに反映されているのか。高度な
専門性の社会還元が求められている。人と車と道路の三位一体のゲームにコールド(called
game)の近道はない。


 (2)首相がゴールデンウィーク中に沖縄を訪問する予定の、普天間基地移設先問題の決着。
 限られた選択肢の中、決着だけを先送りしてきて、結局、どうも前政権と米国(米軍)が
合意したとされる辺野古キャンプシュワブ沖移設の修正(陸上)案が政府方針のようだ。

 昨年の衆院選挙で主張した「県外移設」の理想論が、その後首相に就任して決着先送りの
末、自ら設定した決着の期限(5月末)が「足かせ」となって、当然のように調整時間がなく、
結局は政権交代前の現実に立ち返る結果となっての沖縄訪問。自作自演のシナリオのない夢
芝居を見せられた。

 政権交代を果たして、わずか6か月余りで米国(米軍)、日本政府、日本国民(特に沖縄)
の三位一体の複雑な安全保障問題の決着に、高度な調整能力と時間が必然の理想論をストー
リーも描けずに追い求めたところに、当初の国民の高い支持を背景とした政治的見通しの甘さ、
過信があったのではないか。

 近年の国際政治情勢、沖縄への過剰な負担を考慮すれば、駐留米軍基地は「暫時」国外移設
で、いいだろう。そのための日米双方の環境整備、調整のための相応の「時間」は、必要なはずだ。
 一時的にも、普天間基地周辺の安全、危険除去対応と駐留米軍基地の恒久的対応、有り様
とは区別して、整理して、適正な対応が日本政府には求められていた。

 政府案がようやく開示されて、この範囲内のものということになれば、首相進退を表明するのが
政治責任という、ゴールデンウィークの沖縄おわび訪問で、このゲームはコールド(called game)。

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春の激雨。  heavy rain of spring

2010-04-28 20:07:19 | 日記
 (1)今朝、激しい雨に見舞われた。数週間前の激しい雨の日には、朝起きて雨戸を開けよ
うとカーテンを引いたら目の前の網戸と雨戸の間に、大柄のイモリ(newt)が張り付いてい
て驚いた。静かに雨戸を開けて、網戸を揺すって庭に逃した。前夜からの激しい雨で避難し
ていたのだろう。

 イモリは見かけによらずおとなしい性質で、危害を加えない限りは人が近くにいても平然
としていることが多く、また虫を喰べてくれるので人間とも共生力がある。
 なにしろ、見かけが見かけだけに、突然あらわれたりすると驚くし、お近づきにはなりた
くない。が、今朝の大雨では、いったいどこで過ごしていたのか、少しは気にはかけながら、
雨戸を開ける。すっかり雨は通り過ぎていて、外は深緑の春の光が射していた。

 (2)今朝の激しい春の雨(heavy rain of spring)は自然界だけでなく、私たちの日常にも
集中した。
 地裁の無期懲役、高裁での死刑判決が、最高裁で破棄されて審理やり直しとなった。事件
は、被告と被害者との複雑な人間感情、関係が背景にあったとはいえ、事件現場に残されて
いた「タバコの吸い殻」ひとつの物的証拠と状況証拠で被告は逮捕され、高裁で死刑判決。

 最高裁では、吸い殻は黄色く変色していて、事件当日のものとは認定しがたく物的証拠に
は不完全として、審理やり直しとした。
 事件の経緯を報道で見る限りでは、あまりにもおそまつな証拠の裏付けと死刑判決という
最高刑とのギャップ(gap)の大きさに、近年の司法、警察、検察の捜査力の不完全さ、それ
を放置する専門能力低下の司法にあきれるばかりだ。

 最高裁がかろうじて司法の良識を示したというところか。しかし、同じ裁判審理専門機関
の間で、死刑判決と審理やり直しの両極端な判断にたどり着く審理の「精度」には驚かされ
る。

 警察、検察の能力判断に、もうひとつ、民間人から構成される検察審査会のチェック機能
に法的権限が強化された。検察が不起訴としたものに、強制的に起訴できる日本独自の司法
制度。
 民間人が司法審理に参画する方法としては、裁判員制度よりは、この検察審査会制度の方
が適切だ。

 (3)現民主党幹事長の資金管理団体の土地購入にかかわり巨額の虚偽記載問題。当時の
記載責任の会計担当者(現議員)への立件で、当管理責任者の幹事長は容疑不十分として
不起訴となっていた。
 政治資金による土地購入という使途の不適切さに加えて、巨額の政治資金を管理する立場
にある幹事長がその事実(巨額の虚偽記載)を認識していなかったという不自然さを残しての
容疑不十分による不起訴処分だった。

 立件された当時の会計責任者は、裁判審理の中で巨額の政治資金については収支報告作
成にあたって、当幹事長に報告、相談していたと供述している。
 検察は、政治資金規正法の対象が管理責任者(政治家)ではなく会計責任者であること、
また認識があったかどうかではなく、明確な「指示」があったかが共謀の証拠だとして、容疑不
十分とした。

 もとより、巨額の資金も「言った、言わない」、「聞いた、聞かない」の世界の立件でのこと、
状況証拠からも不自然さは大いに残る結果となった。
 これに検察審査会は、これだけ不自然さ(共謀の成立が推認される)が残っている以上、裁判
で決着(真相を明らかにすべき)をつけるべきだとして、全員一致で「起訴相当」とした。

 一度は不起訴にした検察は、「言った、言わない」、「聞いた、聞かない」の世界、有力な「新証
拠」が示せれるのかが共謀の大きなポイントとして、再捜査には困惑気味。
 しかし、「政治とカネ」で政治不信の根強い市民感情がこれを見過ごさない。

 言った、言わない、聞いた、聞かないの政治の世界。当事者の幹事長の口から、責任ある国民
への真相説明が求められる。凶悪事件では時効も廃止になった。
 


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JRと道路と航空のぜんぶ革新。  traffic innovation

2010-04-27 20:06:46 | 日記
 (1)かっての国鉄は、国民の投資(税金)に支えられて、採算を度外視した公共性重視と
停滞肥大した肥満体質の組織体制(いわゆる「親方日の丸経営」)で破たんして、経営の効
率化によるサービスを利潤に転嫁する経済原則の民営化された。

 全国を6ブロックに分けて株式会社化(JR)して、電車は高速化(新幹線)による相互乗り
入れにより利用者サービス強化をはかり、それぞれ独立採算制により経営採算性、自助努
力が求められている。
 利用者にとっては、各ブロック毎の経営管理会社(JR)にかかわらず、相互乗入れ自由化
で乗車料金も一律(出発地から目的地)料金体制で、わかりやすい。
 高速化と都心を直接結ぶアクセス条件の利便さで、従来の航空利用者をも取り込んでいる。

 (2)そこへ、高速道路の土、日曜日一律1,000円化により、休日の大量移動客が自動車
による高速道路に流れて、交通バランスもあたらしい時代環境に移行している。
 その高速道路。どうにも困ったのが、高速道路の経営管理会社(自治体、民間会社)毎の
別料金体系になっていて、長距離運転では一本レーンながら三重、四重の料金ゲートを乗り
継いで、いつしか合計料金がけっこうかさむ経験をする。利用者にとっては、ムダの重複。
 一律1,000円化でも、高速道路一本レーンながら料金体系の異なるレーンが現存する。

 地方自治体、民間経営管理会社毎の道路建設、維持管理経費の負担区分ということもあ
るが、JR経営体制のように経営管理の統合、料金一体系による利用者への利便性が求め
られる。経営管理統合、料金一体系によってムダの重複をなくすれば、高速道路料金は確
実に(管理維持費の減少)引き下げられる。
 
 高速道路完全無料化になれば解決する問題ではある。高速道路では、こういう硬直した
体質が見直されてこなかった。

 (3)ハード(接続交通)、ソフト(搭乗手続き)両面のアクセスの悪さで利便性に欠ける航空、
空港業界。全国一律の高速化で利便性の高いJRに利用者の基盤は移行している。
 関空は、都心からのアクセスの悪さで大幅な減益、負債、逆に都心に近い大阪空港(伊
丹)は増益で、双方の経営統合による再建策も持ち上がっている。

 経営再建を目指すJALの国内空港50路線からの撤退で、定期便がそっくりなくなった地
方空港もある。航空路線のあるところでも、新幹線で日帰りもできる交通事情の中で、将来
展望をひらく空港独自の空港周辺開発(文化、教育、レクリエーション)と貨物輸送による
将来計画図(scheme zoning)が求められる。

 中部国際空港は、利用者が前年比較国際線で14%、国内線で15%の減少で、開港以
来始めて1,000万人を割り込んだ。
 しかし、同空港の貿易、貨物では輸出と輸入合わせて、不況まっ只中の前年同月比較42
%増加で、過去最高の伸び率を記録した。中国、アジア向けの輸出(映像機器、電子部品)
が大きい。

 経済動向は、市場のキャパシティが大きい中国、アジアに向けての活性化で不況からの
上昇指向が見える。

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時効廃止。  repeal of prescription

2010-04-26 20:07:40 | 日記
 (1)犯罪の加害者にも、被害者・関係者にも「終わり」というものがない。たとえ事件が
解明、解決したとしても、生涯「終わる」ことのない記憶と感情と心に(あるいは身体)に
負ったキズだ。
 凶悪事件の時効(公訴時効)を廃止(repeal of prescription)する刑訴法の改正案が衆
院で可決、成立する見通しとなった。

 現在の司法制度は、凶悪事件の時効を15年と定めている。①逃亡する加害者には、社会
的に生活の自由が制限されて、毎日が制約を受けての生活の15年は、十分に社会的制裁
を受けて精神的洗礼を果たしたとする。②被害者・関係者には、事件への執着の質も変わっ
ていき、15年は心情も変化して事件から回避して、あたらしい生活が始まっているとする。
 ③社会には、事件も風化して現場状況も当時のものとは変化しており、15年は継続的な
追跡が困難な時間としている。

 必ずしも論拠としては適正な分析理念と言えないものもあるが、問題なのは、④警察、検察
(捜査)の立場。捜査を長期間、集中して大量の捜査員を投入して捜査することが、治安全
体の維持、バランスからしてマイナス影響が大きく効果が乏しいと言われるものだ。

 (2)警察、検察は、国民の投資(税金)で、国民の安全と財産と生命を守る専門職種。国民
の安全と財産と生命に損害、危害を与える事件については、専門的に捜査し解明して原状回
復をはかる高度な責任を負う。

 近年目につくような冤(えん)罪事件による誤認捜査や社会不安を煽(あお)る凶悪事件の
未解決などあってはならない専門的な立場にある。
 時効制度が司法上存在すること事態、警察、検察の有り様からすれば、認めがたい対極の
立場にいるのが、警察、検察。

 (3)犯罪の抑止効果の最大のものは、検挙率の高さだ。凶悪事件の検挙率が30%弱程度
の現状では、社会の安全を守り維持するには程遠い現状の警察、検察力。
 捜査能力を人的、技術的、組織的に高度で専門的で迅速性のあるものに編成する必要が
ある。

 無期限捜査になっても、初動捜査の的確性は基本、生命線だし、科学的で情報力のある
分析力、思考力、継続性、信頼性がより求められる。
 警察業務は、危険のともなう専門的な職種。それに見合った報酬を整備して、優れた捜査
員を確保、教育して、社会情勢を分析した的確な勤務体制、人員、時間帯、地域への効果的
な配置の対応で、社会、市民生活の安全環境を高める必要がある。

 犯罪の加害者にも、被害者・関係者にも「終わり」はない。同時に警察、検察の捜査にも
正しい解明、解決までは「終わり」はない。
 

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