いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

1万人以上の不服申し立て。 statement of objection

2013-05-31 20:09:11 | 日記
 (1)福島第一原発事故により帰宅困難地域となって全国に21000人が避難(報道)している福島県浪江町民11600人余り(町民の半数以上)が、東電に対して月10万円の精神的賠償額を35万円に増額することを求めて国の原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介手続きを申し立てた。

 住民の不服を浪江町が代理人となって不服申し立て(statement of objection)をする初めてのケース(報道)だ。

 (2)東電への損害賠償請求は、当初東電側の原発事故責任を自覚しない事務的ルーティン(routine)による分厚い請求手続き説明書の「わかりにくさ」が被害者、避難者住民に不評をかって社会問題化して、住民への損害賠償が一向に進展しない原因ともなった。

 被害住民個々人が請求することもあり円滑で迅速な損害賠償請求とはなかなかいかない仕組みでもあった。

 (3)今回の自治体(浪江町)が代理人となって被害住民の損害賠償請求を取りまとめて請求するのは、自治体の住民サービスとしては当然の行為でもあり、国が主導すべきことであった。

 この精神的賠償額10万円は、同紛争解決センターが交通事故の保険慰謝料を参考にした(報道)と言われており、多くの住民がこれに不服を申し立てた。
 甚大な原発事故被害の精神的賠償額が交通事故の保険慰謝料相当では、比較釣り合いがとれるものではない。

 (4)原発事故の被害住民補償に対しては、全国からの寄付金、支援金ほか、東電の損害賠償金、国、自治体の生活支援金など各種にわたっておりよく実態がつかめずに、寄付金、支援金の支給も自治体対応の不備も含めて一時は支払いが行き届かずに窓口の日赤に据え置かれたままということもあり、これもその後どうなったのかは情報は不十分だ。

 (5)国(当時、民主党政権)も第一義的事故責任は事業者の東電にあるとして、被害住民損害賠償に対しては積極的に指導、整備、関与してこずに、結果として事故から2年以上も経過しての今回の多くの被害住民による不服申し立てに発展したのだ。

 福島第一原発事故による廃炉までに40年以上も必要とされて、帰宅困難者の生活設計にも深刻で多大な影響を与え続けており、事故から2年も経過しての多くの住民の不服申し立ては原発被害住民救済が一向に進展しない、目を向けられていない現実を示したものだ。

 (6)国は東電の要請に応じて国民投資(税)から追加支援も含めて3兆円規模の企業支援を決定(報道)しており、その責任からも国が指導、主導して東電、自治体と三位一体で原発被害者救済制度の実態のよく見える理論整理した仕組み、枠(frame work)づくりを今からでも整備し住民救済を迅速、促進すべきだ。

 事故から2年余りが経過して福島第一原発の被害者救済も進展していない中で、原発再稼働問題を盛んに論議するなどとは本末転倒もはなはだしいことだ。

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夫婦別姓の過激。 violence of couple by separate full name

2013-05-30 19:43:49 | 日記
 (1)人間には法人格と私人格がある。仕事をしている人は職務上の名称(法人格)と私生活上の私人格を合わせ持つ。政治家などはその都度都合よく使い分けることもあるが、同一人物でありながら人格上の立場、意味はもちろん理論上、理念上違う。

 しかしそれは同一人物であるから、めったなことでは通常氏名が異なることはない。戸籍上登録された氏名が法律上認められた国民としての人格を表示する唯一のものだ。法人格の中には、芸術、芸能、文化、スポーツを中心に法律上の氏名とは別に芸名、俗名、通称を名乗るものもある。
 私人格(私生活)とは別の世界観として特殊能力、才能表現、活動を行うための精神性別離としての特別な人格表示だ。

 (2)法律上の氏名も結婚、養子縁組をすれば民法上、男女どちらかが相手姓を名乗ることになっている。
 儒教思想の流れを汲む古来日本文化の伝統性から、男性中心社会の継続の中で圧倒的に結婚すれば女性が男性名を名乗り家庭、家族を形つくることが日本社会だ。

 一時、社会制度整備、基本的人権問題として男女平等、参画社会の必要性が唱えられて、夫婦別姓(couple by separate full name)問題が国会でも民法改正論議を通して話題になったが、最近はあまり聞かれなくなった。

 (3)保守色の強い自民党内に「家族の一体感が損なわれる」(報道)という、余計なお世話で訳のわからない根強い反対論があって、何度も議員立法で夫婦別姓の民法改正案が国会に提出されたが、すべて廃案になっている。現在は、法律上夫婦別姓を名乗ることはできない。

 そこで夫婦別姓を認めない民法規定は、男女平等を認めた憲法に違反するとして国家賠償を求めた訴訟に、地裁は憲法が個々にまで保障したものではないとして訴えを退けた。女性の(女性にしかわからない)大変シビア(severe)な感情だ。
 報道では女性原告の「結婚して夫の姓にして以来、自分の人格が欠落したように感じている」と紹介している。

 (4)余程のことでもない限り、相思相愛で結ばれた同士愛が結婚すること自体、双方に自由などハンディを伴うものであるだけに、民法上の規制(姓名変更)なんか超越する愛の力があるとも考えられるが、必ずしもそうではないらしい。

 自民党の根強い反対論(家族の一体感)も、法律上夫婦別姓を求める訴訟原告女性論(人格の欠落)も相当過激な(violence of couple by separate full name)偏向思想のように受け取られるが、夫婦別姓を希望する人たちが現実にいるとすればあえて法律上規制する必要もないのではないか。

 (5)特に政府が国民を個別番号制により一括管理、統轄しようということなら、社会制度、手続上夫婦同一姓にこだわることもない。
 政府の国民世論調査では、01年には夫婦別姓賛成(42.1%)が反対(29.9%)を大きく上回っていたが、昨年の同調査では反対(36.4%)が賛成(35.5%)をわずかに上回って逆転現象となっている。
 時代、社会、経済背景とともに意識の変化もみられる。

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地震科学の敗北。 seismological defeat

2013-05-29 20:03:08 | 日記
 (1)科学も万能だと思われてきたが、最近はそうとも言えなくなってきた。パラドックス(paradox)としてそれが科学の「進歩」だともいえる。
 地震国日本で、研究専門家組織の日本地震学会は東日本大震災での予測をはるかに超える巨大地震にすっかりそれまでの自信を失って、地震予知の領域から撤退を宣言し、政府の中央防災会議は「巨大地震を予測することは『不確実性を伴い困難』と結論(報道)」づけた。

 中央防災会議や地震予知連絡会は、巨大地震発生の「可能性」とその「備え」について提言するしか方法論を持たない。

 (2)これまで東海沖巨大地震の発生が確実視されてきて、日本で唯一観測機器を設置して地震予知体制がとられて法整備(大震法)され、発生2日前(前兆現象)には地震発生情報を発信できるとされてきた。
 専門家からはここ30年の間に80%の確率で発生することも言われている。過去の地震発生の歴史、周期から地震発生の可能性は考えられてきた。

 (3)地震発生のメカニズム(陸側プレートと海側プレートの境界がズレて発生)はあきらかで、このメカニズムの前兆現象を観測することで地震予知は可能と考えられてきた。
 しかし、そういう地震研究の延長線上にあった東北太平洋沖海域を震源とする東日本大震災が予測をはるかに超える巨大地震であったことから、研究者の研究基盤、自信そのものが同時に崩壊したのだ。

 (4)今回の中央防災会議の専門家調査部会は「前兆すべりを検知する前に『いきなり地震が発生する』ことや『検知されたとしても地震が発生しないことはあり得る』」として、つまりどういうこともない「何でもあり」の予測不能という困った結論だ。

 変に知ったかぶりをして国民に信頼されるのも被害が実際に起きた時(発生確率は高い)の認識の落差に責任を持てずに、それなら「わからない」として確実な発生事後対策(避難)、備えに目を向けるしかないというのは、極めて良心的な安全策ともいえる。
 科学研究への信頼感、期待感などと言っていられない、なりふり構わない現実的対応、姿勢をどう評価するかだ。

 (5)そこで家庭備蓄7日分確保という「いつくるか」わからない巨大地震への現実的でない超現実的(surrealistic)備え、事後対策の提言となる。
 確率の高い不安を煽(あお)るだけ煽っておいての(発生確率が高いから仕方もないことだが)事後対策の超現実的必要性というのも、(防災)地震科学の敗北(seismological defeat)だ。

 科学にはもちろん「できること」と「できないこと」の良心はあるが、「できないこと」を克服する確信もある。

 (6)それでも地震国日本としては、地震研究、地殻研究にまい進、挑戦することが求められている。
 地震予知技術開発、減災(津波抑止、耐震、避難ほか)研究と事前対策も大事だ。研究挑戦意欲に期待したい。

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心配な風潮。 uneasy a drift

2013-05-28 19:43:24 | 日記
 (1)本日の紙面は、まあ見事な「橋下バッシング(bashing)」だ。昨日、橋下大阪市長は日本外国特派員協会で記者会見を開き、問題の歴史認識、慰安婦問題を巡る「あきれた」発言(amazing speech)に対する釈明に追われた。

 かえって火に油を注ぐとはこういうことを言うのだろう。本来、日本の倫理観の問題を外国文化にも押しつけて正当化するかのような詭弁(きべん)が糾弾された。

 (2)旧日本軍のアジア植民地支配にかかわる日本の反省と責任を問う歴史認識問題に、現地慰安婦の人権問題認識にかかわる橋下発言で、海外の関心も高く会見場には欧米、アジアからの多くの記者が参加し、それでも収容しきれずに別室でのモニター参加者(報道)も出た。

 会見は予定時間を大幅に超過して2時間半にも及んだ(報道)。さっさと都合の悪い会見を自分のペースで打ち切ることもなく、「ていねいに答えようとしていた」(参加外国特派員)のがせめてもの救いだ。

 (3)この問題に対する橋下さんの「あきれた」発言は、朴クネ韓国大統領が日本の歴史認識問題に強く反省と責任を求め、同盟国の米国にも理解を求めて同意を得て韓中米中心のアジア外交を展開している中で、突如これに反発する形で発信された。

 (4)橋下さんは日本維新の会共同代表として、保守色を強める安倍政権の政治思想、理念、政策と共通するところも多く、政権に代わって一野党の共同代表として歴史認識、慰安婦問題に保守本流的認識を内外に示してみせたもので、一種の外国文化に対するアンチテーゼ(anti these)でもあったし、見た目は順風満帆な安倍政権による国内政治、経済順調に乗った思いあがり、思いすごしが「あきれた」発言になったのではないのか。橋下さんの性格、性分によるものが大きいのではないのかと推察する。

 (5)野党(支持率4%)の議員資格もない共同代表、市長の考え、「あきれた」発言として、とりたてて問題視することもなかったことだが、橋下さん自身が火に油を注ぐ対応で外交、国際問題化させた。やはり、生い立ちによる歴史観、性格、性分によるものではないのか。

 (6)議員資格もない一野党の共同代表の「あきれた」発言を「とりたてて問題視することもなかった」と書いたが、日本社会では思想信条の自由は憲法で保障されており発言は自由だ。

 「あきれた」発言であったからこそ、聞く側、受け手が良識、判断力を持って適当に対応すべきことであって、こうも社会、メディアがこぞって「あきれた」発言を糾弾する、批判する姿勢にも、過剰に反応した個人意思に対する抑圧的、強圧的で不愉快、不遜な感情を覚える。

 (7)逆に橋下さん、海外情報に躍らされている風潮(uneasy a drift)の日本社会が懸念される。
 折しも韓国紙コラム(論説委員)による「日本への原爆投下は神の懲罰だ」という記事も発信されて(のちに謝罪し、韓国政府はこれは個人の意見で政府の見解ではないと表明)、この「あきれた」記事など日本では問題外のこととして、あきれてまともに取り合うこともなかった。

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経済と独立国論。 growing strategy and theory of independent state

2013-05-27 19:33:58 | 日記
 (1)09年の本格的な政権交代で誕生した民主党政権がもうなつかしい(失われた時代の)出来事のように思いやられる、昨年末に誕生した安倍政権の次から次への積極的な経済政策の方針転換による期待感を反映した円安株高の景気誘導に沸く日本だ。

 ①この政治的流れが賃上げ、雇用創出、安定に結びつくかが実体経済として国民生活に景気回復を実感される分岐点ともなる。
 円安逆効果(輸入材料高)による一斉値上げに、来年4月には消費税引き上げが控えており、日本経済の先行きには不安要素も出てきており期待感先行の経済回復シナリオにも乱高下が続いて不安定要素も出ている。

 ②政府は企業の賃上げ促進のために、政労使による3者関係会議で推進決着をはかりたい意向に対して、企業経営者側は長引くデフレ円高不況時代の弱体化した経営基盤の回復強化を優先して、賃上げは企業の自主判断にまかせられるものだという正論で反対している。
 デフレ脱却、景気回復の実現までは、安倍第2次政権の発足以来の政策理念による強圧的な関与の政治姿勢をこれまでの順調な滑り出しから貫く方針だ。

 ③いっきの円安株高で恩恵バブルも大きい経済界にとっては、自己都合のいい話ばかりでは通らないところもあり、政治、経済協力しての実体経済としての中身のともなった経済安定策が求められる。
 TPP参加交渉、成長戦略(growing strategy)推進といよいよ実体経済の中身の論議も本格化して、来年4月の消費税引き上げに向けての国内経済の実像があきらかになっていく。

 (2)政治は、普天間飛行場の辺野古沖移設に向けた埋め立て申請許認可が政治スケジュールにのぼってくる。

 ①経済振興策と米軍施設の一部返還と県内移設の比較検証が政治課題になってくる。
 しかし沖縄は県外移設で譲らずに、日米合意にもとづく辺野古沖移設への政府方針とは全面対立が続く。

 ②世論調査では、国民の過半数が沖縄に米軍基地が集中することを容認するとしており、沖縄とは相容れない意識のズレも見られる。
 今夏の参院選、来るべき衆院選での争点(the point in dispute)として具体的方法論、政策論で取り上げ、国民的合意をはかるべきだ。国民的合意のない政策は実効力もなく対外的にも説得力を持たないことは過去の歴史で学んだ。

 ③そこで沖縄からは「独立論(theory of independent state)」まで出てくる始末だ。かっての琉球王朝を日本が併合して沖縄として第2次世界大戦後米軍占領支配を26年間受けてきた歴史的背景から、今も米軍治外法権化の中で日本の政治が現実に届かない現状から、それではとかっての独立志向論だ。

 ④まったく現実的な話ではないが、日本政府、本土と沖縄の埋めようもない意識のズレの大きさを非現実性に求める破局型思考法だ。
 国民世論、沖縄の意識の一致点(最大公約数)が示すものは、米軍基地の国外移設でしかない。

 

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