いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

大国主義と富豪支配社会。 a powerful nationalism and a billionaire governing society

2022-04-30 20:12:47 | 日記
 (1)米バイデン大統領が主導して欧米日など60か国、地域が言論統制を強めるデジタル専制国家の中露をけん制、抑制するためにインターネットへのアクセスの自由、人権保護などの基本原則を示した「未来宣言」(報道)を発表した。
 言論安全保障を求めるもので、中露の偽情報、閲覧制限など「危険なネット政策」に対して民主主義的なネット活用の重要性を強調(同)するものだ。

 (2)その直前には現在世界一の富豪といわれる米EV大手テラスのマスクCEOが不適切な情報の監視、規制強化を進める「ツイッター」に不満があるとしてツイッター買収工作を進めて、マスク氏の個人資産から5.6兆円で「ツイッター」を買収(報道)したとの発表があった。

 米EVテラスのマスクCEOにより言論、情報の独善的、独断的、独裁的な恣意的ツイッターの乱用が懸念されている。

 (3)米巨大IT企業群はインターネット情報の独占利益で世界各国から規制対象となっており、さらに米巨大IT企業が「貨幣通貨」まで発行するとしてその影響力から世界の経済、金融、財政規律、基準が脅かされるとして米国などからストップがかかり、米巨大IT企業が世界の経済、情報の独占利益による安全保障、公平、公正で自由な市場競争原則を脅かすものとして警戒されている。

 (4)その中での米EV大手テラスのマスクCEOによる5.6兆円の「ツイッター」買収で、経済安全保障、公平、公正な言論、情報が脅かされている。大国の軍事力を背景にした領土拡張主義、巨大な経済力、情報力、知的財産を活用して世界経済利益を独占するデジタル産業群のCEOと世界は大国主義(a powerful nationalism)、カネ、情報が集中する巨大IT企業群富豪が支配する(a billionaire governing society)「格差社会」を構成して国際秩序、規範(paradigm)は守るべきものがなく崩壊に向かっている。

 (5)一国の大統領が「誰も持っていないような全ての道具(兵器)がそろっている。必要になれば使用するだろう」(プーチン語録)と軍事力を誇示して、「我々の反撃は電光石火で迅速なものになる」(同)と核兵器の使用を示唆して敵対国、侵略した国を威かくするなどというのは政治指導者の資質、能力、度量、責任が疑われるものであり有資格者とはいえずに、これを世界が協調、結束して抑えきれないというところが今日的世界の大国主義、富豪支配社会による格差社会の構造的歪み、矛盾であり、不幸である。

 

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安全保障神話。 the security mythology

2022-04-29 20:26:54 | 日記
 (1)かって「安全保障」(the security)といえば軍備、軍事力だったものが、今日的社会では何にでも安全保障がついて「安全第一主義」が目につく。経済、情報、知的財産、生活と社会を構成する基本構造に「安全保障」が結びついて語られる、「安全保障」を安全保障する時代だ。

 (2)夏の参院選を控えて各党公約も「安全保障バブル」と報じている。「安全保障」が国家、社会、国民にとって重要な時代感覚、現象であることを示しているものだが、本家本元の「安全保障」では自民党は北朝鮮のミサイル攻撃能力向上の脅威に対して「敵基地攻撃能力」の保有を謳(うた)い、専守防衛の憲法理念に反するとの声を受けて「反撃能力」に名称を変えて防衛力強化の提言をまとめて政府に提出した。

 (3)中国艦船による尖閣諸島領域侵入や露のウクライナ軍事侵攻に北朝鮮ミサイル発射により日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、国民にも「安全保障」への関心の高まりをみせている。

 ウクライナ戦争を受けて欧米日は露への経済、金融制裁を強化し、露産天然資源の禁輸、露からの企業、事業の撤退により石油、ガソリン高騰、電気、ガスの値上げ、供給不足など物価高騰で国内経済にも影響があらわれ及び、「経済安全保障」の必要性がいつ、どこでも起きてもおかしくない世界情勢もある。

 (4)安全保障が主権、人権、自由という国家思想、理念の基本問題であったものが、経済、生活、情報、知的財産という民間レベルに広く拡大されてついには何にでも「安全保障」がつく今日的社会だ。

 米ソ冷戦時代はイデオロギー対立の時代で「安全保障」は国家の理念、主義、独立の持続存在には欠くことのできない理論、政策であり、軍拡競争を支えてきた。ソ連邦崩壊により米ソ冷戦時代は終わり、共産圏では中国が巨大人口消費力、巨大市場力を活用して市場競争経済を導入してGDP世界2位の経済国となり、これまでの大国の軍拡競争から経済第一主義による市場競争経済時代に入り米中貿易経済戦争となり関税強化、知的財産権の保護により対立が続いている。

 (5)経済と安全保障が結びついたのは世界同時不況による世界恐慌であり、米トランプ前大統領の米国第一、保護主義による米中貿易経済戦争の影響が大きい。円安、円高の為替レートに左右されるグローバル経済時代に企業の海外工場拠点化が進み、知的財産権の保護も安全保障の課題となった。

 (6)海外からのコンピューターウイルスによる攻撃にもさらされて情報管理も重要な安全保障のひとつだ。IT、コンピューター機能社会はシステム障害ひとつで社会が機能しなくなり、「生活安全保障」を脅かす時代だ。

 (7)何にでも「安全保障」がつく時代、社会は画一的で先鋭化した時代、社会思想でもあり、世界的な極右勢力の台頭、保守的、右傾化の思想傾向も顕著で、格差社会を生んで「生きづらい」時代、社会でもあり、パラドックス(paradox)として何にでも「安全保障」が必要な時代、社会は窮屈な時代、社会でもある。

 (8)安全保障というのは「呪文」のようでもあり、安全保障とつけば国家、社会、国民の権利、利益を守る意識が感じられて心強いが、国益主義、保護主義に依存して開かれた国際社会、協調主義には逆行して、人類の自由、平等、平和、公平社会の理念とは相容れないものギャップもある。

 



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デジタル庁の空中分解。 wandering analysis in the air of digital agency

2022-04-28 20:28:04 | 日記
 (1)菅前政権時代に行政の縦割り組織へい害を排除して横割り横断の組織改革を目指してデジタル社会をリードするとして肝入りで設置された「デジタル庁」が、発足1年もたたないうちにヨレヨレ、ガタガタの迷走、空中分解(wandering analysis in the air)状態が指摘されている。

 (2)行政の縦割りへい害は省益主義で連携、協力体制が不足、欠如して、硬直行政による官僚支配体制がはびこる行政の停滞を招いているとして、横割り横断行政の組織改革は指摘されながら省益主義の「うま味」につかった役人根性主義から抜け切れずに一向に行政改革は実現してこなかった。

 (3)菅前政権は「デジタル庁」(digital agency)を新設して省庁の横割り横断行政改革を進めるとしたが、本ブログでも行政の横割り横断行政改革は水に油のような「デジタル庁」など設置しなくても政府が行政組織の機構改革を必要に迫られて純粋に「やる気」でやればできることだと書いたが、目新しいだけで訳の分からない「デジタル庁」の設置でやろうとしたことが発足1年もたたないうちに頓挫の危機に直面している。

 (4)当初から「デジタル庁」設置に当たっては行政能力に長けた公務員とIT、デジタル機器能力の高い民間出身者との官民の手法の違いが指摘されて、手続き、決済、手順を重んじる政府機関職員とそういう途中経過、形式をいっさい排除して試行錯誤し成果に結びつけるIT、デジタル民間体質の融合ができるのか懸念されていた。

 (5)基本的にIT、デジタル機器能力の高い民間人を多く登用して「デジタル庁」は発足したが、やはり手法の違いによる庁内「対立」(報道)はあるようで、早くも民間出身者の退職者も相次いでいる(同)といわれる。

 何より「デジタル庁」を主導する民間出身の責任者「デジタル監」が就任1年も持たずに病気を理由に交代することになり、行政組織の横割り横断改革、デジタル社会実現どころではない頓挫となっている。

 (6)やはり訳の分からない「デジタル庁」設置が行き詰まり空中分解したということで、これこそ官邸主導、内閣官房のもとで行政改革として行政組織改革としての横割り横断行政組織体制を実現することが現実的対応だ。

 菅前首相は官房長官時代からケイタイ料金の引き下げに取り組み成果もあげてそれはそれで結構なことだが、それでIT、デジタルに精通したつもりかいうなら政府行政組織に適合しない訳の分からない目新しいだけの「デジタル庁」設置でデジタル社会推進を目指したことが実体にあわない不都合となって空中分解の危機を迎えている。

 (7)デジタル改革社会は先行する民間、社会の開発力、実行力、推進力にまかせて、それを活用して行政改革を進めていく民間活用をしたらいい。

 

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仏の第三革命的政治史。 the third revolutionism of French politic history

2022-04-27 20:43:46 | 日記
 (1)仏は同じ自由主義圏でありながら覇権国家の米国とは距離を置き、独自の革命的政治思想史(the French Revolution)を持ち、政治、文化、社会思想で高い国民性を持つ。仏大統領選は中道のマクロン大統領が極右「国民連合」のルペン候補を破って再選を果たした。

 (2)近年の仏政治状況を示す本流と極右の対決構図で、報道による「選択肢なき選挙戦」とか「政治不信ピーク」が示すかっての誇り高い独自の革命的政治思想からは仏政治の低落を示すものだ。仏大統領選の棄権が28%といわれるが国民投票率は71.99%で、日本の国政選挙の50%程度からみれば国民の政治選挙への関心は高い。

 (3)仏の大統領選挙制度が2回投票制を採用しており、1回目投票で過半数票を獲得しなければ上位2名による決選投票で決着するという国民の意思が強く反映される政治思想がある。日本のように低投票率で有権者の過半数の支持もない候補者が当選するのとは大きな違いがみられる。

 そういう中で仏大統領選でここ2回続けて決戦投票に名乗りをあげたのが極右政治勢力「国民連合」のルペン候補ということで、つまりは権威主義で富裕層優遇政策のマクロン大統領への強烈な最も距離を置く反マクロン対抗、抵抗(resistance)勢力としての極右政党候補支持という国民のアンチテーゼ(antithesis)にみえる。

 (4)仏政治の特徴でもある革命的政治思想、社会思想には純粋な極右政治思想もあるといえるが、欧州ではかっての独のヒットラー独裁政権の人類抑圧の苦い経験もあり、富裕層優遇の中道マクロン大統領に対してここまで純粋に意趣返し、アンチテーゼとしての極右政治政党支持としてあてつけるのは「選択肢なき」、「政治不信ピーク」の国民からの反逆ともいえる革命的反抗といっていいだろう。

 (5)それでも72%近い投票率で応えたところが仏国民の政治への関心の高さ、意識、自尊心でもある。EUの議長国であり、これまでEUをけん引してきた独メルケル前首相にかわりEUをけん引することになる仏マクロン大統領の再選は、その欧州でNATO加盟を巡って露のウクライナ軍事侵攻が東部戦線に特化して露軍の攻撃が激化している中ではこれまでプーチン大統領と停戦外交、交渉を続けてきたマクロン大統領にとっては国民の支持を受けての力強い影響力を示す、できる政治状況にもあり、早い停戦を望む国際政治、社会とすれば期待も大きいものがある。

 (6)米国がNATOに再び関心、協力をみせて、こちらはかってほど米国離れでもない協調姿勢の仏マクロン大統領がEU、NATOとして米国と露の対立に双方からの譲歩案を示せるかは注目される。

 

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村上春樹の音楽的プロテスト。 musical protest of H.murakami

2022-04-26 20:18:57 | 日記
 (1)作家の村上春樹さんはかって若い頃音楽喫茶を経営していたこともあり、音楽観に精通していて著作にも「ノルウェイの森」、「ドライブ・マイ・カー」(短編集内)のようにビートルズの曲名を冠にしたものがある。現在は自らの音楽番組でDJも務めて、作家としては社会時評でも積極的に発言して一家言ある存在だ。

 (2)韓国との慰安婦問題では当時、日本はもう謝り、謝り、韓国がもういいと言うまで謝り続けるしかないとの発言もある。
 今回の露によるウクライナ軍事侵攻に対しては国内問題ではないという情報不足もあってか、かっての安倍元政権時代に保守思想の強い法案に対して国会前などで積極的に反対の意見を述べていた芸能人からは表立った発言は聞かれない中で、村上春樹さんが新聞の単独インタビューで答えた。

 (3)「僕が思ったのは~みんな意見を言いますよね、これがいい、これが悪い、これが正しい、これが正しくないと。僕はそういうのは言いたくなかった。~音楽をかけて、僕自身の意見は言わなかったけど、それがかえって良かったんじゃないかなと思うんです」(報道要旨)と語っている。

 (4)村上春樹さんは自身のラジオ番組では特別番組「戦争をやめさせるための音楽」を放送した。「あの放送でかけた曲は、僕が若い頃にあったベトナム戦争の反戦、プロテスト(抗議)のために作られたものが多かったです。そういうのがひと巡りしてまた戻ってきたという気がしなくはない」(報道)と語っている。

 (5)ウクライナ戦争ではEU首脳などはプーチン大統領と会談して停戦外交、交渉を続けたが、プーチン大統領は「聞く耳」を持たずにウクライナで起きているジェノサイド(genocide)などは露がかかわらずウクライナの作り話だと否定しており、露国内でも情報統制を強化して真実が伝わりにくい背景があり、村上春樹さんも露に対して何を発言しても正しく伝わらない失望感があるのか、それならベトナム戦争時の反戦、プロテストソングに託して訴えたということだろうか。

 (6)本ブログでもウクライナ戦争に対して、いったいどれだけ砲弾が飛び交えば、戦いはすむのかと「blowing in the wind」で歌ったノーベル文学賞授賞のボブ・ディランはどう発言するだろうと書いた。

 今しかし文学、音楽で人間、心、愛、自由、真実と向き合い活動する人々がこぞってウクライナ戦争で一方的に抑圧、虐待される市民、人々のために「言葉」で「音楽」で反戦、プロテストで訴えることは重要だ。
 


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