いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

あたらしい世界の政治構図。 new world political composition

2021-12-31 20:05:08 | 日記
 (1)今年の政治の大きな出来事は、ドイツを16年間にわたって率いてきたメルケル首相の退陣だ。EUを仏とともに主導してきて、G7での保護主義、米国第一を唱えて気候変動会議、イランとの核合意、露との戦術核兵器削減協定からの離脱を表明したトランプ前米大統領の主張と真っ向対立して詰め寄るなど、国際政治でも存在感を示した。

 (2)メルケル首相は中国との関係を重視してたびたび中国を訪れていたが、日本には数えるほどしか来日しておらず同じ自由主義、民主主義圏としては日独関係が緊密だったとはいえない。中国を重要視したのは成長する中国経済、巨大市場との関係強化をはかってのものか中国はドイツの最大の貿易国であり、またメルケル首相が旧東ドイツ出身であり、ソ連時代の共産主義圏であったことから特別な感慨もあったのかはわからない。

 (3)それはもちろん興味本位な見方でドイツ経済、EUにとって中国経済、巨大市場との関係強化が必要だったとの大局的な判断があったと推測するが、うがった見方をすれば中国が軍事力強化で米中対立で世界の脅威になる中で、米ソ冷戦後のソ連崩壊にドイツが第2次世界大戦の反省、経験から中国に対して慎重な行動をうながす役割を担うことを考えていたのではともとれる。

 (4)日本の軍備強化はかっての日本の植民地占領支配の苦い経験を持つアジアからは警戒をもってとらえられるように、日本とドイツが近づきすぎることは三国同盟の軍事歴史から世界からも警戒感をもってみられることが考えられて、日本もドイツも関係強化には慎重になることは考えられる。

 (5)今でもG7国の日本とドイツは国連安保理の常任理事国には入れずに、歴史的責任の重さを感じさせるものだ。中国との関係強化を推進したメルケル後のドイツのショルツ3党連立政権は、中国を権威主義、専制国家として「厳格な対中外交指針」(報道)を示してメルケル政権とは一線を画している。

 (6)来年の北京冬季五輪の外交ボイコット国が続いているが、メルケル首相だったらどう判断したのか、ドイツ・ショルツ政権では閣僚が次々と北京冬季五輪欠席を表明している。バイデン大統領は「民主主義サミット」を開催してトランプ後の米国の復権を目指しており、ドイツも16年に及ぶメルケル時代から変わろうとしている。

 (7)国際政治は米中、米露を中心軸ではありながら、あたらしい世界の政治構図(new world political composition)が始まろうとしている。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孤独と自立のエッセンス。 essence of solitude and independence

2021-12-30 19:56:13 | 日記
 (1)五木寛之さんは「孤独のすすめ」を書いて、老後社会にそういう説をとく作家の本も目につく。一方で東日本大震災、コロナ社会で老令者の孤独死が社会問題になっており、政府は深刻化する孤独、孤立、生活困窮者支援、自殺防止、子どもの貧困問題を重点計画としてNPO法人支援に63億円の21年度補正、22年度予算案を実施、計上した。

 (2)10代の若年層が親の介護をするヤングケアラー問題も今年関心の特徴だ。孤独も目的、意欲、健康、能力があれば人に干渉されずに自由に望みどおりの人生が歩めるが、誰もがそうとはいかずに国、社会の補助、支援、協力が必要になる。

 ケアマネによる訪問看護が必要な人も多く、地域によるセーフティネットのひろがりで支援、共助、協力していくことが求められている。

 (3)少子高令化社会は経済、社会保障の影響だけでなく老令者、若者の孤独、孤立からヤングケアラー問題まで幅の広い問題を生んで、1億総問題化社会を構成している。50代の働き盛りの世代が無職、独身で母親の世話になっているという(働く意欲、能力があっても機会に恵まれない場合もある)パラサイト(parasite)社会の問題でもある。

 (4)国会では野党中心に生活保護を国民の権利として位置づけて申請、取り組みを強化する動きがあるが、制度そのものが早期の社会復帰による経済的自立を促す、優先するものになっているのか、職業訓練の課題はあるが就労に向けた積極的な支援、補助、マッチングを強化しなければならない。

 (5)社会保障の進んだ北欧社会ではベーシックインカム(basic income:最低生活費保障)社会が定着していて、それでは働かなくなるという懸念には逆に就労層が増えているというデータもある。社会基盤がしっかりしていれば、さらにいい生活、社会への取り組み姿勢、期待がみられるということだろう。

 国民人口比較、税制負担率(北欧国の消費税率は比較高い)、文化の違いもあり、一概に日本でもベーシックインカムがふさわしいかは検討、検証がいるが、日本の生活保護も社会復帰、経済的自立を目指すことには変わりがない社会保障だ。

 (6)政府が63億円予算をかけて孤独、孤立社会を変える対策はいいが、支援の先に経済的自立が見えてこないと問題解決にはならずにそういう意味でのそうなってこその「孤独のすすめ」でもあると理解する。

 昨年から今年にかけて新幹線内無差別殺人、電車内放火傷害、病院放火殺害事件が記憶にあたらしいうちに続いており、たとえば幸福な人を見ると関係なく邪魔したくなるなど社会からの疎外感が強く浮かぶ強烈な事件が目につく。

 (7)格差社会の孤独、孤立、パラサイト問題の深刻さがうかがえて、社会と「無縁」という孤独、孤立であってはならない。『孤独のすすめ」は「自立」のすすめでもある。

 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アベノミクスとマスク。 abe-nomics and abe-no-mask

2021-12-29 20:29:16 | 日記
 (1)今年も変なことがあった。アベノ「マスク」が8千万枚余って保管費がかさみ、政府は年末にこれまたカネをかけて処分することになった。それを進めたその安倍元首相が首相前に所属していた自民党の最大派閥を引き継いで安倍派に衣替えして、新しい資本主義、成長と分配の好循環を掲げる岸田首相に「アベノミクスから変えることはすべきでない」(報道)として「成長から目を背けるととられないように~(新しい資本主義が)社会主義的な味付けになっているととられると市場もマイナスに反応する」(同)と注文をつけた。

 (2)先の衆院選は安倍元政権、菅前政権の検証、評価が争点のひとつにもなっていて、安倍元首相のアベノミクスの大企業、富裕層優遇で中小企業、地方、国民に利益が回らない経済政策の問題点について総括されていないことが問題、焦点になっていた。

 そういう評価に安倍元首相が反発しての「アベノミクスから変えることはすべきでない」発言なのかわからないが、12年の安倍元第2次政権誕生とともに金融政策の柱としてリフレ派の日銀黒田総裁がデフレ脱却に掲げた物価上昇2%達成目標は9年たっても上昇の見込みはなく、黒田総裁任期末までの実現は不可能な状況だ。

 (3)岸田首相はアベノミクスの見直しから国民への利益分配で厚い中間層を構築する新しい資本主義にカジを切っており、今更アベノミクス堅持でもない。岸田首相も富裕層への金融所得課税の強化を打ち出して株価が降下したことから、分配論は発言低下して成長論が前面に出ることが多くなり変化もみられる。

 (4)年末の過去最大の大型補正予算による賃上げ企業に対する法人税大幅減税が成長と分配の好循環に結びつくのかは新しい資本主義の成果、評価ともなるもので、行方が注目される。専門家からは法人税を負担しなくていい赤字中小企業には恩恵もなく効果は限定的との見方もあり、大企業中心に内部留保を積み上げる企業体質は安倍元政権でも賃上げはあっても経営基盤の弱い中小企業、円安による輸入品高の影響で国民には恩恵は向かわなかった。

 (5)大胆な金融緩和策による円安株高効果の大企業、富裕層への恩恵だけをとらえてアベノミクスの成果、成功とすることにいつまでもこだわる安倍元首相には、国民の支持は向かわない。

 アベノミクスは経済格差社会を生んで、世界的な格差社会の解消のためバイデン大統領は分厚い中間層実現のために財源として富裕層への課税強化策を打ち出しており、あるとしての役割とへい害のアベノミクスの時代は終わっている。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

首相の怒りの先。 a point of anger of premier

2021-12-28 20:23:49 | 日記
 (1)バイデン大統領が主導して日本など同盟友好国とオンラインで「民主主義サミット」を開催した。バイデン大統領が招待する形で自由主義、民主主義陣営を標榜(ひょうぼう)する世界110か国、地域規模が参加した。独自の民主主義を主張する中国、露のバイデン大統領が名指しする専制国家はこれには招待されずに除外されて反発を強めている。

 資本主義、民主主義の後退がいわれる時代にバイデン大統領が自由主義、民主主義陣営の結束をはかり、対立を深める中国、露に対抗を強めようとするものだ。

 (2)オミクロン変異株の感染の世界的拡がりをみせて、岸田首相は外国人の原則入国禁止の「水際対策」をとっているが、沖縄米軍基地では直接米軍基地飛行場に降り立つ米軍人からコロナ感染クラスターが発生しており、250人以上の米軍人感染者が出ていることに報告を受けた岸田首相は怒りをあらわして厳重に抗議するよう指示したとされる。

 (3)しかし、入管法に基づく外国人の原則入国禁止措置は日米地位協定で米軍は適用対象外になっており、米軍関係者は自由に出入国できることになっておりPCR検査も実施せずに(報道)岸田首相の怒りは当然だが、これまでも指摘されてきたように日米地位協定を見直されなければ解決できない問題だ。

 (4)さらに米軍基地問題は地位協定だけでなく、問題が起きるたびに日本政府は駐留米軍責任者に厳重な抗議を繰り返すが、これが米国国務省、国防総省、さらに米国大統領に直接届いているのかは問題で、一向に解決に向けて前進をみせていない。

 こういう事態を見直さずに、手を付けずにおいて、岸田首相が日本政府のオミクロン変異株の水際対策に米軍が配慮を見せないことにいくら怒りをあらわしても、何の意味もない。

 (5)日本にとって治外法権化の米軍基地、日米地位協定問題は民主主義国家としての米国ではなくて、中国、露同様の専制国家としての立場の国を相手にしていると同じ構図であり、結局は日米安保、同盟関係により日本の防衛、国防、安全が守られているという米国依存で米国にモノがいえない日本政府、日米関係の宿命だ。日本側の米軍基地経費負担だけが増えていく。

 (6)バイデン大統領は民主主義サミットで自由、平等、人権の尊重の必要性を強調してみせて、大切さを主張しているのだから、米軍基地問題を抱える日本にとってはその声がバイデン大統領に直接届かない体制であり、民主主義国家体制とはいえない矛盾を含んでいる。

 (7)岸田首相の「怒り」を直接バイデン大統領に伝えられないものか、主権国家、独立国家日本、日本国民の尊厳と権利、人権が問われている。バイデン大統領が主導する「民主主義」の本質(essence)が問われている。

 岸田首相の怒りがバイデン大統領に直接伝わることが「民主主義サミット」の本質であり、結束につながる意味だ。

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

未来経済。 future economy

2021-12-27 19:58:08 | 日記
 (1)経済で国がつぶれた例はないとか国債(国の借金)のほとんどを国内でまかなっているのでいくら借金してもいいとか極端な経済論が聞かれる。パラドックス(paradox)として世界経済を中国とともにけん引する米国では、政府と議会の関係はあるがたびたび年末にデフォルト(default:債務不履行)危機(公務員の給与不払いなど)があるので企業でいえば倒産危機であり、市場論とは別に冒頭のような経済論も出てくる。

 (2)北朝鮮も米国などの経済制裁、食糧難がいわれながら、核実験、ミサイル発射を繰り返して脅威となっている。
 生活に見合った収入なのか、収入に見合った生活なのか経済の本質(essence)、原論がみえるが、国はつぶれなくても国民の不満、不信は大きくなり政治体制の交代、革命、転覆はいつも繰り返されている。

 (3)政府の来年度予算編成は4年連続の100兆円超予算案で、30%が国債発行(借金)で占められての膨張予算だ。本来なら国の原資は国民投資(税負担)なのでそれに見合った予算編成が健全財政、プライマリーバランスといわれて、政府の主要政策を国民投資(税負担)だけで実施することだ。

 (4)4年連続の100兆円超予算案だが、21年度はコロナパンデミックの影響、対策もあり通常ではなかったが効果はどうだったのか、20年度から補正予算も含めて20兆円も使われずに繰り越されたと聞けば100兆円超予算が適当だったのか検証、分析が必要だ。

 そのための国会予算員会、決算委員会の役割であり、国会の機能を果していない。国、政府は一様に国民の様々な期待に過度に応えようとするが、バラマキといわれて予算は収支インバランスとなり結果として累積赤字1000兆円超の借金大国となっている。

 (5)今年亡くなった経済評論家の内橋克人さんは、日本は経済成長の時代は終わり安定不況の時代に入ったと分析した。その後、情報化時代を迎えてIT産業革命が起きてあたらしい経済分野の成長時代となりさらに宇宙産業、宇宙旅行、宇宙空間でつくられた物質による人類社会への貢献も考えられて、あたらしい経済成長も考えられる時代だ。

 通貨の形態、カーボンニュートラル、再生可能エネルギー、EV化、自動運転、空飛ぶ自動車の未来社会、未来経済(future economy)は現実のものとして視界に入っており、社会観、価値観が一変して人類社会、経済も進化を続ける。

 (6)その時も国家は借金で政治、政策を遂行しているのか、思想、理念はどう変化、変遷しているのか、政治は変われるのか、経済は国家にどう影響、作用するのか、国民はどう考えるのか関心はつきない。

 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする