(1)政党は、政治思想、信条、目的、政策手法、支持勢力で理念の一致する政治政策集団
として排他的で独自性の強いアディンティティ(identity)を有する。
法案ごとに政策協力をすることは、理念が違っても国民利益保護から当然ありうることだ
が、連立となると思想、信条、目的の政策不一致から基本的に政治理念からありえない。
政治理念が同じならば同一政党に集約される。
連立(coalition cabinet)とは、政権維持のための「数合わせ」の弁証法(dialectic)でしか
ないわけだ。政治理念、政策は、政権維持のために制限、譲歩、協力される。
(2)民主党は、昨年の衆議院選挙で300議席を得て本格的な政権交代を果たして、政策
実行、実現の安定政権を目指して参議院の過半数を維持するために、自民党を離党して結成
した国民新党と旧社会党の流れを汲む社民党と連立を組み、衆議院でも3分の2を占める
320議席の政治勢力を確保した。
民主党が保守でもない革新でもない中間リベラル(liberal)とすれば、保守党、革新党と
の連立で、政治理念、信条、目的に両極の広い政治勢力を抱えることになった。
(3)連立にあたって、3党合意なるものを締結はしたが、連立とは数合わせの弁証法のこと、
これはセレモニー(ceremony)でしかない。
思想、信条、理念を貫けば、相互に政治協力することは不可能だし、しかし、現実には政
党のアイディンティティにかかわる問題への対処では、事前に(心構えとして)調整、変更
することなしにはまったく動きがとれなくなることは自明のことであった。
(4)そもそも自衛隊の憲法違反(連立後、合憲と変更解釈)と安保体制を認めず沖縄の米
軍基地を国外に移設する政治信条の社民党が、普天間問題決着が政治課題の民主党連立
政権に参加することは、異質で基本的な大きな問題があった。
譲歩すれば政党のアイディンティティを失うし、主張すれば連立は機能しない。米国いい
なりの民主党連立維持のためには(同党が望むとすれば)、自衛隊合憲の見直しのように
安保体制、米軍基地問題での対応の修正、見直しプロセスが必要であった。
普天間問題での社民党の連立離脱は、数合わせの弁証法連立方程式(simultaneous
equations)から、当然の、ある意味では無責任な帰結であった。
それが(修正見直し)不可能で連立に参加した社民党と、連立はただ「数合わせ」の弁証
法という本来のテーゼ(these)のもと、その対応を甘く見た(または顧みなかった)第1党民
主党の無神経、緩慢が、当然の行き着く連立解消となった。
連立が果たすもうひとつの政策実行の「付加価値(supplement value)」効果による抑止
力が両極の広い政治勢力の中では機能せず、双方の未成熟政党政治(unripe politics)の
能力の低さを示すばかりであった。
(5)内閣支持率は20%と3%減少(前回調査比較)の中、民主党単独政権は32%と7%
増加したのは、連立による数の力を背景にした政治手法への不合理性が顕著になり、リーダ
ーを変えての原点回帰による民主党の政治主導への再試験(retest)への表明だ。
として排他的で独自性の強いアディンティティ(identity)を有する。
法案ごとに政策協力をすることは、理念が違っても国民利益保護から当然ありうることだ
が、連立となると思想、信条、目的の政策不一致から基本的に政治理念からありえない。
政治理念が同じならば同一政党に集約される。
連立(coalition cabinet)とは、政権維持のための「数合わせ」の弁証法(dialectic)でしか
ないわけだ。政治理念、政策は、政権維持のために制限、譲歩、協力される。
(2)民主党は、昨年の衆議院選挙で300議席を得て本格的な政権交代を果たして、政策
実行、実現の安定政権を目指して参議院の過半数を維持するために、自民党を離党して結成
した国民新党と旧社会党の流れを汲む社民党と連立を組み、衆議院でも3分の2を占める
320議席の政治勢力を確保した。
民主党が保守でもない革新でもない中間リベラル(liberal)とすれば、保守党、革新党と
の連立で、政治理念、信条、目的に両極の広い政治勢力を抱えることになった。
(3)連立にあたって、3党合意なるものを締結はしたが、連立とは数合わせの弁証法のこと、
これはセレモニー(ceremony)でしかない。
思想、信条、理念を貫けば、相互に政治協力することは不可能だし、しかし、現実には政
党のアイディンティティにかかわる問題への対処では、事前に(心構えとして)調整、変更
することなしにはまったく動きがとれなくなることは自明のことであった。
(4)そもそも自衛隊の憲法違反(連立後、合憲と変更解釈)と安保体制を認めず沖縄の米
軍基地を国外に移設する政治信条の社民党が、普天間問題決着が政治課題の民主党連立
政権に参加することは、異質で基本的な大きな問題があった。
譲歩すれば政党のアイディンティティを失うし、主張すれば連立は機能しない。米国いい
なりの民主党連立維持のためには(同党が望むとすれば)、自衛隊合憲の見直しのように
安保体制、米軍基地問題での対応の修正、見直しプロセスが必要であった。
普天間問題での社民党の連立離脱は、数合わせの弁証法連立方程式(simultaneous
equations)から、当然の、ある意味では無責任な帰結であった。
それが(修正見直し)不可能で連立に参加した社民党と、連立はただ「数合わせ」の弁証
法という本来のテーゼ(these)のもと、その対応を甘く見た(または顧みなかった)第1党民
主党の無神経、緩慢が、当然の行き着く連立解消となった。
連立が果たすもうひとつの政策実行の「付加価値(supplement value)」効果による抑止
力が両極の広い政治勢力の中では機能せず、双方の未成熟政党政治(unripe politics)の
能力の低さを示すばかりであった。
(5)内閣支持率は20%と3%減少(前回調査比較)の中、民主党単独政権は32%と7%
増加したのは、連立による数の力を背景にした政治手法への不合理性が顕著になり、リーダ
ーを変えての原点回帰による民主党の政治主導への再試験(retest)への表明だ。