(1)欧州、南米、南半球国で若いさらに女性の大統領、首相が誕生している。変革の国家、国民の活力、原動力(dynamism)を感じる。ウクライナのゼレンスキー大統領(44)が露の一方的軍事侵攻で国土、市民などに甚大な被害を受けながらも首都キーウ(旧キエフ)に陣取って露に毅然と対抗しているのは、「若さ」、若いゼレンスキー大統領であることが影響しているのではないか。
(2)国土、建物、市民、軍人に露軍の攻撃で多大な被害が及びながら男性には国にとどまって国家、国土防衛を求め、メディアの報道によると露軍の圧倒的な軍事力にもウクライナ国民、市民の国家、国土防衛の戦う意識、士気(moral)は高い、高まっていると伝えられている。
(3)アフガンで米軍と反政府組織タリバンが停戦協議を進めて米軍の撤収が決まると、タリバンの首都進軍の前に高令のアフガン大統領は市民を置き去りにしていち早くアフガンを脱出したのとはまるで違う若いゼレンスキー大統領の高い信念を見る思いだ。
米国も政権が国を守らないアフガンに見切りをつけたが、ウクライナは見捨てない。
(4)露軍のウクライナ侵攻から1か月が過ぎてこう着状態といわれて、メディア、新聞が報道する露軍のウクライナ侵攻範囲図面も露国境沿いにクリミア半島まで細い帯状でつながっているが広い国土の中央部はほとんど侵攻されていない様子だ。
露軍も首都キーウ包囲攻撃から東部の海岸、港湾地区のマリウポリなどへの攻撃に方針転換したとも伝えられて戦況に変化が見られて、停戦協議にも双方の主張、提案に譲歩、軟化がみられるとの報道もある。
(5)露軍の侵攻が思ったほど広がらなくてもミサイル、空爆攻撃で各地の建物破壊、市民被害が出ており、仕掛けたプーチン大統領もこのままでの停戦では「敗北」(defeat)となるので露軍の攻撃能力、手段の拡大でまだまだ戦況は予断を許さない。
(6)ウクライナでは国家が一方的に軍事侵攻を受けて「降伏」(surrender)することなど屈辱はなく、しかし街破壊、市民被害拡大を犠牲にするリスクも覚悟しなければならずにかろうじて国家、祖国、国土防衛の国民、市民の士気、意識の高まり結集が救いといえる。
(7)しかし軍事衝突による実際の被害、程度、実害は終わってみなければわからない。それはある意味、若いゼレンスキー大統領の首都キーウにとどまってのSNS発進、支援国でのオンラインでの国会演説による指揮、主導だからの露軍の侵攻に対する国家、国土防衛のウクライナ市民、軍の士気、戦う意識は高いといえるが、一方で若さの経験不足が露との事前の外交、交渉、解決の糸口を見いだせずに露軍の軍事侵攻を招いて犠牲は増え続けているともいえて、ウクライナは善し悪しの比較論は別にしてゼレンスキー大統領の「若さ」に命運が託された。
(8)若い政治指導者が出てこない日本の政治を論じるときには、少子高令化、国民社会思想を抜きには考えられない。