(1)パーティ券問題で政府三役の「安倍派全15人交代調整、特捜部安倍派を集中捜査」の文言が紙面一面を占める。安倍元首相が亡くなって「タガ」が外れた安倍派は次期会長も決めれずに安倍派を名乗り、「5人衆」による集団指導体制を敷いているといわれるが、その「5人衆」すべてにパーティ券収入キックバッグ(裏金)疑惑がかけられて政府、党の役職から更迭される見通しだ。
(2)安倍派会長の安倍元首相の政治運営に対しては、政治とカネの問題がいつもついてまわり、その「タガ」が外れた安倍派に政治とカネの問題が急浮上して、いよいよ告発により東京地検特捜部の捜査が入る。
安倍元首相亡き後の同会長が決まらない、決めれない状況で「安倍派」の先行きは混とんとしてそのうち分裂に向かうとの憶測はあり、今回のパーティ券収入キックバック(裏金)問題でその時は早まったのではないかと考える。
(3)問題はこれまでの既得権益政治、密室政治、派閥政治、政治とカネの疑惑の自民党的体質を支えてきた党内最大派閥の安倍派がおっつけ分裂、解体されるとして、自民1強時代で自民党がどんな再生、変革をみせるのかが日本の政治体制、体質にとって重要な局面、分岐を迎える。
(4)日本の自民党を中心とした政治とカネ、既得権益保護、密室政治、派閥政治を支えてきたのは「議院内閣制」で政党の数の力、党内の派閥の力、意向で「首相」が決められてきた政治制度の本質的な問題があり、米国のように「大統領制」で国民が直接首相を選ぶ政治制度となれば、少なくともこれまでのような政治とカネの問題は起きないといえる。
(5)日本の「ムラ」社会、家族制度、社会思想、文化の中での議院内閣制は、日本的体質の政治運営、基盤には都合のいい制度であり、政治とカネの支配する政治体制、体質といえる。
この政治制度のまま既得権益政治、密室政治、政治とカネ、派閥政治の政治体制、体質を変えることは非常に困難といえる。
(6)日本の政治風土、体質、国民性、社会性,思想、文化を考えると大統領制がいいのかどうかは考えなければならないが、現在の議院内閣制のままでは日本の政治とカネの問題とは関係を絶つ、切る、決別することはむずかしいと考える。