いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政府の関与。 concernment of government

2011-07-22 19:42:38 | 日記
 (1)尖閣沖中国漁船衝突事件。ビデオ映像で妨害行為が明白なのに、中国政府あげての威力外交行為に那覇地検が独自の判断で逮捕した中国船長を不起訴処分にして帰国させた事件だ。

 超法規的な国家間の紛争解決要件がありながら、政府は地検の不起訴処分、帰国判断に「一切関わっていない」と表明している以上、検察審査会は事件の概要、証拠能力から「起訴すべき」であったと同事件の強制起訴を決定するのは当然の判断だ。

 起訴該当者(中国漁船長)がすでに中国に帰国し、強制起訴に協力を得られる可能性がなく再捜査にも開始、持続性がない中で、「政府が関与しなかった」地検独自の不起訴処分の不可思議な判断が問われることになる。
 むしろ、地検独自の「高度な政治的背景」を備えた判断の「正当性(justification)」と一切関わっていないとする「政府の関与(concernment of government)」が検証されることになる。

 事件の裁判開始を持続する必要要件が不在の中でも、行政と司法の有り様、「独立性」が不問にされてはならない。そういう意味での検察審査会の強制起訴決定は大きい問題でもある。

 (2)肉牛のエサの稲わらの放射性物質汚染の危険性まで、飼育農家の自主判断に期待するなどとは、過ぎた考えだ。ホットスポット(局地的汚染)問題もあり、汚染地域の判断は一様にはいかずに、政府責任の情報開示、周知、安全対応の問題だ。

 屋外放置の放射性物質に汚染された稲わらを肉牛に与えて、セシウム汚染の肉牛が広範囲の流通販売(スーパー小売り)にまわって消費者に届いていた。
 政府としては福島原発事故でも津波被害対策の専門的な予測、危機管理対応が甘く、またはまったく問題にせずに収束不能の未来数十年にまで及ぶ人的、物質的、財政的影響力を招いた。

 今度は、肉牛のエサとなる稲わらへの放射性物質汚染に飼育農家、関係者への危険周知の必要性も予測もできずに被害を全国に拡大して、結局、汚染牛肉を政府が買い取り焼却処分することになった。

 事前の専門的な分析、検証、予測、安全対応が全く機能しないことによる政府の負荷、力量不足を結局は国民投資(税金)で賄(まかな)う、なんともやりきれない連続性だ。

 諮問委員会など専門的考察の委員会は次から次と立ち上げても分析、検証力がなく、予見能力も不足して政府としてまったく危機管理が機能していない。
 政府自ら問題を発生、拡大して、これを国民の責任でとりつくろう「負の循環」が止まらない。
 ここ2~3年後までの財政的危機(国民負担、投資)の工程表を開示して、「責任」(responsibility of government)の所在をあきらかにすべきだ。

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