いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

かつしか。 k. zaitsu live & talk 2011 concert

2011-07-11 19:40:22 | 日記
 葛飾青砥に来ています。今日も東北、福島では地震、津波情報が出ましたが、ここも一時放射性物質のホットスポット(局地的線量増)問題があったところです。
 かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホールでの財津和夫さんのlive & talkコンサートです。

 午後5時に開場となり、木製の床、いすにベージュに統一されたタイル状の壁のホールに入ります。クラシック仕様の長方形のホールで両脇2、3階はバルコニー席で、ここにも大勢の観客が詰めかけています。

 午後5時40分に淡いグレーのシルキーシャーツスタイルの財津さんがセンターマイクに登場して、スローバラードにアレンジしたビートルズの「抱きしめたい」でオープニングです。今日は、前髪を下に降ろした坊っちゃんスタイルに決めてきました。

 音がシンプルにクリアーで澄んだ音質の音響効果のホールです。「愛の力」といつもの財津さんの音の「韻」を踏むような殊更(ことさら)ていねいな歌唱法で、財津バラードを情感込めて財津さんの特徴のあるよくとおる発声法でホールに伝えてきます。

 「(コンサートの)出だしがちょっと、私から言うのも何ですが、厳(おごそ)かな感じではじまりました。熱いものが冷めていく感じですか。余計なこと言いました。
 きのう東京も梅雨があけました。あけるというのは、何となく気持ちのいいことです。梅雨空が青い空に変わると気持ちも変わってきます。」

 関東地方は、計画停電、電力使用制限の直接影響力のあるエリアでもあり、ステージ
照明も幾分鮮度を落とし気味です。ステージ上の前方部のスポットライトの使用を半分以下に落としている効果で、ステージは幾分照明鮮度が低くなっています。

 「白いシャツの君」。財津さんのハイトーンボイスが自在にきれいに伸びて、このホールの音響効果によくマッチしてホールに伝わります。
 「そしてまたあなたへ」。ちょっと暗いステージ照明が財津さんの歌のうまさと相乗してドラスティックな曲想をさらに引き立てて、深い感性の世界です。

 「年をとりますと、まず目にきます。それから耳が遠くなってよく聞きとれなくなってきます。大きな犬を飼っているんですが、寿命は12~3年と言われます。こんな小っちゃな頃から飼っていまして、今ではもう人間で言えばすでに私の年を超えてしまいました。
 犬も耳が聞こえなくなってきまして、犬に話かけても、え、何だと言うような顔をしていますし、犬に声をかけられても、私には、ん、何だと言うような、お互い年寄り同士の生活です。」

 10分の休憩のあとは、ホリゾンタル(horizontal)をフルオープンにしてステージ照明一杯にしてのバンドサウンドですが、ステージ前方部のスポットライトは幾分落としています。休憩中にステージ後方からのドライアイスが色濃くたかれて、客席にも広く浸透してきました。深い幻想の世界です。
 音がシンプルで澄んでいる分、バンドサウンドも音が硬質にクリアーで歯切れがよすぎて逆に淡々とした気分です。バンド楽器のアンサンブルがもうひとつでした。

 「急行の停まる街」、「ふたつめのクリスマス」。財津さんのボイス、音がひとつひとつきれいにパズルのようにはまって、見事な音のタペストリー(tapestry)を織り込んでいきます。
 「青春の影」は、音の「韻」を踏む力強さが印象的でした。

 「こんなに長く歌をうたってステージに立っていられるとは、夢にも思っていませんでした。皆さんと一緒に楽しむステージは本当に幸せな時間です。目の前にある幸せを大事に育てていきたいと思います。
 せっかくの幸運ですから、この幸せをかみしめて大事にしながらこれからも歌っていきたいと思います。皆さんと楽しむことができれば、いい感じじゃないですか。
 皆さんもいろいろと人生を歩んでこられて、ごくろうさんです。年をとらないとわからないこともあります。 年寄り同士、せちがらい世の中ですが、これを乗り越えていくしかないと思っています。」

 「サボテンの花」。日常用語に芸術的インプレッションを与える情景描写にすぐれた財津さんの詞(lyrics)、言葉を力強くていねいに客席に伝えてすばらしい曲となりました。

 東京コンサートですから、バンドメンバー紹介でも客席から各ミュージシャンの名前を叫んでの声援も声高になっていました。
 前の席の10代のカップルが、財津さんの歌、曲に両手をあげて腰をふりふり、リズムのりのりだったのには驚きました。
 ビートルズ同様、財津さん、チューリップの曲が若者にも受け継がれているのを実感したステージでした。

 ミュージシャン 財津和夫(V G Pf) 山内和義(B Pf Ft) 小泉信彦(Pf) 田中トオル(Ds) 尾上サトシ(G)

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