いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

復元力。復興力。 resilience , renaissance force

2011-07-15 19:47:11 | 日記
 (1)人間は、見えるものより、見えない(または見ることはできない)けれど間違いなく「ある」と実感できるものに価値があることをよく知っている。
 「こころ」とか「気力」とか「人間性」は、見ることはできないけれど誰もが「ある」と実感できるものだ。それが、フィジカル・フォース(physical force 物質・体格力)を媒体として表現されて、その人の「人格」を形成するから、よくわかる。

 (2)今年の最高実力者を争う将棋名人戦、囲碁本因坊戦の7番勝負は、ともに対局者一方の3連勝のあとカド番に追い込まれたもう一方が3連勝で盛り返す大激戦を演じている。
 名人戦史上初めての3連勝同士の将棋名人戦は、羽生名人(当時)が最後は力尽きて森内挑戦者(当時)が勝利して名人に返り咲いた。本因坊戦はこれから最終第7局での決着に向かう。

 最高技術力、精神力、能力者同士の3連勝のあとのまた相手の3連勝には、双方の集中力、執着力、復元力(resilience force)、気力、こころには、見ることもない、はかりしれない破格のフィジカル・フォースを実感できて、感動を覚えるばかりだ。

 (3)ドイツで開催中のサッカー女子ワールドカップ大会で、女子日本代表「なでしこジャパン」は準々決勝で、近年安定した強さで優勝候補筆頭の地元ドイツと延長戦の末1対0で勝ち、その後準決勝もスウェーデンに逆転勝ちして、いよいよアメリカとの決勝に臨む。

 いづれもフィジカル面では劣勢の中での気力あふれる戦略、戦術での大健闘だ。今まで一度も勝利したことのないアメリカにも気力は十分の女子日本代表なでしこジャパンだ。

 (4)八百長問題で出直しの大相撲。久し振りの本場所大相撲名古屋場所で大関の魁皇(38)が24年かけて歴代最多勝利数(1046勝)を記録した。人格者でも知られて力士をまとめて大相撲界横綱とともに代表して、ケガにも悩まされながらの気力あふれる闘志だ。
 前代未聞の東日本大震災の「年」に、24年の積み重ねの努力、気力の新記録が重なったのは、やはり何かの縁(えん)を感じる。

 (5)いづれも類(たぐい)まれな素養、能力に日頃の鍛錬、努力のたまものと言うのは当然だが、今年に史上初めてのことが起きて、どうでしょうか、東日本大震災による前代未聞の被災日本の現状、社会情勢を目の前にして、「気力」が一層充実して駆り立てている側面があることを信じたい。

 そのプロセスはどうでも、結果としていづれの気力、集中力、復元力は確実に被災地、被災者、国民に勇気と希望、復興力(renaissance force)を支え続けるものだ。

 いつもは無表情の首相へも「なでしこジャパン」の健闘にめずらしくメディアに笑顔を見せたが、そんなパフォーマンスより政治の理念、政策力、実行力、責任力を具現化する「気力」がただ必要だっただけだ。

 首相の定番パフォーマンスの「遅きに失した」が、上述の達人たちに学ぶべきことは多いはずだ。

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