いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治の異常事態。 a state of political extraordinary

2011-07-14 20:05:50 | 日記
 (1)この人は、「退陣する」とか「辞める」とか一度も言ったことがないと強調している。確かに内閣不信任案提出時の民主党総会では、「一定の目途がついた段階で若い人に引く継ぐ」と述べてこれが首相退陣表明となった。

 あれこれ理由をつけて唐突に、後出し宣言で混迷政治を演出してきた首相にとっては、自分のやっていること、決めたことを若い人に「引き継がせる」との意欲を示したものだと、殊更(ことさら)言いたかったのだろう。

 政治はまったく不可解な異常事態(a state of political extraordinary)が続く。事実上、退陣を表明した首相が主要先進国首脳会議(G8)で原発を維持しつつも①エネルギー政策の変更(太陽光発電へシフト)を唐突に表明したり、②浜岡原発の稼働停止要請同様さんざん時間がありながら遅きに失した③原発再稼働ストレステスト導入を決めて、今度は「将来、なくてもいい社会実現」の④脱原発による将来エネルギー政策の方針転換を記者会見まで開いて表明した。

 そこそこに退陣することを表明した首相が、政権・党内調整もなく独断で躍起(やっき)となって日本社会構造の将来設計を力説してみせても、いつものごとく具体的な中身のない政治設計は首相就任以来、後退、中止、見直し政策のオンパレードで、今更の悪あがきの政治パフォーマンスとしか受け取られない。
 過去を振り返らない、振り返られない、政治「検証」のない日本政治の負の伝統がそのままこの首相の厚かましさに受け継がれているだけだ。

 (2)冒頭の首相退陣発言の趣旨が「引き継がせる」と言うからには、さんざん政策の将来設計を打ち上げておいて自分の意思を将来の政策に残すための、これはと思える若い人への引き継ぎを目指しているのに違いない。

 そこまでこの首相に政治的影響力は残っているのか誰もが考えもしない中での、ひとりやりたい放題、自己満足の「周り」が見えない資質失格の首相だ。
 震災復興(遅れ)、原発(安全)、エネルギー(電力)、経済(急激な円高)すべてが首相、政府の唐突で不一致の言動または不作為に翻弄(ほんろう)されて、不信、批判の極みだ。

 (3)退陣表明したとはいえ、一応首相の立場にある者の将来を拘束するかのような政策提言と、そのうち次期をまかせられる独自色をアピールする責任者の意向とのミスマッチが生じれば、また混乱の原因となるだけだ。
 国内外で、こんな異常な政治形態が理解されるはずもない。震災復興、原発収束・再稼働、電力供給不足、、円高、財源、普天間問題と課題、難問山積の政治状況の中でだ。

 これみよがしの首相の関心のない政治パフォーマンスは、もういいだろう。国内外に日本政治の影響力(負荷)、責任を持つ者ならば、現状を直視して利益(早期退陣)になる政治行動を遅くとも自覚し決めるべきだ。
 時期は遅きに失したとはいえ、それが首相の本来的な「やり方」だとすれば、しょうがないとあきらめもつく。まずは政治の正常化だ。

 

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