いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

イノセント・ピアニスト

2009-07-05 20:08:39 | 日記
 20才で国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さん。話を聞いて
いますと、明るくて、謙虚で、好青年です。

 音楽は、基本は音ひとつ、ひとつをひろっていくものだけど、感性の
もの。楽器を弾いているときも、このレベルになると、目でもって音を
追って弾くなんてことはしない。
 もう感性に導かれるように、手が勝手に旋律を追う。そんなもんだと
思います。

 そういうことでは、ピアニストが(練習のハンディを克服して、ピア
ノを弾くことに限っては)全盲であることは、利点かとも思う。研ぎ澄
まされた内面の「感性」はすごい。ピュアな表現力、集中力の世界。

 生活、成長にかかわる人生では、大変なハンディがあったはずで
す。周りの当然の努力、協力、そしてそれに裏打ちされた自助努力、
気力が見事に20才の青年を明るい、謙虚な人間に成長させたので
しょう。
 人生のスタートを克服した「人間力」がすばらしい。明るくて、謙虚。

 先日、テレビ番組で今回のコンテスト優勝後のドイツでのピアノコン
サートの模様が紹介された。まだまだ、本場ドイツではニューフェイス
並の待遇の辻井さんのコンサート。

 緊張でしょうか。なかなか、ピアノを弾き始めない辻井さん。白いハ
ンカチを取りだして、ゆっくりピアノの鍵盤を拭きなぞっては、あわて
なさんな、という、大人と、やる意気いっぱいの青年の両方の雰囲気
が混在して伝わってくる。

 本人は、さらに「器の大きな人間」を目指すという。これからの長い
音楽人生、大きな器が楽しみです。
 自分に課せられた人生を克服した「人間力」がすばらしい。
 


 

 

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