いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

時効は、むこう。

2009-07-18 20:13:15 | 日記
 犯罪は3面性をもっている。(1)犯罪行為、(2)犯罪実行者、(3)被害者。
 犯罪の成立には、動機(意思)、行為(行動)、被害、証拠の立証能力が
必要。

 犯罪の立証過程においては、捜査、証拠の正当性に問題があったり、被害
者意識に的確に対応できない核心的な問題もある。
 自白だけの証拠をたよりの「誤審」、そして命を奪った犯罪者の公訴を失効
させる「時効」による被害者側の理解しがたい無念。

 犯罪捜査も時間の経過にともなって、(1)行為を立証する証拠の提示が
困難になる。(2)犯罪者も経過した時間の量だけ社会的責任の重みを背負
う。(3)直接関係する被害者側の存在も不確かになり、社会的使命にも乏
しい。
 犯罪に「時効」(公訴するための期間)を置く時に言われる主な理由。

 しかし、ことに犯罪の巧妙化、捜査能力の低下にともなって、殺人などの
重大事件の時効も多くなり、被害者からの社会的責任への強い要望、事件
解決への当然の執着心が後押して、時効見直しの機運も高まってきて、関
係者の勉強会も行われれている。

 総じて殺人など重大事件については、「時効」の廃止が相当との意向だ。
なかでも、確実に当事者がいないと想定される100年を時効にという法務
省の見解もあり、犯罪行為そのものを形骸化して捉える形式主義には、理
解できない。

 近年は、立証、証拠にDNA鑑定を採用するなど、高い科学技術を捜査に
取り入れて、訴追の時間的な長さにも対応できる状況もでてきている。
 
 犯罪には、許すことのできない(1)反社会性、必ず(2)実行者(犯罪者)
がいること、(3)被害者の心情には、消えることのない無念、無情が強く残
る。

 犯罪の訴追には、「時効」は、いらない。
 犯罪の撲滅には、犯罪者の確実な逮捕による解決が大前提。

 永続的な捜査の効果への疑問、時間的な経過による誤審と反証(冤罪)
ができにくくなるなど、問題提起もあり、研究課題もある。

 それ以前に、未来永劫(えいごう)「許すことのない」のが「犯罪」という
社会的総意、被害者意識にこそ配慮すべき、真実がある。
 

 
 
 

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