マーベル・シネマティック・ユニバース21本目の作品にして、
初の女性ヒーロ単体作品、
監督も初の女性監督(男女ペア)、女性脚本家参加、音楽も女性。
これはブラック・パンサーの時と全く同じ段取りですね。
近い将来、揺り返しで逆風が吹く事もあるかもしれないけど、
ディズニーとマーベルは負けずに前傾姿勢で走ってほしい。
エンターテインメントを通じて、理想の社会を示してほしい。
これを見て大きくなる世界中の女児ちゃんがどんな女性になるか
今から楽しみです。
だっっさい旧来の男女観なんかポイっと捨てて、ずっと先に行ってほしい。
キャプテン・マーベルは魅力的な女性で、強くて、綺麗です。
タフなシングルマザーの親友がいます。
好きな男の子の前ではかわいいところもあるの…とかそういうのナシ!
でも男勝りではないし、ゴリラでもない。
クリー人の特殊部隊のルーキーであるヴァースは、
ある星で戦闘中に宿敵スクラルに捕縛され、記憶を吸いだされそうになる。
辛くも脱出した彼女は、地球に墜落し、
失っていた自分の過去と対峙する事になる、というあらすじ。
別に過去作品1作も見てなくても大丈夫とは思いますが、
見ていたほうが、より楽しめます。
具体的にどれとは言い難いですが、アベンジャーズ1・2・3かな。
ラストまでばれ
すっごい、さりげなく、でも明確に、
大抵の女性が経験する圧力を主人公は受けるんですが、
「お前には無理だ」「怒るな」「冷静に」「笑え」「能力があることを証明してみろ」
とどんだけ言われても、怒っていいし、吠えていいし、
面白くない時に笑わなくていいし、般若みたいな顔していていいし、
誰にも何にも証明する義務はない、という事を主人公が行動で示していきます。
自分は自分であるだけで、こんなにも気持ちがいいし楽しい!
という強いメッセージがありました。
抑圧を経験せず生きてきた、あるいは旧来の価値観を持つ視聴者にも、
テーマの押しつけを感じさせず見易くなっているのは、
抑圧してきた人間をゆるさない、叩きのめす!ではなく、
私は誰なのか、私は何なのか、が主題になっており
強制するな、その足をどけろ、あっちいけ、という解決法になっていること。
あと抑圧のシーンは短くしてあって、せいぜい30秒~1分くらい。
お子様の苦手な食材を細かく刻んで騙して食わせるのに似てる。
あとジュード・ロウが、いい仕事されてましたね。
登場から退場まですっと無意味に色っぽい。
叩きのめされたのに叩きのめされた感が少ない。
ヤレヤレ無双ならぬ、ヤレヤレ敗退。
それとバディの役割をしてくれた若い頃のフューリーくんが
かなりいい味だしてくれてました。
えっ…君そういう性格だったの…食事のあと皿洗いとか手伝うタイプだったの…
感情丸出しの面白お兄さんじゃん…20年で一体何があったのよ…。
このままのキャラクターの方が、正直いまより人望があった気がしないでもない。
ていうか目…。
男と女どっちがえらい!とかそういう話ではなく、
一番偉いのはネコ!って言いきってるのも効いてますね。
うん、とりあえずネコをトップにしておけば間違いはない。
スクラルは私の読んだ範囲では便利ヴィランで、
衝撃の展開!→スクラルでした!
衝撃の展開!→スクラルでした!
っていうパターンばかりだったので、
もっと視聴者のよく知っている、アベンジャーズに擬態する話の方がいいのでは?
と途中まで思ってましたが、なるほど納得の展開。
逆にクリー人はエージェント・オブ・シールドを5まで見ていて
態度も性格も悪いサイコパス星人だと知っているので、あまり意外性はなく…。
原作では男性のマー・ベルが女性になっていたの、かなり革新的だと思います。
それでもメインキャストの男女比率は半々くらい。
(キャロルがマー・ベルへ信頼を寄せるようになったエピソードをもう少し色々見たかった)
(飛行機が墜落して第一声が「髪はキマってる?」って相当面白いひとだなというのは分かったけど)
いかに普段見ている映画の男女比率が偏っているかが分かります。
アクションシーンは、冒頭はちょっと大丈夫なのこれ…っていう、
たらたらしたミッション描写でしたけど、
電車の中でおばあちゃんと戦う所などは好きです。
細くて小さい体を生かして、狭いスペースでくるくる回転する女性同士のアクション。
そしていよいよ次回アベンジャーズ4、エンドゲームですけど、
キャプテン・マーベル参加でかなり戦力アップしたのと、
あと彼女は「歩くタヒチ」なので、死亡者にその場で対応できそうなのと、
あと亜光速で太陽系外に資源を探して遠征するラストという可能性を提示してくれた。
どうかどうかそれで頼む。
エンドロール後の映像が2回あります。
それと今回は冒頭のマーベルロゴ重要なので遅刻されませんように。