映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「ハケンアニメ!」

2022年05月22日 | 成長モノ
伝説の天才アニメ演出家の復帰作品と、
新人女性演出家のキャリアをかけた初監督作品が
同じ時間帯に放映されることになり、
2つのアニメは視聴率バトルを煽る形で宣伝される。
創作に身を捧げる2人の監督の、仕事エンタテインメント映画。
2012年から2014年まで連載された、辻村深月さんの同名小説の映画化。

作中作のアニメ
「サウンドバック 奏の石」と「運命戦線リデルライト」が
よくできていて、1クール2本のアニメを見守ったような気分になりました。
ピンクとブルーで色分けする演出もよかった。
架空の世界が好きで創作が命という登場人物が多く
ともかくこれが好きだ!という情熱を浴びる作品。
でもガチオタク向けというわけでもなく
非オタクのひとも楽しめると思います。

ただ、責任ある仕事をしている女性が詰められまくって詫びたり
うっすらセクハラを受けて我慢する描写があるので、
現在お仕事でストレスを受けている女性にはきついかもです。

エンドロール後に1シーンあります。
内容ばれ

原作だと3人の女性がそれぞれ主人公になるのですが、
映画は斎藤監督がメインになり、
作画の並澤さんのエピソードはほとんどカットされます。
(リア充の人が「リア充」をリアルしか充実してないという蔑称だと勘違いする部分は残った)

並澤さん、オフの日に外出先から無理やり呼びつけられ、
自分の仕事場でもなく自分の仕事道具もない状態で、複数の人が見ているなかで
超特急で絵を描かされて、せめて自分の名前は入れたくないと交渉しても
名前を入れさせられるの、地獄かよ…せめて相場の金額の倍をもらうといいです。
でも素人の想像する神絵師そのままの挙動でした。

皆の拘束時間を延ばして頑張ればクオリティが上がるという表現だったため、
現在の日本のアニメ業界の一番の問題点、
低賃金とやりがい搾取を100%スルーだったのは少し気になりました。
それでも視聴者が「サバク」と「リデル」に熱狂していく様子は魅力的だったし
この2本のアニメを見られて、毎週キャーキャー言える人たちが羨ましかった。
とくにリデル、序盤から「主人公と黒い子の百合では…」と思ってたんですが
百合大勝利のラストっぽかったので、脳内のSNSが二次創作で溢れました。

伝説の天才演出家の王子監督のモデルは、幾原監督だそうです。
ということは「ヨスガ」は「ウテナ」なんでしょうね。

原作は辻村深月さんのほかの作品とリンクしているのですが
映画版ではカットされたようです(私が見落としてなければ)。

ルックスで大人気だが演技が棒という設定の女性声優さんを、
高野麻里佳さんという声優さんが演じておられましたが
本当に女優さんのようなルックスに100%のアニメ声をなさっていて、
私は声優さんに全く詳しくないので知りませんでしたが、
こんな架空の存在みたいな方が実在するとは!

時々思い出したように差しはさまれるオタクネタは、なくてもよかったかもだ。

予告映像
https://www.youtube.com/watch?v=Y1Xjo79xzaI

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