ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

ラ・フォル・ジュルネ金沢09ピアノマラソン@津幡シグナス

2009年04月12日 18時39分14秒 | 演奏会
「モーツアルト・ピアノマラソン」って?

“天才作曲家モーツアルトが生み出した数々のピアノ曲を,街のあちこちでリレー演奏する「ピアノマラソン」.
参加者を決定するオーディションの審査員には国内外で活躍するピアニストの中村紘子さん,若林顕さん,近藤嘉宏さん,菊池洋子さんがつとめた.
LFJ金沢アーティスティック・プロデューサーの井上道義さんもオブザーバーで参加.
音楽の楽しさを知り尽くした皆さんが選んだピアニストは94名.
3月1日から5月4日のラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭最終日までモーツアルトの美しいメロディーが街に響きます.”

と,プログラムには書いてあります.

4月11日(土)は津幡町文化会館シグナスでピアノマラソンが開催されました.
ピアノマラソンは金沢市内のみならず,津幡,野々市,小松など金沢近郊の町でも活発に行われています.
参加者も,内灘,松任,羽咋など石川県の各地から集ってます.

会場の津幡のシグナスは,最近建てられた新しいホールです.
自分自身この大ホールへ入ったことがなかったので,一体どんなホールかな?という興味もあり,聴きにいきました.
ワインヤード型でピアノの音がよく響く素敵なホールでした.

1曲目は小学3年生の男の子による「アレグロ 変ロ長調 K.3」.
この曲はモーツアルトが6歳の時に作曲しました.子供時代の曲で,明るく,かわいらしい曲です.とても短くて,あっと言う間に終わってしまいますが,ちびっこピアニストは,とても堂々とピアノを弾き,立派でした.
将来が楽しみですね.

2曲目は「ウィーン・ソナチネ第2番 第4楽章」.
小学4年生の演奏で,とても丁寧に弾いていたと思います.
感情をこめて全身で歌っていたのが印象的でした.

3曲目は「ウィーン・ソナチネ第6番 第1,2楽章」.
6年生の男の子ですが,ピアノを始めたのが3年生の時からだとインタビューで言っていました.ピアノを始めたのは遅い方ですが,上達は早く,もうこんな曲が弾けるは凄いと思いました.
演奏は元気一杯と言うか,やんちゃ坊主のピアノって感じ.
たぶん,かなり緊張していたのでしょうか?
音も固かったし,落ち着きがなくリズムも走り気味だったのが残念.
いざ本番のステージに上がった時,女の子の方は意外と度胸があって緊張しないタイプが多いようです.
こういう時,男の子のほうがビビッてガチガチになる人が多いかも.
(子供だけでなく,学生や大人でも・・・.)

4曲目は「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K.573」.
へぇー,モーツァルトはこんな曲も書いていたんだ.
たっぷりとピアノを鳴らし,素敵なテーマを様々な色彩で,明るく,悲しく,激しく,楽しく表現していました.
1つ1つのヴァリエーションを聴いていると,まるでいろいろな絵画を見ているような感じになりました.
ピアノに真正面から取り組んでいる姿勢が音に現れていたと思います.

最後に「ピアノソナタ第12番 へ長調 K.332」.

          

この曲はメロディーの宝庫で,曲の表情がコロコロ変わる.
2楽章はゆったりとした美しさが光り,3楽章は粒のそろった音を出す技術とスケールの大きさが要求される.
演奏者は小柄のちっちゃな中学2年生でしたが,音楽はすでに大人.
大胆な音を出したと思った次の瞬間,細かい動きを正確に弾きこなし,パワーとテクニックは抜群.
音色も,輝きやきらめき,しっとりした憂いや悲しみをしっかりと表現し,モーツァルトのピアノの魅力をシュアなタッチで描いていました.
こういう才能のある人が,将来,音大へ行き,演奏家やピアノの先生になるんでしょうね.

最後に,今回のナビゲーターを務めた上田智子さんのハープと赤尾明紀さんのフルートで「フルートとハープのための協奏曲より第2楽章」.

          

モーツァルト晩年の曲で,辞世の曲のひとつと言われています.
死を目前にしたモーツァルトが安らぎを求めて書いた曲のためか,第2楽章の天国的な美しさは有名です.
聴いて涙があふれるという曲ではありませんが,きっと天国とはこういうところかも知れないと感じさせる癒しの曲です.

フルートとハープの演奏の2人の先生方も曲以上に美しかった.