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『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』

2018年01月31日 | BOOKS
『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』
著者:白河 桃子・是枝 俊悟
毎日新聞出版


 人気コミック原作のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(通称:逃げ恥)」をベースに、結婚にまつわる経済について分かりやすく書かれた1冊です。
 いろいろな調査のデータをもとに、専業主婦の月給・育児の対価・夫婦の家事&育児負担のバランスについて、詳しい説明がされています。そして、「昭和の結婚(仕事人間×専業主婦)」のあり方が現代においては稀少かつ困難であることや、現代の若者の恋愛観と結婚観などについて、最初から最後まで考えさせられることばかりです。
 それぞれの家庭での「専業主婦の給料相当額」の計算式も乗っています。

 これからの新しい結婚のあり方「夫婦を超えていく結婚2.0」の予測や、「逃げ恥」の二人の将来経済シュミレーションも、とても興味深かったです。
 「共同経営責任者」として、何事も話し合って自分たちに合った結婚生活を模索していく夫婦のあり方こそ、この本が一番伝えたいメッセージだと思います。

 ぜひ、団塊世代の方々にも読んでいただきたい。
 子ども世代の「未婚」を嘆いたり責めたりするだけでは、もう「結婚」にも「孫」にも結びつかない事実が分かります。
 そして、政治家や企業の方々にも。
 女性が働きにくい社会であることが、どのように「少子化」に結びついているか、理解できると思います。

 『逃げ恥』の登場人物のように「相手を信頼、尊敬して、感謝できる」「自分の思い通りにならなくても、すねない、怒らない、ひがまない、相手の意見を尊重できる」「自分の稼ぎで生きていける」……そんな子どもを育てていくことが、日本の将来を少し明るくできる一番の手段かもしれないなぁと、子育て中の母としては痛感したのでした。
 昭和のジェンダーバイアス、男女の生き方に対する思い込みから、次の世代を自由にすることが、親世代の責務かもしれません。
 それに、男子も女子も家事能力必須ですね。

 「自分ひとりで経済的にも家事の面でも自立して生きていける。それでも、好きだから結婚したい」若者の多くがそうなれる社会が実現するといいですね。
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