なんて「そのままズバリ」直球のタイトル。
『大卒だって無職になる “はたらく”につまずく若者たち』
著者: 工藤啓 (NPO法人「育て上げ」ネット理事長)
出版社: エンターブレイン
私にも、大学を出ても正社員になれずにいる・離職してしまった・精神的に参ってしまってリハビリ中という友人たちがいるので、この本の中身が他人事に感じられませんでした。
大学の成績も優秀で、人当たりも良くて、一生懸命で、仕事もできるのに働けない、そんな若者が確かにいるのです。
たしかに「仕事」は、あちこちにあるのだと思います。
それでも、多くの人が就職できずに悩んでいるのです。
百姓の子は百姓で「家族がひもじい思いをしないように朝から晩までひたすら田畑を耕す」という時代であれば、なかった悩みかもしれません。「仕事を選ぶことができる」ということは自由や権利であると同時に、現代の就職の難しさを生み出したようにも感じます。
職種のミスマッチや劣悪な労働環境も大きな問題です。
ただ最近気になるのは、仕事に対する差別観・優劣の感情を、大人たちが子どもたちに知らず知らずのうちに教え込んでいるのじゃないかということ。「社会的に認められる仕事・やりがいのある・自分に合った仕事を見つけなくちゃダメだ」というプレッシャーが大きいことが、より一層ミスマッチを生んでいるような気がするのです。
(私にもそういう感情があって「どんな仕事でもいいから働きたい」とは言えないところがあるのも事実です。)
就職活動は、受験や大学卒業とは違って、周りがサポートすることが難しい、個人個人の試練になってきます。この初めての人生の試練が、20歳を過ぎてからやっと訪れることも、実は、若者にとって不幸なのかもしれません。
例えるなら、舗装されている道を、ずっと周りの大人たちの運転する車に乗せてもらい移動していた子どもが、舗装が途切れ開拓されていない土地に着いたところで「ほら、ここからは自分で進むのよ」と放り出されているような世界……。転び方もよく知らないのに、不安な顔をして道を探して歩き出す……。なんだか、ひどく心配なことに思えます。
小さいころから放り出して厳しい道を歩かせることが必要だとは言いませんが、「いろいろな道があること」「生きていくために必要なことは勉強ばかりでないこと」「生きがいや幸せは、職業で決まらないこと」「失敗してもやり直せること」など、まず子どもよりも育てている大人たちが、しっかり自覚しておくべきだと、つくづく感じました。
子どもが後々楽なように苦労しないようにと親が御膳立てしすぎることが子どもの人生にとってマイナスになっていないか、少子化の今こそ見直さないと、ますますミスマッチは増えていくのでしょう。苦労しない人生・失敗のない人生・全ての人が希望の仕事に就ける世の中なんてないんですから。
自分の子どもたちに対しても「若い時の苦労は買うてでもせえ」と言えるお母ちゃんにならないといけませんね。
<関連サイト>
・NPO法人「育て上げ」ネット ホームページ
『大卒だって無職になる “はたらく”につまずく若者たち』
著者: 工藤啓 (NPO法人「育て上げ」ネット理事長)
出版社: エンターブレイン
私にも、大学を出ても正社員になれずにいる・離職してしまった・精神的に参ってしまってリハビリ中という友人たちがいるので、この本の中身が他人事に感じられませんでした。
大学の成績も優秀で、人当たりも良くて、一生懸命で、仕事もできるのに働けない、そんな若者が確かにいるのです。
たしかに「仕事」は、あちこちにあるのだと思います。
それでも、多くの人が就職できずに悩んでいるのです。
百姓の子は百姓で「家族がひもじい思いをしないように朝から晩までひたすら田畑を耕す」という時代であれば、なかった悩みかもしれません。「仕事を選ぶことができる」ということは自由や権利であると同時に、現代の就職の難しさを生み出したようにも感じます。
職種のミスマッチや劣悪な労働環境も大きな問題です。
ただ最近気になるのは、仕事に対する差別観・優劣の感情を、大人たちが子どもたちに知らず知らずのうちに教え込んでいるのじゃないかということ。「社会的に認められる仕事・やりがいのある・自分に合った仕事を見つけなくちゃダメだ」というプレッシャーが大きいことが、より一層ミスマッチを生んでいるような気がするのです。
(私にもそういう感情があって「どんな仕事でもいいから働きたい」とは言えないところがあるのも事実です。)
就職活動は、受験や大学卒業とは違って、周りがサポートすることが難しい、個人個人の試練になってきます。この初めての人生の試練が、20歳を過ぎてからやっと訪れることも、実は、若者にとって不幸なのかもしれません。
例えるなら、舗装されている道を、ずっと周りの大人たちの運転する車に乗せてもらい移動していた子どもが、舗装が途切れ開拓されていない土地に着いたところで「ほら、ここからは自分で進むのよ」と放り出されているような世界……。転び方もよく知らないのに、不安な顔をして道を探して歩き出す……。なんだか、ひどく心配なことに思えます。
小さいころから放り出して厳しい道を歩かせることが必要だとは言いませんが、「いろいろな道があること」「生きていくために必要なことは勉強ばかりでないこと」「生きがいや幸せは、職業で決まらないこと」「失敗してもやり直せること」など、まず子どもよりも育てている大人たちが、しっかり自覚しておくべきだと、つくづく感じました。
子どもが後々楽なように苦労しないようにと親が御膳立てしすぎることが子どもの人生にとってマイナスになっていないか、少子化の今こそ見直さないと、ますますミスマッチは増えていくのでしょう。苦労しない人生・失敗のない人生・全ての人が希望の仕事に就ける世の中なんてないんですから。
自分の子どもたちに対しても「若い時の苦労は買うてでもせえ」と言えるお母ちゃんにならないといけませんね。
<関連サイト>
・NPO法人「育て上げ」ネット ホームページ
確かに、最近、我が社でも若いのに会社に来なくなる子たちが増えています。自分がたまたま社内のそういった事柄を担当しているので気になって、いろいろなものを読んだり、セミナーに出たりしているところです。この本もぜひ読んでみたいです。
我が社でも、最近入ってくる若者は「履歴書美人」と言うか、超一流の大学・大学院を出て、学生のうちに途上国でインターンやボランティアもして、経歴には非の打ちどころが無いのですが、いざ働き出すと1~2年でダメになってしまう。
彼らには、本当に我が社が合っているのか、正直分かりません。若いのでやり直しもきくでしょうから、そういった方向のアドバイスもしていきたいと思います。
と同時に、我が子(男の子なのに弱っちいところあり)の育て方もどうしたら良いものか、よく考えたいです。
いろいろな経験をしていても、本当の仕事の現場とは違うのでしょうね。
日本だけじゃなくて、東アジアの少子化の進む国々で「働けない若者」が増加してしまったら……、子どもたちの未来が心配です。