MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

「日暮らし」

2005年03月28日 | BOOKS
 宮部みゆきの時代小説「日暮らし」を読みました。「ぼんくら」の続編になるのですが.....、あぁ面白かった!!!

 絶世の美貌にもかかわらずおねしょが治らない「弓之助」と、聞いたことをすべてテープレコーダーのように記憶してしまう「おでこ」ちゃん、この男の子二人の魅力が前作よりもさらにパワーアップして、ますます面白くなったように思います。もちろんこの二人だけではなく、登場人物すべて、毒のある者も花のある者も、それぞれの個性が十二分に描かれていて、最後まで一気に読んでしまいました。
 人の心の細やかさを、押し付けがましくなく、こうもさらりと書けるとは.....、なんともうらやましい才能です。

 宮部さんは時代小説以外も書く人ですが、私は時代小説がピカイチだと思っています。

 素直に白状してしまうなら、私は現代小説や近未来小説が恐いのです。時代小説ならば、嫉妬や憎悪、そして殺人があっても、「昔のこと」と思えるのですが、現代が舞台だとあまりにも身近に思えて恐いのです。異世界が舞台でも、現代とどこかでつながっているような気がして、時代小説ほどの安心感はありません。
 どちらもおんなじ「作りごと」....もちろん、そう分かってはいるのですけれど。
コメント (5)
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