行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

2021年03月12日 | 法句経
心は、極めて見難く、極めて微妙であり、欲するがままにおもむく。英知ある人は心を守れかし。心を守ったならば、安楽をもたらす。(中村元訳『法句経36』)自分自身の思考を客観的に点検してみよう。おかしなものに惑わされないように。

心は遠くに行き、独り動き、形体なく、胸の奥の洞窟にひそんでいる。この心を制する人々は、死の束縛からのがれるであろう。(中村元訳『法句経37』)この心を臨済の言う「無位の真人」や朝比奈宗源老師の「仏心」と置き換えてみるとよくわかる。

心が安住することなく、正しい真理を知らず、信念が汚されたならば、さとりの知慧は全からず(中村元訳『法句経38』)悟りは一生得られなくても、それに向かって精進する人を菩薩という。

心が煩悩に汚されることなく、おもいが乱れることなく、善悪のはからいを捨てて、目ざめている人には、何も恐れることが無い。(中村元訳『法句経39』)心にやましいことなく、隠し事が少なければ、ストレスは少ない。

この身体は水瓶のように脆いものだと知って、この心を城廓のように(堅固に)安立して、知慧の武器をもって、悪魔と戦え。克ち得たものを守れ。しかもそれに執著することなく。(中村元訳『法句経40』)誘惑に負け、依存に陥れば心身を壊すよ。

自分で自分をマインドコントロールしよう

2021年03月09日 | 法句経
心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英知ある人はこれを直くする。弓矢職人が矢柄を直くするように。(中村元訳『法句経33』)正しくものを見るには感性が歪んでいないことが必要

水の中の住居から引き出されて陸の上に投げすてられた魚のように、この心は、悪魔の支配から逃れようとしてもがきまわる。(中村元訳『法句経34』)誰からも支配されず誰をも支配しない

心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。(中村元訳『法句経35』)自分を自分でマインドコントロールしよう。他人に支配されないために。

放逸するな

2021年03月05日 | 法句経
マガヴァー(インドラ神)は、つとめはげんだので、神々のなかでの最高の者となった。つとめはげむことを人々はほめたたえる。放逸なることはつねに非難される。(中村元訳『法句経30』)時間を有効に使おう

いそしむことを楽しみ放逸におそれをいだく修行僧は、微細なものでも粗大なものでもすべて心のわずらいを、焼きつくしながら歩む。燃える火のように。(中村元訳『法句経31』)死ぬか生きるか以外に大きな問題はない。

いそしむことを楽しみ、放逸におそれをいだく修行僧は、堕落するはずはなく、すでにニルヴァーナの近くにいる。(中村元訳『法句経32』)涅槃(ニルヴァーナ)は死ぬことでも悟りでもない。涅槃は涅槃

励もう

2021年03月02日 | 法句経
放逸に耽(ふけ)るな。愛欲と歓楽に親しむな。おこたることなく思念をこらす者は、大いなる楽しみを得る。(中村元訳『法句経27』)真面目に生きていれば本当の楽しみを知る

賢者が精励修行によって怠惰をしりぞけるときには、智慧の高閣(たかどの)に登り、自らは憂い無くして(他の)憂いある愚人どもを見下(みおろ)す。山上にいる人が地上の人々を見下(みおろ)すように。(中村元訳『法句経28』)

怠りなまけている人々のなかで、ひとりつとめはげみ、眠っている人々のなかで、ひとりよく目醒めている思慮ある人は、疾はやくはしる馬が、足のろの馬を抜いてかけるようなものである。(中村元訳『法句経29』)これも心に響かない