股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

筋力低下についてのお話

2006-01-17 18:01:47 | トレーニングのこと
私がこの仕事をしてきて、患者さんから言われた言葉に感動したことはいっぱいあります。
『先生、私の人生を変えてくれてありがとう。』
『股関節が悪くなって良かった。』などなど・・・。
患者さんと一緒に感動のキャッチボールをしてしまい泣いてしまうことも多いですね。
股関節が悪くなったことにより、多くの人と知り合えて、他の人を思いやる気持ちが出て、自分の生き方も変わる・・・悪いことばかりではないんですね。
変形性股関節症の真実を理解できると、そのような気持ちも生まれてくるのかもしれませんね。

さて、前回まで診療の間違いを説明してきました。その中ですでに触れていますが、今回は筋力低下について説明しましょう。

皆さんは筋力低下と言うと筋力が低下することだと思うでしょう。しかし、筋力低下には、『筋力はあるのに筋力が出せない』状態もあるのです。このことはなかなか一般には理解されていません。ですから、すぐに『筋力低下=筋力トレーニング』と考えがちなんです。
筋力低下と言ってもいろいろな原因があるのです。診察のお話のところでも触れましたが、いろいろな原因を一つに絞り込もうとすることが重要なのです。


筋力低下にもいくつかの原因があって、それぞれの原因によって治療法は異なるんです。
皆さんも何か問題が起こったら、原因を絞り込んでくれる先生を探してくださいね。原因を1つに絞り込めると、適切な治療法が導き出されることをご理解ください。
筋力低下について理解できた時、『筋力トレーニング不安症』はなくなることでしょう。


筋力低下の原因

1、使わないことによる筋力低下
2、痛みによる筋力低下
3、筋肉の病気による筋力低下
4、脚の長さ短くなる為の筋力低下
5、手術による筋力低下
  


1、使わないことによる筋力低下
 
 人間の正常な筋肉は、筋肉を輪切りにした時の断面積の広さで筋力が決まります。細かく言うと、断面の1平方cmあたり5~6Kgの筋力が出ると言われています。わかりやすく言うと、筋肉の太さによって筋力が決まるのです。
病院で先生に脚の太さを計られた方もいらっしゃると思いますが、あれは筋力を測っているのです。もちろん正確さには欠けますが、すごく参考になります。


   脚の太さの計り方(計るのは他の人に頼みましょう)
   まずメジャーの使い方ですが、太さを測るとき、脚に回したメジャーを一度
   強く締めて、次に軽く緩ませたときのメモリで計ります。
    ●ももの太さの測り方です
     1、仰向けに寝て軽く膝を曲げましょう(左右同じ角度で膝を曲げる)
     2、左右の膝のお皿の上縁に印をつけましょう
     3、左右ともその印らかまっすぐ10cm上のももに印をつけましょう
     4、お皿の上10cmにつけた印の周りの太さを測ります。(左右)
    どうですか?左右差はありましたか?
    ●次にふくらはぎの太さの測り方です。
     1、ふくらはぎの一番太い部分を探し印をつけます。
     2、一番太い部分の周りを測ります。(左右)
    どうですか?一般的には細いほうが筋力が低下していると判断します。
    まれに、太いほうがむくんでることはあるんですが、まれです。

脚の太さに差があった人は、今まで脚をかばう必要があったのですね・・よく頑張られたと思います。今後は、股関節痛を取って少しでも多くの体重がかけられる様になるといいですね。

普通、人間は左右の脚を均等に使いますので、左右の脚の太さには差がありません。人間が立っている時、脚は“体重を支える”というトレーニングをしています。体重が重い人ほど支える力も必要なので脚は太くなります。

皆さん、脚が太いということは筋力があって、関節が長持ちすると言うことなんですよ。脂肪だけでは脚は太くなりませんからね。太いことに自信を持ちましょう。
また、遺伝によってはぜんぜん太くならない人もいます。このような人は、太くなりにくい筋肉がしっかりしているんですよ。
マラソンの高橋尚子さん、あんなに鍛えているのに脚は決して太くないですよね。細い脚は、持久力に優れている場合が多いのです。

もともと筋力には2種類あります。瞬発力と持久力です。
一般的に筋力と言うと瞬発力のことを指します。私がここで使う筋力とは主に瞬発力のこと指しています。
脚が太い、細いと言うときに大事なことは、その太さよりも、左右差です。脚が細くとも普通に生活ができ、左右差が無ければ正常と言うことです。

人間の脚は使う量が減ると細くなります。脚をかばうと脚が細くなるのは、脚を使う量が減るということだけです。変形があるからではないのです。

ではなぜ脚をかばうのでしょう?
股関節痛があるから?
病院では股関節痛を取ってくれないんですよね?股関節痛を理解してくれる人がいないんですよね?それなら自分で股関節痛を取ることを考えますか。

怖いから?
体重をかけると骨や軟骨がつぶれそうなイメージがあるんですよね。まして、「骨に穴があいていますよ」なんていわれている方はなおさらですよね?
骨は体重をかけないと弱くなるんですよ。脚をかばうと弱くなるんですよ。骨に穴があいたら穴の周りが硬くなってつぶれないようにしてくれるんですよ。もしも、強い股関節痛がなく、今以上に体重をかけられるようなら骨は強くなるんですよ。
筋力も強くなるんですよ。その筋力が骨を守って股関節を長持ちさせてくれるんですよ。
骨も筋肉も、皆さんが考えている以上に利口であるということを信じて怖がらないで下さい!
まず筋肉を正常に戻すこと。正常になると股関節を守る力が強くなりますので、股関節が長持ちします。
そして、股関節痛が出ない範囲で、脚に体重をかけてくださいね。

患者さんはよく言います「今日も筋力トレーニングをサボってしまった・・・このままじゃ、どんどん脚が細くなってしまう・・」と。
この考え方が『筋力トレーニング不安症』の原因なんですね。こんな間違った考えは捨ててくださいね。
確かに脚をかばうと脚は細くなり筋力は低下します。しかし、脚をかばった分だけしか脚は細くなりません。あるところで細くなるのは止まります。それまでに体重をかけられるようにするにはどうしたらいいかを考えればいいのです。トレーニングをしないと脚が細くなるといいますが、日常生活で脚に体重をかけているではないですか?それもトレーニングではないのですか?
私は特にスポーツはしていません、筋力トレーニングもしていません、階段を上らずエスカレーターを使う派です。そんなヘナチョコ野郎なのに、どうして脚は細くならないのでしょうか?脚の太さに股関節の形は直接は関係ないのです。

いけませんねぇ。言いたいことが山ほどあるので、ついつい力が入ってしまい。話がまとまりませんね。文章力の無さを感じます。

使わないことによる筋力低下についてまとめましょう。

これはあくまでも、筋肉が正常であると言うことが前提です。正常な筋肉には痛みは出ません。脚を使わなかったという経緯があり、痛みが無く脚が細く(特に左右差がある場合)なっている時は、筋力低下の原因は使わないことによる筋力低下と判断します。この場合、有効な治療法は筋力トレーニングです。しかし、痛みが無く左右に均等に体重がかけられるのであれば、放っといても脚は太くなりますよ。


     左右への体重のかかり方の計り方
     1、体重計を2つ用意して、1つに左脚、もう一つに右脚を乗せます。
     2、自然な形で立ってみましょう。
       (バランスの悪い方は、誰かに支えてもらうか、
            あまり危険そうなら無理しないでくださいね)
     3、そのときの左右の数値を他の人に読んでもらいましょう。
     どうでしたか?左右に均等に体重がかかっているかがわかるはずです。

 
大きな左右差があった方は、左右の体重計の数値が左右均等になる感覚を学習してみましょう。ただし、あまり股関節痛が強かったら無理しないでくださいね。
左右がほぼ同じ値だった方は、何も心配ありません。その状態で日常生活を送るだけでいいのです。


2、痛みによる筋力低下

 痛みの原因はさておき、痛みがあると筋力があるにもかかわらず、筋力が出ないことがあります。一見筋力が低下したようにみえるのです。

『横向いて寝て、足の先に重りをつけて脚を挙げてください』と病院ではよく指導されますね。中殿筋という筋肉のトレーニング法です。
この運動の時に股関節周囲に痛みが強く脚が挙がらない人がいます。
「あー筋力が無いなぁ・・」と言う前に、痛みがあったと言うことを自覚しましょう。そして、“痛みがあるときの筋力は信用するな”と考えてください。
人間は痛みがあると筋力が十分発揮できないんですから。

運動(日常生活も含む)している時に痛みを自覚できたら、次に痛みの原因を考えましょう。
そう、股関節の正常な位置を触診すればいいんですよね。その結果、股関節に激痛があれば股関節の炎症が原因、激痛が無ければ筋肉の病気が原因と考えましょう。
そうすると、治療法が見えてきますよね。
股関節痛を取りたいですよね。何と言っても痛みが一番いやですもんね。痛みが続くと“うつ状態”になることもありますからね。
絶対に皆さんの近くにも痛みを取ってくれる人がいるはずです。探して探して探しまくりましょう。

今回はこれまでです、最近目が疲れて・・・。
次回筋力低下の原因3~5について説明しますね。
もしかしたら、筋肉の痛みの簡単な取り方が・・・かもよ。

変形性股関節症を怖がらないでね












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