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股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

やった~屋根!

2006-12-09 00:52:03 | 診療のこと
先日の患者さん、仕事を続けるために身障手帳が必要となった。
身障手帳申請書を書いてもらう目的のためだけに、初めての病院に行ったようです。

病院の先生は、この患者さんのレントゲンを見ながら「人工関節にするようだね。よくもって5年だね。穴があいてて、ある日突然この穴がつぶれるんだよね・・・・・・・」と長々と説明してくれたようです。

この患者さんは、先生の説明が続く中レントゲンにある物を発見。
10ヶ月前には無かった臼蓋の“屋根”が両側にできていたのです。

結構深刻な説明が続く中、「やった~屋根(骨棘)ができてる!」と思ったらしい。

この患者さん、すごい!



変形性股関節症を怖がらないでね

FROM SHIN-OSAKA




見えなくても見えるんです!

2006-11-16 17:11:00 | 診療のこと
私は28年前から8年間、整形外科病院に勤務していました。
柔道整復師としていわゆる“ほねつぎ”をしていました。
骨折患者さんの骨折を、手術をしないで治していました。
その時に先輩に言われていたことは「まっちゃん、骨折患者さんが来たら、レントゲンを撮る前に骨折部をやさしく触診しなさい。その結果、骨折のレントゲン像を自分の頭で想像してからレントゲン室でレントゲンを撮ってもらいなさい。」ということでした。
このようなトレーニングを積んでいると、レントゲンを撮る前に骨折像がはっきり想像できる様になりました。

皆さんの骨の状態も、レントゲンを見なくてもだいたい想像できるもんなんです。
まずは、脚長差ですね。変形の程度は脚の長さの差として出るんです。
ですから、メジャーで計るんですね。
骨盤の傾斜の影響を取り除くために、骨盤の一部である上前腸骨棘から内果(ないか=内くるぶし)までを計るんです。専門的には棘果長(きょくかちょう)と言います。
次に脚の太さですね。ほとんどの場合かばっている方の脚が細くなります。
これは筋肉が痩せているということです。筋肉が痩せる(筋萎縮:きんいしゅく)と、確実に骨も痩せます(骨萎縮:こついしゅく)。
骨が痩せると、レントゲンでは黒っぽく写りますので、そのような想像はつきます。
あとは関節の動き具合や、脚全体の形を総合するとほぼ骨や軟骨の形が想像できるのです。

ですから、私の施術にはレントゲン写真は必要不可欠ではありません。
骨をいじる施術ではありませんし。

それよりももっと、もっともっと重要な患者さんの情報があります。
股関節の炎症の状態や、歩行の状態、痛みの具体的な場所、筋力の状態などです。

やっぱり触診や視診って重要ですよね。
レントゲンは見なくとも見えるものなんです。
また、私にはレントゲンでは見えないものも見えるんです。


変形性股関節症を怖がらないでね




久々に・・・

2006-09-23 10:32:54 | 診療のこと
本日と月曜日で東京八丁堀での施術を終えます。
皆さんありがとうございました。
ところで、銀座の店なんですが、仮の名として『銀座 LE SALON ORIENT』と自分では呼んでいますが、このLE SALON ORIENTという名前は、ご存知の方もいるかもしれませんが、かつて香港にあった美容院の名前と一緒です。
少し覚えにくいんですよね『LE SALON』と呼ばれることが多かったですね。
LEとは英語ではTHEでしょうか。いろんな間違った呼ばれ方をしましたね・・・。

そこで、新しい名前を募集してみたいと思います。
皆さんでコメント欄を使って名前を決めていただけるとうれしいですね。
『銀座 LE SALON ORIENT』を超えられる名前と感じましたら採用させていただきます。(募集しといて偉そうに)
採用された方には、『ありがとうございました』とお礼をさせていただきます。(ケチ)
『銀座 LE SALON ORIENT』と言ってもオリエント調という意味ではなく、原宿ではサンタフェとカリブのイメージから色を選んでいました。
銀座はとくに無いのですが、少しだけORIENTらしくしてみるかもしれません。
なんとなく『銀座~』という名前にしたいんですが・・・いやらしいでしょうか?



昨日久々に股関節症以外の患者さんが来ました。

半年前から両手のしびれやこわばり感で悩んでいるとのことでした。
症状を聞いただけでは、リウマチ、首の骨の異常、糖尿病などが疑われました。
しかし、問診と触診を続けていたら、どうも様子が異なってきました。

その患者さんは今までに整形外科、整骨院、脳神経外科、内科に行っていました。
全てで症状が変化しなかったようでした。
その結果“首のヘルニアによる神経の圧迫”が原因で『転ばないように』という指示で薬が処方されていたようです。

触診を行うと、どこにも神経の異常を示す症状がありませんでした。
また、リウマチや糖尿病も否定できました。
どこにもその証拠となる臨床症状が無いのです。

画像や血液検査による“想像診断”だと感じました。

さらに診察を続けると、仕事で両手をよく使っていること、手のひらの腱に玉状の腫れが見られること、肘から先の筋肉に異常な硬さが見られました。

私の見立ては“両手の使いすぎによる腱鞘炎と循環障害”でした。

肘から先の筋肉を中心にほぐしました。
私が正しいかどうかは、しばらくすると結果が出ます。
患者さんの治療後の症状を聞けばわかります。

リウマチや神経だとすれば進行するものですが、患者さんは仕事を休むと症状がよくなっているようでした。
診察力って大事です。

患者さんが言いました。
『体を触られたのは初めてです。』・・・ドッカ~ン!です。

私が言いました。
『どんどん転んでください。』・・・ドッカ~ンの秋。


変形性股関節症を怖がらないでね







電子カルテ

2006-08-31 10:57:30 | 診療のこと
電子カルテが普及しましたね。
私はあまり詳しく分からないのですが、私が患者として病院で診察を受けるときなどにはよく目にしました。
電子カルテ化されると、レントゲン写真やカルテがすぐに机の上に現れるので便利なんでしょうね。
これは私の経験ですが、診察中に先生がパソコンのほうを向いているんですね。
常にマウスを動かして、画面に何かを入力している姿が印象深いですね。

もっと患者さんのほうを見てもらいたいなと思いながら、その姿を見ていたことがあります。
確かに様々な医療機器、IT関連の進歩があり便利になっています。
いわゆる、“医療の進歩”は目覚ましいものがあります。

しかし、その裏でどんどん失われていくのものがあるように思います。
それは、患者さんと先生が1対1で向き合って行う診察の内容です。

特に触診、聴診・・・と言った先生が直接患者さんに触れる診察が減っているように思います、いや確実に減っています。
先生が患者さんに触らなくなってきた歴史の中で、最初に現れた犯人は聴診器だといわれています。
聴診器が発明される前は、先生の耳を患者さんの身体に当てていたのでしょうか?
その後の歴史の中での大きな犯人がレントゲンではないでしょうか。
聴診器もレントゲンも素晴らしい機能があり、素晴らしい発明だと思います。
しかし、確実に患者さんに触らなくなった。

これでいいのでしょうか?

なぜ先生は患者さんに触れないのでしょうか?
触る方法を学んでいないわけではないと思うのですが?
診察とは、患者さんの訴えの原因を1つに絞り込む作業ですよね。

私は、患者さんに触れることなく患者さんの訴えを一つに絞り込むことは不可能だと思っています。
原因の絞込みが間違うと、治療法が間違う可能性があります。
原因はいくつもあって、その原因一つ一つに合った治療法があるのです。
治療法がいくら素晴らしく見えても、原因の解消にはなりません。

皆さんにとって非常に重要なことです。
人生を左右するくらい重要かもしれません。
人生を左右するかもしれない診察が、身体に触れることなく“予測”で行われてもいいのですか?

あまりにもひどい診察の場合は、相手がいくら有名な先生であろうが、皆で怒りましょう。
医療の質の向上のためにね。



変形性股関節症を怖がらないでね






診察とは

2006-08-22 17:26:33 | 診療のこと
診察とは何だ!・・・青春とは何だ!みたいですね。

例えば私が腰が痛くて診察に行った時、腰の痛みの原因はいくつか考えられますね。
炎症なのか、筋肉痛なのか、神経性のものなのか、一応骨と軟骨も調べておくか・・・などいろいろな検査をして、いくつか考えられる腰痛の原因を一つに絞り込む作業をします。
この作業が診察ですよね。

皆さんの股関節痛の原因が“骨と軟骨の異常”しかないのであれば、レントゲンだけを見て診察をしてもらえばいいのです。
ところが股関節の炎症状態や筋肉の強い疲労からも明らかに痛みは出ます。
まして、骨にも軟骨にも神経がないのですか痛みは感じないはずなんですけどねぇ?

皆さんによく考えてもらいたいことは、診察が不十分だと治療法が間違う可能性が高いということです。
つまり、痛みの原因として考えられる原因の一つひとつに対する治療法が異なるのです。
骨や軟骨の異常が原因!と診察されたなら治療法は手術しかないでしょうね。
股関節の炎症が原因と診察されたなら、まずは安静にして必要であれば炎症を抑える薬を使用することが治療法となるでしょうね。1度だけでもステロイドを注射するのも治療法となるかもしれませんね。股関節の炎症とは、股関節が火事の状態ですから、冷やして安静にして刺激しないことが優先ですよね。
筋肉が原因と診察されたなら、筋肉をほぐすことが治療法になりますね、痛みの強い部分に痛み止めの注射をするのも一つかもしれません、筋肉をほぐすことも一つかもしれませんね。

他にもいろいろな原因があって、それぞれに違った治療法があるのです。
あくまでも手術は最終手段であるべきです。

私は、筋肉が全ての原因だとは考えていません。
炎症も変形状態も筋肉も神経もトータルに診察して、筋肉が一番原因として確率が高いと判断した時に筋肉の施術をしています。
中には、患者さんの訴えの原因が、神経の可能性が高いと考え、1度の筋肉に対する施術ではまったく変化がなかったので施術を一回でお断りしたケースもあります。
神経の場合、へたに『10回も施術すればよくなるかも知れません』とか言って時間をかけてしまうと症状が悪化し、取り返しのつかないことになることもありますので、詳しく説明をして専門病院の受診を勧めています。
皆さんが診察を受ける時は、先生が股関節痛の原因を絞り込む作業をしてくれているかをしっかり見極めてくださいね。
触診をしない先生は手抜き診察をしているとも考えられます。
そんな先生に、人生を左右するような大事な診察と治療を任せて良いものでしょうか?
それは皆さんの考え方しだいですが、基本的な考え方だけはしっかり持っていたほうがいいかもしれませんね。

しっかり診察をしてもらい、納得のいく説明をしていただけるといいですよね。

股関節痛の原因はいろいろあるんですよね。


※9月に予定していた授業の一部は代わりの先生が見つかったので、かなりの時間が自由になりました。
9月中はまだ中央区八丁堀です、ご希望の方は・・・今がチャンスです!


変形性股関節症を怖がらないでね



私の主治医

2006-08-16 10:56:59 | 診療のこと
私は7年前にひどい腰痛になったことがありました。
私の仕事にとって腰痛は致命傷です。
押せない時期もありました。
3年くらいいひどい痛みが続きました。
筋肉をほぐすと一時的には良いのですが、原因は筋肉ではなく明らかに腰椎の炎症でした。
咳をすると激痛、おじぎをして頭を下げると激痛でした。
体を曲げて患者さんのお尻を押したあと、まっすぐ体を起こすことが体の筋肉だけではできなくなり、うつ伏せになっている患者さんにばれないように腕の力で起き上がっていました。

「なぜ痛いんだろう・・・」とイライラした時期もありました。
皆さんの気持ちがよく分かります。
同居していた父の痴呆が顕著になってきて、精神的ストレスも抱えていた時期でした。

いろいろな整形外科病院に行きました。
ほとんどの先生は、椎間板がつぶれているのでヘルニアによる痛みでしょう・・・とのコメントでした。
レーザーによるヘルニアの手術を受けに行ったこともありました。
しかし、「この状態で手術をしても効果が期待できません。」と言われてしまいました。

現在はどうか? 別に手術をしたわけでもないのに、まったく痛みが無いんですね。
ほんの少し前までは、5人くらい押したあとに横腹に痛みが出る事はありましたが、今はまったく痛みません。

腰の痛い頃、何件も整形外科に行きました。
最初の6人の先生は、指一本触ってくれませんでした。
しかし、7人目の先生はすごい診察をしてくれました。
触りまくり、動かされまくりでした。
さらに凄いなと思ったのは、触りまくり動かされまくりの結果を見て、レントゲンの撮り方を指示してレントゲンを撮ったことでした。
特殊な撮り方でしたが、何とその結果原因がはっきりしたのです。
どうも私の腰の骨は軟骨がなくつぶれているというレベルではなく、上下の骨がくっついてしまっていたようです。
その為に体を動かした時に動きが大きくなり炎症が起きやすいということでした。
その結果が、はっきりレントゲンで確認できたのです。

素晴らしい診察でした。
治療としてロキソニンの処方だけでしたので・・・少しがっかりしましたが、原因が分かったことで、日常での注意点も理解できました。
何よりも、気持ちが楽になっていくのがはっきり分かりました。
それ以前はかなり多くの患者さんを診ていた時期がありましたが、それ以降はそんな無茶はしないようになりました。

こんな素晴らしい診察をしてくれる先生もいるんだなと感心しました。

皆さんも、気持ちが楽になるような診察をしてくれる先生が見つかるといいですね。主治医選びの一つの基準のように感じます。
ちなみのこの先生は70歳前後の先生でした。

変形性股関節症を怖がらないでね


NEWS! 8月18日に予定が入っていたのですが、キャンセルとなり1日中空いてしまいました。ご都合のつかれる方は施術にどうぞ。











手術をしたら・・・別人28号?                

2006-07-13 15:28:34 | 診療のこと
手術をしたとたんに、変わってしまう先生がいます。

①「手術をしたら、私の仕事は終わりです。後は若い先生に任せましょう。」
 気持ちは分かるのですが、患者さんは手術をしてくれた先生にほれ込んでいることが多いのです。ほれ込んでいるとは、信頼しきっていると言うことです。
ですから、先生、そんなことを言わずに一生その患者さんを診てあげてくださいね。
信頼を裏切らないでくださいね。
それが手術をした先生の使命です。
皆さんは我慢できますか?

②「手術前は『手術したら何でもできますよ』と言われたのですが、手術した途端あれしちゃダメ、これしちゃダメって言われたんです。」
それは詐欺療法です。言い過ぎ・・・?
何でもできると言ったのですから、何でもできるまで徹底して責任を持ってくださいね。
最後まで徹底的に診てくれる先生は、患者さんからの信頼も厚いことでしょうね。

③手術後に痛みが出ようものなら「それはあなたのリハビリが悪いのです。」「それはあなたの足が悪かったのです。」「あなたはうそをついている」・・・勘弁してくださいよ。
しまいには“心の病気かも・・・”と先生に思われることもあるのでしょうね?
先生、逃げないでくださ。
いくらレントゲン上正常だからと言っても、それはないでしょう。
人間は骨だけでできているわけではないんですもん。
レントゲンに写るのは、人間のほんの一部の情報です。
もっと患者さんの身体から情報を集めてください。
勉強不足とか手抜きとか思われますよ。
少なくとも私はそう思います。


大変な思いをして手術をして、経過が悪いと患者さんのせいにする。
経過が良好なラインに戻るまではきちんと責任を持っていただきたいと思います。
良い話ばかりして、手術をしたら知らん顔では、お金儲けの為だけに手術をしていると思われても知りませんよ。
結局は先生自身の評判が悪くなるだけです。

ぜひ、患者さんの体と心に親身になって診療にあたっていただきたいと思います。


変形性股関節症を怖がらないでね






医療コーディネーター

2006-07-06 10:29:07 | 診療のこと
「コーディネートはこうでねーと。」村井国夫さんが得意のジョークです・・?

最近よく思うのです。
病院診察を受けるとき、患者さんと先生の間に立てる人がいるといいなと思います。
現在は妹のことで、いつもその様なポディションにいますが、最近先生が治療に消極的になっているので、先生に軽く文句を言いながら妹の意思を尊重し、できる限りリスクの少ない治療法を選択しています。(だいたい3つの治療法から1つ選んでください・・・なんですよね。)

1年半前、変形性股関節症患者さんでもその様なことがありました。
初めての経験でした。
私は患者さんの弟ということになり、患者さんと一緒に病院を受診しました。
専門的な話になると、代わりに質問をしたり、診察後に今の診察全般のポイントを患者さんにわかりやすい言葉で説明する為です。
しかし、私にはもう一つの目的がありました。
その先生がどのような診察をする先生なのかを見極めたいという目的がありました。
その為に理学療法士であるということは隠していました。
その先生の本当の姿が見たかったのです。
他の患者さんからその先生についての質問を受けたときに、その時感じたことを話できるようにするためです。

現実問題として、このように患者さんと先生の間に入る仕事の方がいてもいいのではないかと思います。
一番良いのは、患者さんの立場でものが言える整形外科医がいいとは思うのですが・・・難しそうですね。
私にもっと時間があればやってみたい仕事の一つですね。

私にはやりたいことがたくさんあります。
少し時間をかけて、頭の中で整理して、できれば同じ考えの方々と組織をつくって取り組みたいと思います。

皆さんも応援してね


変形性股関節症を怖がらないでね
体重を・・・あ、これは・・・シツコーイ!








放っとき療法

2006-07-04 10:39:45 | 診療のこと
もちろん、全ての先生がそうではないけれど、『放っとき療法』を行う病院があるのは事実。
「痛くなったら来てください。」「手術をしたくなったら来てください。」
それまでどうすんのよ・・・?
一応、「○○してください、△△もしてください。痛くなったら来てください」くらいは言ってくれるでしょうが、実際その場で何を治療してくれるのか。
本来は、今、痛い股関節痛や心の痛みを、今、治療すべきなんです。
骨折をしました。病院に行きました。「骨折です、手術をしたくなったら来てください。自宅で冷やしてください。良くなったら筋トレはしてください。」って感じなんですよ。

病院には、今、治療する手段があるんですよ。
病院って、今、治療する場所ではなくなりつつある様に思うのです。

『不十分な情報で想像をまじえ診断を下し、先生が自己満足の説明をするところ。』
それが、多くの整形外科病院です。

それでは困るんです。患者さんが困るんです。病院で病気をもらうようになります、ストレスという病気を。
しつこいようですが、このような問題を解決した整形外科を創りたいし、どんどん増えていただきたいと思います。

病気で暗くなった心と表情が、明るくなってルンルン気分で帰れるような病院が増えて欲しいですね。

ある方からのメールを読んでイライラしていましたので・・・。
言いすぎでしょうか?


変形性股関節症を怖がらないでね
体重を・・・あ、これは終わったんでしたね。










診療の間違い⑤

2006-01-16 10:54:42 | 診療のこと
変形性股関節症に対する病院での診察と治療(診療)には間違いとして以下の4点を挙げて、①、②、③についてはすでに説明しました。

診療の間違い
①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。
②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
③患者さんの心を無視した診療であること。
④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。

今回は前回に引き続き④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。について説明します。

前回、変形性股関節症の説明及び指導における“常識”と言われていることについて、その間違いを挙げてみました。



変形性股関節症の“常識”の非常識
1、股関節痛は骨や軟骨の変形が原因ではない。
2、変形は進行性ではないから進行は止められる。
3、脚をかばうことはよくない場合がある。
4、筋力トレーニングは逆効果の場合がある。
5、股関節痛は炎症ではないことが多い。
6、治療法は手術以外にも多くある。


そして、1、~3、の“常識”の非常識さについては前回説明しました。
今回は残りの4、~6、について説明します。


4、筋力トレーニングは逆効果の場合がある。

 皆さんは病気の時に筋力トレーニングをしますか?
筋肉の病気である筋・筋膜症候群についてはすでに簡単に説明してきました。
筋肉が病気の時に筋力トレーニングをしてもいいと思いますか?
筋は正常な状態と病気の状態の時がありますので、診察で筋肉の状態を把握したうえで、筋力トレーニングの指導をするか、筋力トレーニングはしばらく止めさせるかを判断して、患者さんに助言しなくてはならないのです。
 ところが、ほとんどの先生は「筋力トレーニングをしてください。」と言います。

 はっきり言います。筋肉が正常な時に行う適切な筋力トレーニングは効果的ですが、筋肉が病気の時の筋力トレーニングは股関節痛をはじめとする股関節の状態を悪化させます。

このように書くと、混乱する方がいらっしゃいますので、筋肉の病気の特徴と筋力トレーニングを行ううえでの筋肉の病気の見分け方を説明しますね。


筋肉の病気の特徴
1、筋力が低下する
 筋力は筋肉の太さに比例します。太い筋肉ほど筋力が強いのです。
 通常、筋力低下というと筋力が細くなることを意味します。(脚が細くなる)
 ところが、筋肉が病気の時の筋力低下は通常の筋力低下とは異なります。
 その人の持っている本当の筋力は低下していないのに、筋力を計測すると筋力が 発揮できないため結果的に一時的な筋力低下となるのです。
 皆さんも、風邪を引いている時に筋力が出ない経験があると思います。筋肉の病 気では、筋力はあるのに筋力が出ないのです。ですから、筋肉が股関節の衝撃を 吸収できなくなるのです。筋肉の病気は治療が必要なわけがご理解できると思い ます。筋肉の疲労状態なら風呂に入って休めば疲労は取れます。筋肉疲労は病気 ではありません。筋肉の中に乳酸という疲労物質が溜まって脚が“重く”感じら
 れますが 、それは誰にでもある現象です。
 
 筋肉が病気の時は、筋肉内の血液循環が悪化していて(血管が縮むから、また、
 コリによって血管が圧迫されるから)お風呂で温めても、十分な休息をとっても どんどん筋肉内に乳酸が溜まってしまい、やがてその乳酸はセロトニンという痛 みの物質に変化して痛みを出すのです。風呂や温泉で温めても、十分な休息をと
 っても症状が改善しないのです。
 
 以前、交通事故後の患者さんで以下のような経験をしたことがあります。30代 の男性でしたが、右手の握力が出ないということで私の施術を希望されて来まし た。痛みは肩にありました。左の握力は60Kgでしたが、右の握力は25Kgでし た。腕の太さを測ると、左右差がなかったので、使わないことによる筋力低下で はなく、交通事故後の筋肉の病気による筋力低下だと判断し、右肩~腕を中心に 1時間の施術をしました。交通事故から2ヶ月しかたっていなかったので、1週 間後に来られた時は、右の握力は55Kgまで回復していました。

 皆さんの中には、脚をかばって脚が細くなって筋力が低下している方が多いと思 いますが、その筋力は筋肉の病気によって更に低下している可能性があるのです
 。筋肉の病気による筋力低下については、筋・筋膜症候群について勉強した人に は常識的なことです。この事実を理解することが、筋力トレーニングをするうえ では重要なんですよ。

2、痛みが出る
 慢性的筋肉疲労の蓄積、股関節の炎症、股関節のケガ、股関節の手術などが原因 となり筋・筋膜症候群は起こります。
 筋・筋膜症候群では、筋肉内に痛みの物質が増えます。痛みの物質は筋肉内の循 環を良くしてあげると血液によって流せれますので、痛みは減るはずなのですが
 、お風呂で温めるくらいでは筋肉内の循環が良くならないところが病気なのです
 。筋肉をしっかり押して筋肉を柔らかくしてあげることが痛みを取り去るための 近道なんです。股関節は人体の深いところにあり、股関節を守っている筋肉も深 いところにあります。ですから、強めに押さないと深い層の筋肉の痛みを取るこ とができません。私の患者さんは、ありとあらゆるところで治療を受けてきてい る人が多いです。表面の筋肉だけをほぐす、残念ながらマッサージや指圧では深 い層の筋肉の痛みは取りきれません。押す力としては20Kg位の差ですが、効果
 としては大きな差なのです。
 筋肉の中に痛みの物質が溜まっていますので、最初の3回くらいは押されると痛 みを感じる患者さんがほとんどです。しかし、4~5回目くらいの治療から押さ れても痛くなくなってきます。筋肉が正常に近づくからです。この頃には、股関 節周囲の痛みもかなり楽になるんですよ。

筋肉の病気の大きな特徴は以上です。筋肉の病気というと難しく感じますが、関節痛の他には、ギックリ腰、肩こり、腱鞘炎、脚がつるといった皆さんにも馴染みの深い症状も含まれるんですよ。

次に筋力トレーニングを行ううえでの筋肉の病気の見分け方を説明しますね。


筋力トレーニングを行ううえでの筋肉の病気の見分け方
1、筋力トレーニング中に痛みがあれば筋肉の病気と考えて、筋力トレーニングを  その場で止め、しばらく筋力トレーニングを行わない。
2、筋力トレーニングの直後に痛みがある場合も筋肉の病気と考えて、しばらく筋  力トレーニングを行わない。
3、筋力トレーニング後に痛みが出て、その痛みが1週間以上取れないような場合  も筋肉の病気が考えられますので、しばらく筋力トレーニングを行わない。

この3点を参考にしてください。“しばらく筋力は行わない”というのは、個人差はありますが、2~3週間と考えます。この間に筋肉のお手入れ(治療)を行うことが理想です。
筋力トレーニングの翌日に出て2~3日で取れる筋肉痛は正常な範囲の筋肉痛です
。誰にでも起こる筋肉の痛みですので、筋力トレーニングは続けてください。

最後に皆さんが間違えやすい考え方について説明しておきます。


1、股関節痛があるから、股関節痛をとる目的で筋力トレーニングを行うという考  え方は間違っています。

 股関節痛は筋肉の病気の可能性が高い。筋肉が病気であるのに筋力トレーニング は逆効果になるからです。

2、筋力トレーニングをしないとどんどん筋力が低下していくという考え方は間違  っています。

 脚をかばうとある程度までは筋力が低下しますが、あるところで筋力低下は止ま ります。日常生活で無理のない範囲で筋肉を使っているからです。

3、筋力トレーニングはやればやるほど効果があるという考え方は間違っています  。

 効果的に筋力をつけるには、筋肉を休めることが重要だからです。皆さんも毎日 きつい仕事をすると疲れすぎますよね。ですから休日があるのです。
 筋肉も同じです。筋肉内に疲れを貯めすぎないことが重要です。
 私は週2~3回の筋力トレーニングを勧めることが多いですが、個人差がありま すので、自分の筋肉とよく対話をして決めてください。筋肉は非常にお利口さん で、疲れている時は“重い”という感じで教えてくれますし、病気の時は“痛い ”という感じで教えてくれます。筋肉の訴えをよく聞いてあげてください。
 “重い”は黄色信号、“痛い”は赤信号ですよ。
 筋肉を休めることもトレーニングなのです。
 
4、雑誌やテレビで紹介されている筋力トレーニングをそのまま行うことは間違っ  ています。

 雑誌やテレビで“股関節に効果があるトレーニング”なんて特集があっても、参 考程度として一生懸命やらないで下さいね。
 何度も言いますが、変形性股関節症患者さんの機能や症状には個人差が大きいか らです。
 特に、トレーニング回数や重りの重さ(2kgの重りをつけて、脚を挙げて7秒止 める運動を20回行う・・とか)などを具体的にした雑誌やテレビの情報を鵜呑 みにすることは危険です。4年ほど前、NHKで変形性股関節症の筋力トレーニン グを具体的に説明したことがあります。
 その直後、その通りの筋力トレーニングをやって痛みが悪化した患者さんが増え て苦労した経験があります。
 雑誌やテレビの監修を行っている○○病院の○○先生もそうですが、マスコミの 方々にも勉強が必要だと思いますよ。

5、股関節痛は炎症ではないことが多い。

一般的に、股関節痛は骨と軟骨の変形が原因であると説明されています。
骨と軟骨に変形があっても痛みを感じない人がいるにもかかわらずです。
こんな話が良くあります。「あなたの骨は変形が強いですね。あなたは痛くないと言いますが、本当は痛いはずです。」「あなたの骨や軟骨には変形がありません。あなたは痛いといいますが、本当は痛くないはずです。」信じられない話ですが、実際に先生からそう言われた患者さんがけっこういるのですよ。
骨と軟骨自体には神経がないので痛みは感じません。

先にも書きましたが、股関節の炎症と筋肉の病気が原因です。
自分で股関節の触診をして、股関節に圧痛(股関節に圧迫を加えたときの痛み)がなければ、股関節痛の原因は主に筋肉の痛みだと考えるべきなんです。

この考え方は繰り返し説明していますのでもうご理解していただきましたか?
ただし、このような説明をする先生はほとんどいませんし、このような説明をしている本もありません。
私はただ経験から想像して話をしているわけではありません。医学的な常識を並べて説明をしているだけです。皆さんが私を信じるも信じないも自由です。
私の説明を読んで納得できる部分があれば、是非信じていただきたいと思います。
その方が、ずっと心も体も楽になりますよ。
 もしも、病院の先生が骨と軟骨の変形が股関節痛の原因であると説明するのであれば、どうして変形があるのに痛みがない人がいるのかを説明してもらってください。「変形が強くなると股関節が動かなくなり股関節に負担がかからなくなるからい痛みが無くなるんですよ」と、もっともらしい説明をする先生がいるとは思いますが、そんな時は「変形が強くなくても痛みがない人がいるのはどうしてですか?」と聞いてみてください。
人間は、骨折すると激痛が起きます。これは骨の痛みではなく、骨を包んでいる骨膜の痛みです、事実骨折によってずれた骨を、元の位置に戻すだけでうそのように痛みは無くなります。
股関節の骨膜があるという人もいますが、骨膜の痛みは激痛です。歩けないとかそういうレベルではありません。寝返りさえできない激痛です。筋肉の病気でも、筋肉がつると激痛が起こる場合があります。もしも股関節に激痛のある方は、急いで筋肉の治療をしてみてください。激痛になってあまり時間がたっていなければ1回の治療で治る可能性があります。
皆さん、レントゲンの結果におびえないで下さいね。


6、治療法は手術以外にも多くある。

患者さんは変形性股関節症の治療に様々な要望をお持ちです。
治療法も選択肢が多いと良いですよね。

例えば、手術はできるだけ延ばしていずれは手術したいと言う要望に対する治療法。手術は絶対にしないと言う要望に対する治療法。手術の前に股関節周囲をお手入れしていきたいと言う要望に対する治療法。手術をしたけど現状をできる限り長持ちさせたいと言う要望に対する治療法・・・・・。

私は、手術をすることに反対ではありません。ただ、手術は最終手段であるべきです。
私は医師ではありませんので手術はできません。しかし、手術現場の見学経験は多くありますので、手術に関するお話はできます。手術の上手な先生を何人か知っていますし、人間性の優れた先生も何人か知っていますし、何よりも患者さんに評判のよい先生を何人か知っています。ですから、私が患者さんに手術を必要と判断した時は、患者さんに何人かの先生を紹介します。

筋肉の治療ができると、手術以外の患者さんの要望にこたえられるようになります。
定期的な筋肉のお手入れだけが必要な患者さんや、積極的な筋力トレーニングができる患者さんや、痛みが出たときだけ筋肉のお手入れが必要な患者さんなど、一人ひとりに合った指導ができます。
最近、都内にトレーニングジムを備えた整形外科で、しっかりしたトレーニング指導者がいるクリニックができました。変形性股関節患者さんは筋肉が病気の人が多く、筋力トレーニングを積極的に行えない方が多いのですが、筋肉を正常に近い状態に戻せて、積極的な筋力トレーニングができる条件が備わっている人には、このクリニックを紹介しています。

「治療法は手術しかありません。」という言葉は嘘です。まずは、筋肉のお手入れをしてくれる先生を探しましょう。手術はそれからでも遅くないのです。

変形性股関節症を怖がらないでね



診療の間違い④

2006-01-13 08:46:09 | 診療のこと
変形性股関節症に対する病院での診察と治療(診療)には間違いとして以下の4点を挙げて、①、②、③についてはすでに説明しました。

診療の間違い
①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。
②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
③患者さんの心を無視した診療であること。
④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。
今回は④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。について説明します。
まず変形性股関節症の説明及び指導における“常識”と言われていることについて、その間違いを挙げてみましょう。



変形性股関節症の“常識”の非常識
1、股関節痛は骨や軟骨の変形が原因ではない。
2、変形は進行性ではないから進行は止められる。
3、脚をかばうことはよくない場合がある。
4、筋力トレーニングは逆効果の場合がある。
5、股関節痛は炎症ではないことが多い。
6、治療法は手術以外にも多くある。

すでに説明している項目もありますが、今回は1、~3、の“常識”の非常識さについて説明します。

1、股関節痛は骨や軟骨の変形が原因ではない。

 病院ではレントゲンを重視し過ぎるあまり、骨や軟骨の変形を悪者扱いします。
股関節の骨や軟骨には神経がありませんので、骨や軟骨の変形が直接股関節痛の原因となるわけではありません。骨や軟骨に変形が起きるときに股関節に炎症が出る場合があります。この股関節の炎症は股関節痛の原因になりますので、骨や軟骨の変形は間接的には股関節痛の原因になるでしょう。しかし、股関節の炎症はそう長く続くものではありません。
 皆さんも足首を捻挫した経験はあるでしょう。足首を捻挫すると、足首が腫れて、熱を持って、赤くなって、痛みが出るという炎症症状を起こします。そのような時は、風呂に入って温めると炎症がひどくなりますので、安静にして冷やしますね。
しかし、1週間もすると炎症は取れます。人間の身体には、自己治癒力があります。炎症くらい簡単に治してしまうのです。人間の身体はバカじゃない、とっても利口なんです。もちろん、骨や軟骨も非常に利口なんですよ。

重要なことは、股関節の炎症が去った後なんです。股関節に限らず、人間の身体全体に言える事ですが、炎症がある時には周辺の筋肉が硬くなります。わかりやすく言うと、股関節に炎症があるときは股関節周囲の筋肉がコリます。股関節の炎症がなくなった後もこの筋肉のコリは残り、尻コリ、ももコリになります。肩コリという言葉と同様尻コリやももコリも当然起きます。そのコリに疲労が上乗せされたとき股関節周囲に筋肉痛が出るのです。

これが筋肉の病気であり、股関節痛の主な原因です。交通事故によるむち打ち症(首の捻挫で炎症症状です)の後遺症と同じ考え方です。股関節の捻挫も、変形性股関節症の方には起き易いでしょうね。

筋肉の病気は炎症ではありません。炎症が去った後に残る阻血性(そけつせい:血液の循環が悪い状態)の痛みです。この痛みは、血液の循環が悪いからなので、風呂に入って温めると痛みが楽になります。
皆さんはお風呂に入ると股関節痛が楽になりませんか?
阻血性の筋肉の病気は、筋・筋膜症候群とよばれています。

1990年に発行された滋賀医科大学教授横田敏勝先生の著「臨床医のための 痛みのメカニズム」(南江堂)の中に筋・筋膜症候群という筋肉の病気について詳しく書かれています。
「臨床医のための・・・」の臨床医とは病院で働く先生のことですから、病院の先生向けに詳しく書かれている本です。
この本の中にも一部触れられていますが、1986年にマイアミ医科大学疼痛センターの研究結果では、『当センターを受診した患者さん284人の痛みの原因を調べたら、85%は筋・筋膜症候群が原因だった。』という報告もあるくらいです。

実は、人間の痛みは、炎症ではない筋肉の痛みが原因であることが多いのです。繰り返しになりますが、筋・筋膜症候群はレントゲンには写りませんし、血液検査でも異状が出ません。つまり、一般的な検査上では異状が出ない病気なのです。
触診をして、股関節痛の原因筋を突き止め、その原因筋を治療して、病気になっている筋肉を正常な筋肉に直してあげればいいのです。

筋・筋膜症候群の研究は1939年頃から始まっているにもかかわらず、日本の病院ではあまりにも筋肉が無視されています。
高齢化社会をむかえ、益々整形外科の必要性が高まっていますが、現在の整形外科の診療を見ていると今後に不安を感じます。
私もひどい腰痛で苦しんだ経験があります。その時に8人の整形外科の先生の診療を受けましたが、7人は触診どころか、私の身体に指一本触れてくれませんでした。私は将来、整形外科の先生と組んでこのような現状を変えていくつもりです。

まとめ
レントゲン写真にだまされないでください。股関節痛の主な原因は筋肉の病気による筋肉の痛みですよ。筋肉の痛みは、筋肉の治療で軽減します。股関節痛でお悩みの方で、お風呂に入って股関節痛が楽になる人は、悩んでいないで筋肉の治療を受けてみて下さい。筋肉を少し強くほぐしてくれる先生を見つけてください。私はもう10年このような施術をしています。押すのは筋肉だけです。骨にはまったく影響はありません。人工骨の人でも問題はありません。股関節に詳しい先生を選んでください。そのような施術のできる先生は、マッサージ、指圧、整骨院という看板のついた(国家資格を持つ先生)施術所にいる可能性がありますので相談してみてくださいね。


2、変形は進行性ではないから進行は止められる。

『変形性股関節症は進行性の病気で、いずれ手術が必要です』というのが一般的な常識です。しかし、皆さんよく考えてください。『進行性です・・』といった先生は、皆さんの骨や軟骨の変形の進行を止めようとしてくれましたか?進行も止めようとしないで、気安く進行性なんて言わないで下さい。『進行性』という言葉で、どれだけ多くの患者さんが恐怖や不安を抱えることになるか・・・

正確には、進行を止めるためのお手入れをしない状態では、変形は悪化します。しかし、ちゃんと手入れをしてあげると股関節の進行は止められる場合が多いのです。

股関節にかかる衝撃を吸収して股関節を守ってくれているのは筋肉ですから、筋肉のお手入れをすれば股関節は長持ちします。
この事実は、手術をしていない人はもちろんですが、手術をしている人にも当てはまります。ここで言う「筋肉のお手入れ」とは筋力トレーニングのことではありません。筋肉の病気になって縮んでしまった筋肉(股関節痛を感じる時の筋肉の状態)を柔らかくほぐしたり、ストレッチにてほぐすことです。
そしてお手入れの結果筋肉がほぼ正常(股関節痛がほとんど無くなった時)に戻ったら筋力トレーニングをすればいいのです。

私の患者さんには、病院で「あなたの股関節はあと2~3年しか持ちません。」と言われた方が結構います。
ある人は「じゃあ、あと2年がむしゃらに動いていいと言うことですね!」と言って二度とその病院には行かず、1000Km離れた私のところに来ました。
「あと2年しか持ちません。」と言われたのが平成11年のことですが、現在6年間以上経過してレントゲンにはほとんど変化がありません。本当は、少し変化がありました。その変化とは、平成17年の1月にその患者さんと一緒に山梨の某先生の診察を受けた時にわかったのですが、臼蓋形成不全で、いわゆる“股関節の屋根”があまり無かったのが、今はしっかり屋根ができていました。
一般的にはこの変化を“変形”と呼んで悪者扱いするのですが、実は骨が股関節を修復してくれた結果なのです。
骨って本当に利口なんですよ。

人間の骨が骨折して曲がってくっついても、1年もするとまっすぐな骨になるのをご存知ですか?私は多くの症例を見た経験があります。人間にとって不必要なところの骨は破壊され、必要とされる場所には新しく骨ができるという機能を骨は持っています。人間にとって悪影響を及ぼすような変形なんて考えられません。

最近私は「変形性」「進行性」「末期」撲滅運動を始めました。
「変形性股関節症は進行性で、いずれは末期を迎えます。」と言う説明で使われる3つの言葉の撲滅運動です。

変形性股関節症を英語ではOsteoarthritis of the hipと言います。of the hipは『股関節の』という意味で、Osteoarthritisは『骨関節炎』という意味です。つまり直訳すると、『股関節の骨関節炎』です。この病名の中には変形(Deformity)
や進行性の(Progressive)なんて言葉は含まれていません。いったい誰が“変形性股関節症”という言葉を使い始めたのでしょうか?いったい誰が進行性という言葉を使い始めたのでしょう?

「変形が進行すると末期を迎えます・・・」の“末期”ってイメージ悪い言葉ですよね。
股関節のお手入れをしないで長年経過している人は、骨の変形(修復)が強くなります。いわゆる末期になると、股関節は長年の修復によって安定する為、股関節痛は出にくくなるのです。

以上の理由で私は以下のような提案をします。


「変形」 →「修復」
「変形性」→「修復性」
「進行」 →「修復」
「進行性」→「修復性」
「進行期」→「修復期」
「末期」 →「安定期」


「変形性股関節症は進行性で、いずれは末期を迎えます。」と言う説明は「修復性股関節症は修復性で、いずれは安定期を迎えます。」ということになります。

長年股関節のレントゲンを眺めてきて、股関節の変形パターンは大きく分けて2通りあります。
股関節の屋根(寛骨臼蓋)が伸びて屋根ができ股関節の上下の骨の接する面積が広くなるか、大腿骨頭が象の鼻のように伸びて股関節の上下の骨の接する面積が広くなるかです。
どちらも“変形”と呼ばれて悪いイメージをもたれていますが、私には、どう見ても股関節の上下の骨が接する面積を広くして、股関節を安定させ、炎症が起き難い安定した股関節に修復がなされているようにしか見えません。

変形性股関節症の進行は止められるんですよ!

まとめ
筋肉のお手入れをすると、変形の進行は止められます。変形は実は怖い現象ではなく、修復という皆さんの味方です。
今までの修復に感謝して、今後は現状の維持に努めましょう。



3、脚をかばうことはよくない場合がある。

病院では「脚に体重をかけると、股関節痛が強くなるし、軟骨が減るので脚をかばいなさい。」とよく説明されますよね。
患者さんは、悪いほうの脚に体重をかけることを怖がり、杖を持つようになります。この日から、脚の筋力が低下して脚は細くなってしまうのです。

「脚をかばうと、脚が細くなるのでその分を筋力トレーニングで補ってください。」一見まともな説明ですが、脚をかばっていてはなかなか筋力はつきません。

脚に体重をかけると軟骨が減る(変形が悪化する)ということですが、半分は本当で半分は間違いです。

筋肉が正常かそれに近い状態では脚はかばうべきではありません。このような時は筋肉の筋力が股関節にかかる衝撃をしっかり吸収してくれるので軟骨は減りません。
せっかく股関節が長持ちするように股関節を守ってくれている筋肉の筋力を、脚をかばうことにより低下させて良いのでしょうか?

専門的に、脚をかばうなどの理由で脚の筋肉を使う量が減って筋力が低下することを廃用性筋萎縮(はいようせいきんいしゅく)と言います。廃用性とは『使わないことによる・・』と言う意味です。
極端な例を挙げると“寝たきり状態”です。脚をかばいなさいということは、“寝たきり状態”に近づきましょうと言うことですので、脚をかばうことが良いわけはありません。なぜ、正常に近い筋肉の筋力をわざわざ低下させなければならないのでしょう?
また、脚をかばうと骨も弱くなります。人間の骨は重力が加わらないとだんだん骨が弱く細くなるようにできています。骨は細くなり、骨の中の穴は広くなります。人工骨の場合、骨の中の穴に人工骨を差し込みますので、あまりかばいすぎると人工骨のゆるみにつながる可能性もあります。

皆さんがよく誤解をしていることですが、普通人間は左右の脚を5:5の割合で使っています。ですから普通は左右の脚の太さは等しいのです。5:5の割合だったのが脚をかばうと6:4の使い方になります。従って左右の脚の太さも6:4になります。かばったほうの脚は5から4まで細くなります。しかし、同じかばい方を続けていれば、脚の細さは4のままで3とか2までどんどん脚が細くなるわけではありません。ですから「筋力トレーニングをしないとどんどん脚が細くなる」なんて非常識なことは考えないでください。『筋力トレーニング恐怖症』になってしまっている人が実に多いのです。

もちろん、骨も少しは細くなりますが、細くなるのはあるところで止まりますので、人工骨がゆるむ事なんてほとんどありません。心配しないでください。
つまり、人間の骨も筋肉も日常生活上で使った分だけ太くなり、かばえばかばった分だけ細くなると言うことです。

人間の脚に体重をかけると軟骨は減るのでしょうか?もしそうなら、スポーツ選手は変形性股関節症だらけですね?それでは、骨の形が正常ではない人は脚に体重をかけると軟骨が減るのでしょうか?筋肉が正常に近い常態では、筋肉の筋力が股関節にかかる衝撃を吸収しますので、軟骨には負担はかかりませんので軟骨は減ら内のです。


しかし、股関節痛が強い時は、筋肉が病気になっていますので股関節にかかる衝撃を吸収できません。この時は脚に体重をかけると軟骨が減る場合があります。
股関節痛が強い人、歩く時のバランスが悪い人は杖をついて脚をかばってください。そして、できるだけ早く筋肉の病気を治して正常に近い筋肉にする為に筋肉をほぐす治療を受けてください。

筋肉のお手入れができて、悪いほうの脚で片足立ちをしても股関節が痛くなくなったら、脚をかばうのは止めてください。筋肉が正常に近くなり、脚に体重がかけられると、見る見るうちに脚は太くなります。

脚を使っていなかったから脚の筋力が低下して脚が細くなっているだけですから、痛みが取れて脚に体重がかけられると当然脚は太くなります。
実は、脚を太くすることに関しては“筋力トレーニング”なんて必要ではなく、重要なのは筋肉の病気を治して股関節痛を軽減させるお手入れをすることなんです!

変形性股関節症という病気が脚を細くしているのではありませんよ。


『木を見て森を見ず』こんな診療が行われています。変形性股関節患者さんの股関節だけ見て全身を見ない診療。変形性股関節症患者さんは、股関節ではありません!人間です!
全身を見ることは常識であり重要です。
脚をかばうということは、先のような問題もありますが、脚のアンバランスは腰、背中、肩、首、腕の筋肉にもアンバランスをもたらします。
変形性股関節症患者さんに腰痛、背筋痛、肩こり、頭痛、めまい、不眠症、杖を使う為の腱鞘炎が多いのも脚をかばうことが一因であることをお忘れなく。

股関節痛が取れた時、脚に体重をかけることへの恐怖が取れた時、
 
 股関節痛の増加→脚をかばう→筋力低下→股関節への衝撃吸収力低下→
→股関節痛の増加→・・・・・・と言う悪循環が無くなり、徐々に元気な股関節に、徐々に元気な体に戻っていきますよ(骨、軟骨変形の進行が止まります)

まとめ
軽くテーブルにつかまって、悪い方の脚で股関節痛が無く片脚立ちのできる人は、脚をかばう必要がありません。心と体の安定のために杖はついても良いのですが、杖に頼りすぎず、しっかり脚に体重をかけましょう。片足立ちをしようとすると股関節痛が強くできない人は、まずは脚をかばってください。次に筋肉を正常に戻すために筋肉のお手入れをして、筋肉が正常に近づき片足立ちができたら脚にしっかり体重をかけましょう。脚に体重をかけることほど、自然であり効果的な筋力トレーニングはありません。日常生活が立派な筋力トレーニングになるのです。

変形性股関節症を怖がらないでね

つづく




診療の間違い③

2006-01-12 15:45:45 | 診療のこと
変形性股関節症に対する病院での診察と治療(診療)には間違いとして以下の4点を挙げて、①、②についてはすでに説明しました。

診療の間違い
①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。
②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
③患者さんの心を無視した診療であること。
④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。

今回は③患者さんの心を無視した診療であること。について説明します。

堅苦しい話の前に、皆さんに質問です。
「心はどこにあるのですか?」
さぁ、どこにあるんでしょうねぇ?
胸の辺りでしょうか・・?
失恋すると「胸が痛い」もんね、そう言えば、よく失恋したなぁ・・バイクを飛ばしながらヘルメットの中で大泣きしたなぁ・・・オオオットォそんな話ではなっかですね。

おそらく心は脳の中にあるんでしょうね・・?
本当は体のどこかにいる魂の中かもしれませんが・・。
一般的に心は脳の中にあると言われています。
心は五感に不快な刺激を受けると交感神経が興奮して身体は興奮状態になります。そうなると血管が縮まって肩こりなどの筋肉の痛みを出しますし血圧も上がりますね。
また、胃腸の動きは悪くなり、便秘や消化不良が起きますね。
さらに、意識はしませんが身体が興奮しているので不眠症になりますね。
白血球の中のリンパ球が減り免疫力も落ちますね。
心の状態が悪く、身体の症状として現れることを心身症と言います。
股関節痛も心身症の一種です。

反対に、五感に快い刺激を受けると副交感神経が働いて身体はリラックスします。これが癒された状態です。
交感神経と副交感神経を合わせて自律神経と言います。
心と身体の間には自律神経が関係するんですね。
 
 つまり・・ 心→自律神経→身体  その逆も・・ 身体→自律神経→心

本来、病院は癒しを求めて行く場所なんですが・・・病院で皆さんの五感はどのような刺激を受けているのでしょうか・・・?

それでは本題に入りましょう。

③患者さんの心を無視した診療であること。

私は、患者さんが医療関係者から受ける、主に言葉による暴力をメディカル・ハラスメントと呼んでいます。

「病院に行かなきゃよかった」私の患者さんが初診時に言った涙ながらの言葉です。
その方は、初めて受診した病院で変形性股関節症の怖さについて散々聞かされたようです。
この患者さんを私が初めて診た時は、表情が暗く今にも泣きそうでした。
しかし、関節の動きも筋力も正常で、股関節に炎症も痛みもありませんでした。
現在の股関節の状態が非常に良いことを説明し、手術の必要性はまったくないことを説明しましたが、表情は益々悪化していきました。
そして、とうとう「先生、もう私の心が壊れます。手術をしようと思います。」と言ってきました。
余程のことが無い限り「手術をしたほうが良いですね。」とは言わない私も「手術をしたほうが良いですね。○○病院の○○先生と△△病院の△△先生と□□病院の□□先生の診察を受けてみて、自分が納得できる先生に手術をお願いしてみてはどうですか?」と言いました。
私の力が及ばなかったことはもちろんですが、一度心に受けた傷はなかなか癒せないこともあるのですね。
いわゆる心のトラウマですね。
メディカル・ハラスメント、無くしてほしいものです。
患者さんもそんな先生には、はっきり言っていただきたいと思います。
「先生、それはハラスメントです!」と。

患者さんはどのような気持ちで診察を受けに行くのか・・・十分配慮して言葉を選んでいただきたいと思います。
患者さんには、病気に関する認識力や理解力、心の強さに大きな個人差がありますので、その辺を良く知ってから話しても良いのではないでしょうか?
病院の初診時に、手術日まで決めようとする先生がいます。
私も多くの患者さんからそのような話を聞きました。
日本で有名な先生も多く含まれています。
私はそのような先生を名医だとは思いませんので、私の患者さんには絶対受診を勧めませんね。

患者さんは心に傷を持つと、余計な病気を抱えてしまうことになります。
診療を受けたら、患者さんが元気になるような診療をしていただきたいと思います。

うれしいことに、最近は元気になる診療を行ってくれる先生が少しずつですが増えているように思います。

皆さん、ハラスメント診療は間違っています。
ハラスメント先生の診療なんか中途でお断り、元気の出る診療のできる先生を探し続けましょう。
きっと皆さんにとっての名医はいますよ。



変形性股関節症を怖がらないでね


診療の間違い②

2006-01-11 01:05:10 | 診療のこと
変形性股関節症に対する病院での診察と治療(診療)には間違いとして以下の4点を挙げて、①については前回説明しました。

診療の間違い
①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。
②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
③患者さんの心を無視した診療であること。
④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。


今回は①の説明で不足していた股関節の位置について説明した後に②について説明しますね。


●股関節の位置
 皆さんは「股関節が痛い。」と言いますが、股関節の正確な位置をご存知ですか?
「股関節が痛い」と「股関節の周りが痛い」とでは大きな違いがあります。
正確な股関節の位置を知ることは、自分の股関節の触診に役に立ちますし、自分で自分の股関節が触診できることは、股関節に炎症があるのか無いのかと言う判断に役立ちます。
基本的に、レントゲン上いくら骨や軟骨に変形があろうとも、股関節に炎症が無ければ、股関節の症状は落ち着いていると考えます。
骨や軟骨の変形と股関節の炎症は一致しません。

股関節の正確な位置
皆さんが椅子に座った時に、ももとお腹の間にシワができますよね。
腰骨~股の内側までシワがあるとして、そのシワのほぼ中央(ももの上のほぼ中央)に動脈の脈を感じるところを探してください。
その脈の中に股関節があります。
皆さんが思っているより意外と内側ですよ。
皆さん股関節を軽く押してみてください。

ここが実際に痛みを感じる場所ですか?

軽く押してみて痛みを感じましたか?
どちらも「いいえ」と答えた方は、筋肉の痛みが股関節痛の原因である可能性が高いと考えましょう。
病院では股関節の痛みではなくとも「股関節周囲の痛みは、股関節から来る痛みです。」と説明されるでしょう。
その説明には根拠がありません。
筋肉痛が股関節痛の原因である可能性があれば、筋肉の治療をするべきですよね。
皆さん、よく覚えておいてください・・・

“筋肉にも病気があるのです!”
筋肉の病気について理解することは、非常に重要ですので後で詳しく説明しますね。
もしも、皆さんの股関節痛が筋肉痛であるとすれば、股関節痛は無くなる可能性があります。
実は、筋肉の病気が改善すると、骨と軟骨の変形の進行が止められる可能性もあるのです。
なぜなら、股関節への衝撃を吸収して股関節を長持ちさせるのは筋力です。
筋肉が病気になるだけで筋力が低下しますが、筋肉の病気を治療するとすぐに筋力が出るようになるのです。
正常な筋肉では、しっかり筋力が出て、股関節を守ってくれるからです。

前置きが長くなりましたが・・・次に診察の間違い②を説明しましょう。

②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
 変形性股関節症患者さんは一人ひとり症状や治療が異なります。かなりの個人差があります。



個人差
1、変形性股関節症の原因の違い
2、変形性股関節症の経過の違い
3、変形性股関節症の治療方法に対する考え方の違い
4、骨や筋肉の質と量の違い
5、心の強さの違い
6、日常生活での活動量の違い
数え上げればきりが無いかも知れませんね。

重要なことは、同じ変形性股関節症でも個人差が実に大きいと言うことを理解することです。
これは、患者さんはもちろんですが、医療従事者もよく理解しなければならない事実です。
変形性股関節症は、もともと先天性股関節脱臼か寛骨臼蓋形成不全と言う病気が原因で起こる場合が多いです。
そして、症状が子供の頃から出ている人もいれば、40才前後から症状が出ている人もいます。
手術をすぐにしてでも動きたいと思う人もいれば、手術はできるだけ延ばしたいと考えている人もいれば、手術は絶対にしないと決めている人もいます。
治療法に対する色々な希望があると言うことは、通常は病院でも色々な治療法を準備しないといけないと思います。
「この病気の治療法は手術しかありません。」と言う先生は努力不足だと思います。
私の患者さんには、絶対手術はしない!と決めている人がいます。
「あなたは手術しないんだから、もううちの病院には来ないでください。」と言われ憤慨している人がいます。
「いずれ手術をするかも知れないけど、できるだけ股関節を長持ちさせたい」と言う人もいます。
「手術をするので、その前に筋肉をほぐしていただきたいのです」と言う人もいます。
「一度手術をしたが、もう2度としたくない」という人もいます。
私は一人ひとりの希望をかなえるような仕事をしています。
患者さん一人ひとりの希望にそえる治療の選択肢があった方がいいですよね。

骨や筋肉も個人差が大きいですね。
遺伝的な要素が大きいのですが、もともと骨が太くて強い人、骨が弱くて細い人、もともと筋肉が太くて力のある人、筋肉は細いが持久力のある人・・・。
人間の筋肉には2種類の筋線維があります。赤筋と白筋です。
赤筋は鍛えてもあまり太くなりませんが、筋肉の持久力に優れている筋線維です。つまり、疲れにくい筋線維です。
一方、白筋は鍛えると太くなり、筋肉の瞬発力に優れた筋線維です。
ただ、持久力が弱く疲れやすい筋線維です。
人間は赤筋と白筋の割合が一人ひとり違うのです。
ですから、同じ運動をしても、疲れにくい人と疲れて痛みが出やすい人がいるのです。
ですから、集団で同じ運動を行うことや「2Kgの重りをつけて、足を挙げて7秒間止める運動を20回やりましょう」という運動には危険性があるのです。
ましてや、筋肉が病気の状態で運動をさせることは股関節痛を悪化させることがあるのです。
皆さんは病気のときに運動をしますか?股関節が痛いから運動をするという考えには危険性があるのです!
ご安心ください。筋力トレーニングについての考え方についても後で詳しく説明しますね。

あとは、心の強さや素直さにも個人差がありますよね。誰でも病気になると心にストレスを感じます。
心の強さとは、そのストレスが溜まりやすいか溜まりにくいかということです。
ストレスは血管を縮め筋肉を硬くしますので、ストレスだけでも筋肉が原因の股関節痛が出ることがあります。
例えば、股関節痛のレベルが10点の方がいて、治療によって6点まで改善したとします。この時に「やったー、4点も良くなったと笑顔になりストレスが少なくなるか、「あーあー、まだ6点も痛みがあると落ち込んでストレスを増やすかの違いです。

また、病院の先生の言葉なんかも心に強く影響しますよね。
中には言葉の暴力(ハラスメント)をふるう先生もいますからね・・・。
最後に日常生活での活動量にも個人差はありますよね。
仕事をしているかしていないか、ご両親の面倒をみているかみていないか、ご主人の協力が得られるか得られないか、家事を多くやらなければならないか他の人に任せられるか・・・などで生活の中での活動量にかなりの個人差が出ますよね。
このように患者さん一人ひとりの個人差が大きいということは、病院の診療では、このような個人差を良く調べながら一人ひとりに合った診療が行われなければなりません。
また、皆さんも他の患者さんと自分を比較してはいけないということですね。
皆さんの担当医は、ワンパターン診療を行っていませんか?
ワンパターン診療は間違いです。

ワンパターン診療の結果を鵜呑みにして落ち込まないでくださいね。


変形性股関節症を怖がらないでね





診療の間違い①

2006-01-09 15:39:12 | 診療のこと
変形性股関節症に対する病院での診察と治療(診療)には間違いがあります !



診療の間違い

①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。
②患者さんの個人差を無視したワンパターン診療であること。
③患者さんの心を無視した診療であること。
④説明内容、指導内容自体にも間違いがあること。

大きな間違いとしては上記の4点です。
このような診療の結果を鵜呑みにして、余計な不安や恐怖を抱えていませんか?
4点の間違いについて説明する前に、診察と治療の関係について説明します。

診察とは、患者さんの訴えた症状の原因を1つに絞り込む作業です。
その為に、いろいろな検査や測定を行っているのです。

股関節痛を例にとると、股関節痛の原因はいくつか考えられます。
そのいくつかの原因を、1つに絞り込むのが診察となるわけです。
診察の結果1つに絞り込まれた原因に対して治療が行われます。

ここで重要なことは、股関節痛の原因一つひとつによって治療法が異なるということです。
診察で間違った原因が導き出されると、治療法も間違っている可能性があるということを覚えておいてください。

4つの間違いの①番から説明しましょう。

①触診を行わず、レントゲン中心の診療であること。

 病院ではレントゲンを撮ります。
これは別に間違いではなく、素晴らしいことです。
問題はそのレントゲンの使い方です。
レントゲンだけを使うのか、レントゲンはあくまでも参考資料の1つとして使うのかの違いです。
レントゲンはあくまでも参考資料の1つであるべきです。

ところが現実はどうですか?
 診察の順番が来ると、診察室に呼ばれ先生の前に座ります。
先生はレントゲンを見ながら説明をしてくれます。
皆さんご存知のことですが、レントゲンでは主に骨と軟骨しか写りません。
つまり、レントゲンからは骨と軟骨の異常しか見つけられず、股関節痛の原因は骨と軟骨の変形だという診察結果しか導かれません。
骨と軟骨の変形が股関節痛の原因であれば、治療は「手術しかない」となってしまうのです。
骨と軟骨の変形が強度でも、痛みの無い人はいっぱいいるのに、おかしいと思いませんか?



私は股関節痛の原因は主に2つだと考えています。
 1、股関節の炎症
 2、股関節周囲の筋肉の痛み(炎症による痛みではありません)

そのわけは徐々に説明しますが、ここでは私がそのように考えているということだけ覚えておいてください。
 ここに挙げた股関節の炎症や筋肉の痛みはレントゲンには写りません。
触診をしないと見つけられない症状です。
もしも、病院で先生が椅子から立とうともせず、レントゲンだけで診察をしているようなら、その診察法は間違っています。
そして、その後に続く説明も、根拠が無くあくまでも想像で話しているということになります。
ここで言う触診とは、股関節の動きを測ったり、足の太さを測るということではありません。



触診のポイント
1、股関節を触ったか。
2、皆さんが実際に痛い場所を触ったか。
触診のポイントは上記の2点です。

後で詳しく説明しますが、皆さんは自分の股関節の正確な位置がわかりますか?
股関節を触診してもらったことがありますか?
皆さんが実際に痛い場所を触診してもらったことがありますか?

触診は診察の基本であり必要不可欠なものです。
触診を行う診察力の無い先生の説明を鵜呑みにしてはいけません。
皆さんの担当医が触診を行ってくれないようなら、触診を行ってくれるように訴えるか、堂々と他の病院に変えましょう!
皆さんの担当医がいくら有名な先生であっても、その先生は皆さんにとっての名医とは言えません。
そのような先生の診療を受けると心が傷つき疲れます。
心の傷や疲れは心身症という形で股関節の痛みにつながります。

そのような先生の、間違った診療による説明は鵜呑みにしないでくださいね。

変形性股関節症を怖がらないでね