新橋演舞場 6/14(土)
新派初体験っっ!!
団体客が沢山いるからかな。
のんびりゆっくりモードな客席。
もしや、これが新派の雰囲気なのかしらん。
婦系図(おんなけいず)
泉 鏡花/作
「波乃!」
WOOO!やっぱり大向こうがいるんだ。
いいねぇ。
早瀬主税(片岡仁左衛門)と
お蔦(波乃久里子)はラヴラヴ♪
お蔦がスっと主税の膝に手を置くと、
何気に主税が、その手に手を重ねる。
それだけで、2人の愛モードが
ビュンビュンこっちに飛んでくる。
♪ア~チ~チ~ア~チ~♪(by郷ひろみ)
QOO~
歌舞伎だろうが、新派だろうが
仁左衛門が醸し出す、その空気にクラクラ~。
恩師のお嬢さん(紅貴代)がやってくると、
身体を小さくして隠れるお蔦。
内緒の生活なんだね。
そのお嬢さんの縁談相手。
これがね~。この一家がね~。後々ね~。
恩師・酒井俊蔵(安井昌二)に
お蔦とのことがバレちゃった。
「女を捨てるか、俺を捨てるか」厳しい一言。
ところが、
この場面でプロンプが飛んで飛んで。
何度同じ台詞を後ろから言ってもらっても、
続けられない安井…。
その間、
水谷八重子&仁左衛門はオブシェのまま。
ついに違う台詞を言い出した…っぽかった。
だって、
話しが進んだら、その長台詞がまた出てきたもん。
アララ…。
とにもかくにも、主税はお蔦を捨てる!
なんでやねん。
元は芸者だから恩師に嫌われたってことなんだよね…。
それならなんとか、
彼女のステキさを見てもらったりしよ~!って
そんな努力は無いのかいな。
これが師弟というものなのかも。
しかし、この固い絆がよう判らん。
後で解明されるのかなー。
ある日たまたま、
スリの手助けをした形になっちゃった主税。
そいつが新聞沙汰になって退職ー。
湯島の境内で、そのスリにバッタリ会っちった。
主税も元はスリ!
でも恩師のおかげでまともな人間に!
その経緯を語る。
な~るほど。そういう深い繋がりだったのか。
実は、
主税はお蔦と2人でやって来てたのさ。
揃って外出っつうのが、めっちゃくちゃ嬉しいお蔦。
この後、悲劇の告白が待っているなんて、
思ってもいないよなぁ…。
お蔦が1人で、
不忍池の方に行ってくるって。
「でも、暗くて恐いから坂の上から見てて下さい」
そう言うんだよ。キャワイィ~♪
その坂は、女坂かな?
湯島天神には何度か行ったことがあるんだけど、
新派の記念碑が立ってるんだよね。
今度それ見たら、胸にこみあげるもんがありそう → 湯島天神
「切れるの別れるのって、そんな事は芸者の時に言うことよ。
今の私には死ねと言ってください」
来た~!これだ~!名台詞だ~。
初めてナマで聞いたよぉ。
もし私だったら本当に死んじゃうかも…。
でもね
「髪結いの仕事でもしようかしら…」
そう乾いた声で言ってんのよ。お蔦ったら。
健気じゃんかぁぁ。
「一緒に帰ろう」
「帰れるんですか」
「このまま八丁堀に行くつもりだったのか…。
我儘を言ってくれ」
「じゃあ、手を繋いで下さい」
ああ、手と手が…。
膝をついて崩れ落ちるお蔦。
咄嗟に抱きしめる主税ー。
ウエ~ン…。鼻水ズルズル~。
ちょっと歌舞伎の型っぽい所もあって、
サラ~リと物語が走らないって感じが、
新派の芝居なんだな。
初めて味わうよ、このテンポ。このムード。
何もかも失った主税は静岡に帰る。
密かに駅へ見送りに来るお蔦。
…でも、2人が再会。
という展開じゃぁないんだな。
恩師の娘・妙子を、
いやらし~い婚約者から、
身体を張って守り抜く。
そんなお蔦の心意気にジ~ン…。
主税が静岡で、
ドイツ語塾を始めたんだって。
何やってる人かと思ってたら、
そ~だったっすか。ドイツ語学者ね。
半年後ー
髪結いの家で暮らすお蔦は
ヨロヨロのボロボロ…。
グワ~。おもいっきり病人じゃんかぁ。
妙子がお見舞いに来たら
お蔦の芸者仲間・小芳(水谷八重子)が動揺。
実は、妙子の本当の母親だった。
日陰に生きる女の悲しみを、しみじみ語る2人。
でもジメっとしてないのよねぇ。
突き抜けた感じがイイなぁ。
着物姿もピッタリ馴染んでるし、
その時代の空気も纏ってる感じ。
こういう雰囲気は、新派でしか出ないのかも。
静岡では、
妙子の婚約者の高慢ちきな一家を、
ケチョンケチョンにやっつけた主税。
不倫をばらしてやったら、もう大変なのさ。
そんな時、一通の電報が
「ツタ キトク スグカエレ」
息も絶え々のお蔦ー。
「俺を早瀬だと思って何でも言ってくれ」
恩師酒井はそう叫ぶ!
くっそ~!何もかもお前のせいじゃんか!
ってな事は思ってないんだな、お蔦は…。
「(先生が)会ってもイイって言ったわ」
お蔦の首がガクンと…。
トントントンッッ
階段を荒々しく上る音。
「お蔦!」
ウヲォォォ~ン。
泣くぅ泣くぅ泣いちったよぉぉお。
胸が痛いよぉぉお。
師匠の一言を裏切ることなど、
思いもしなかったこの2人。
清く正しく美しくなのだぁああ。
主税はこの後も、
歯を食いしばって生きていくんだろうな…。
小唄・長唄・清元・義太夫
情景描写をしっとりと聞かせてくれた。
新派とは旧派(歌舞伎)に対する言葉で、
明治に生まれた新演劇。今年で120年。
これで、”新国劇”も健在だったら
日本の演劇界ってすっげぇ面白かったのに。
残念…。
それにしても、
泉鏡花ってキャパシティが広い。
『天守物語』とか、『夜叉ヶ池』『海神別荘』
おどろおどろチックなあっち系作家かとおもいきや、
『歌行燈』『日本橋』『滝の白糸』だもんね。
「歌行燈」の映画は忘れられないよ。
花柳章太郎・山田五十鈴(1943年/成瀬巳喜男監督)
「日本橋」は、玉三郎のを歌舞伎chで観たことが。
ストーリーは記憶に無いけど(コラコラ)
「滝の白糸」観てみたいなぁ。…仁左衛門が出れば(おいおい)
休日だったけど、2階の脇席が空いてた…。
満員御礼って難しいんだな。
篠山紀信を2階のロビーで観掛けて
「安蘭けいの”和楽”撮影秘話」
おもわず聞いてみたくなったじぇ。(アホか)
そういえば、
仁左衛門って歌舞伎座と掛け持ちなんだね!
演舞場から歩くのか、走るのか…(遭遇してみたい)
夜は、花子にデレデレしちゃって、
山の神に叱られるんだな(by身替座禅)ハハハ
観に行かないけど…(ごめんね松嶋屋)
こちらもどうぞ → 名台詞の紹介 記者発表会
6/6~29 新橋演舞場
新派公演 婦系図 鹿鳴館
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