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元禄15年3月上巳節句のころー
甲府侯徳川綱豊の浜手屋敷
今日は年に1度の「お浜遊び」
『御浜御殿』は単発でよく上演されてるねん。
私的一等賞は、
仁左衛門・段四郎・孝太郎・宗十郎チーム(2000年10月)
さて、今回は…。
原作読んでビックリさ。
もっと「お遊び」してるんだな~。楽しそうだな~。
お喜世と助右衛門も、揉めてたんだ!
戯曲を読んでるだけでもオモシロイ!ホクホク
『御浜御殿綱豊卿』
第二幕 御浜御殿松の茶屋
殿のお気に入りお喜世(扇雀)、
上臈浦尾(歌江)に詰め寄られてる。
イヨッ!成駒屋~!
ネチネチといじめてるヨ~。渋い~
ジャガジャン!そこへ現れたのは!
正義の味方江島(魁春)でございま~す(サザエさんか)
”江島”といえば”生島”~。
あの、大奥始まって以来のスキャンダル
『絵島生島』12月OA!
生島役は片岡孝夫(現:仁左衛門)だ~ッ!
って、話しはこっちに置いといて…。
江島vs浦尾
トゲのある言葉の応酬だ~!女の戦いだ~!
お喜世が持っていたのは”お手紙”
「浅野家再興のお願い」
ヤヤ!ここにも!
そ~です!第2部のキーワードはこれっ!
ほろ酔いのお殿様、綱豊(梅玉)登場~!
チビッコ伊勢詣りが、ツカツカやってきて
「お伊勢さまの抜け参りでございます。どうか一文の御報~謝~」
「梅丸っ!」
3階後列のおばちゃんがッ!ビシッと!
QOO~カッチョイイ~
「銭を持って見たことがない」
そういう綱豊に、驚いてみせて
「ええ!一文も持たぬ旅の衆か。よくそれで道中がなるものじゃ」
愉快そうに笑う綱豊。
1度でいいから、チビッコ役演ってみたい~!
儚い夢…
お喜世の兄が、今日のゴージャスな遊びを
”お隙見”したい。
この申し出にも笑ってOK!
その兄が、赤穂浪士と知って、
「彼らも、去年このかたの心労じゃ。
心ゆくまでトックリと、上野介の面体をー
いや、女どもの戯れ遊びを、ゆっくり見物するがよいと、
わしの言葉を伝えておけ。」
第三幕 御浜御殿綱豊卿御座の間
儒学の師匠・新井勘解由(我當)に
相談しましょ~そうしましょ~。
京都御所でも、去年のあの事件を、
快く思っていないという事を知る綱豊。
そ~なのよ。ってお客さんも知っている!
第一部( 「第二の使者」 )で、そう言ってたもん
でもって、
大石一族と関白殿下とは、切ってもきれぬ縁あり!
譜代の御被官同様と言ってもよいほどの身!
ウピョ~!
近衛家からの「召抱えたい」って希望を
内蔵助がズ~ッと辞退してるんだってっっ。
勘解由も、色んな所で評判を聞いてるんだってっっ。
大石内蔵助は器量人だってっっ。
お喜世は浅野家に仕えてたでしょ、
勘解由の母も、奉公してたらしい。
今日は赤穂浪士の助右衛門も来てるし…。
上杉&吉良なんかも今夜は来るしな~。
”浅野家”に縁の者が引き寄せられる、磁場が!(あるのか)
浅野家再興を将軍家にお願いする。
そんなこたぁ、綱豊にとっては、なんちゃない事。
でも、そうしたくないんだなぁ…。
綱豊 「勘解由、討たせたいのう。」
勘解由 「は、は。」
ああ…私の瞳はウルルンルン
同 入側お廊下
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン。
お喜世の兄・富森助右衛門(翫雀)。
無理に引っ張られて、屋敷の奥へ~奥へ~
ついに、殿様とご対~面~。
同 元の御座の間
綱豊の聞きたいことは、世間の皆が聞きたいこと。
「大石はどーした。仇討はしないのか」
あの手この手を使って、助右衛門の口を割らせたい!
桶の比喩出して、はぐらかし、セセラ笑って横向く助右衛門。
綱豊だってガンバルぞ~!
「助右衛門、まだわからぬか、俺を見よ。俺の眼を見よ。
俺は、あッぱれ我が国の義士として、そちたちを信じたいのだ。」
嗚呼、この台詞が大好き~~
そうなのよね、悩んでいるのよ御殿様は。
…助右衛門!心乱れながらも反撃だっ。
「あなた様には、六代の征夷大将軍の職をお望みゆえ、
それでわざと世を欺いて、
作り阿呆の真似をあそばすのでござりまするか!」
ウグググ~。顔面蒼白な綱豊
フフ~ン。ここにもまた、
世を忍ぶ仮の姿で日々を生きている、武士がいるのだ…。
自分に矛先を向けられて、初めて判る、彼方の人の胸の内…。
実は、義理に絡んで、
”浅野家再興”をプッシュするかもしれないのだ。
キョエェェェ!
寝耳に水の言葉に、
今度は助右衛門が顔面蒼白。
そうなっちゃったら、仇討ちは…。
思わず閾(しきい)を越えて「殿さま…」
綱豊の眼と、助右衛門の見上げる眼と、四ツの眼、しばらく動かず
笑顔で去ってゆく綱豊。
あとに残った、お喜世は泣いてる…。
助右衛門も泣いてる…。
「吉良さまのお越しにござりまする」
突然!聞こえて来た声。
廊下を歩く吉良の姿っ!
チェ~!松の廊下の時と同じだ。顔が見えない~。
助右衛門!心を決めたよ!
そうして、お喜世も…。
同 御能舞台の背面
今宵の能は「望月」も後半部分に差し掛かり、
楽屋から、顔を覆ったシテが出てくる。
潜んでいた助右衛門の槍がっっ!
かわすシテの男っっ。
やがて、その面が外れて「無礼者!」
なんと!吉良だと思ったその人は、綱豊~!
ゴマ塩まじりの汚い白髪首など、斬ったところで何になる、
そなえたところで何になる。
まこと義人の復讐とは、吉良の身に迫るまでに、
汝らの本分をつくし、至誠を致すことが、
真に立派な復讐といい得るのだ。
助右衛門は平伏して大泣きだぁぁぁ。
場内大拍手~~~!!
内蔵助~!ここに、貴方の心の理解者がいますヨ~
颯爽と舞台に出て行く綱豊。
桜は、ただジっと佇んでいる。今日も綺麗だ…。
”新歌舞伎の永遠の貴公子”梅玉様~
台詞のひとつひとつが、宝石を散りばめたよう。
翫雀も彩りをキレイに添えたね。
嗚呼、大好きな『頼朝の死』(by真山青果)
リクエストするヨ~梅玉様~
つづく → 南部坂雪の別れ
11/3~26 国立劇場
元禄忠臣蔵 第2部
「伏見撞木町」 「御浜御殿綱豊卿」 「南部坂雪の別れ」
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