アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

菊五郎劇団

2005年12月28日 | 歌舞伎

<訃報> 尾上松助さん59歳=歌舞伎俳優
早すぎる~!!!
私の心に穴がポッカリ…
菊五郎劇団にもポッカリ…
脇の俳優陣にもポッカリ…
歌舞伎界にもポッカリ…
11月公演が最期になるとは…。
いつか元気に戻ってきてくれると思ってたのに…合掌。

噂音菊柳澤騒動(かねてきくやなぎさわそうどう)
2004年11月 国立劇場

本名題は、5文字か7文字と決まっているそう。
さすが河竹黙阿弥、シャレッ気たっぷり。
”音”と”菊”が入っているんだから、
今月の出演は“音羽屋”の”尾上菊五郎”

初演は『江戸』ではありません、明治8年。『東京』中村座。
時代の波にアップアップで演劇界は低迷。
そんな中、67日間の大ヒットを飛ばした作品。
それが、101年ぶりに蘇りました。

五代将軍綱吉の寵愛厚い柳澤弥太郎(菊五郎)は、
歌詠みの才能を認められドンドン出世。
今は、出羽守を名乗っている。

臣下たちが、将軍を自宅に招いての“お楽しみ会”。
柳澤は、お家を廓に模様替え。
それだけじゃぁ芸がないので、家臣達が役作り。
やってきた綱吉(菊之助)は御満悦。

ささ、奥座敷へ。
なんとそこは揚屋にクリソツ~。
局が茶屋女房で、腰元は茶屋女。
柳澤は幇間姿でお出まし。さあ芸を一発。

♪オーレ オーレ マツケンサンバッッ♪
目の前で繰りひろげられているのは、
今や日本国中が知っているあの「マツケンサンバⅡ」
サンバのリズムを和楽器で!
客席の笑いは雪だるま式に膨らんでゆく!

将軍に茶屋遊びも仕込んであげます。
茶屋女房と、客に扮した家臣がお手本をしめして、
さぁリピートアフタァミー。
やがて将軍と柳澤の妻(時蔵)がイイ仲に…。
ここは遊郭。だから締めは花魁道中。

さて、同じような男女の関係は町人社会でも。
この作品、武家と町人。
2つの世界を行ったり来たり。
出演者が、何役もこなして忙しい。
役者も大変だろうけど、お客もこりゃまた大変。

遂に将軍は、隠し子の世継ぎ計画を御台所に発表。
”天下の乱れ”と御台所は猛反対。
しかしこの戦い、言葉だけでは終わらなかった。

BGMは稲光っ。
「上様、御免!!」
将軍、思わぬ反撃を受けてバッサリー。
哀れ、女子の手にかかって死ぬのでありました。
「次の将軍は綱豊ヨ!」
宣言した者勝ちなのだ。妻は策士であった。

町人社会でも跡目争いを巡ってひと騒動。
でもラストは大団円でめでたし。めでたし。
「ロード・オブ・ザ・リング」も真っ青の大長編。
江戸時代の人は、自分の世界とダブらせて、楽しかったでありましょう。
でも、『補綴』のおかげで、現代人も大満足。
    
今年は話題を振りまくった『NINAGAWA十二夜』&『児雷也豪傑譚話』 
なんでも冒険してくれる菊五郎劇団。
来年はしょっぱなから国立劇場!お正月にTVでも観れる!

1/3(火) BS2 12:15~16:00
    初春・お茶の間招待席 「通し狂言 曽我梅菊念力弦」
 

今年は色々な方と、ここで出逢えてホントーに楽しかったです。
それでは皆様良いお年をお迎え下さい。チッチキチ~(by大木こだまひびき)

 


海神別荘

2005年12月27日 | 演劇

伝統の現在NEXT2 『海神別荘 ~夢幻能形式による鏡花Ⅱ~』
2005年12月21日~24日 紀伊国屋ホール

そこにチラシと同じ世界があった…
海底の琅玗(ろうかん/半透明で暗緑色・青碧色の美しい宝石)殿 

ノンストップの1時間30分。
”能”役者(シテ方観世流・味方玄)の大きな存在感に、
飲み込まれない技量があるのは、
さすが”狂言”師(大蔵流・茂山逸平。和泉流・石田幸雄)。
この2つの調和で、完璧な世界を構築することに成功!

4人のコロスを花組芝居の俳優達が担当。
ちょっと心配したけど…ごめんなさい。そりゃ御無用~だ~ね~。
こちらもさすが”ネオ歌舞伎”
紅花と松葉。左右異なる色の裃を着け、
きりきりしゃんと様々な情景を体現しちゃう。
小道具も時として白い扇だったり!あっぱれじゃ!
衣装は加納幸和!ますますあっぱれ!

ビンテージワインにスパークリングワインの
爽やかさを加味することに大成功ー!(飲んだらどんな味かいなぁ~)

おっと、どんな物語か。ね。泉鏡花の『海神別荘』でございます。
原作には無いオープニング。
とある海岸で、旅の美学生が老人から「村の娘が海底にさらわれた話」を聞く。
この学生、京都から来たー。言うて関西弁。
のっけから茂山逸平色出しますな~。
老人は、「貧乏になってもいいから娘を返して欲しい…。イイヤ、貧しい暮らしはいやだ!」
海に向かって悲痛な言葉を投げかけている…。

海底に住む海神の公子が、美しい人間の娘を見初め、
父親は、これでもか~ッ!っつーありとあらゆる財宝と引き換えに、
娘を海底に沈めるんだなー。
いや、結婚するんだから嫁がせるんだわさ。

僧都 「あれの父親は白砂に領伏(ひれふ)し、波の裾を吸いました。
    あわれ竜神、一命も捧げ奉ると、
    御恩のほど有難ふがりましたのでござります。」
公子 「(微笑す)親仁の命などは御免だな。そんな魂を引取ると、
    海月(くらげ)が殖(ふ)えて、迷惑をするよ。」
侍女 「あんな事をおっしゃいます」
  一同笑う。

公子役は逸平。今度はきちんと標準語。髪もビシッと決めて金粉振ってんのね。
貴公子然とした態度ヨ!
逸平君、大人になったねぇ。喜ぶ母の心境…あ、姉(ってことにしてくれ~)
なんだかジ~ン…。

暗黒の中、波の音…、生演奏は能管。
録音でしっとりとしたピアノや弦楽器(byバルトークなど)。
和と洋がつかず離れず。

美女の道中の様子を見る公子。
こっからサブタイトルどおり『夢幻能形式』!!

今まで能面は無表情にしか見えなかったけど、ウワッッ~。
彼女の悲しみと不安がバリバリ出てるヨ。
こんなに近距離で観るの初めてだから、そう感じるのかな。

美女 「でも、貴方、雲が見えます、雪のような、空が見えます、
     瑠璃色の。そして、真白な絹糸のような光が射します。
女房 「その雲は波、空は水。一輪の月と見えますのは、
     これから貴方がお出遊ばす、海の御殿でございます。
     あれへ、お迎え申すので。」
美女 「そして、参って、私の身体は、どうなるのでございましょうねえ。」
女房 「ほほほ、(笑う)何事も申しますまい。ただお嬉しい事なのです。
     おめでとう存じます。」
美女 「あの、捨小舟に流されて、海の贄に取られて行く、あの、(眗/みまわす)
     これが、嬉しい事なのでしょうか。めでたい事なのでしょうかねえ。」

海の中は美しいばかりではなく、黒鰐、赤鮫、
そして腥(なまぐさ)い香をはなちながら、人間の魂が!
これが海月なんだって!フワフワァ~
そいつらが襲ってこようとする。
深海は暗いー。音もないー。冷たくてー淋しそー。

海の底で待っていたのは鎧姿の公子。
驚きはしたものの気丈夫な美女を、
公子はおおいに気に入って酒を勧めちゃう。
2人の距離は急速に接近~。
死んではいない、この姿を、一目父親に見せたいと言い出した美女。

公子 「人は自己、自分で満足せねばならん。
     人に価値をつけさせて、それに従うできものじゃない。(近寄る)
     人は自分で活きれば可い、生命を保てば可い。
     しかも愛するものとともに活きれば、少しも不足はなかろうと思う。
     宝玉とてもその通り、手箱にこそ蔵すれば、
     宝玉そのものだけの価値を保つ。
     人に与うる時、十倍の光を放つ。ただ、人に見せびらかす時、
     その艶は黒くなし、その質は醜くなる。」

ひるまない美女はとうとう故郷へ…。
でも公子の言ったとおり、人間に美女の姿は怖ろしいヘビにしか見えず、泣き伏す。
一方、美女に失望した公子は、彼女を殺そうとする…。

ラストは舞台中央に扇が重なり合う。
そこにピンスポが当ってEND。(幕ないんで)

おったまゲッゲッげげげのゲーッッ!!
”幽玄”と泉鏡花&演出の加納幸和をシャッフルしたら、こうなるんだ!
eプラスで割引発見したときゃ、
こんな組み合わせだと人目惹かないんだ…。
ちょっとヘコんだんだけど。
そのおかげでチケット買った人が沢山いれば嬉しいなー。

アンコールで、美女に公子がそ~っと寄り添って退場。
現実は面で前が見難いからサポート。ってことかも…。
でも、それこそが物語りの真の終わりを告げているようで、
人間と、人間でないものを超越した2つの姿が、美しくて♪ボクは泣いちっち~♪

玉三郎が描いたゴージャスな世界(いつだったか日生劇場で)と、
対極にある”清閑の地”を築くには、紀伊国屋ホールの空間がちょーどイイ。

劇場入り口に佇んでた加納幸和~。
花組芝居とは毛色の変わった、
こんなグッとくるもん観せられちゃったら、『真夏の夜の夢』(2006年3月)
気になってくるでしょー。もー。

伝統の現在NEXT3 2006年8月10日~13日 紀伊国屋サザンシアター


 


スーパー喜劇 狸御殿

2005年12月26日 | 演劇

この冬一番の寒気が私めがけて~!
北風ピープー、どころじゃねぇ木枯らしパープー!!
落ち葉の大群がグルグル渦巻く、ここは銀座~。
イタッッッ!葉っぱが鼻に直撃~!
クッソ~何なんだよォ~ォ~。
おっとおっとおっとっと~。新橋演舞場は別世界ー。

白馬に乗った右近がパッカパッカ登場。
森の中で何者かに手傷を負わされた。

あ~ど~でもいいから早く狸の御殿出して~。
月夜の下でポンポコポンポコおムコさん選びするんでしょ。
何で知ってんのかしらん?初めて観るのに…。
クフフ。だって~”狸御殿”って、映画で見たもん。
市川雷蔵とか美空ひばりもやってるもん。
お~そう言えば、今年鈴木清順監督で、
チャン・ツィーで上映したんだねぇ(見てないけど)
宝塚OGの”狸御殿シリーズ”も観てっからヨ。
んだで、知っとるのヨ~。
ヅカOG来年もやってくれるヨ!
 東京公演 2006年4月19日~30日 新宿コマ
 『桜合戦狸囃子』『ショー・イズ・オン '06』

グハハ~!!出たっ出たっ出たっ待ってましたっ満月祭っっ!!
オープニングから、まさにヅカっっ!
階段のセットもミニコマ劇場なんだも~ん。
OH!DJつきだ~。ヅカよりパワフル~。
♪狸御殿っ!狸御殿っっフォーッッ♪
踊ッてるわ~。歌ッてるわ~。ああ、ダンサーズで出たいわ~。
♪狸のきぬた上から読んでも下から読んでもタヌキノキヌタ♪
キャ~ッッ!!きぬた姫は藤山直美よ~。
歌ってるわ~踊ってるわ~!!

♪ギンギラギンにさりげなく~♪
ベルト・ポーチ・ハートの絵柄・タヌキの家紋のその衣装っ!
その質感っ。たまらな~い。
この金のかけどころがナイスっ。
ワダエミもビックリ~(笑)。綺羅綺羅キララ~。

金井勇一郎のセットは、ビーンズを散りばめたみたい。
なんだか『まんが日本むかしばなし』でも、こんなの見たヨ。
「金井らしくないセット作り」だったんだト。
ホホホ。意表をつくってイイですねぇ。

殿様は小島秀哉~。松竹新喜劇には欠かせませんっ!
家老は小島慶四郎~!!この人だって欠かせませんっ!
思わず大拍手~っ!!ヤンヤヤンヤ!

「本当に好きな人とじゃなきゃ結婚しないっ!」
ワ~ンワン泣いちゃう姫。
そんな、きぬた姫の心をトロかしたのが、森の中で負傷した織部という男!
ああ運命の出逢い~!

右近の顔見てニヤリッと笑う直美。
グワッハッ。直美喜劇のお約束!

織部療養中、療養中、療養中。
かなりイイム~ドの2人。
♪夢見るちから~夢はいつか叶う~♪(猿之助の作詞か!?)
直美&右近、演歌調デュエット!ハマリそ~。
右近!段治郎がいないとカッチョよく見えるゾッ!
”人間と狸”なのに、このままゴールインか!?と思いきや…

禁断の愛は、呆気なく終焉へ…。
なんと!織部の記憶を一切消してしまったのだぁ。
「ペイチェック・消された記憶」か!?
そんなカッチョイイもんなのか!?

「いやよぉぉぉぉどこまでも追いかけるわぁぁぁ」
「姫ぇぇぇお待ちくだされぇぇぇ」
国へ帰った織部を追いかけ、乞食同然の姿となった姫と奴(猿弥)。
織部の幼馴染(春猿)に助けられたよ。
きぬた姫はその女性を見てビックリ~。
「なんて美しいぃ」とあの手この手で春猿ちゃんを…笑わせる!!
春猿「この屋敷で働きたいのね」
笑いながら直美ちゃんを突き飛ばし、ついに袖で涙を拭く始末~。
出たよ~。これぞ新喜劇っ。
お客さんだけじゃない、舞台の上の役者をも笑らせる~。
イイゾ~直美~!!

雑用係りとして屋敷に潜入した直美ちゃん!
いじめられている恩人春猿ちゃんを助けようとするのですが、
♪怪しいヤツは草履打ち♪
6人に責められるっっ!
さぁ小太刀で決着つけるぞよっっ!
え?どっかで…そーよ、これは『加賀見山旧錦絵 』のパロディ。

織部の母は最近様子が変。実は九尾の狐にとりつかれていたの!
OH~!ナマ”藤間紫”お初でございます~。
舞う美しさ~圧巻。お幾つでしょう~。82歳くらい?
年下を旦那に持つと若さを保てるのであろーか(笑)

藤間紫のイチの子分が門之助っ!
一応女方演ってんだけど、声は男から女まで自由自在っ。
頭に力紙っていう白い紙付けて、それが耳になってるのね。
お狐さまなのねぇ。
さぁ直美ちゃんの笑いの餌食になったのがその門ちゃんっ!
鼻にターゲットを絞られて「象印か~」「ポットやね」
と笑いの機関銃を連発っっ。
門ちゃん笑いが止まらない~。
厳しいはずのお狐連も、顔を俯かせてクッククック~♪
親分狐の藤間紫も負けてないっ!
ナナナント自ら門ちゃんのお鼻いじめに走った~。
舞台上の役者全員が身をよじらせているのでした。

右近と、直美&猿弥のトリオは、
九尾の狐退治方法をレクチャーしてもらおうと
同じ狐仲間の”白狐”のところへ。
出た~。澤瀉屋が誇る女方・笑也~。
直美に言われるばかりじゃぁない。笑也もギャグ連発っっ!!
美川憲一モノマネもやっちゃう。

あ~ララ、きぬた姫、白狐さまを怒らせちゃって、
「深草の御剱」っつうのを貰い損なった~。
こんなストーリーあり~??
結構奇想天外だよ~。普通は剣貰うじゃん。
んで退治して…って繋がるじゃん。
ブハ~。ヅカの”狸御殿”モノよりしっかり出来てる~。

おちぶれトリオは、ヨタヨタと流浪の旅。
右近 「ど~して俺は台車に乗ってるんだ」
直美「1度照手姫を演ってみたかったんです。
    あら、こんな所にチラシが!
    来年3月の国立劇場で『小栗判官』!」
右近 「宣伝ありがとうございますー」

そうして、トホホの長屋住まいなトリオ。
右近のあんまりなワガママぶりに
遂に猿弥がブチッッ切れッッ。
「姫がケガの介抱をしてやったのにィ~!」
しょーげきの事実が今明かされたー。

そこへ妙ちくりんな旅の一座が…。
ウワァ~殿さんと家老と乳母だ~。
きぬた姫と再会!でも殿さんはカンカン~。
「人間のためにお前が何でそんなことまでするんや!」
アッ言っときますが、新喜劇メンバーは皆関西弁です。
関西の狸でんねん。
「お父上は織部様のように私を幸せには出来ないんです」

客席からシクシク聞こえます。ハンカチが揺れてます…。
藤山寛美そっくりな直美ちゃん、ビューティーキャラじゃないヨ。
そんな女の”つくす愛”…。ジ~ンとくるくるぅ~。
これやでー!松竹新喜劇!
さっきまで大口開けてガハガハー。いつの間にか、涙ポロポロー。

「人間も狸もない。きぬた、一緒に闘ってくれ」
右近ったら、それ殺し文句だぁ。直美ちゃんヘロヘロだぁ。

狐色に染まっっちゃった織部の屋敷を奪還せよ!
でも、なんたらっつう御剱が無いんだから、やられっぱなしだ~な~。
ああ~神様~(それは吉本新喜劇)
白狐再び登場~!スッポンから~!お土産は御剱!
これで百人力だッッ!!

立ち廻りは、そ~『スーパー歌舞伎』っっ!!
決して澤瀉屋贔屓じゃない!この私が!
ハマリにハマッテしまった、今年の『ヤマトタケル』
再演があるって思い込んでたんだけど…なかなか…。
猿之助の自由がきかなくなった途端、澤瀉屋の自由もなくなったのねぇ。
と淋しく思っておりました。
やっぱり来てよかった!こんな所で楽しめるとは~。幸せ。

”音楽”ねぇ~、わざと『ヤマトタケル』っぽくやってない?
『スーパー』だけに、もじってるでしょー!?

女優の意地(たぬきさんチーム)~!女方の意地(きつねさんチーム)~!
侍女達の強~烈なバトルは”スーパー喜劇”でしか観られないッ。

狐退治完了!これで1件コンプリート。(by特捜戦隊デカレンジャー)
めでたし、めでたし。…ってちっが~う!
きぬた姫ったら「あんまり近くにい過ぎて気ぃつけへんことありますよね」
右近と春猿を結びつけるのでありました。

3階から2つの滑車が降りて行きますよ~。
さぁ!ふるさと目指してレッツゴー!
直美ちゃんと猿弥のW宙乗りっっ!!
ヒァァァ~!!直美ちゃん、高い所好きなんかい?
グォングォン上下に体揺らすんだもんー。
胃がひっくり返らないのか~。
ニッコニコでキュートだゾ~。直美ちゃん愛してる~!

狸の国へ帰って、殿さんの2号さんを正妻にしてあげたきぬた姫。
新しく弟も出来て、めでたし、めでたし。
そ~れ~
祭り(姫のムコ選びなんだけど。クフっ)じゃお囃子じゃ踊れや歌えやー!!

直美がピン芸人になってない所がよかった~。
きっちり歌舞伎の人と分けあってるんだ。
スーパー歌舞伎+(藤間紫)+松竹新喜劇=『スーパー喜劇』
魂入ったで~っっ!!

アア、スーパー喜劇~!!ハフハフ~。
楽日はきっとギャグてんこ盛りで楽しいだろーなー。行きたい、行きたい、行きたい、
行ってきました~!!

静かだった右近が大変身!
笑也はクリスマスにかこつけバージョンアップ!
いじられキャラの門之助も逆襲~!
春猿は、直美ちゃんの特別メイク&ほふく前進&股広げ&
♪これでも今年で42歳~♪って歌に
「本当に不憫になってきました」と笑い転げ、
猿弥は、
お口にチュ~されちゃって放心~。
ラストは、決めるぜ直美ちゃん。
「猿之助さんありがとーございました!!!」
(猿之助がエグゼクティブ・プロデューサーなのさ)
客電点いてんのに手拍子鳴り止まず、ドン帳アップー!!

劇場横で、藤浪小道具の軽トラ発見っ。
バラシするんやなー。
1つの公演が終わったことを実感…。

楽しくって、泣かされて、感動して、ほんで疲れない!
これ、師走恒例上演を切望するっ。
『スーパー喜劇・狸シリーズ』ええやんっっ。
来年も顔の皺をクシャクシャに伸び縮みさせたいっっ!ハハハ~。


封印切

2005年12月22日 | 歌舞伎

恋飛脚大和往来/封印切

2001年11月 歌舞伎座
2005年12月 歌舞伎チャンネル

原作は近松門左衛門の人形浄瑠璃。
それを改作して歌舞伎に仕上げたのが、この「恋飛脚大和往来」
近松は物語性を重視していますが、
こちら「封印切」では、忠兵衛が善人なのに対して、八右衛門は完璧な悪人。
文学性、芸術性は低くなるが観ていて面白い作品となっている。
(イヤホンガイドより)

WOOOOOーーー!!!
ああ嬉しや。やれ嬉しや。やややややや。

善人・忠兵衛は鴈治郎(現:坂田藤十郎)
悪人・八右衛門は急病の富十郎に替わって仁左衛門!!
やんや!!やんや!!

鴈治郎は”花道の出”からしてまさに上方!!

こんな味誰にも出されへんわっっっ
息子の扇雀が「父と比べないで下さい」と言ってたけど
比べるランクまできてないっちゅうの。

10日もご無沙汰している遊女・梅川の処へ
フラ~っと来ちゃった忠兵衛

「あかんあかん。大事の金があるんや」(懐に手をあて)
…花道をちょっと戻り…振り返って「でもちょっとだけ会うてこよ~」

格子から手だけだして「おえんさん。おえ~んさん」

振り向くおえん「なんや!びっくりした!誰かと思たら忠さん」

ムムム…おえん役は田之助であった。
上方人ではなかった…。嗚呼片岡秀太郎ー!!

先月の『吉田屋』あの「上方芝居」を思い出した。
松嶋屋三兄弟の!上方和事!完璧!!な!あの!
いくら関西弁を喋っていても、「テンポ」「間」「空気」がちゃいまんねやわ。
こんなこと同郷人じゃないと判らないことは100も承知。
でも、観てて気持ち悪いんや~。

別室で忠兵衛と梅川の逢い引きをセッティングするおえん。
「じゃらじゃらじゃらじゃら言うてんと。どうならどう。こうならこうと早してや」
秀ちゃんのおえんは良かったな~。(1999・4)しみじみ。

梅川は時蔵。
ええ味出してるで。萬屋。
福ちゃん…。周り見た方が良いよ~。

忠兵衛が2階に上がった所へ、花道からッッ!!
悪の華!はッちえもん登-場-!!やんや!!やんや!!

仁左衛門のメイクが面白かったゼ。
目元・眉元が薄墨のような黒で”和事の悪”を醸し出します。

づかづかと店に上がり込み
「ほ~ら、梅川の身請けの金250両や」
と大金をほおり投げる。嫌な奴。はっちえもんっ。

おえんに「そうすかんのはっつぁん。ゲジゲジのはっつぁんに比べて
この店のもんは台所の鼠までチュウチュウ言うて忠さんが好きなんや」

悪口言われても平気な八右衛門。

「梅川も聞いときや」
と忠兵衛の悪口を、あることないこと喋りまくるっっ。

二階の忠兵衛。たまらず階段を駆け下りる。

「あッ。…来てんたんかな。いるなら、いるって言うてくれんと。
わいは、お前がおれへんと思うさかい~」

あいたたた~。という仕種と表情の仁左衛門。

無表情の鴈治郎。

あれだけ登場前に、さんざ言われてると
”いじめられている忠兵衛像”というものが、お客の中に刻み込まれ
舞台に出た時の忠兵衛に対する同情が、客にはたっぷりあるある。
そこで、あの、怒りに震えた表情の鴈治郎!

劇的効果とはこのこと!!まいりました~。

「金は返したやないか!ここに証文もちゃんとある!」
忠兵衛の言葉にホッとする梅川。

ややや。
台詞の無い役者がオブジェにはならずに反応しています!

「金の方が、<八右衛門さん><好きやで>って寄ってくるんや~
忠兵衛。お前はどうや~」
「俺かて金くらい持ってるわい」

身請けの金が用意出来ない忠兵衛は、八右衛門にいびられる。
悔しそうな顔をする梅川。

「お前の金は大和の金とちゃうか。本物か~?。どれくらい持ってるんや
ちょっと、拝ませてんか」
「大和の金もお前の金もおんなじ金や。よっしゃ。見せたる!」

忠兵衛が、そぉっとそぉっと懐から取り出す大金。
皮の袋をチラッと見せて、サッと隠すと

「何や??今のはほんまに金か??音聞かせてんか~
俺のはな。ほら。ええ音するやろ」

忠兵衛…。大切そうに皮袋から取り出し
コンコンコンと優しく叩いては、すぐ懐へ

そうしてクライマックスッッ!!
「その金はほんまにお前の金か?
金のあるのが俺の因果!!金の無いのがお前の因果!!
小判の姿を見せてみぃ!!」

頭真っ白状態の忠兵衛!…封印を!切る!!
「そ~れ100両ッ!200両!!250両!!」
バラバラと忠兵衛の手元から落ちていくお金…お金…お金…
この世の終わりを見るような表情の忠兵衛

つけ打ちの音。
見得を切る鴈治郎。
成駒屋ッッ。大向こうの声声声。

「ほんまに持ってたんかいな。…でもこの金は…」
触ろうとする八右衛門
必死に身体全体で金を隠す忠兵衛

さり気なく、破れた金の包の端を拾い上げ、
何気ない顔で仁左衛門

「総すかんのはっつぁん。ゲジゲジのはっつぁん。いなしてもらいまっさ!」

格子戸をガラガラと閉め、玄関先の明かりで包を確かめ!
はッ!と息をのむ!
花道から脱兎の如く退場する仁左衛門!!

松嶋屋ッッッッ!!!

やんや!やんや!良かったでぇ仁左衛門!!
「ニンにない役」なのかはたまた「線が細いのか」
強烈さはなかったけど、ええ味出してたでぇぇぇぇぇ

店の人々と梅川が喜ぶ中、ひとり虚脱状態の鴈治郎…。
忠兵衛の24歳の若さが裏目に…。
愛する女を取り合ったばっかりに…。

ここから悲劇がスピードアップするのよ!!
ワクワクしておりましたら…。

なななんと!
客がチラホラ帰り始めたッッ!!
それも、1階の前の方に座っている奴らがッッ。

オイッ。ちょっと待ったれよ!
ここから鴈治郎の名演技が観れるんやぞ!!

どーやッ!観たかッッ!
<上方和事>の真髄は<上方人>にしか出来んやろッ!
鼻高~になっていただけに…、その仕打ちはショックやわ~。

「もう良いわ。帰りましょ」
ラスト10分を観ずに帰る客がッ!1等席で!5、6人もッ!
阿呆~。大阪・京都ではこんな事絶対にないゾゾゾ!!
なんか…信じられない光景を目撃してしまった…。

話はつづく…

「西の門で待っているんやで…」と梅川を急かす忠兵衛
店の皆に「嬉し涙さま。嬉し涙さま」と囃されて
「嬉しいやら…悲しいやら…」と呟く梅川…。

後に残った忠兵衛は、おえんに金を渡し
「ねんごろに供養…」と言いかける…。

門口でおえん「忠さん。また近いうちに」
忠兵衛、花道で思い入れ…振り向いて
「…近いうち…」
…よたよたと歩き出す忠兵衛
…歩いては、立ち止まり…またよたよたと歩き出す…
柝の音と共に…去っていく忠兵衛…。

くううううううううううううう
花道の引っ込みを最後まで観れる。この幸せ!
思い入れたっぷりの鴈治郎の引っ込み!!
ラストシーンはこうだったのか!
3階席からは到底知れない!この!引っ込み!
ああ…涙…涙…。

仁左衛門と鴈治郎の台詞の応酬!!
漫才にも聞こえる話の中の<上方歌舞伎としてのテンポ>
これが、<確かな上方和事>の真骨頂~!!
とっても、とっても、すんばらしいじゃ~あ~りませんか!
毎日でも観たかった!!
役者交代というアクシデントがあって、暫くは凄い緊迫感があっただろ~な~。
でも、役者達は楽しんだことでしょう。

忠兵衛役は鴈治郎が当代一。
目の前!しかも1階!で観て、
「出」から「引っ込み」までぜ~んぶ目にしたおかげで、
バリバリ納得っっ。

この、昼の部上演の『封印切』の後が
当月夜の部に上演される『新口村』
これ観てから、夜も観る客の割合って、いったあいどれくらいなわけ?
松竹も変な商売ッ気出さずに、純粋に続けて上演すれば良いのに。
そうしたら作品の素晴らしさが判るのに。
松竹の大馬鹿もんっっっ!!!!

でも!私は!続けて!夜に部へ!!
突入する!!そんな!千秋楽であった!!

12月歌舞伎チャンネル
黒塚 二人道成寺 十二夜加賀鳶」「ぢいさんばあさん ほか                     


セパレート・テーブルズ

2005年12月21日 | 演劇

2005年12月15日~23日 スペース・ゼロ

テレンス・ラディカン(1911~77)
上流階級に生まれパブリックスクールからオックスフォード大学に進むが中退。
戯曲執筆に専念。数々のヒット作をとばし、映画化もされる。
(「旅路」「愛情は深い海の如く」「明日にむかって…」「5シリングの真実」)

この作家に惚れた演出家3人(坂手洋二・鈴木裕美・マキノノゾミ)が
1作品づつ上演する”ラディカンまつり”の3作目。
過去2作品のチケットを持っていると割引とな。ふむふむ。

19:00開演。
キョエェェ~!!上演時間3時間25分(休憩15分)-!!
なんでそんなに長丁場~?聞いてねぇよ~。
休日の昼に来りゃヨカッタ。
もっとお腹いっぱい食べときゃヨカッタ。
チョコレート饅頭持ってきてヨカッタ。

初日ゆえの満席でしょーか(後日eプラスで割引チケット発売…)
関係者らしき人多数。
トイレで松金よね子を見掛けた。とてもとても小さ~い人だったわ~。

第1幕
ホテルの食堂。
舞台奥から面に掛けて両サイドに張られた白いカーテン。
お雛様の段飾りのように、
両脇に置かれたテーブルと花。

滞在者達はいつもの席に座って、
接客態度の悪いウエイトレス達が食事を運ぶ。
長期の高齢者が多いのね。
イギリスではこんな形のものがあるんだねぇ。

そんな住人の中でも異色なのが、飲んだくれのジャーナリスト。
これが坂手洋二!演出だけやってんじゃないの~?

今日は新しい宿泊者がやってきた。
こんなホテルには場違いな程美しい女性。
でも理由ありっぽいんだな、これが。
その女性(神野三鈴:渚あきちゃんに声も雰囲気も似てる。胸キュン)は
なんと、ジャーナリストの別れた女房!
飲んだくれは今、ホテルの支配人ミス・クーパーとつきあってる!
ややや!三角関係ってやつヨ。

坂手洋二。
顔も渋いしスマートだから見てる分にはイイんだけど、
長セリフが多~くて多~くて。
声もイイんだけど、いかんせん俳優じゃない(んでしょ?)
もんだから辛くなってきたゾー。
熱エネルギーの放射量が少ないんだ。

階級や政治、この時代には欠かせない話題が出ても、
めちゃくちゃ退屈するわけじゃあない。
これは、戯曲に力があるのね。
だけど、舞台と客席は薄いベールで隔てられてる。
美しい陶器を眺めているだけ。触れそうで触れない。
もっと近づきたいのに。モドカシイ…。

嵐の晩、3人の様々な思いが交差する…。
でも、愛の懸橋になったのは、ミス・クーパー。
自分の想いよりも、
お互い愛し合ってることに気がついた、元夫婦の想いを大切にするんだ~。

愛する人といる時は女らしく。
お客と話す時はプロらしく。
そんなミス・クーパー役は久世星佳っっ!!
ノンちゃん観たさに来たのよ~。
シュッと伸びた手足。颯爽と歩く姿。
声のトーンも微妙に変えて、自立した女を演じてまっすっ。
潔く、慎ましく、カッチョよく、ってね。

そうして2人は、傷つけあいながらも寄り添って行くのでした。
めでたしめでたし。
ってどーにかこーにかオチつきました。
これ1時間45分~。フ~。

第2幕
お~っと。同じホテルの中の違う物語。なるほど。
こちらは、本職が舞台俳優の菅原大吉。
オープニングから右に左に大~忙し。
いや~。やっと空間が普通の演劇舞台に戻ったわ。
こっちは熱エネルギーの放射最大級!だかんね。

天海祐希が『阿修羅城の瞳』でセリ上がって来た時、
一瞬にして新橋演舞場を掌握したの思い出したわ~。
まさか、ゆりちゃんと菅原大吉が繋がるとは。ハハハ。

冬から夏へ。支配人ミス・クーパーの衣装も
緑を基調にしながら明るくなりました。

「美術家が、どうしても食堂のシーンはある程度、
抽象っぽいほうがいいと提案してきた。
(原作を)読み込んでいくと、テーブルの位置とかが
何かを象徴しているように描かれている。
俺(マキノ)は今回は、舞台美術家に1本取られたね」(パンフより)

舞台装置・照明・衣装。
シックな美しさが、物語の時代を何気なく感じさせてくれる。

ホテルに起こったセンセーショナルな事件。
少佐と名乗る男(菅原大吉)の軍歴偽装と、映画館での痴漢行為。
宿泊者のシロイ目を避けて、男は出て行こうとする。
ミス・クーパーは叱るでもなく、励ますでもなく、
「あなた本当にそれでいいの?」

苦悩する自称少佐に「笑っていられるのは何故?」と聞かれて
「苦しい恋もした。報われないけれど、その人の事は今も想っている」
あ~1幕での恋ね…。ジ~ン…。
「どーせなら笑って生きる方がいいでしょ」
微笑するミス・クーパー。

彼女はお月様なのね。
民家の軒先のクリスマスツリーが、チカチカと瞬く輝きを、
遠い空から照らしてる。

あのさ~、イ~イ話かもしんないけど、終演が22:25!
勘弁して欲しいなー。
開演時間に余裕持たせても、帰宅時間にヤキモキさせる位なら、
もっと早い時間に幕開けてよー。


柳家小三治

2005年12月20日 | 落語・講談・漫才

寒~っ!寒~っ!寒~っ!吉祥寺、寒~っ!
でも前進座劇場は、ほっかほか~。
超満員っっ。補助席出てますっっ。
埋めているのは、爺様&婆様。時々おじさん&おばさん。
ほんにのぉ、先日の本多劇場と違って、尖がってないよ皆さん。
フワ~っと笑いに来ました。って、顔がそう言ってます。
「私ここでは一番若いかもっっっ。ヒヒヒ」
「だから何?」友人に突っ込まれた~。

柳家 小たま   「平林」
柳家 喬之助   「寄合酒」
柳家 さん喬   「棒鱈」
  中入り
柳家 紫文    (粋曲)
柳家 小三治   「千早ふる」
     (
おはやし 長澤あや社中)

お待ちかね、柳家小三治登場!
ヤンヤヤンヤの拍手の中、ボ~ッと歩いて来てます。
のっそり座布団に座って、
お茶をすすって、
「ここで飲むなら楽屋で飲んでくりゃぁいいのに」
ワハハ。いつもの調子よ、その調子。

徒然なるままに…。
劇場をグル~ッと見渡して、「良いですね。この劇場」
「イチバン後ろの人の顔が見えるのがイイんです。
何話そうか、お客さんの顔見て決めるんでね…。」

「秋田県にある、何とか楽館」
すかさず客席から
「コウ!」
「そうそう、康楽館。イイですね」
「熊本県の…八千代座。あそこもイイです」
「四国の…愛媛県にもありますね。内子座。あそこもイイ」

「その点、歌舞伎をやってる何とかって劇場はね…。
駄目です。広過ぎます…。
あそこで落語やった噺家がいましたけどね…」
ワッハッハッハ~。大うけの場内~。

……。
間。と申しましょーか。
シ~ン…。
沈黙。と申しましょーか。
お客さんも心得てます。ジ~ッと気長に待ってます。

「この間、娘とイタリア旅行に行ったんですよ」
ブハハ。まだ、まくらなんだぁ。

なんと!小三治親子は空き巣に入られた!
それもセキュリティー万全のホテルで!
取られたのは、部屋の金庫に大~切に保管していた中から、
クレジットカード2枚と、財布の中の1万円札20枚。
パスポート・航空券・数枚のクレジットカード・千円札なんかは、
そのまんま残ってる。
だから、娘さんがきっちり確認しなければ、
のほほ~ん、と帰国してから大パニックが起こったはず!
ひぇぇぇぇ。かなりの知能犯ですよ~。
全部取るんじゃないんだもんなぁ。錯覚するわなぁ。
しかも、金庫だヨ。
他人が開けるなんて端っから想像しないっしょ。

警察を呼んで、てんやわんやの大騒ぎ~。
調べによると、3日前に盗まれてたんだってっっ!!
その日フロントに1本のTELが
「金庫の暗証番号を忘れて開けられない」
ホテル側は、疑うことなくオ~プン・ザ・ドア~。
チョチョイのチョイってなもんよ。
搭乗時刻ギリギリまで、警察署に拘束っ。
「滅多に経験できませんヨ。イタリアの警察に行くなんて」

遺産であるお城の中に警察署はあるそうな。
何も看板が無いから全然目立たない…。
壁に傷つけるなんて御法度!
だから、配線が床中うねってるんだってぇ。

「イタリアですからね。自分の他は全て犯罪者だと思えってね」
いつ?いつ落語に入るの???
ヘヘヘ。こりゃまたいつもの調子なんだけどね。
このまま”イタリア”について質疑応答して欲しぃ。
なんて名前のホテル?教えてー。

あ、落語始まりました。爆笑したよ。
しか~し、脳裏に残ってるのは”イタリア土産噺”であった。
ブハハハ~。

2005年12月11日(日) 昼席 前進座劇場


ヒカルヒト

2005年12月19日 | 演劇

演劇企画集団THE・ガジラ公演 
12月8日~12月15日 本多劇場
【作・演出】 鐘下辰男
【CAST】  市原悦子 / 木場勝己 / 下総源太朗 
       高田恵篤 / 小野健太郎(StudioLife) / 塩野谷正幸

「観客は演劇に笑いや娯楽を求める。
同時に、どう生きるべきかの答えも見つけようとする」
 (モスクワ・ワフタンゴフ劇場付属シューキン記念演劇大学長)

伝統芸能、お笑い、演劇 etc
どれだけ舞台観ても、みぞおちにストンッと落ちてくることはなく、
心は、あっちフラフラこっちフラフラの風見鶏。
どこかで軌道修正しなきゃならない。
1年に1度は、強制着陸を課してドスンッと地面に着地する。
己をリアル次元に連れ戻す。
この時空間に入って、”明日を生きる勇気を貰う”
というよりも、”明日を生きる鉛を貰う”のだ。
そう、『どう生きるべきか』

甲山事件
1974(S49)年3月。
兵庫県西宮市、六甲系甲山の山麓にある知的障害児施設において、
1人の女子園児(12歳)と男子園児(12歳)が、
園内の浄化槽から水死体で発見された。
保母(当時22歳)を殺害容疑で逮捕。
無罪確定まで25年の月日を要した。
日本刑事裁判史上最長の経過を辿った冤罪事件である。

あまり観客がいないのでは?
予想は大~きく外れた。
へ~こんな暗いの観るんだ。今時の…若…い…
クワ~ッ!!50~70代のオヤジ達がトグロ巻いてる~。
”社会派”と言われるものだと、こーいう人達は必ず出没する。
同じオヤジ連でも落語好きとは異なる人種。
冬のコート=どぶ鼠色が蔓延。だから、客席も暗~い。
舞台がそうだからって、何も客席までドンヨリしなくても…。
一握りの20代の女性達が眩しい~ッ。

「主人公」は誰なのか?
作者曰く、例えば「サカキバラ」事件。
犯人像については、もてはやされ、我々の記憶に残ってはいるが、
殺された児童やその被害者家族への視点は、というと希薄なものである。
「事件」か「事故」か。
真実は闇に葬られ、果たしてどんなリアクションが
遺族に残されているのだろう。

「甲山事件」を知ったのはいつ頃だったか…。
支援団体がある。そう聞いたのが初めてのような…。
数年後、新聞で無罪を知ったのだ。
確かに、被害者家族の姿を想像してみたことは、
今まで1度もなかった気がする…。

舞台は人里離れた知的障害児施設。
子供が逃げないよう、柵が網の目のように張りめぐらされている。
各部屋には鍵。それはトイレにも。
清潔とは程遠いそのトイレが、舞台中央に設置され、
窓の下には鎖で幾重にも巻かれた浄化槽。
施設は経営難。
子供達を薬で寝かせて、夜の暖房を切るという。
寒い寒い雨の真夜中、新任の保母がやってくる所から始まる。
そうして物語は、
25年前のあの日と、25年後の今日を行ったり、来たり…。



時刻を小まめに手帳に記入しながら、
「すみません」と何度も頭を下げる保母役の市原悦子。
その声は桃!!甘く、優しく、ああ美味しい~。
♪坊や~良い子だねんねしな~♪
『まんが日本昔ばなし』の再放送が始まったから、
余計親しみ感じちゃうねー。
”市原悦子”ナマ初体験っ!!
パンフにも、彼女だけが年齢不詳。お幾つでしょうか?
立ち姿、歩く姿、う…美しいぃぃぃ。
きっちり基礎やりました。でしょ。
答えは”俳優座”出身でございましたっっ。やっぱりねぇ。
舞台女優はこーでなくっちゃ!
当たり前だけど、「家政婦は見た!」とは別人。

闇にガチャガチャ響く鍵束の音。
言葉の連鎖は迷路を作る…。
彼女の声も荒く、きつくなってくる。
誰もが皆嘘つきなのか?
真実は何?ホンモノはどこ?

「結局は何も判ってないんだヨ」と、
連れの女性に話しながら帰ってった男性の言葉は重い。

 


一谷嫩軍記 組打の段

2005年12月16日 | 文楽

2005年12月 国立小劇場 文楽公演

さりながら、忘れがたきは父母の御恩

作者 : 並木宗輔ほか合作
初演 : 文楽/宝暦二年(1751)

十二干の中で、最も多く舞台に登場しているのは「馬」です。
宝塚歌劇の「ベルサイユのばらⅢ」(昭和51年)では、
一場面だけ本物の馬が登場しましたが、
それは例外中の例外で、ほとんどの場合が作り物。

歌舞伎では、二人の人間が前(頭)と後ろ(胴)に分かれて入ります。
馬だけでも重さは30キロもあり、俳優が本当に馬の背に乗ったりもするので、
時には鎧をつけた俳優の体重や、鞍の重さで
合計二百キロ近い馬となって全力疾走したり、
人を乗せたまま、後ろ脚で立ったりするE難度の技もあります。
大変な重労働で、馬専門の俳優が演じています。
労をねぎらって特別手当ての「飼い馬料」も支給されるとか。
その昔、この時代も馬と人間は密接な関係にありました。

時は寿永3年(1184)2月。
二十余年の栄華も空しく、都を追われた平家は、
摂津一ノ谷(兵庫県神戸市)に陣をかまえる。
前は須磨の海。後ろは険しい鵯越。
「平家物語」に語られる”一ノ谷合戦”の中でも最も有名な哀話。
そこには、武者の戦いの中に、あるミステリーが織り込まれていたのです…。
 
ここ一ノ谷に攻め込む源氏の先陣をきったのは
十六歳の若武者、熊谷直実の息子。
父も加勢に敵陣へ。
ところが、暫くして息子が負傷!退散する熊谷親子…。

一方、平家方の十六歳は平敦盛。
馬に跨り浜辺で戦ううちに、味方の船は須磨の沖へ…。
乗り遅れた敦盛が馬を波間へ乗り入れる…、
とそこへ後ろから呼び止める熊谷直実!
 敦盛は白馬。
 熊谷は黒駒。

引いては寄せる波が朝日に照り輝き、
戦う二人は次第に、沖へ沖へと進んで行く。
遂に太刀を投げ捨て、馬を寄せ、組み合う二人。

やがて、駆ける白馬の後ろから、
熊谷が敦盛を捕らえて浜辺へ戻ってきた!
「息子と同じ年格好…殺せるわけがない…」
しかし、既に敦盛は死ぬ覚悟。
「心残りはないけれど、忘れられないのは親の恩。死骸は必ず父親に」
合掌して目を閉じる…。

震える手で敦盛の首を包み、大事に抱える熊谷。
鎧と兜を鞍へ結びつけ、寄り添う愛馬と共に帰って行く後ろ姿は、
泣いていた…。

『一枝を伐らば一指を剪るべし』
出陣前に源義経から謎を掛けられていた熊谷直実。
その言葉の意味とは?
はたして敦盛の首は本物なのか?
息子は本当に負傷したのか?
真相は、熊谷の陣屋で明らかになる…。

続きはこちらから
歌舞伎 『熊谷陣屋』 2005年11月 歌舞伎座

2月国立劇場小劇場 文楽公演 
2006年2月11日(土) ~ 2006年2月26日(日)

第一部(11時開演)   
 御所桜堀川夜討   弁慶上使の段   
 関取千両幟  猪名川内より 相撲場の段   

第二部(2時開演)   
 小鍛冶    
 曽根崎心中  生玉社前の段 天満屋の段 天神森の段   

第三部(5時開演)   
 天網島時雨炬燵  北新地河庄の段 天満紙屋内の段 道行名残の橋尽くし   



 


三島由紀夫

2005年12月15日 | 

”三島由紀夫没後三十五年”
紀伊国屋書店でもフェアが…。

二人の「切腹ごっこ」はやがて映画『憂国』へと結実し、そして自決の日が。
身近にいた人が描く、劇的な天才作家の素顔

『回想 回転扉の三島由紀夫』(文春新書)

 昭和45年11月25日
 …全く思いもかけなかった。とも云えるし、全く自然ななりゆきだとも思えた。
 その理由がこの回想記である。

これを書いたのが誰あろう”堂本正樹”。
授業受けたじぇ~。
小柄で眼鏡掛けた、かん高い声の人。
チェーホフの「かもめ」…違う「三人姉妹」が題材でさぁ。

その人が、能や演劇の批評家だと知ったのは、
歌舞伎と出会って”演劇界”を読んだ時。
稽古場にいたあの人に、ユニークさを見はしたけど、
伝統芸能とは繋がってなくって。
それだけでも”あれれ?”だったのに、

これ読んで”あれれ?”度急上昇~っっ!
ごっこ遊び!!
しかも ”切腹ごっこ!!” ふつーやんねぇー。
相手が ”三島由紀夫!!” そんなの有りー?

世の中は、猥雑さと純真さがない交ぜで、
人々の眼がギンギラギンだった日本。
歌舞伎の救世主と言われるアメリカ軍人のバワーズもいて、
美輪明宏丸山臣吾と名乗っていた頃。
歌舞伎雑誌が5種類以上もあった!そんな時代S24年(1949)

”兄”と呼び”弟”と呼ばれていた2人の関係。
それは、能や歌舞伎にも繋がってた!
男色の道にあればこそ…か。
それでも、才能有り過ぎるヨ、お2人さん。
出会いは中村芝翫(歌右衛門)論だし。
それもゲイバーで…。

三島の『椿説弓張月』演出とか、『鰯売恋曳網』の上演ってのは知ってたけど、
歌右衛門を賛美して色々と捧げてたのねー。
歌右衛門が男と駆け落ちしたことあるって知ってた~?
そんな事も、どんな事も、三島にはビリビリきたのか。

新劇界にも大旋風を巻き起こした!
政治絡みで三島とByeByeした文学座は、
『鹿鳴館』の上演権を失ったのよ~。杉村春子主演で初演したのにぃ。
そーいえば、劇団四季が上演するんだっけ。
  ルポレポはこちら → 劇団四季 鹿鳴館

でも、三島は決して”裏”の仕事人じゃなかった。
映画にも出演していた!
”切腹ごっこ”の映画化を果たしたんだな!

『憂国』(1966)
原作・脚色・監督・主演 三島由紀夫
演出は堂本正樹

 三島の演技は固く、まるで人形だったが、
 それがかえって面白く感じ、あえて文句ははさまなかった。

仲代達矢のドキュメンタリー見てたら、
『人斬り』(1969)の写真にいた!
仲代達矢・勝新太郎・石原裕次郎・三島由紀夫
何なの~!?こんな生粋俳優の中によく納まってられるよね~。
  ルポレポはこちら → 赤秋 ~仲代達矢・喪失からの出発~ 

ごっこ遊びも終宴を迎える。
ボディビルで肉体改造する三島と、距離を置くようになった著者は、
楯の会の結成理由を、美青年の防大生との出会いから紐解く。

 美意識が政治の一大動脈たる事は疑えない。

こんなアングルから三島を見るなんて。
男性遍歴は有名だったの?…だったらしぃ。

オーラスはノンフィクション切腹っっ!
割腹自殺したなんて、学校で教わるわけないし、何処で知ったんだろー?

今年『春の海』が映画化されて、脚光を浴びた作家こそ三島由紀夫。
この名前を知ったのは、昔々の国語の授業。
『潮騒』の作家として試験用にインプットしただけで、
実際に読んだのは『金閣寺』だけ。
それも映画『炎上』(市川雷蔵・2代目鴈治郎)を見てからだから、
いい大人になってからだ。
数々の作品の、題名は知ってるけど読んだことない(by名作平積み大作戦)
っていう作家の1人だと思ってた。

三島という人の人生に、LIVE感覚がないし、
性癖だってじぇんじぇん知らなかったから、
アワワワ~って、口開けたまんま読んじゃったけど、
耽美な世界を自作自演~!こんな奴フツーいね~!
三島由紀夫ってスーパーヒーロー…。
作家として作品を読むも良し。人間として知るも良し。だな。

三島 由紀夫(みしま ゆきお)
 1925年1月14日 ~ 1970年11月25日
 本名は平岡 公威(ひらおか きみたけ)。
 東京市四谷区生まれ。
 学習院初等科から中等科および高等科を経て東京帝国大学法学部卒。
 大蔵省国民貯蓄課に入省したが9ヶ月で退職、作家として独立した。
 ノーベル文学賞候補に幾度も上がる。
 「楯の会」の同志と市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部にて割腹自殺。
 辞世の句は「益荒男が手挟む太刀の鞘鳴りに幾年耐えて今日の初霜」
 「散るを厭う世にも人にも先駆けて散るこそ花と吹く小夜嵐」。

※画像は「KAWADE夢ムック文藝別冊 総特集 三島由紀夫」


松浦の太鼓

2005年12月14日 | 歌舞伎

”忠臣蔵”は、『仮名手本忠臣蔵』が江戸と上方の2バージョンあるのを筆頭に、
史実を越えて様々な角度からスポットをあて創作されてきました。
『松浦の太鼓』もそのひとつ。
関西で上演される機会が多い『土屋主税』は同工異曲です。

他にも討ち入りの武器を調達した大阪商人『天野屋利兵衛』。
脱落浪士の話は『四谷怪談』『盟三五大切』。 
昭和になって書かれた『元禄忠臣蔵』(九編シリーズ)等々。
小説や映画、TV番組にも数々の作品がありますし、
現代演劇は言うに及ばず、浪曲・講談・バレエ・オペラ・宝塚歌劇化もされています。
三百年の時を経ても色褪せない物語。
”忠臣蔵”は、日本人のDNAに組み込まれているやもしれませぬな。

秀山十種の内/松浦の太鼓
※秀山は初代吉右衛門の俳名

元禄十五年十二月十四日
赤穂浪士討ち入りの前日。雪が降る両国橋。
吉良邸の隣に住む肥前平戸藩士・松浦鎮信の俳諧の師・宝井其角が、
俳諧仲間の赤穂浪士・大高源吾にバッタリ会う所から始まる。 

源吾は煤竹売りにまで身を落としていた。
其角はその身なりに同情して、松浦公から拝領の羽織を無理矢理着せ掛ける。
別れぎわに其角は
『年の瀬や水の流れと人の身は』と発句を詠み
源吾は
『明日待たるるその宝船』と付句をし
「竹や~煤竹~」と疲れた売り声を掛けながら去って行く…。

2000年1月の公演で、この大高源吾が勘九郎(現:勘三郎)だった。
♪貧しさに負けた~。いいえ、世間に負けた~♪
その風情にお客の同情が集まってたっけ。
自分のチンチクリンな着物と、上等な羽織を比べて、
お客を笑わせる事も忘れないッ。
そんな彼が、今回は、殿様役にランクアップっ!どんなんかな~(by笑福亭仁鶴)

翌十四日、松浦邸での句会。
ゲゲゲッッ。威厳は無い!風格も無い!
ちゃんちゃら可笑しくてヘソが茶を沸か~す。
こんな殿様いてもいいけどよ~。
私の愛する『松浦の太鼓』では出てきて欲しくない。
”大人の茶目っ気”十七代目や吉右衛門の松浦公が好き~っっ!
ってんで、勘三郎は無視っ。

その後ろに控えまする、家臣グループに視線を移動。
亀蔵か。お!男女蔵だ~!その横は…ええっっ!!義経っ、
違った、薪車じゃないかぁぁぁ。
見れば見るほど眉目良いの~。
大阪在住だよね。竹三郎の所の俳優なんだから…。
もっともっともっともっと、お江戸で出演すればイイのになぁぁ。
眼の保養じゃ~。

皆顔を傾け、松浦公の一挙手一投足に反応してます。
ところが、薪車だけが無反応…。
「俺はポーカーフェイスな侍」ってキャラ作り込んでるの?
長い間同じ姿勢を続けている彼等。
膝の上にフワ~と置いた両の手は微動だにしませんヨ!
イイね~。舞台を支える脇の役者って!

男女蔵のメイクがパンダ目なんだ~。きもカワイイ~。
ズ~ッと見てると薪車の顔より、亀蔵の方がステキに見えてくる。
”美人は三日で飽きるが、○○は三日で慣れる”ってこと?(笑)

赤穂贔屓の松浦公。義の為に敵討ちしない彼等にイライラ。
其角が、源吾と交わした句のやり取りを語ってみますと、
何やらビビッときた様子っ。

そこへ、にわかに響く陣太鼓。
思わず膝をグイッと突き出し指折り数えて松浦公。
「三丁六ツ、一鼓六足、天地人の乱拍子。これぞまさしく山鹿流の陣太鼓!」
これを知るのは―同門の大石内蔵助に相違なし!
「宝船はここじゃ。ここじゃ!」

「助太刀じゃ~」馬に跨る松浦公。
ここ、賑やかに、ユーモアたっぷりになるはずなのにぃ。
前の場面に、メリハリないから潰れてしまった。アーア。

暫くすると本懐を遂げた源吾が颯爽と現れて、
辞世の句を書き記した短冊を差し出した。
「山をぬく力も折れて松の雪」
松浦公は涙ながらに誉め称えるのであった。

ハッシーの大高源吾は、息が上がっちゃってゼ~ゼ~。
あのまま突っ走ったら、ゼ~ッタイに声枯れるヨ。(6日所見)
あ~勘九郎が演った時は、
この世に未練なし!崇高な雰囲気すら漂ってたのになー。
あれ絶品だったなぁ~。

思い入れアリアリの”忠臣蔵物”!!
だってー、以前は12月ともなれば、
TVもジャンジャンバリバリ放送してたんですわー。
刷り込まれちゃったんですわー。ハハハ。
本日は、NHK『歴史の選択』で、
~赤穂浪士、討ち入り組と不参加組どちらに共感?~
誰もが見れる地上波はこれだけ…チェ。
歌舞伎chは『仮名手本忠臣蔵』の道行・五・六段目。
時代劇専門ch!里見浩太朗明治座特別公演『大石内蔵助』
明日は『松之助の忠臣蔵』主演は尾上松之助。
BS2では、今日と明日で松本白鸚・市川中車ほかの『忠臣蔵/花の巻・雪の巻』 
各々方!討ち入りでござ~るっっ!!

十二月 歌舞伎座 夜 「重の井」「船辨慶」 「松浦の太鼓」


恋女房染分手綱

2005年12月13日 | 文楽

恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたずな) 
2004年9月 国立劇場 文楽公演

”重の井子別れ”は歌舞伎でも観たし、
「かか様でも無い人が~」っつう子役の名演技に、
涙せぬ人はいないだろー。
あまり深く考えた事がなかったのだけれど、
なんで「親子の名乗り」が出来ないわけ?
こんな調子で文楽へ…。

「能舞台定之進切腹の段」
重の井は家老の息子と不義をはたらいた。
この時代、不義は御法度。
 「ご追放かえ」
 「寺入りでもさすんかえ」
 「上意討ちは知れたこと」
腰元連中がピーチクパーチク。
その渦中の人、重の井は能舞台に出演。

♪花のほかには松ばかり、暮れそめて鐘や響くらん♪

「道成寺」
はからずも、TVで能の『道成寺』を観たばかり。
歌舞伎とは全く違う構成に、ただただ圧倒されてホケ~。
またまたここでも『道成寺』
しかも、『文楽』で、『能』の道成寺っすよ。
ウ~ム。
人間より小さい人形の、小さな動きのひとつひとつ…。
人形で鬼の面。
これがまたまたナイスッッ!!
結界を越えて、文楽幻想ワールドに来ちゃったよー。
小さいのに恐ろしいぃ~。
『能』『歌舞伎』『文楽』三者三様ー!
甲乙付け難しー!
『文楽』には『文楽』の世界があるのだなぁ。やっぱり。

シテを演じていた重の井の父親は、影腹を切る。

「沓掛村の段」
不義の子・与之助は、家来宅に密かに引取られた。
名を改めて三吉という。
貧しい貧しい家であります…。
出生の秘密も知らず、馬方の子としてスクスク育ってま~す。

ある日、馬方・八蔵は、追剥に襲われていた座頭を助けて
家に連れて来た。
ところが座頭、急ぎ出立する事に。
そ~っと火鉢の中に金包を押し込んでる…。ミステリーだぁ。

「坂の下の段」
座頭は、馬方と母のこんな会話を立ち聞きしていたのだ。
「元主人の仇、八平次という男を見つけた」
それと座頭と何の関係があるのか?

坂の下まで来た座頭は、再び追剥に襲われた!
そこへ、馬方が追いついて、例の金を差出すと、虫の息の座頭が
「私はあなたの元の主人・与作の腹違いの兄。
先程、弟の勘当追放を知った。その金を使って…欲…し…い」ガクリ…。
馬方は、憎っくき八平次を討ち取り、座頭の遺骸と共に沓掛村へ帰って行く。

「道中双六の段」
重の井が乳母として育てている調姫。
関東へお輿入れが決まり、出立寸前。
そころが、まだまだ姫はお子様。
急にぐずってしまって皆オロオロ~。
そんな時、姫と同じ年頃の馬方がやってきて
“東海道の道中双六”で、見事姫のご機嫌を直した!

「重の井子別れの段」
重の井は三吉と名乗る馬方に、褒美を与えることにする。
ああ遂に、親子再会の時…。

  「道中すがらも用あらば、お乳の人の重の井に逢はうと云や」
√ 三吉つくづく聞きすまし
  「お乳の人の重の井様とはお前か。そんなら俺が母様」
  と抱きつけば
  「アァ、こは慮外な。おのれが母様とは、馬方の子は持たぬ」
  ともぎ放せば、むしゃぶりつき、引き退くれば、縋り付き

キャァァァ。
重の井がちょっと突き放しただけなのに、
人形だからビューッて飛んでっちゃう~。
三吉~。大丈夫か~。

  「コレ、守り袋を見やしやんせ。なんの嘘を申しませう。
  お前の子に紛れはない。
  ほかに望みはなんにもない。父様を尋ね出し、
  一日なりとも三人、一所にいて下され」
√ 取りつき抱きつき、泣きいたり、
  お乳ははつよ気も乱れ
  「見れば見るほどわが子の与之助。
  マアちょつと抱きたい。アアどうせう」

泣く~。泣けてくるわ~。
どうして、母と子の名乗りが出来ないの!
正式に表沙汰には出来ないんだって。
姫様と同じお乳で育った子供が
馬を追ってちゃまずいんだって…。
ウウ…。
わが子にそう諭す母も哀れよのう。

 √ 不憫や三吉しくしく涙。頬冠りして目を隠し、
   沓見まつべて腰につけ、見すぼらしげな後ろ影
   「コリヤま一度、ま一度こちら向きや、山川で怪我しやんな。」
   伏して嘆きしや、懐中のありあふ一歩十三袱紗に包み
   「これ嗜みに持っていや」と涙ながらに渡さるる
   三吉見返り恨めしげに
   「母でも子でもないならば、病もうと死なうといらぬお構ひ。
   母様でもない他人に金貰ふ筈がない。
   エェ胴欲な。母様覚えていさしやれ」
   とわつと泣き出すその有様

重の井はグッッ涙を堪える…。
そんでもって、姫の慰めにって、三吉に馬子唄を命ずるの…。
本当は別れ難いんだよね。
何か理由をつけて、もう少し傍に置いておきたいんだよね。
でも、そんな母心を果たして三吉が判ったでしょうか…。
子は泣きながら歌う。
母は懐鏡で髪を整える振りをしながら、
そ~っと子を見て、言葉に出来ない別れをするのでした。

歌舞伎はこちらから
『重の井』 2005年12月 歌舞伎座 


十二月大歌舞伎 夜の部

2005年12月12日 | 歌舞伎

段治郎休演のため、弥十郎三連発っっっ!!
いくらなんでも全部に出られちゃっちゃぁ、食傷ー。
色んな人に演らせてあげましょーよ。
、上下、親類縁者、しがらみは山程あるでしょ、そりゃそーでしょ。
あ、忘れちゃならない”好き嫌い”もね。
でもさぁ、サプライズ配役もたまには用意してもらえんかねー。

杵勝三伝の内/船辨慶(ふなべんけい) 

荒ぶる亡霊・知盛は豪快な所作が求められることもあり、
ここ約30年間、本公演で真女形が演じた例はない。
そんな舞踊にレッツトライなのは玉三郎。

「いつもの通りじゃぁ、か弱さがマイナスに出ちゃうわ。いけないわ」
玉三郎がこう言ったかどーか知らないけんど
新歌舞伎十八番より古く、能により近いと言われる、
二世杵屋勝三郎作曲、藤間勘吉郎振り付けの、長唄舞踊劇。
”もの珍しい”というベールを纏ってみました~。

舞台面に吊るしてあるのは破風屋根だぁね。きっと。
3階席から見下ろしてるからピンと来ないんだけんどもよ~。

弁慶(弥十郎)の登場。あ~こりゃ標準タイプだわ。
段治郎だったら華があっただろ~な~。

義経は薪車!!
日高川入相花王』(2005・10)では、ワサッとしててユニークだったけど、
武者人形の様に美しいぞ~。ビックリしたなぁもォー(by三波伸介)

さぁ~大物浦から出発だー。
静御前とは♪今日でお別れね~もう会えな~い♪(by菅原洋一)

玉三郎、情が溢れる舞でございます~。
清楚な華やかさを撒き散らしながらツツと歩んで参ります。
赤を基調に四種の花をあしらった唐織の衣装。
ああ、こりゃまた”抑えた美”っ!衣装から眼が離せない~。
玉三郎の顔は双眼鏡の枠外になってしまった。ハハ。

ハ~。静・義経・弁慶…。
ビジュアルで楽しみたかったなぁ。段治郎がいたらなぁ…。
綺麗どころや~い!…。
そんな悲痛な想いに唐辛子塗ってくれたのが船頭ー。
グハーッ勘三郎だがや~。

たった1人かよ~。つまらんなぁ。
声が響く俳優じゃないし、空間が埋まってないって!
これこそ、ハッシーに演らせりゃどーよ。
アララ、船体のオブジェ抱えてきてセッティング。
義経&弁慶は、それを跨いで船上の人となりましたとサ。

あの~。
これならいっそのこと、能で観た方がステキなんじゃぁないの?
なぁんてね。能の『船弁慶』は未だ未体験。
俄然、興味が沸いてきたっ。今度行ってみるゾっ。

後ろ向きになってジ~ッとしている勘三郎は、鳴り物さん達と御対面~。
真正面にいるのが、田中三兄弟の三男坊じゃな~い?
太鼓 田中傅次郎っっ!!
眼がキリリッッとしてカッチョイイのだ。
勘三郎と視線合わせちゃマズイもんな。
眼力を一点に集中~っっ!!どこ見てるんだ~?

ワ~ッッッ!知盛の怨霊登場ー!
「立役の方のようにはできないので、隈取りもうっすらとしました」
だからなの?いつもの知盛より怖いヨ~~。
ゾクゾク~っきてたら、
能面の怪士(あやかし)っていうのに似てるんだと!フォ~!!
大河ドラマ『義経』の阿部寛知盛と比較するまでも無いわな~。

これ、1階だと海が広がってるって想像出来るかもしんない。
けどさ、もっと小さい劇場で上演した方がイイ気がする。
新橋演舞場とか大阪松竹座とか…。
おっと!柳家小三治もお気に入りの前進座劇場ー!
ギューッッて”気”を詰め込んだ方が、引き立つんじゃないかなー。
玉三郎ワールド!
まぁ、どっちにしろ1階席で。ってか~。チェ~。

実は、何度観ても爆睡する苦手な舞踊なんだ。
今回初めて寝なかったっっ。なのに満足度低い~。

爆睡譚はこちらから
『船弁慶』(2003年11月 吉例顔見世大歌舞伎)

恋女房染分手綱/重の井

”重の井子別れ”だぁ。福ちゃんと児太郎かぁ。
ホンモノ親子だし。行ってみっか…。

手元が狂って破いた紙を、セロハンテープでくっつけた。
だけど微妙にズレちゃった~。って感じだ…。

世話物以上時代物未満で、ギリギリONラインの”丸本歌舞伎”!
これが”福助の時代物”って言うんなら納得するけど…。
毎回この危うさ演ってくれるなら、それはそれでドキドキだけど…。

太夫の語りと、微妙に福ちゃんの動きが噛み合わないよーな。
ホホ、私やっぱり義太夫に開眼したのかなぁ。
あの呂勢大夫の”イヒヒ顔”見てから~。しつっこくってゴメンヨ~。

で、「文楽版」を思い出してしまったわけさ。
物語もチト違うよ。
福ちゃんの重の井は情の深~い母親。
それが全面に押し出されてる。…泣く。
でも、文楽は最後まで厳しいっ母親。”顔は般若で心は菩薩”
あれもまた…泣く。

いよいよお姫さま御一行のご出立~。
「景気づけに唄でも歌えよっ!」
「オラオラオラっ!」
三吉(児太郎)に馬子唄を命ずる侍2人。
顔似てるし、ありゃ兄弟だな。って亀三郎と亀寿じゃん。
アっ!三吉の頭叩いた~!
弱いものいじめすんなよ~っ。

でもね、やっぱりね
「重の井子別れ」って、三吉の生い立ちがあってこそ
母子の再会にジ~ンと来るんだわさ。どやさ。どやさ。(by今いくよくるよ)

文楽版はこちらから
『恋女房染分手綱』 2004年9月 国立小劇場 

十二月 歌舞伎座 夜 「松浦の太鼓」「重の井」「船辨慶」


ぢいさんばあさん

2005年12月09日 | 歌舞伎

2005年 2月 歌舞伎座 夜の部
2005年12月 歌舞伎チャンネル

夏雄ちゃんのお元気そーなおヒゲ姿を,ワイドショーで拝見!
順調な回復おめでとー。

団十郎&菊五郎バージョンを観た時
「泣いてるの!」友人に驚かれたっけ~。涙ボロボロ…。
あれから6年。待ちましたヨ~。
その間の、勘九郎(現:勘三郎)&玉三郎バージョンは完全無視っ!
今月は、東京では初の仁左衛門&菊五郎。

るんと伊織のおしどり夫婦に降りかかった、これでもかっ!つう悲劇。
るんの弟が喧嘩の末の怪我。
替わりに江戸から京へ1年の赴任が決まった。

「あー、早く1年後にならないかなー」という伊織に
るんは笑って「まだ京へも旅立っていらっしゃいませんのに」
目と目を合わせて笑う。
さっきまで別れが辛くで、しんみりとしていた2人。
悲しむより笑おう。と誓っているかのよーでございます…。

仁左衛門の清々しい青年ぶり。
この人の涼やかな声が、いつにも増して
軽やかにリンリン鳴る鳴る。耳にイイ~。
役柄によって調子を変える技術。立派だよねー。
水飴の様に透明感のある、甘~くて美味しそうな人、仁左衛門。
でもその個性が、ここではチト邪魔をした…。

萌黄色が映える立ち姿。かなりカッチョイイ仁左衛門。
京都で、夜空に向かって、るんから届いた桜の花弁を、扇子でハラハラ飛ばす。
またまたポーズが決まり過ぎ~。
彫刻にしたいもんだ。フィギアになったら買うゾ!
ここまではスムーズであったヨ。

伊織には沢山の友人がいる。
そんな輪の中に入れない性格の悪~い一人の朋輩。
でも、伊織は彼を拒絶せず碁を指したり、
刀を買う為の金を借りたりしていたの。
しかし!
はずみでその朋輩を斬ってしまい、お預けの身となって37年…。

”37年”というイヤホンガイドの声に
隣のおばちゃんが「えー!」と声出して驚いてた。
そーだよね。だよね、「えー!」だよねー。

本当の爺さんと婆さんになって再会。
物語はスムーズに進んでいるのですが、
もひとつスムーズにいってないのが「るんと伊織」

団十郎と菊五郎カップルの方がしっくりきたのサ。
団十郎の朴訥さがヨカッタんだな。今思えば。

仁左衛門って、絶対に朴訥にはなれないじゃん。
暴走もしないし、自己チューにもならない役作りが仇になったー。
菊五郎は、それを汲み取ってるように見えない。
取っているのは”笑い”だけ…。

「夏雄ちゃんが演りたいっていうからサ」(by菊五郎)って言える間柄が、
『ぢいさんばあさん』には必要なのか?
ならば、仁左衛門は玉三郎と演る べきだな。

伊織の癖。
鼻に手を持って行く、あのクセも、
仁左衛門だとなんで絵になっちゃうわけ~!?
夏雄ちゃんの時は、なんだか警戒する事を知らない子供の様で、
可愛くって、妙に笑いを誘ってたのになー。

でもやっぱラストは泣いてしまったヨ。
誰に泣かされたかって、
それがね、
るんと伊織の昔の家に住む、若いカップルー。(菊之助&信二郎)
こいつらキラキラ輝いちゃってね。
若さ&美しさで満天星よ~。
その初々しいカップル見たら~。
るんと伊織の空白の37年を、どこかで感じちゃったのでしょうーか。

作品は演者によって180度変わるのだ!
♪マ~ジマジマジ~ロ♪(by魔法戦隊マジレンジャー)
今日初めて『ぢいさんばあさん』に出会ってたら、あまり心に残らなかっただろー。

2005年12月 歌舞伎チャンネル
         黒塚」「二人道成寺」「NINAGAWA十二夜
         盲長屋梅加賀鳶封印切」ほか


 


盲長屋梅加賀鳶

2005年12月07日 | 歌舞伎

盲長屋梅加賀鳶/加賀鳶
(めくらながやうめがかがとび)

2005年1月  歌舞伎座 昼の部 
2005年12月 歌舞伎チャンネル
 
ホントは眼が見えるんだけど、盲按摩を職業としている道玄。
夜道で人殺しをして金を奪った。
真っ暗だから大成功ー!と思っていたら、煙草入れ落してやんのー。

盲長屋で女房と暮らす道玄。
ドメスティックバイオレンスを地で行く生活。
ボコボコにされている叔母が心配。と、姪がやってくる。
奉公先の主人から貰ったお金で「着物を…質草を出して来て」
優しいのー。ええ娘やのー。

フフン~♪。”主人と奉公娘”って”男と女”…。
これを強請のネタにしないでどーするヨ。悪の匂いに敏感な道玄。
その相棒は、女按摩のおさすり(イヤ~ン)お兼。

クー。福ちゃんだッ!
初春大歌舞伎。今年は東京4座。大阪1座。にて上演中。
実は福ちゃん、歌舞伎座と新橋演舞場、掛け持っちゃってるんですね~。
新橋で『御所五郎蔵』の傾城演ってたと思ったら、
東銀座で『梶原平三誉石切』の娘っ子&
『盲長屋梅加賀鳶』の悪婆になってるんですね。
あー忙しいぃー。
時蔵も左団次も同じく掛け持ち組。
これって、脇役と中堅の女方が不足しとるっつうことかいなぁ。
他の俳優の修行の場にはならんのじゃろーか。

この福ちゃんお兼の声が…。
先程の『梶原平三誉石切』の梢ちゃんは”鶯声”。
この、お兼は”蝦蟇声”。
さすが”七色の声を持つ女”成駒屋!と絶賛したい所ですが、
策士、策に溺れる…。
私が演出家なら、あの声を封じて演技させますね。
声だけで役になったつもりで…。嗚呼、あざとい演技だヨ。
中村福助ーッ!私からの愛の鞭を受けよっ!
…大の贔屓でございます。
それゆえ、つい辛口になってしまうのでございます。
ああ、平にご容赦~。
『お染七役』の土手のお六。あれでイイのになぁ。
あれを期待してたのにィ~。

道玄&お兼、強請に失敗…。
れいの落とし物で、手が後ろにまわったみたいヨ。
長屋に戻ったものの、捕り方に囲まれて、幕切れは”だんまり”っ!
アラ、捕り方さん達少ないんじゃない~?
4座に派遣されてるんだからしゃーねーか。
複数の取り方 VS 1人の道玄。
味方が味方を叩いたり、道玄が捕り方に成りすましたり、
暗闇を逆手に取る遊び心満載~。

超久しぶりに、当ってしまった。幸四郎~。
納豆の様に、あとを引くネットリした喋り方が…ダメ~なの。
生理的に合わないっつうんでしょうかね。
ネバネバと、とろいテンポが…我慢出来ない~。
高麗屋ファンの方にお叱りを受けること覚悟で!
幸四郎の事を”納豆ネバネバ大王”と密かに呼んでます。

ドラマだと、あんなにステキなのに幸四郎~。
『王様のレストラン』も『古畑任三郎』のゲスト出演も、
『黄金の日日』(時代劇専門chで放映中)も好きだ~。

でも!驚きぃぃぃぃ。
『義経千本桜』のいがみの権太でヨッシャ!と思って以来、
心晴々になれず、既に何年経つのでしょーか?
『大森彦七』『鳥辺山心中』『仮名手本忠臣蔵』(これはヨカッタ…)
『寺子屋』『勧進帳』『熊谷陣屋』『籠釣瓶』etc
忘却の彼方ではありますが、きっとこの他にも多々観てるのでしょー。
どんなに避けて通っても、いつかはぶち当たる納豆ネバネバ大王~。

辛抱して観てるもんだぁなぁ。まったく~。
こんな事があるから止められないのねぇ。歌舞伎って。
初役だと気が張るんだね。幸四郎~!
これからも、気合だッ!気合だッ!気合だッ!…。

2005年12月 歌舞伎チャンネル
      「黒塚」「二人道成寺」「NINAGAWA十二夜
      「ぢいさんばあさん」「封印切」ほか
 


吉原御免状 

2005年12月06日 | 

隆慶一郎の作品って、ヅカで上演されてるよね。
植田しぇんしぇ~が好きみたいでサ。
『野風の笛』もねー。『捨て子童子・松平田忠輝』より~。
ど~ってことない日本物で、心に残りもせなんだ。
あのままならば、”隆慶一郎”の名。忘れていたでありましょう。

ところが!
劇団☆新感線が”いのうえ歌舞伎”にっっ!!。
チラシみつけた本好きの友人が「OH~!まんま演るんだ~」

『吉原御免状』 隆慶一郎/著 (新潮文庫)
ギョエエエ~ッ!!鼻血ブ~ッ!!高木ブ~ッ!!

傀儡子・大道曲芸師・忍術使いらを外堀に、
雄雄しいヤツらと婀娜な女。
色っぽいこともありゃぁ、チャンバラもあるゼイ。
来たぞ!柳生一族!
出たぞ!徳川家康影武者説!
剣豪作家ここにありっっ!!

肥後山中で宮本武蔵に育てられた男。
松永誠一郎(堤真一)が江戸へやってきた。
吉原の影の支配者・幻斎(藤村俊二)は誠一郎に物語る。
「道々の輩(ともがら)の総本山こそが吉原。
徳川家康(実は影武者)こそ我等の同朋」
キーワードは“吉原御免状”
証拠隠滅に躍起になる柳生と誠一郎の戦いが始まる。

裏柳生の総帥・儀仙(古田新太)と誠一郎の殺陣は、重くてワイルドっっ!!
堤真一がカッチョイイ!のは、観てない人でも想像できるでしょ。
でもね、でもね、古田新太もカッチョイイのイイのイイんですぅぅぅ。

「吉原の修羅になろう」
なんとも、中島かずきらしいラストの台詞で締めくくり、
アンコールは…いや~ん!古田新太の投げキッス~!!
いつの間にか、新感線の感想になってしまった…。
ありがと~中島かずき~。♪熱き心に~♪ (^з^)-☆Chu!!

BOOK・OFFで、隆慶一郎8冊買い込んだ!読んでまっせ~!

劇団☆新感線「吉原御免状」 2005年9月8日~10月5日青山劇場ほか