アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

新派 鹿鳴館

2008年07月04日 | 新派


新橋演舞場     6/25(水)   

八重子十種の内 
鹿鳴館 
 
作:三島由紀夫
 演出:戌井市郎

 出演:水谷八重子/英太郎/波乃久里子/
    西郷輝彦/市川團十郎

緞帳が上がる前から、行進曲が聞こえる♪

明治19年1月3日。天長節
影山伯爵邸を訪れたハイソなご婦人方。

洋装がちょっと地味というか、質素…。
ハ!もしやそれは、
無意識のうちに宝塚歌劇と重ねてるんじゃぁ。
きっとこれがリアルな明治の洋服なんだろう。
靴もみんな黒なんだね。

裾さばきが重い感じが…。
床の…いや、芝生のせいなのかしらん。
まこっちゃん(by王女メディア)の、
ビューティーな動きを思い出しちゃった♪

たった1人の着物姿は、
接客する伯爵夫人朝子(水谷八重子)。
こちらはさすが♪

洋服と着物ー。
映し出されるのは、明治という時代の裂目か。

大徳寺季子(英太郎)の娘・顕子(瀬戸摩純)の
”恋のキューピット”になる。
そんな役目を引き受けたから大~変。
なんとその男性は、
昔の恋人との間に出来た自分の子供!

さぁ、朝子の人生の歯車が大きく動くよぉ。

初めて、成長した息子・久雄に会う。
母親だという事を告白!
へ~。『婦系図』は必死で隠すのに。

愛する息子の口から重大な計画が…
「今日僕が暗殺するのは父なんです」

♪飛んで飛んで飛んで~回って回って~♪
うおっ…
ちょっと円広志と遊んでたみたい(コラ!)

その清原(西郷輝彦)は、夫の政敵。
でも守らなければ!
この愛しい2人を、私が何とか救わなければ!

それまで洋装を嫌って、
舞踏会に出たことがなかった朝子。

「私が夜会の女主人になるわ!!!」

水谷八重子は『婦系図』の時より、
凛とした風格アリ。

昔の恋人同士が…密会。
20年ぶりなのに、ラヴラヴじゃん!
手と手握り合ってるじゃん!

♪好きなんだけど~♪(by星のフラメンコ)
ナマ西郷輝彦!お初!

WOOO!重厚感溢れてるよっ。
やられた~ぁ。
さっすがこの年代の芝居は、趣が違う。
グイっと空気を創ってくれちゃうのね!
キャワ~イ♪ズデギぃ♪

いっつも、若い舞台ばっかり観てるんだなぁ。
目からウロコがポロリんこん。

朝子は、ハートをポっポと燃やして
元彼を見送ったのも束の間、

影山伯爵(市川団十郎)と飛田(安井昌二)の
密談を聞いちゃう~。

安井ってカッチョエエな~。
あの低い声が影として生きる男を描いてるし♪

この後、入院しちゃったんだよね…
1日も早い回復をお祈りします。
新派を支えるぶっとい柱なんだから。

ヌワント、
清原暗殺を久雄にさせようとしてるのが、
こいつらだったとはっ。

「壮士達は夜会には来ません」
朝子はキッパリ。
影山伯爵の目が光るヨ。キラリ!

飛田には、冷たく喋ってる伯爵が、
朝子には明るく優しく話しかけてる…。

団十郎ってば、のんびりモードだから、
台詞が、ツボを刺激してくれない…。
でも、
お髭とオールバックな髪はグ~ゥ。
似合ってるよ。ダンディーよ♪

鹿鳴館は夜会の準備中。
ウギャ~。
リアルっちゅうか凝ってるっちゅうか…。

朝子は、生まれて初めての洋装。
元芸者モードも散りばめて、
人々を魅了しちゃってる。
女主人ぶりもプロっぽ~い。

その裏では伯爵の魔の手が…。

女中頭・草乃(波乃久里子)は、
伯爵と不倫の仲だった!
強引なラヴシーン付き。やるな~団十郎!

恋する女は弱いもんさ。
イイ生活だってしてみたいもん。
も~伯爵の言いなりぃ。奥様ごめんなさい…。

暗雲垂れこめる中、舞踏会が始まるー。

再び緞帳が上がって…
うわ~!
このセットこそがスタンダードなのかな。
万国旗と提灯が天井でゆらゆら揺れてる。
これが当時の鹿鳴館ってことかな。
そう思うと、
なんとな~く、シックリしてるかも。
四季版より私にはOKかも。

伊藤博文夫妻とか外国人達が、続々と到着。
ズンタッタ~♪団体で踊るよ。

華やかな音楽を嘲笑うかの様に、
悲劇はやってきたー。

久雄は拳銃で…父親に殺される!

息子は自分に殺されることで、
愛を与えなかった父への恨みを晴らした。
もはや、自分は政治にも何にも興味はない。

死以上の苦しみを与えた影山伯爵を、
冷ややかに称える清原。

朝子の怒り爆発っ!別離宣言っ!
清原のもとへ行く決心をしちゃったよっ。

ラストダンスを伯爵と…。

遠くで拳銃の音。
それは清原が命を絶った瞬間…。
朝子はまだそれを知らない。
鹿鳴館の夜は、賑やかに更けてゆくー。

政治と夫婦を。
変わるものとそうでないものを。
”散切り頭をたたいてみれば文明開化の音がする”
そういう時代の中に、
グルグルっと渦巻かせてる…。
ウウ~ム
三島由紀夫ワールドって面白いよっ♪

でも四季版で観た時は、そうは思えなくて…。
アンサンブルが、今にも溶けてしまいそうな
ソフトクリームみたいで…。
心も台詞も自由に操っていた日下武に、
ひたすらズームイン!

手堅く創り上げているのは、新派。
朝子が大人だと、世界が深くなるのね。

三島作品は台詞が命。
オーバーアクションを使わずに、言葉で紡いでゆく。
美しいメロディラインを奏るのは…難しいだろうな。

劇団四季俳優とコラボもやってみて欲しい。
私の影山伯爵NO1は日下武なんだも~ん♪

アンコールに”本日のゲスト”がー。

女性をエスコートしながら、
下手奥の階段を上がってくるのは、片岡愛之助
いが栗頭じゃ。ウキャ。

おめでとうございますの挨拶を、
客席にお尻向けて、演者にするのかしないのか。
おどおどしてるよ、愛ちゃん。ククク。
やんわり喋る大阪弁に、やっぱりほっこり♪

8月新派公演「紙屋治兵衛」で
LOVEりんと共演する瀬戸摩純は、
大和撫子な美の持ち主。
2人でどんな新派ワールドを描くんだろうね。
観に行かないけど(コラコラ!)

新派がこれから生き残って行くには、
この若い世代が羽撃かなきゃいけないんだ。
愛之助も仁左衛門みたいな、
長~いお付き合いが始まるのかな。

続いて登場したのは、林与一
近所のおばさん達が黄色い声で、
「変わらないわ~!!」

私も、愛ちゃんそっちのけ(コレコレ!)
与一様に双眼鏡でズームイン♪
だって、ナマ与一様って初めてなんだもん♪

「田舎に泊まろう」に出た時は、
ただのオヤジに見えたのに…。
舞台に立つと別人。グハ。
袴姿でビシっ!オーラ飛ばしてまっせ~。

あいらぶけろちゃんさんと初のミニOFF会。
慌しかったけど楽しかったっす♪

団十郎、髄移植手術のため入院へ 
容態悪化に伴うものではなく定期的な治療の一環

それ聞いて安心した。
夏雄ちゃん元気に戻って来てね! → 
asahi.com   news24 

6/6~29 新橋演舞場
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14 コメント

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まいど (ちえぞう)
2008-07-04 10:04:25

かしましはん、ちわっ!

行ってきたんすねぇ☆

オイラも、楽日たまらずいっときました。

いやぁ~、良かったですよね。


夏雄(團十郎)さん、まるで、「金閣寺」や「新薄雪物語」の大膳のような演技。
そおか、三島はこの影山伯爵という悪役を。おおらかに荒事のニンで、見せたかったんだ、と、痛感しましたばい。

なくせに、台詞バシバシ、マシンガントークさせるのがいかにも三島らしいですよね。

もともと、歌舞伎の舞台を書きたっかた三島が、お春さんに「もっと歌舞伎っぽくやれ」といって、初代八重子に「もっと、新劇っぽくやれ」といったとこか。。。

なあぁるほど、四季の舞台が、オイラはしっくりこなかったんだよねぇ。



てこって、八重子ちゃんも久里ちゃんもしっとりした演技。

殊に八重子ちゃん、力演でしたね。
ほんとに、この人上手いと、初めて実感させていただきましたねぇ。。。

もっと、もっと、八重子ちゃんがでる新派の舞台があればいいのにね。


テルテルも怪演でしたしね。



てなこって、また!
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影山伯爵 (かしまし娘)
2008-07-04 13:01:22
ちえぞう様、まいど!
影山伯爵の好みはお互いに違いますね(笑)
四季版を観た時に、物語としてもあんまり楽しめず、「鹿鳴館はもう2度と観ないだろう」
そう思っていたんですが、新派版として見応え充分でした。
テルテル(笑)といい、八重子といい、あの年齢でこそ描ける台詞の重厚感にクラリ。
”今観ないでいつ観る~”ってな感じの心持ちになっちゃいました。
新派と林与一がタッグ組んだらまた行くんだけどなぁ。
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えーっ (urasimaru)
2008-07-04 20:00:50
清原氏、死んでるんですか!?気がつかなかった…(汗)

貴重なものを見たんだなあ、としみじみ思います。團十郎さんの洋装、胸板が厚くてカッコいいですね!
実は直美さんと團十郎さんが楽屋から出てくるところを拝見しました…それが一番うれしかったり?
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こんばんは~♪ (真あさ)
2008-07-05 00:30:18
かしましちゃま~

まいど、情景が浮かぶ日記で嬉しいです
ありがとう~

西郷さん・・・
忘れもしない、うんじゅうねんまえ(爆)。

そう、私ディナーショー観にいったのよ。
その頃の知人の旦那様が
某有名政治家の秘書さんなさっていて、その方が西郷さんの後援会の会長さんで~(笑)。

お金一銭も払わずおめかしして参加!
西郷さんはテーブルまできて話かけてくれました(←内容モチロン忘れたさ!)

あの時のこと忘れません!

って関係のないことカいてしまいました~
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予想以上によかった新派+團十郎の「鹿鳴館」 (ぴかちゅう)
2008-07-05 02:30:15
>遠くで拳銃の音。それは清原が命を絶った瞬間…。
劇団四季版では影山伯爵が飛田天骨にはっきりと清原の暗殺の指示を出していました。今回は明示する場面がなかったのですが、私は勝手に影山伯爵が嫉妬のあまり理性のタガをはずして暗殺させたと思っておりました。そういうノリで感想アップしてます(^^ゞ
冷たい男が嫉妬に支配された怖さを團十郎さんが身体中から発していたようで、圧倒されました。骨髄移植手術前の最後の舞台って覚悟を固めていらしたんでしょうね。あの気迫漲る舞台はそういうことだったかもと思ってしまった千穐楽のお姿でした。
ドナーになられる妹さんも事故がありませんように、團十郎さんもパワーアップして復活されますようにと祈っています。
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影山伯爵の好みは (どら猫)
2008-07-05 10:32:59
こんちわぁ
影山伯爵の好みは多分、日下さんが好きだろうと思います。まだ拝見してないから断定できないけど、絶対に素敵だと思います。
あとはTVで見た人では、田村正和も良かったかも。古いところでは芦田さんとかね。
影山伯爵は別に冷たい人じゃないと思うんだけどねぇ。使命感に支配されてるだけじゃないかなとも思ってしまうし。ホントは熱い人なんじゃないのかなぁ。
TBありがとう。こちらからもTBしました。
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影山伯爵・・・ (ミッチ)
2008-07-05 14:47:12
劇団四季の鹿鳴館は拝見しておりませんが・・
日下さんの伯爵はとても良いだろうな~と、予測できます。見られなくて残念でした。

ル・テアトルで・・?十年ぶりの元夫婦の共演、愛息子平岳大(清原の息子役)の舞台デビューで話題になった「鹿鳴館」は、佐久間良子の凛とした美しい朝子と、極めつけと思える平幹二郎のクールな伯爵像が印象的でした。

團十郎さんの影山伯爵はとても人間的な熱い情を心の奥に秘めた感じでした。
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♪♪♪ (かしまし娘)
2008-07-07 13:03:16
urasimaru様、まいど!
>團十郎さんの洋装、胸板が厚くてカッコいいですね!
なんだかクラっと来てしまいました。いつもの夏雄ちゃんじゃないんだもん♪
>直美さんと團十郎さん
WOOOOO!そのツーショットこそお宝じゃないっすか~。いいなぁぁ。


真あさちゃま、まいど!
ウゲエエエエ!生輝彦とっっ!!
しかも話しかけられた!!ドアップじゃん♪
しかもタダ!!!←ここが重要(笑)
お宝体験談じゃないですか~ぁぁぁあ!
こんなHAPPYなことはドンドン書キコして下さい♪


ぴかちゅう様、まいど!
四季版の内容はほぼ忘れました!アンサンブルにイライラしてたもんで(苦笑)
暗殺させたんですよね。あ、私の書き方が微妙ですね。っつうか自殺っぽく書いてますね。
相変わらずいい加減ですみません。
戯曲も全部は読みきれず、随分前に古本屋に売ったのですが、
これはいっちょキチンと読んでみないといけませんな…。


どら猫様、まいど!
日下武がオススメです!!!(笑)
以前、お正月にBSでOAしてましたよ。私は観てないのですが。
田村正和は観てないです。芦田伸介!良さそうですねぇ。
色々妄想してると、影山伯爵が好きになってしまいそうです(笑)
やっぱり内に秘めてるものは、ホットホットですよね。


ミッチ様、まいど!
オオ!そうですよ!日下武がオススメです!!!(笑)

>十年ぶりの元夫婦の共演
ああ!そういえばありましたね。
あの頃は全く興味が無かったのですが、商業演劇な出演者って。
でも今回、新派や西郷輝彦を観て、ビックな人達が奏でる舞台の楽しさが判りました。
今度どっかて演ったら突っ走りそうです。

団十郎版は、ホットさをちらつかせてましたね。
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日下さんに一票 (花梨)
2008-07-07 13:19:14
こんにちは。
私も四季版はいまひとつ…。
新派版の方が良かったです。
そして案外西郷さんがヒットでした。

でも影山伯爵は私も日下さんをおします!
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おほっ。 (ハヌル)
2008-07-07 15:29:01
鹿鳴館、観たことないくせにコメント失礼つかまつる。。。
イガ栗頭の愛ちゃんのおどおどぶりを想像するだけで
微笑んでしまいました。
右手と右足一緒に出てなかったですか(笑)
どんなエスコートぶりだったのか観たかったっすねー。

それと、やっぱり・・・ きたーーーーっ!ですね(苦笑)
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