アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

勧進帳と安宅

2005年10月31日 | 歌舞伎

2005年9・10月 歌舞伎チャンネル

安宅 (H14年11月)
野村四郎・宝生閑・松木崇俊・浅井文義・野村萬斎

能っていつも激しく爆睡するんで敬遠してるんだなぁ。だから、これ初めて!
山伏チーム総勢10名!!大大大迫力っっっ!!
能の方がシ~ンとしてると思ってたのに、こりゃぁビックリ玉手箱~!
パワー全開っ!臨場感たっぷりっ!
ギリシャ悲劇のコロスもそうだけど、人が集まると炎がメラメラ燃えるのね。
TV桟敷席もホット!!ホット!!

勧進帳 (S47年10月)
海老蔵(現・團十郎)・初世辰之助・吉右衛門

若さ爆発ー!ってやつかいな。これが…。
でも、全員で肺呼吸してるみたいで、観てるこっちが酸欠~。
そのくせ、テンポ無かったし!
高速で渋滞にひかかったみたいでイライラー!

彼らの父世代の方が、テンポあったんだよな。
息つく暇ないスリルとサスペンス!味わったんだけど…。

勧進帳 (H16年5月・市川海老蔵襲名披露公演)
團十郎・海老蔵・菊五郎

TV中継じゃなくナマで観た!観た!このキャスト!今となては貴重な体験っ。
あんまり期待してなかったわりに結構見応えあったのよ。
何がってこれ→ 『父VS息子』
海老蔵の富樫は、大きさは無いけれどクセの無い台詞で丁寧に演じてて、
彼なりのキャパで懸命に直球勝負!
それを受け止める團十郎の弁慶からは、
豪快さの中にも富樫を盛り立てようとする空気が流れているし、
それは二人の歴然とした実力の差を見るというより、
“親子愛”が見えますですねぇ。♪ああ愛あればこそ~♪(byベルばら)
“襲名披露”ですねぇ。

しかし、若者故でしょーか、台詞が時々現代劇のようになってしまうの。
サラサラと流れてリアルになってしまうのですよ。粒立たないのですよ。
これって年齢重ねると消えて行くものなのか?”蒙古斑”のよーに。

三津五郎 VS 海老蔵
親子愛が無くなって、海老蔵を包んでいたベールが消えた。ら…
あ~ら不思議。
ロボットみたいにカッチン、コッチン。
三津五郎は、黄金に輝く稲穂。風にユラユラ~。美しい~。
こうなっちゃったら、実力の差がクローズアップ!
臨時抜擢だし、アンサンブルなんて考えてねーよな。
っつーか、これでOKなんだヨ。”襲名”だしね。
わたしゃ、夏雄ちゃんの観ちゃったもんで、つまらんかったわけサ。

いっそのこと、弁慶をオールスターで揃えて、
日替わり出演させれば楽しめたのでは?(ちょっと思いついただけ…)

お次は、再びの團十郎VS海老蔵版
今年4月”醍醐寺薪歌舞伎”!

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


社会人のための歌舞伎入門 

2005年10月27日 | 歌舞伎

社会人のための歌舞伎入門 『貞操花鳥羽恋塚 (みさおのはなとばのこいづか)』
2005年10月 国立劇場

昨年12月から公演中に2回だけ催されている新しい企画。
一般公演より上演時間を短縮だいっ!
しかも、平日の午後7時開演だいっ!
料金も1階席が安いんだいっ!

2005年3月『本朝廿四孝』
テーマは美しき女形の世界へ

客層がクラシックコンサートのよう。
男性同士、OL多いし、オシャレな服だし。ここまで変わるものか~!

”高校生のための鑑賞入門”っぽいんでしょ。と高をくくってたら、
これがまさしく”社会人のための”であった!!。
砕けた言葉とか、アッと驚く趣向とか別に無いんだけど、
客席から男性2人が舞台に上がっての、女形の手解きに、場内は爆笑の渦っっ!
遂に、全員で演ってみた。
お姫様になったつもりで「お月さまが~」と言って、月をさす。
ククク。なんか可笑しいぃ。恥ずかしいぃ。

配られた冊子に気合が入ってて、ちょっとしたゴク薄の文庫本!
文字も大きいし、台本も掲載されている。
この充実は、「高校生」では味わえないっ!

クセになりそな『社会人のための歌舞伎入門』また行ってみた!
10月21日(金)
スペクタクル~大道具大仕掛け~も面白い

定式幕の色彩に「どこかのお茶漬けのよーですね」
と、若々しいトークは亀三郎。
ちょっと、無駄な言葉が多くて疲れたけどね。
喋る声はバリトン。歌舞伎声の時よりイイ~。

ギャァァァァァ~。、”セットの組建て作業ー!”。
目の前で見ていいのでしょーか。裏のお仕事っっ!!
しかもよ~。専門家はそれを”屋体を飾る”と言う。
イヤ~ン。ス・テ・キな御言葉じゃぁござんせんか。

小道具は下手に花を設置してトンテン、
大道具は畳になる板を置いてカンテン、
照明がチェックして、舞監が各場所を点検ー!
マジだ!マジ!マジ!カッチョイイ!みんな若いし~(見るところズレてるか?)

観客代表のカップルは、舞台をくまなく歩き(いいなぁ)
「自動です」と笑いを取る司会者と一緒に、襖を触り(ホントいいなぁ)
附打ちさんにピンスポも当たって、(ウォ~)
刀を持って見得をきる。バ~ッタリ。(キャ~)

女性 「静かだと思っていたけど、流れと動きがあることを知った」
男性 「眩しくて客席がよく見えないけど、拍手で大勢いることが判る」
という感想を残し、お土産貰って。チョン。
休憩20分。

サラリーマンも目立つ客席。若い男性グループの声が弾んでる!
「あれイイよ。司会の坂東亀、亀…」(正解は亀三郎)
約40分間で、虜になったらしい。ホクホク。

お次は歌舞伎観劇でぃ。
「雨月物語」で有名な、保元の乱(1156)で敗れ、
讃岐に流された崇徳院が魔界に入る話。

”全編”観てもチンプンカンプンと聞いたよ、これ。
今日は一部分だけ上演。45分間。いい長さじゃない~。

合方!鳴物!玉太郎の大立ち廻りで、掴みはOK!
崖下に崇徳院(松緑)の在所があるらしい。

舞台廻って(解説で見た!)セリあがると(これも!)、中央に庵出現っ。
上手には紅葉の木(こ、これも!)手折った(さっきも!)
差し金の浜千鳥!黒衣後見!波後見!
わ~い解説で見たもんばっかー。

こうなってくると、1つ1つに親近感湧いてくるー。
目と意識が、自然と行っちゃう自分が可笑しいー。
どれも、これも見知ってんのに、なんか惹きつけられちゃうー。
2学期最初の教室の中みたいに新鮮ですゥ。

崇徳院を追ってきた侍従(孝太郎)が、切々と…。
ちょっと退屈…。
娘役だけのダンスシーンみたいなもんだ。
迫力ないから、長いと飽きられちゃう。

崇徳院!赤ん坊の首切ったゼ!
コロリンと床に落ちたゼ、首っ!
イイゾ~南北しぇんしぇ~い。生誕250周年オメデトー。

そーして大魔王に変身だっっ。
雷鳴、稲光起こり、屋体崩しー!!ドドドドッッ!ダーンッッ!!

   √魔道に落ち入るその形相、不思議にも又、恐ろしき
崇徳 「見よ見よ、平家に、目にもの見せん。
     ハハ、ハハ、ハハ、ハハ、フハハハ…」
   ト、よろしく見得にて、

完全暗転っっっ!!ゲッッ!!歌舞伎じゃ有り得ねぇぇ。
非常口のライトも消えてる。嗚呼、消防法。
場内には鳴物が響くだけ。

パ~ッッと明るくなったと思ったら目の前にっっ!!
宙乗りの崇徳院っっっっっっ!!!
1階席のド真ん中っっ!!しかも、手が届く!超低空飛行!
WOOOOOOOー!!!
こんな所にいるとは!想定外っっ!前代未聞!奇想天外!
お釈迦様でも気がつくめぇ~。(byお富与三郎)

そんでよぉ、後ろに(舞台面)下がったでよぉ!バックしたでよぉ!
この遠近法はすっごいゾ~!!

”宙乗り”と言えば、澤瀉屋~!でもありゃ標準タイプだったんねぇ。
”筋違(すじか)い”って名前だから、
ただ、斜めに(下手から上手へ)渡るだけだと思ってた。
空間って実際、自由に使えるんだ。変幻自在だ。

天狗になった松緑っ。
真っ青な隈取で、ドングリお目めをギョロッと剥いて、
太ったお顔がこの役柄にピッタリっ!ぶっ返って!
ゴーゴー風を巻き起こして翔んでったー。
拍子幕

TVのニュースで、宙乗りの光景見たけど、
スペクタキュラーさは、ちっとも伝わってこなかった。
じぇんじぇん別物ー。映像は見なくてヨロシー。
劇場へ行こー。行こー。

 ☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


雀右衛門復帰!

2005年10月26日 | 歌舞伎

11日から休演していた雀右衛門が24日に復帰!

演劇はスポーツじゃないから、勝負がハッキリつかない。
料理番組の対決より、緩いよなー。
『実力』の採点基準は、種々雑多。
そーなの!『誰が、いつまで、演っても、良い』ってこと。

チームが優勝しなかったからって、原辰みたいに解任されたりしない。
不調だからって、引退したりしない。
定年ありませんから。一生俳優ですから。舞台の上で死ぬのが本望ですからー。

ジャッキーと同じ人間国宝。同じ85歳。狂言師・茂山千作
ピンシャンしてるよ。ちゃ~んと動いてるよ。声もデカイよ。イチバンおもろいよ。

それに比べたら、歌舞伎って楽チンな芸能なのね。
だって、ヨタヨタでもOKなんでしょ~。

公演数の違いは問題ではない。どんな条件下でも、
『舞台に穴をあけることは許されない』それが役者の鉄則っっ!!
チケット買ってるファンの為にもそれが当然っっ!!
『親の死にめに会えない』職業なんだゾっっ!!

野崎村」を掲載した時に、ジャッキーについてコメントを頂きました。
引窓」の時は、田之助についてコメントしました。

”高齢者が舞台に出る”
それは観客の「好みの問題。趣味の問題。」
だって、業界にボーダーラインないんでしょ。
じゃぁ我々は、個人で落とし前つけるしかないじゃない!

若手の学芸会も平気。
御曹司のお子チャマ達の発表会舞踊も平気。
舞台の上でチョロチョロするだけの愛娘でも平気で出しちゃう。

いやぁ、1歳から80代まで。
なんでも有りの芸能ですね~。
歌舞伎は全ての俳優ウェルカムですね~。

12月の文楽公演は、”高齢者部隊”が遠征して来ない!
「後輩に道を譲る」が建前で、「よー行かん」が本音では。
いや、少しでも長生きしてもらう為に、体力を温存しているのだ。
これも、高齢者対策の1つの方法。か。

”老人なのにあんなに元気!”ってのと、”危ないけどまだイケる!”ってぇの。
”かくしゃくとした美しさ”と”老弱な美しさ”。どちらがお好みでしょう?。

 ☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。

 



天網島時雨炬燵

2005年10月25日 | 文楽

2005年10月 芸術祭十月大歌舞伎・夜の部 「河庄」の続きの物語

2005年1月 国立文楽劇場

天網島時雨炬燵  ~紙屋内の段~

近松門左衛門の『心中天網島』を改作した、
近松半二の『心中紙屋治兵衛』を、更に一部増補したもの。

男を取合う遊女と女房。
辛気臭いっちゅうか、もひとつパッとせんっちゅうか、
正月に掛ける作品かいなぁ。

紙屋治兵衛宅。
治兵衛の前で、小春が他の男に身請されると噂する家人。
女房おさんの母もやってきて、
小春との縁切りの誓紙を書かせ、孫のお末を連れて帰る…。

心中穏やかでない治兵衛。
炬燵の中で泣いちゃう~。
女房は、まだ遊女に未練があるのか。と嘆く…。

ここ!ここ!歌舞伎の『時雨の炬燵』より、ジーンと来た。
なんだか可笑しいわね。
文楽の人形は無表情。
本当に涙流したりするわけじゃないのに。
寝ている夫を覗き込む妻の顔が、深い哀しみを湛えているようで…。
文楽って、観客ひとりひとりの気持ちで
人形が全く違う表情に見えているのかもっ…。

ところが、
おさんは小春の身請話を聞いて真青っ。
実は、小春の愛想尽かしは、
おさんが送った嘆願の手紙から起こったこと。
「身請けされて生きているはずがないっ!」
小春の為に150両!
おさんは、どーにかこーにか工面するのに必死!
家族の着物ぜーんぶ質に入れようとまでしちゃう。
でも、舅がやって来て、おさんを引っ張って帰っちゃった~。

ソ~ッと一部始終を見ていた遊女小春が物陰から出てきて、
治兵衛と小春。涙のツーショット。

暫くして、
姑に連れていかれた幼い娘お末が、白い着物姿で帰って来る。
よくよく見ると、着物におさんの字で書かれた長い文章が!

わたくし、首ガクガク言わせて寝ておりましたが、
ここでお目めがパッチリッ!

この幼子が健気なのさ~。
右からは治兵衛。左からは小春。
どっちも早く手紙を読みたいもんだからグイグイ引っ張るの~。
その度に、あっちへフラフラ。こっちへフラフラ。
人形だから、これまたダイナミックにヨタヨタするわけヨ。
カ…カワイソーだっっ!
相手は子供だゾっっ!大人っっ!落着けっっ!

おさんが書いたのは
「2人で夫婦になってね」ってこと。

治兵衛&小春がオイオイ泣いていると、
小春を身請けするはずの男がやってきた。
口論のうちに、お決まりの殺人事件へと発展。
このままじゃぁ、生きてはいけない…。
死に場所を求めて家を出て行く2人…。

当時は”男は世間が大切”。
その為に、妻は身を引いたのだ。といいます。
ウ~ム。それにしても、大人達のひとりよがりだと思う。
残された子供はどーなるんだ~。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


 


河庄

2005年10月24日 | 歌舞伎

2005年10月 芸術祭十月大歌舞伎・夜の部

心中天網島 (しんじゅうてんのあみじま)
玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)

妻子がいるのに、遊女を好きになる。
遊びならどうにかなるのに、本気なんだからどうにもならない。
取り交わした起請文が3年分。
信じらんな~い。そーとーきてるね。
ところが、突然、恋しい小春から切り出された♪はい、それま~で~よ♪(by植木等)
「別れる!そんな殺生な~」未練たらたらなんは男の方。
逆上して、ブスッと行きそうな治兵衛を止めたのが、小春の今日の客。
よくよく見れば、兄孫右衛門!
弟の恋人を見に来たんや。武士に変装までして!
親族に波風立てて、迷惑掛けて。何やってるんや!エエ歳こいだ男が~。
愛の証(起請文)を叩きつける治兵衛。
お~改心したのか?
兄は小春にもそーするようにお願いす…る…
ポロッ…と落ちたのは手紙。
それは、治兵衛の妻・おさんから届いたものだった。

兄の孫右衛門役は我當。
歌舞伎役者十三代目片岡仁左衛門」(映画)観てきたばっかりで、
”兄”。それは、我當が画面の中で果たしていた役割そのもの。
家族を見守り、サポートする姿は、この芝居と同じやわ。
でも丁寧過ぎか?。それは愛情の表れか?
鴈治郎との上方言葉に安定感があって、もーそれだけでホクホク。

丁稚役の壱太郎(翫雀の息子)あかんかったな。
関西弁難しいのよー。判るけど、”上方歌舞伎”背負っていくんやろ?
せめてアクセンは100%になってーな。
「間」はええわ。な。まだ考えんでえ~から。

ジャッキー小春は、俯いてジーッとしてんの。
眠ってんのか?起きてんのか?大丈夫かー?
思ってたら、翌日休演っ!
ヤレヤレ、眠ってたんやな…(ちゃいまんがな)

小春を身請けしたがってる男と友人役は、竹三郎と東蔵。
吉弥が逝ってしもうたから、これに耐えていかんならんのやな。
きついー。ホンマきついわー。(アカンって)
竹三郎は立派に三味線ベンベン言わせて笑らせてくれた。
ほんまは吉弥の方がオモロかったけどな…(言うたらアカンって)
東蔵は、しゃーないわな。
本人も「言葉が…」って自信なさげやし…。
嗚呼唇噛み締める…。(そやからアカンッて!)
コンビネーションガタガタやから、乗りがイマイチで、チャラ気た場面にならんっっ。
”独り坂東吉弥追悼”演目になってしもーた。ハ…ハ…ハ…。(ToT)(ToT)(ToT)
(10日観劇)

 物語の続きは「天網島時雨炬燵 ~紙屋内の段~」でどうぞ。

夜の部 「引窓」 「日高川入相花王」 「河庄」
昼の部 「廓三番叟」 「加賀見山旧錦絵

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


藤山直美、翔ぶ!

2005年10月23日 | 演劇

10月21日 NHK スタジオパークからこんにちは

素敵な着物姿で、ハイヒールのモモコから、やかましい(笑)
声援を受けながらスタジオ入した直美ちゃん。

しょっばなから、猿之助の話題。
とーぜん「スーパー喜劇狸御殿」へと話しは続き…。 

ギャーギャーギャー!ち、ち、宙乗りするって~!
誰って誰って、直美ちゃんヨ~!!
フォー!…じゃないウォー!!!
しかも、しかも猿弥と一緒!って、どんなん?

稽古場でも“直美喜劇”炸裂っっ。
あかん。こんなん見せんとって~。

1ヶ月間大阪公演やった後の東京やから、
爆発してるのは間違いない!
藤山直美と素敵な仲間たち」見た時は、そんな気ゼロ!やったのに、
しゃーない、行ったろーやないけ!!
2005年の最後は「笑い」で締めまっせ~!!

締めて来ました!こんなんでした!こちらからどーぞ
12月2日~25日 新橋演舞場

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。
 


日高川入相花王

2005年10月21日 | 歌舞伎

2005年10月 芸術祭十月大歌舞伎・夜の部

日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)

恋した男には許婚がいた!しかも一緒に去ってった!
有り得ねー!私のこと好きだって言ったじゃんかー!
こらー船頭こっち来ーい!船出せー!無視すんなー!
ちくしょー泣いてやるー!

√折しも春雨降りしきり、川の水音どうどうどう、
岸の蛇籠につっ立ち上がり、

清姫の顔が、一瞬鬼にッッ!ヒェッヒェッヒェ~ッ!!
ガブ!だよな人形だから。ガブ!ガブ! ※瞬時に表情が変わる首(かしら)の名称
こ~ふん!!文楽観た~い!

精神一到何事かならざらーん!せーの。ザッブ~ン!!
川を渡る清姫サマ。髪バッサバサーッ!
溺れ溺れてアップアップ。
いつの間にか、尻尾が生えてッ、ヘッヘビー!うねうね~。
顔は鬼に!人間に!鬼にッ!人間にッ!變面(へんめん)状態~。

渡りきって、柳に巻きつき、
金箔の鱗形模様に全身つつんで、見得ッ切りまッすッ。
顔は”人”なんだけど、1枚剥がすと”鬼”なんだーなー。
凄まじきは女の情念ー。

”人形振り”ダメ。ツボに納まらん。
人形みたいに、”無機質なグロ”にもなれないし、
狙い所がよ~判らんっちゃね。

主遣いの菊ちゃん。男に戻ったら髭が濃いぃの?
期待した玉三郎とのツーショットでのビジュアル度は低かった。
黒衣2人が付けてたリボンの方が気になる。
イヤホンガイドでも説明はなく…。未解決也。

玉三郎を人形遣い3人で持ち上げたの。軽くねヒョイッとね~。
加賀見山旧錦絵』の重~い菊五郎思い出して…。プ~。

玉三郎はビューティーonlyより、オドロオドロに変身する方が
2億4千万倍好きじゃー。♪エキゾチ~ックジャパン~♪(by郷ひろみ)
美から醜への変化にギョッ!!これぞ、虚構の劇空間~!
「鷺娘」より「藤娘」より「京鹿子娘道成寺」より
「紅葉狩」じゃ。「茨木」じゃ。「土蜘蛛」じゃ。「船弁慶」じゃー。

夜の部 「引窓」 「日高川入相花王」 「河庄
昼の部 「廓三番叟」 「加賀見山旧錦絵

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


藤山直美と素敵な仲間たち

2005年10月20日 | 演劇

2005年10月16日 BShi

「藤山」と言えば「寛美」と答える。これは関西人の常識でしょー。

藤山直美(ふじやま なおみ)
1958年12月28日生まれ
大阪市出身
故・藤山寛美氏の三女
大の王貞治ファン
市川猿之助のオッカケ歴何十年
映画「顔」で数々の賞を受賞

喜劇女優直美ちゃんのオモロくてマジなトーク! 
今回のゲストは春風亭小朝、田辺聖子

小朝とは芸談議
台本がつまらない時、公演期間中も稽古に稽古を重ねて改良してる。
そうしないとお客さんに失礼でしょう。
板の上で行ったことは、板でしか解決できない。
舞台上でのハプニングはありがたい。手ぬぐいをタオルって言ったりね。
その緊張感は舞台のダレを救ってくれる。

藤山直美ここにあり!
1年中舞台に立っている直美ちゃんの役者魂っ!
もうウルウルでございます~。

「上演中は他の仕事をいっさい入れない!」そう断言した直美ちゃん。
って~ことは、来年、NHKの“朝ドラ”主役(10月~)が決まってるから、
その期間中は舞台に出ないんやぁ。大変やぁ。
田辺聖子言うところの“桃色の靄(もや)と霞み”見つけに行かな。

ホンならとにかくこれ、観とかなあかんのか?
12月新橋演舞場 スーパー喜劇・狸御殿
でも、「タモリのジャポニカロゴス」(フジテレビ系)で春猿ちゃんを発見!
めっちゃ引いてもうた~。
やっぱり舞台でだけ見たいなぁ。「ヤマトタケル」で会いたいわ!
これ、パスやな。次は何?

「2006年2月新橋演舞場 ヨイショ!の神様」
でた~。いつものお友達と一緒…。
柄本明は大好きやねんけどな。勘三郎イヤやねん。
直美ちゃんごめん…。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。

 


引窓

2005年10月19日 | 歌舞伎

2005年10月 芸術祭十月大歌舞伎・夜の部

バカじゃん!!私!!
「引窓」も菊五郎だと出来が微妙だし、
②玉三郎の舞踊も、”人形振り”が嫌いだし。
③「河庄」は、はっきり言って文楽の方が好き。鴈治郎の鼻につまった声がダメ~。
ここまで、観なくてもいい条件が揃っているのに…。
これぞ「天守物語」(今月の歌舞伎ch)マジック!!
あれ観てたらwebに吸い寄せられたじぇ。
玉三郎観たくなったじぇ~。

『双蝶々曲輪日記 ふたつちょうちょうくるわにっき/引窓』

お幸が養子にやった息子(長五郎)が、殺人を犯し”一目母親に会いたい”とやって来た。
彼を捕らえようとするのは、同居している義理の息子(与兵衛)。
ひとつ屋根の下で鉢合わせか!
息子を逃がしたい親心を、言葉に出来ない母。
家族の情愛が、秋の十五夜・引窓・時の鐘をキーポイントに切々と描かれる。

な~んてね。これ何回観ても好きになれない!イラつく!
なのに上演回数多し!これ人気あんのか!?カリカリしてんの私だけか?

そんな時”通し”(H15・1国立劇場)で、目からウロコっつうより、棚からボタモチ気分!
イチから観たら楽しかったのタリラリラ~ン♪♪
私の脳ミソに、チャンピオンチームとしてインプットされたのが
富十郎・吉右衛門・吉之丞&歌昇~。

今回は、殺人犯の相撲取・長五郎が左団次。
準主役の厚みが足りん。スカスカ(体形じゃぁないよ)。
いつももっと脇席にいるから、あれが精一杯なの?
伸びたゴム風船みたい。ちゃんと膨らみなさいよー。(だから体形じゃぁないよ)

与兵衛の菊五郎は、世話物になりかけ。ギリギリセーフの崖っぷち。
それとも、”丸本”でも世話物だから、これが正統派なのか?
こののチームは、悪い意味じゃないんだけど、”軽い”ですわ…。

私ってば、古風がイイの。チームワークバッチリな方が好きなの。
天王寺屋&播磨屋チーム!タイトル防衛~!!

与兵 「南無三宝、夜があけた。身共が役目は夜の内ばかり、
     あくればすなわち放生会、生けるを放す所の法、
     恩に着ずとも、勝手にお行きゃれ。」
      トこれにて九ツの本釣鐘。
長五 「ヤア、アリャもう九ツ、」
与兵 「イヤ、明け六ツ、」
長五 「残る三ツは、」
与兵 「母への進上、」
長五 「重なる御恩は、」
与兵 「アイヤ、それ言わずにさらばさらば。」
      √別れてこそは。

夜の部 「引窓」 「日高川入相花王」 「河庄
昼の部 「廓三番叟」 「加賀見山旧錦絵

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


 


魚屋宗五郎

2005年10月15日 | 歌舞伎

2000年 9月 歌舞伎座
2005年10月 歌舞伎チャンネル

河竹黙阿弥:作
宗五郎:勘九郎/女房おはま・福ちゃん

昨年の夏「半七捕物帖」の中で勘九郎(現:勘三郎)らしさを観てから1年間、
何をとっても、どっからみても、全く面白くなかった勘九郎~。

忘れはせぬわ-ッ!!
師走の「籠釣瓶花街酔醒」<いけてね~>
春の「髪結新三」<いけてね~>
同「鰯売恋曳網」<いけてね~>
真夏の「四谷怪談」<全然いけてね~>

これだけ<いけてね~>が続くと、全く期待しなくなるってぇこと。
なもんで、こんな気持ちで見始めた。
「えぇぇぇぇ勘九郎けぇぇぇぇ」

ところがドッコイ。これが<いけてる~>!!

同じ物を、京都南座で去年の12月に、
菊五郎&田之助コンビで観た。
これがまた期待外れで…。

菊五郎って、黙阿弥作品は十八番だと思ってたのに。
宗五郎が徐々に酔っ払う処が眼目なのに。
<全然いけてなかった>んだな~。

なもんで、“勘九郎で面白いだろう。”なんてぇ事は、
露ほども思ってなかったんだな~。

TVで観た前進座の先代梅之助だっけ、
彼の宗五郎が面白かったから、

まさか、あの勘九郎でイイと思うなんて、考えてもいんかったんだな~(クドイ)

しかも、福ちゃんってば、初役とは思えない!!
ドンピシャッ!!
あたしゃ嬉しかったねン。<いけてる>二人を観れてサ。

宗五郎は妹が死んだことで、禁酒の誓いを破っちゃって、
ドンドンドンドン飲んじゃう。
止めようとする女房~。
このバトルがまたまた~。
“あ・うんの呼吸”ってこの事だったのね!

酔っぱらって殿様の屋敷に殴り込み、庭先で泥酔しちゃって
女房の膝枕で眠る宗五郎~。
この福ちゃんの膝枕が、色っぽくってね~。
ぜ~ッたいこのコンビ良いって!!

 


加賀見山旧錦絵

2005年10月14日 | 歌舞伎

加賀見山旧錦絵 (かがみやまこきょうのにしきえ)

2005年10月 
芸術祭十月大歌舞伎・昼の部

『骨寄せの岩藤(加賀見山再岩藤)』じゃないから、
じぇんじぇん期待しないで行ってみた。

姫のお気に入りが、格下の中老・尾上っつーのが気に入らない局・岩藤。
局 VS 中老
大奥」かー!岸田今日子のナレーションをど~ぞ(by元祖「大奥」)
その中老が、町娘の腰掛就職ってんでムカムカが沸点に達してる局!

尾上がある日、草履を岩藤の物と履き違えちゃったから、
さ~さ~さ~、ピンポイント攻撃開始っっ!!

草履でビシッッッバシッッッ叩かれちゃう~。
「どの口じゃ。この口か」
いたぶりを楽しんで喜んでる御方こそ岩藤。初役の菊五郎だぁぁぁ。
これぞ「「女忠臣蔵」と異名を取る所以なのでございまする。フフフ。
イイ!!イイ!!嫌らしければ嫌らしい程、玉三郎の可憐さ100万倍~!!
相乗効果バッチリチリッッ!!

女心の一筋に、また思い出す口惜し泪、
嵐をいとう陽炎の、翌日(あす)は我が身に消えて行く、
屠所の歩み、隙(ひま)ゆく羊の時雨にて、打ちつれてこそ。


公衆の面前で人間失格の烙印を押された尾上。身も心もボロボロ…。
草履を握り締め、ヨタヨタと力なく歩いて行く花道。
”尾上の難しさと見応え”(byイヤホンガイド園田栄治氏)

そーです。園田栄治氏担当!キャ~休憩中トイレい行けない~(笑)
先月に引き続き(『
忠臣蔵の鉢植』)
お声を聞けるとは嬉しやなぁ。

次の場まで、揚幕の内で誰とも口を聞かず、気持ちを持続させるとな。
乱れの合方。幕引きもゆっくり、淋しそうだ…。
歌舞伎っすねぇ。音も幕も盛り上げてるよ~。

いじめぬかれる玉三郎は、「宮廷女官チャングムの誓い」(by韓国ドラマ)のよーだ。
でも、チャングムの様に打たれ強くはなかった…。

文箱を、忠実な召使・お初(菊之助)に親もとへ持って行かせる。
夜道を中間と歩くお初。
その中間はねー。團十郎門下の市川新次。
(夏雄ちゃんご機嫌如何でいらしゃいますか)
今月は名題昇進のお披露目!”六代目市川新蔵”と改名。オメデトー!
2001年の「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」で眼に飛び込んできた。
ちょいとイイ男なのよん。

烏は啼くは、鼻緒は切れるは。OH!MY GOD!
縁起の悪いことばかり言う中間を追い払い、先を急いでいると、
悪者に遭遇~!出た~!だんまりっっ!!
もみ合っちゃって文箱がパカッ!開いちゃったヨ。
そこには!…ぞ、草履がぁぁぁ。
ご主人さまぁぁ。…ああ、まさか。
しか~し、お初が戻った時は既に遅し。尾上は自刃して果てていた…。
復讐の鬼と化したお初!!なめたらいかんぜよ~!!(by鬼龍院花子の生涯)

奥庭仕返しの場
“仕返し”ってネーミングが単刀直入でヨイ。
岩藤を部屋へ誘き寄せようとするお初。
敵も然るもの「持病の頭痛が…」と嘘っぽい言い訳。

お初 「その頭痛には私がよい守を持っておりまする」
岩藤 「シテ、その守というのは」
お初 「すなわち、これでござりまする」

岩藤の頭に怨念こもった草履を載せて!ゴング鳴ったゾ~。
女同士の一騎打ちっ!

立ち廻りの最中に、岩藤の手がブラ~リブラブラ~。瞳はドロ~リドロドロ~。
これよ!これが『骨寄せの岩藤』に繋がっておるのじゃわい。
やれ、やれ、やってくれぇぇぇ。音羽屋~!!

お初は岩藤をぶった斬り!見事仇をとりました。
死体となった岩藤を、腰元達が運び出す。
んだけど、ヨロけて…場内爆笑ー!!
楽屋で「旦那!」って平伏して謝るんだろーなー。
「俺こそ重くて」なんて言わないよなー音羽屋。ハハハ~。

岩藤の陰謀も露見し、お初は”2代目尾上”の名を拝領。
お家騒動も一段落。めでたし。めでたし。
…でも、岩藤の怨念がぁ。人を呪わば穴二つ。
ああ~話は続かないのかぁぁ。

3階席でハプニング!!
あまり長いこと花道で演技してるからって、
3階A席の4列目あたりで女が中腰に立って!双眼鏡あてて必死!
その後ろの列は騒然っっ!(あたりまえだ~)
脇の西にいた係員がスッ飛んできて注意。
…したのに、今度は横の女と2人で中腰にっっ!(増えてどーする)
遂に、後ろの方のおじさんが「立っちゃいけないんだよ!」(心で拍手~)
中年のおばちゃんってッ!!ズーズーしいにも程があるッ!!
いーかげんにしろッ!!
劇場は皆で創る空間なんだ。ルールを守らないなら観に来る資格なしッ!!

廓三番叟
『加賀見山旧錦絵』の前に、22分間の舞踊があったのね。
アヒル歩きでサッサッと進む後見たちは見事でありましたが、
芝雀・亀ちゃん・翫雀はオーラ不足か、バランス取れてるのか微妙~。
こんな半端なもの演らないで、
『加賀見山旧錦絵』の序幕”花見”観たかったよな~。
明治の中期までは必ず出たらしいヨ。
な~んてね。文楽で観たときゃ爆睡したんだけど~。

夜の部 「
引窓」 「日高川入相花王」 「河庄
昼の部 「廓三番叟」「加賀見山旧錦絵」

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


天守物語

2005年10月13日 | 歌舞伎

1999年 3月 歌舞伎座
2005年10月 歌舞伎チャンネル

泉鏡花を体現する。
骨格(戯曲)が揺るぎないものであっても、
肉付け(上演)するのはスーパーE難度!!

播州姫路。誰もよりつかぬ白鷺城の天守閣に住む富姫。
猪苗代から来た妹の亀姫と手毬で遊んだ日の夜。
図書之助という若侍が、戻ってこない鷹を探しにやってきた…。


歌舞伎座の舞台空間を、ここまで変えられるこの作品はいったい!?
“晩秋。日没前より深更にいたる“その暗転の、廻り舞台の、
スッポンの使い方たるや、いやはや驚き。
なるほど、あそこから昇ってくると、まさに舞台はお天守なのでありました。

天守の五重。正面には大きな獅子頭。手前で侍女五人。
桔梗、女郎花、萩、葛、撫子、苧環の糸を垂らして秋草を釣っている。
ユラユラと舞う差し金の蝶達。
女童―合唱― 
♪ここはどこの細道じゃ、天神様の細道じゃ、細道じゃ、♪


1985年に真田広之と日生劇場で。
1995年に映画化。モチロン松竹で。
台詞回しも映画では、皆それっぽく(歌舞伎っぽく)喋っていましたが、
脇の重鎮南美江と島田正吾は別格。
玉さまワールドと同化できるのは、やはり技を持ったあの世代だけなのでしょう。
1999年いざ!歌舞伎座へ凱旋~。

「玉三郎は歌舞伎で天守物語をやりたかったんだろうね」とは友人の弁。
それで一層、泉鏡花の世界が広がって奥深くなったと思う。
鏡花と玉さまが織り成す耽美な耽美な世界が、劇場を包み込んだのでした。
もうあの世界に入ったまま、この世に戻って来れなくてもイイ~。クラクラ~。

時に閃電す(略)階子の上より、まず水色の衣の褄、裳を引く。
すぐに蓑を被ぎたつ姿見ゆ。
長なす黒髪、片手に竹笠、半ば面を蔽いたる美しく気高き貴女、天守夫人、富姫。
(その姿に舞い縋る蝶々の三つ二つを、蓑を開いて片袖に受く)
「出迎えかい、御苦労だね。(蝶に云う)」

玉さまの御声は“琥珀”。静かに美しい。
御姿は華やか。だけど媚びてない。
映画では、気がつかなかったけど、玉さまは滑るように歩いていた…。
いつ息継ぎしてるか解らんリズムで喋ってるし…。
「ああ、人間じゃない」心底思わせてくれるんだなぁ。

玉さまの“妖艶”に対して、亀姫役の菊之助は“妖美”。
映画の宮沢りえでは感じられなかった、「人の首もペロッと食べちゃうんだろうな」
と思わせる雰囲気をたたえておりました。そういう意味で不気味さは充分。
富姫へのお土産は生首だしね。フフ…。

左團次は映画の通りダミ声でよい味だ。「ぼろぼん、ぼろぼん」ってステキ~。
舌長姥(吉之丞)が舌なめずりする首をどうするか。
と思いきや、しっかり舞台中央に設置。でもって舌も伸びてた。いいねぇ。

こんな世界、解る人にはとことん!!!
だけど、そうじゃない人には、とことん???。

図書之助役の新之助(現・海老蔵)の凛々しさは、
富姫に「ああ、爽やかなお心、そして貴方はお勇ましい」とまで言わせるのよ~ん。

惹かれあう2人に危機が!武士達が天守にやってきて大暴れー!
獅子の目を潰してしまう。同時に、2人の目の前も真っ暗に…。

それからの図書之助と富姫はステキ度アップ!!
2人はいつも手と手を繋いでるの。
まこと普段の歌舞伎ではあり得ねぇ~。2人の愛を感じて胸キュンだ。

新之助なんてズ~ッと玉さま見てて、本当に恋してしまわないかしらん…。
菊ちゃんも「お可愛い。」なんて頬すり寄せられたら、
本気で嬉しくならないかなしらん…。
なんてぇバカなことまでを考えてしまうわけさ~。

生首を放り投げ、人間どもを追い散らしたものの、眼が見えない。
図書「せめて、その、ものをおっしゃる、貴方の、
   
ほのかな、口許だけでも、見えたならば。」
夫人「貴方の睫毛一筋なりと。」(声を立ててともに泣く。)
―待て、泣くな泣くな。―
彫り師が出てきて獅子の眼を直してくれるので、
2人の瞳も開いた。あ~めでたし。めでたし。

彫り師が急に登場。
(・・?
そりゃ~羽左衛門が出るためでしょ(^_-)-☆
いーのヨ、いいの。
このてを理詰めで消化できると思ったら大~間違いヨ。
感性よ。感覚よ。雰囲気よー♪♪
ということで、期待にそぐわぬ。いーえ、至高の傑作!!
こりゃぁ1等席で観てヨカッタ~♪♪

生写真は、初日開けて1週間ではまだ販売されておらず、ホッとした。
あったら『天守物語』シリーズ全て購入してしまいそーでしょー。
そりゃ危ないでしょー。でしょー。「演劇界」で我慢しておこー。

資金不足で二度とはお目にかかれぬ…。ど~すりゃいいのサ…。
胸バクバクで、歌舞伎座の夜は更けて行ったのでありました。

あれから6年。“
富姫の衣装新調”って玉さま。
鏡花+玉三郎=耽美の方程式再び!!でございましょーや。

10月歌舞伎ch 野崎村」 「米百俵」 「魚屋宗五郎」 「狐狸狐狸ばなし
          「
怪談乳房榎

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。 


雀右衛門休演

2005年10月12日 | 歌舞伎

雀右衛門休演!やられましたぁ。
『河庄』観ちゃったんだよね。
んでもって、「力出せよ~ジャッキー」
そう思ったんだよねぇ。
その翌日だよぉ。
ジャッキーも腰痛で痛いだろうけど、こっちもアイタタタタ~。
何故って代役が翫雀だから。

私のツボに、はまったこと無い人なんだけど、このシチュエイションは興味あり。
”成駒屋親子3代”だもん。
しかも、やっと”上方系取り揃え”(東蔵はちょっと置いといて)。

舞台の上では、皆ドキドキ。
翫雀の小春は初役じゃないし、相手役の治兵衛も演ってるから無問題(モウマンタイ)。
そう思いつつも、お客のみならず出演者も彼に注目してしまう。
彼は小春を一心不乱に演じる。
初日、い~え、それ以上の、ただならぬ緊張感が舞台を包み込み、
相手役の鴈治郎や我當たちも、翫雀の息使いや視線を自然体で受け止める。
そこに、前日までとは違う”間”や、心情が生まれるの。
物凄くリアリティのある芝居になります。
その劇空間は1日限りっ!
いいねぇ、昨日のお客さんメッチャお得やんっ!

ジャッキーは、
三日御定法
(初日から3日間はどんな手直し、どんな不手際があってもご勘弁を)
はなく、ほぼ全日御定法化してるんだろうけど、
二ヶ月立て続けに出演。っつうのはまずいんじゃないかな。
今年に入って2度めの休演?…。
「休演は、なにもジャッキーだけに限らない。」って興行側は思ってるのかもしんないけど。
「すぐに復帰すっからさ。」「代役もスリリングでしょ。」って感じかもしんないけど…。
一ヶ月間出勤してなんぼ。やからねぇ俳優も。
俳優の「演れる度」をチェックする。これも興行主の仕事ちゃうかな。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。


ジゼル  ~能とバレエによる~

2005年10月11日 | 狂言・能・浪曲・雅楽

2005年10月1日 新国立劇場オペラ劇場

第1部:記念式典
平成17年度(第60回記念)文化庁芸術祭オープニング

『芸術祭参加作品』って、歌舞伎とか宝塚で必ずこの季節にみる文字。
こんな所で式典に出会うとは!

終戦直後のS21年が第1回。国の予算はゼロ。
文化人、芸術人が持ち寄ったんだと!
う~む…。それから60年。

森下洋子、中村鴈治郎(坂田藤十郎襲名披露今から楽しみ)
両名から一言。日本の芸術を海外に広めてきた2人。
なんだかオーラ有る有る~。

第2部:芸術祭オープニング
「ジゼル」
村娘ジゼルと恋仲になった青年アルベルト(アルブレヒト)は実は貴族。
許婚までいたとは…。絶望の淵で息絶えたジゼル。
後悔の念にかられたアルベルトは、夜の森に入りジゼルの墓に参る。
森の精ウィリに襲われるアルベルト。そこへ現れたジゼルが彼をかばうのだった…。

新作能「ジゼル」
初めからホール版として創作された!なんと画期的!
音の響きがきつかったけど、
照明で橋掛かりを作る工夫もあって、
プロセニアムの中の能も味なもんだわ。
幽玄世界たっぷり! 

バレエ「ジゼル 第2幕」
オーケストラピット(オケピね!)
から聞こえる音合わせ。気持ちイイもんです♪
こちらは本家本元、クラシックバレエ。
コールドバレエの、コツコツというトウシューズの音がたまらない~♪

「SWAN」読みてぇぇぇ。(by有吉京子作のマンガ)♪
最近「SWAN MAGAZINE2005秋号(平凡社)」
ってのが出たのよね。

やっぱり芸術の秋だわ~。いいわ~。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。

 


里見浩太朗 芸能生活50周年特別公演

2005年10月09日 | 演劇
第1部 新選組余聞「花かんざし」

縮緬問屋の御隠居には見えない、
いつまでも若~い里見浩太朗。(by水戸黄門)

近藤勇が池田屋で斬った男の家族に、
朝敵として追われる立場にありながら、危険を承知で尋ねて行く。

前半の男臭い世界から一転、情の世界へ。

さすが時代劇スター!
ラストは泣かせてくれる~。

2部はショータイム!

紫とも(元ヅカ娘役トップ)!まぁ相変わらずキュートだヨ。
新田純一がお相手。

口上ありトークあり。
里見浩太朗、我が半生を歌で綴っちゃう

モダンタイムスから軍歌、よさこいソーラン2005!?
ヒァ~!!
アッパレなサービス精神!!
ファンはたまら~ん。

それでも暗雲垂れ込むこの業界…。
客層は高齢化、杉サマは座長公演におさらば、
黒字に出来るのは氷川きよし!マツケン…だけにござりまする。

でもネ♪人生楽ありゃ苦もあるさ♪
里見浩太朗は春の雲のような人。
そのおおらかさで、杉サマと“Wトップ座長公演”なんて如何でしょうか。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。