アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

新派 婦系図

2008年06月24日 | 新派


新橋演舞場      6/14(土)  

新派初体験っっ!!

団体客が沢山いるからかな。
のんびりゆっくりモードな客席。
もしや、これが新派の雰囲気なのかしらん。

婦系図(おんなけいず)
 泉 鏡花/作

「波乃!」
WOOO!やっぱり大向こうがいるんだ。
いいねぇ。

早瀬主税(片岡仁左衛門)と
お蔦(波乃久里子)はラヴラヴ♪

お蔦がスっと主税の膝に手を置くと、
何気に主税が、その手に手を重ねる。
それだけで、2人の愛モードが
ビュンビュンこっちに飛んでくる。
♪ア~チ~チ~ア~チ~♪(by郷ひろみ)

QOO~
歌舞伎だろうが、新派だろうが
仁左衛門が醸し出す、その空気にクラクラ~。

恩師のお嬢さん(紅貴代)がやってくると、
身体を小さくして隠れるお蔦。
内緒の生活なんだね。

そのお嬢さんの縁談相手。
これがね~。この一家がね~。後々ね~。

恩師・酒井俊蔵(安井昌二)に
お蔦とのことがバレちゃった。
「女を捨てるか、俺を捨てるか」厳しい一言。

ところが、
この場面でプロンプが飛んで飛んで。
何度同じ台詞を後ろから言ってもらっても、
続けられない安井…。
その間、
水谷八重子&仁左衛門はオブシェのまま。

ついに違う台詞を言い出した…っぽかった。
だって、
話しが進んだら、その長台詞がまた出てきたもん。
アララ…。

とにもかくにも、主税はお蔦を捨てる!

なんでやねん。
元は芸者だから恩師に嫌われたってことなんだよね…。
それならなんとか、
彼女のステキさを見てもらったりしよ~!って
そんな努力は無いのかいな。

これが師弟というものなのかも。
しかし、この固い絆がよう判らん。
後で解明されるのかなー。

ある日たまたま、
スリの手助けをした形になっちゃった主税。
そいつが新聞沙汰になって退職ー。

湯島の境内で、そのスリにバッタリ会っちった。
主税も元はスリ!
でも恩師のおかげでまともな人間に!
その経緯を語る。
な~るほど。そういう深い繋がりだったのか。

実は、
主税はお蔦と2人でやって来てたのさ。
揃って外出っつうのが、めっちゃくちゃ嬉しいお蔦。

この後、悲劇の告白が待っているなんて、
思ってもいないよなぁ…。

お蔦が1人で、
不忍池の方に行ってくるって。
「でも、暗くて恐いから坂の上から見てて下さい」
そう言うんだよ。キャワイィ~♪

その坂は、女坂かな?
湯島天神には何度か行ったことがあるんだけど、
新派の記念碑が立ってるんだよね。
今度それ見たら、胸にこみあげるもんがありそう → 湯島天神


「切れるの別れるのって、そんな事は芸者の時に言うことよ。
今の私には死ねと言ってください」

来た~!これだ~!名台詞だ~。
初めてナマで聞いたよぉ。
もし私だったら本当に死んじゃうかも…。

でもね
「髪結いの仕事でもしようかしら…」
そう乾いた声で言ってんのよ。お蔦ったら。
健気じゃんかぁぁ。

「一緒に帰ろう」
「帰れるんですか」
「このまま八丁堀に行くつもりだったのか…。
我儘を言ってくれ」
「じゃあ、手を繋いで下さい」

ああ、手と手が…。
膝をついて崩れ落ちるお蔦。
咄嗟に抱きしめる主税ー。
ウエ~ン…。鼻水ズルズル~

ちょっと歌舞伎の型っぽい所もあって、
サラ~リと物語が走らないって感じが、
新派の芝居なんだな。
初めて味わうよ、このテンポ。このムード。

何もかも失った主税は静岡に帰る。
密かに駅へ見送りに来るお蔦。
…でも、2人が再会。
という展開じゃぁないんだな。

恩師の娘・妙子を、
いやらし~い婚約者から、
身体を張って守り抜く。
そんなお蔦の心意気にジ~ン…。

主税が静岡で、
ドイツ語塾を始めたんだって。

何やってる人かと思ってたら、
そ~だったっすか。ドイツ語学者ね。

半年後ー
髪結いの家で暮らすお蔦は
ヨロヨロのボロボロ…。
グワ~。おもいっきり病人じゃんかぁ。

妙子がお見舞いに来たら
お蔦の芸者仲間・小芳(水谷八重子)が動揺。
実は、妙子の本当の母親だった。

日陰に生きる女の悲しみを、しみじみ語る2人。
でもジメっとしてないのよねぇ。
突き抜けた感じがイイなぁ。

着物姿もピッタリ馴染んでるし、
その時代の空気も纏ってる感じ。
こういう雰囲気は、新派でしか出ないのかも。

静岡では、
妙子の婚約者の高慢ちきな一家を、
ケチョンケチョンにやっつけた主税。
不倫をばらしてやったら、もう大変なのさ。

そんな時、一通の電報が
「ツタ キトク スグカエレ」

息も絶え々のお蔦ー。
「俺を早瀬だと思って何でも言ってくれ」
恩師酒井はそう叫ぶ!

くっそ~!何もかもお前のせいじゃんか!
ってな事は思ってないんだな、お蔦は…。

「(先生が)会ってもイイって言ったわ」
お蔦の首がガクンと…。
トントントンッッ
階段を荒々しく上る音。
「お蔦!」

ウヲォォォ~ン
泣くぅ泣くぅ泣いちったよぉぉお
胸が痛いよぉぉお

師匠の一言を裏切ることなど、
思いもしなかったこの2人。
清く正しく美しくなのだぁああ。

主税はこの後も、
歯を食いしばって生きていくんだろうな…。

小唄・長唄・清元・義太夫
情景描写をしっとりと聞かせてくれた。

 新派とは旧派(歌舞伎)に対する言葉で、
 明治に生まれた新演劇。今年で120年。

これで、”新国劇”も健在だったら
日本の演劇界ってすっげぇ面白かったのに。
残念…。

それにしても、
泉鏡花ってキャパシティが広い。

天守物語』とか、夜叉ヶ池海神別荘
おどろおどろチックなあっち系作家かとおもいきや、
『歌行燈』『日本橋』『滝の白糸』だもんね。

「歌行燈」の映画は忘れられないよ。
花柳章太郎・山田五十鈴(1943年/成瀬巳喜男監督)
「日本橋」は、玉三郎のを歌舞伎chで観たことが。
ストーリーは記憶に無いけど(コラコラ)
「滝の白糸」観てみたいなぁ。…仁左衛門が出れば(おいおい)

休日だったけど、2階の脇席が空いてた…。
満員御礼って難しいんだな。

篠山紀信を2階のロビーで観掛けて
安蘭けいの”和楽”撮影秘話」
おもわず聞いてみたくなったじぇ。(アホか)

そういえば、
仁左衛門って歌舞伎座と掛け持ちなんだね!
演舞場から歩くのか、走るのか…(遭遇してみたい)

夜は、花子にデレデレしちゃって、
山の神に叱られるんだな(by身替座禅)ハハハ
観に行かないけど…(ごめんね松嶋屋)

こちらもどうぞ → 名台詞の紹介  記者発表会

6/6~29 新橋演舞場
 新派公演 婦系図 鹿鳴館
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気軽に声をかけてみたい(妄想) (よんたん)
2008-06-24 10:15:03
かしまし娘さま、まいど!


演舞場から歩くのか、走るのか…(遭遇してみたい)


遭遇してみたいです、私も。
そして出来れば
「やあ!今から歌舞伎座?おつかれ~」
なんて気軽に声かけてみたい。
絶対無理ですが(笑)
返信する
伴走する(妄想) (かしまし娘)
2008-06-24 11:27:43
よんたん様、まいど!
私は襷掛けで伴走する!!
沿道で応援してね(笑)
返信する
湯島天神 (やたけたの熊)
2008-06-24 12:33:18
先週、湯島天神に足を運びました。男坂を上がって、すこし行くと「新派の碑」がありました。「婦系図の碑」は・・・?でした。
湯島天神は、なんとなく色っぽい神社ですね。

>何度同じ台詞を後ろから言ってもらっても、
続けられない安井…。その間、水谷八重子&仁左衛門はオブシェのまま。

これを読んで思わず噴きましたが、ひどいですねえ。
そうそう歌舞伎座で、ある大物役者が台詞を忘れてプロンプターの声が3階席まで聞こえたことがありました(笑)。

(追伸)4周年突入おめでとうございます!

返信する
わたしも (メグ)
2008-06-24 12:36:38
14日に私も演舞場に観に行ってたんですよ。酒井先生の台詞のとちりはらはらしました。お二人は何事も無かったように受け答え後でお蕎麦が配られたのかしら
仁座衛門さんの台詞20年以上もまえと変わらずおんこ朗々やはり芸の力でしょうか?「日本橋」玉三郎さんと今度は久里子さんで観てみたいですね。
返信する
♪♪♪ (かしまし娘)
2008-06-24 13:17:29
やたけたの熊様、まいど!
そうでした。「新派の碑」でした。失礼しました。
「泉鏡花の筆塚」もあるそうです。今度探してみよっと。
え、色っぽいですか。ああ、周りの建物がでしょ。この話題引っ張らなくていいですよ(笑)

歌舞伎座では、プロンプは沢山飛びます。
勿論3階席にキチンと届きます。もう慣れました(苦笑)
でも、先日のはちょっとひどかったもんで…。

>4周年突入おめでとうございます!
ありがとうございます。


メグ様、まいど!
ひぇええ!いらっしゃいましたか!あそこに!
プロンプに、「え」とか「ふむ」とか返事してるわりに、続かなかったもんで…。
しまいには、一緒に出てる2人がなんとか出来んのか!って思い始めちゃって(苦笑)

>20年以上もまえと変わらず
仁左衛門の主税をそんな前にもご覧になってるんですね!

「日本橋」って女2人が出てくる物語でしたっけ…。完全に忘れた。
勉強し直してきます(おいおい)
なんか、メグさんの期待にいっつも答えられないな~。すんません。
以前、「御所五郎蔵」の時もこんなコメントをやり取りをしたよ~な。
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新派 (みゆみゆ)
2008-06-24 22:25:17
こんにちは。
体調不良だったものの、最後はしっかり泣いてしまいました(笑)
私も歌舞伎座をはしご(幕見)するつもりでしたが断念・・・。
演舞場と歌舞伎座をはしごする役者さんとかって人力車で移動・・・というのを聞いたことがありましたが、今回はどうなんでしょうね?!
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仁左さま・・ (しろう)
2008-06-25 01:40:32
ああ・・すっごく観たくなってしまいました(涙)
お江戸はいいですねえ。
あっちでもこっちでも仁左さま・・。
そういう名古屋も、あっちに愛ちゃん、こっちに
タケルと負けてはいませんでしたが。
仁左さまには、来月松竹座でお目にかかります。
八汐と仁木弾正どろろ・・です。楽しみ~!
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♪♪♪ (かしまし娘)
2008-06-25 11:07:35
みゆみゆ様、まいど!
歌舞伎より少し短い上演時間でしたが、やっぱり体力は必要で、
そういう時は辛いですよね…。
その後、元気モリモリに回復なさいましたか?
OH!仁左衛門の人力車姿か。カッチョイイ♪(笑)


しろう様、まいど!
キャ~~~!!Wタケ元気ですか!?もうすぐ楽日ですね。
仁左衛門の八汐を愛してやまないのに、何故に私は行かないの?
も~7月の松竹座は、しろうさんに御任せ!私の分も楽しんで来て下さい♪
わたしぁ文楽とヅカに走るよ(コラコラ!)
返信する
遭遇したら・・・ (ハヌル)
2008-06-25 12:02:33
>演舞場から歩くのか、走るのか…(遭遇してみたい)
遭遇したら・・・想像するだけでもドキドキしちゃう~。
でも、やっぱし、さすがに車でしょう。
個人的には自転車チャリチャリ~で颯爽と行って欲しいけど(笑)

って、内容にでなく、どこに反応してんねん!(ゴメンなさい)
そう言えば今日は「鹿鳴館」のゲストが与一さんと愛ちゃんでしたねー。
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とんでもない (めぐ)
2008-06-25 13:05:07
かしまし娘さんお気遣い頂いて 有り難う御座います。皆さんの話の輪の中にいれて貰えるだけでとても嬉しいです。宝塚も寿美花代さん、故里明美さん、淀かおるさん、明石照子さん達がトップをつとめていた頃に劇場に通ったクチです。昔も今も変わってないなーとおもっています。これからもお仲間に加えてください。
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